諸概念の迷宮(Things got frantic)

歴史とは何か。それは「専有(occupation)=自由(liberty)」と「消費(demand)=生産(Supply)」と「実証主義(positivism)=権威主義(Authoritarianism)」「敵友主義=適応主義(Snobbism)」を巡る虚々実々の駆け引きの積み重ねではなかったか。その部分だけ抽出して並べると、一体どんな歴史観が浮かび上がってくるのか。はてさて全体像はどうなるやら。

ズートピア(Zootopia)見てきました。そして日本型バレンタインについて改めて考察を深めました。

ズートピア(Zootopia)鑑賞してきました。サントラまで買ってしまいました…

ディズニーは過去庶民が好むステレオタイプ的決めつけに便乗する形で売り上げを伸ばしてきたが、ここへきてその過程で積み重ねてきた罪への反省をも売り物にする様になってきた」という指摘が鋭い。Poritical Correctを正解とみなさない強さ。実は寓話としてこの方面に最初に切り込んだのは手塚治虫の「ジャングル大帝(1950年〜1954年)」ともされるけど、あえてその時出された結論を超越しようという試みが素晴らしいのですね。

このサイトの基本コンセプトは「究極の自由主義は専制の徹底によってのみ達成される」なるジレンマにどう対処するかという話なので、オバマ大統領の広島スピーチとかこの作品に見られる様な「確かに現実世界の本質は互いに偏見を抱えた多様な集団同士の殲滅戦に過ぎないのかもしれない。でも、だからといってそれを克服しようという努力まで放棄したら滅びへの道が不可避となるだけだ」というスタンスには無条件で脱帽します。それにしても陸運局の扱い…人種ギャグ…金融業界のレミングス性…プリンスの軌跡にも通じる「決めつけを破壊し続けよ!!」というイデオロギーをここまでちゃんと映像化してのけるとはね。「子供への教育こそが次世代を創る」なる信念が生んだ採算度外視の試み?

こうしたアプローチにおいてアメリカ人は本当に卓越してると思います。先験的に賢明だから卓越してるのではなく「自らの愚かさをどこまでも直視してきたからこそ愚直に滅びへの道を選べなくなってしまった」というスタンスが素晴らしい。ちょっと偽悪趣味に過ぎるって側面もありますが、割と日本人もそういうの伝統的に大好きだよね?

ところでそうした観点から「進撃の巨人は肝心の部分で覚悟が足りなかったからとっくの昔に切り捨てた。今は東京喰種に夢中」と豪語する国際SNS上のアニメ漫画GAMEファン層が、ここ数年日本人にある問題を突きつけ続けています。それは一言で要約するなら「日本人は日本型バレンタイン・デイに国際性が存在しない事を一刻も早く悟れ‼︎」なるネタ話です。Zootopiaでいうなら「ヌーディスト集団」や「草食動物の肉食動物に対する拭い切れない不信感」に対応するレベルでの強度の偏見対象。我々は視線を変えると、本来は知人同士でとっておきのメッセージが記されたカードを交換し合い、お世話になった人に花を贈る欧米の伝統的慣習を(歴史的にはバイアグラの様な性欲亢進剤の一種として認識されてきた)チョコレートで汚す価値観の侵犯者に変貌してしまうのです。

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確かに欧米にもチョコレートを添えたバレンタイン・カードを渡すケースは存在します。しかし、この場合のメッセージたるや「この週末は寝かさないぜ!!」とか「チョコレートの数だけ回数を期待してな!!」といった内容がスタンダードらしいのです。こうした世界観の延長線上におけるWhite Dayとはどう映るのか? アイアンマンお得意の「It's my turm」宣言? 確かにネットに群がる健康優良不良少年少女達ですらドン引きです。どうしてそんな展開となったのか?

想像通り 発端はやはり日本人ではありませんでした。

こうして誕生した食の産業革命の産物チョコレートを最初にバレンタイン・デーと結びつけたのは英国のチョコレート会社だったとされています。

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そして、この発想を最初に日本に持ち込んだのは亡命白系ロシア人モロゾフ氏でした。祖国ではドストエフスキー罪と罰(Преступление и наказание, 1866年)」の主人公ラスコーリニコフのモデルとして名高い筋金入りの分離派(古儀式派)リーダー格ですが、日本では最初ロシア菓子を売ろうとして失敗し「最新トレンド」チョコレートの販売に未来を託す事にした次第。

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そして東京で発行されていた英字新聞『ザ・ジャパン・アドバタイザー』1936年2月12日付けに「あなたのバレンタイン(=愛しい方)にチョコレートを贈りましょう」というコピーの広告を1936年2月12日、東京で発行されていた英字新聞「ザ・ジャパン・アドバタイザー」に掲載しました。まぁ歴史のこの時点ではチョコレートは日本に滞在する外国人向け商品だったのです。

https://www.evernote.com/shard/s45/sh/01e72a8b-e5e7-4065-9601-118dcf5decc6/28b11e2aa6bc832aa9cd9fbef07eb374/res/8f8de58a-ec3b-40b3-9746-d0e2c29f170a/morozoff-L.jpg?resizeSmall&width=832

