カール・シュミット
大航海時代到来によって欧州経済の中心が地中海沿岸から大西洋沿岸に推移するまで、(ミラノを中心とする)イタリア北部や(フィレンツェを中心とする)イタリア中部とフランドル地方は並列的に発展してきた。 その歴史はどちらも都市の興亡によって彩られて…
カール・シュミットの「敵友理論」は、実際の歴史上においては勝利より自滅をもたらす事が多かった。 もしかしたらそれはキリスト教国教化によって文明人と蛮族の境界線を引こうとした帝政ローマ末期のイデオロギーの亡霊で、今日なおそれは定期的に生贄が捧…
カール・シュミットの敵友理論は以下の様な応用も効くのか… カールシュミットは、マキャベリの系譜を引いています。 マキャベリと言っても、彼が主張したのは、目的のためなら手段を選ばず何でもやっていい、ということが一番意義深いことではなくて、政治を…
スイスの文化史学者ブルクハルトや共産主義者マルクスが望んでいたのは、あくまで「神聖ローマ帝国の打倒」であって「分裂による拡散」ではなかったという。 とどのつまり時代的制約から「アレキサンダー大王の偉業」とか「帝政ローマの栄光」からそれほど脱…
ソフィアコンサルティング 行動変革と自立性強化 悪の華 (新潮文庫) posted with ヨメレバ ボードレール 新潮社 1953-11-03 Amazon Kindle 「近代詩の父」ボードレールがは決して生前発表した唯一の詩集「悪の華(Les Fleurs du mal、初版1857年、禁断詩を削…
現時点における私の立ち位置。思うよりウィリアム・H. マクニール「ヴェネツィア 東西ヨーロッパのかなめ 1081-1797(Venice: the Hinge of Europe, 1081-1797、1974年)」に負う部分が大きい。 レオナルド・ダ・ヴィンチが描いた大量の解剖図デッサン画 : …
人間は自己分析の結果、何が悪か認識するとまず真っ先にそれを対立陣営に投影しようとする。まさしくカール・シュミットの「友敵理論」そのもの。
欧州には伝統的に「権力は悪」とする立場と「経済は悪」とする立場の対立がある。その背景として、貨幣経済浸透に伴う価格革命(インフレ進行に伴うランティエ(rentier、地税生活者)階層の没落)の皺寄せが庶民にいった事が挙げられる。 一方、江戸幕藩体…
ハプスブルグ帝国に組み込まれる事を拒絶して独立したスイスの文化史学者ブルクハルト(Carl Jacob Christoph Burckhardt,1818年~1897年)は、シスマ(Schisma、教会分裂)期(1378年~1417年)に領主化した教皇とその背後でのボルジア家やメディチ家の暗躍…
欧米的合理主義はイタリアから始まった。 しかし19世紀スイスの文化史学者ブルクハルトは「イタリア・ルネサンスの文化(Die Kultur der Renaissance in Italien, ein Versuch、1860年)」の結語で、こうした考え方の登場は、当初むしろ当時の信仰深い人々を…