日本型バレンタイン・デー(Valentine's Day)の歴史

第二次世界大戦後、流通業界や製菓業界が「チョコレート販促手段としてのバレンタイン・デー」に取り組んできましたが、昭和30年代まで定着はしませんでした。

https://www.evernote.com/shard/s45/sh/01e72a8b-e5e7-4065-9601-118dcf5decc6/28b11e2aa6bc832aa9cd9fbef07eb374/res/e99d0642-0cd3-4b2c-bcf3-00eaffa2b77b/80613796-greeting-from-thy-valentine-postcard-gettyimages.jpg?resizeSmall&width=832

  1. 大田区の製菓会社メリーチョコレートカムパニーの原邦生は「(女性が男性に対し親愛の情を込めてチョコレートを贈与する)日本型バレンタインデー」とされる事がある。そのコンセプトに従って1958年2月に伊勢丹新宿本店で「バレンタインセール」というキャンペーンを行っている。https://www.evernote.com/shard/s45/sh/01e72a8b-e5e7-4065-9601-118dcf5decc6/28b11e2aa6bc832aa9cd9fbef07eb374/res/1379b09c-3916-4c26-81a9-d2a9a34c538e/1f0278228ed56dae99355e7a21798f8c.jpg?resizeSmall&width=832
  2. 1960年より森永製菓は「愛する人にチョコレートを贈りましょう」と新聞広告を出す様になり、伊勢丹も1965年にバレンタインデーのフェアを開催。ただし「バレンタインデー」の文字が使われたのは1956年の西武百貨店松屋の新聞広告や,1959年の松坂屋の新聞広告の方が先であり、デパートでのフェア開催も伊勢丹が最初という訳ではない。また1960年の森永製菓の新聞広告は「チョコレートを贈る日」ではなく「チョコレートを添えて(手紙などを)贈る日」とし原型を留めていたし「愛の日」を主張しつつもそれは「夫婦の日」を意味し、結婚を前提にしない恋愛と未婚の未成年者は想定外であった。
    https://www.evernote.com/shard/s45/sh/01e72a8b-e5e7-4065-9601-118dcf5decc6/28b11e2aa6bc832aa9cd9fbef07eb374/res/c570c788-fd27-4ac1-87a5-e749b441f3ff/04s37-01-16.gif?resizeSmall&width=832
  3. ソニー創業者の盛田昭夫は,1968年に自社の関連輸入雑貨専門店ソニープラザがチョコレートを贈ることを流行させようと試みたことをもって「日本のバレンタインデーはうちが作った」としている。
    https://www.evernote.com/shard/s45/sh/01e72a8b-e5e7-4065-9601-118dcf5decc6/28b11e2aa6bc832aa9cd9fbef07eb374/res/c0febf56-fddb-44af-a7b3-4dd04e2b1439/MAIN_2.jpg?resizeSmall&width=832

 チョコレートの売上が急増するのはオイルショック(1973年)に見舞われ、高度経済成長が終焉した1970年代前半以降です。「不況に喘いでいた小売業界がより積極的にマーケティングを行ったせい」とも「日本の資本主義がほぼ完成して成熟した消費社会となり、小学校高学年から高校生にかけての学生層の主導的選択によって現在の形が定まった(主婦層にまで広まるのは1980年代後半以降で、当初の時点では贈答品はチョコレートに限られてなかったし、誰とも交際していない女子から意中の男子へという形でもなかった)」ともいわれています。これを契機に「(日本におけるチョコレートの年間消費量の2割程度がこの日に消費されると言われる)日本型バレンタイン・デー」は国民的行事となり、さらなる独自発展を遂げ始めました。

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  1. 民俗学者による稲作の起源を探る調査過程で「苗族のバレンタイン・デー(村祭りに際して未婚女性がカラフルに着彩して蒸した雑穀を意中の男性に送る事で求愛する)」が発見されて話題になった事がある。稲作文化の伝播を支えてきた慣習の一部にこうした概念が存在するのは大変興味深い(「日本型バレンタイン・デー」は韓国にも広まったが、この地域もその通り道の一つだったと目されている)。
    https://www.evernote.com/shard/s45/sh/01e72a8b-e5e7-4065-9601-118dcf5decc6/28b11e2aa6bc832aa9cd9fbef07eb374/res/8f6f8160-425b-4840-ab52-ac5b5348719e/sister-meal-festival.jpg?resizeSmall&width=832
  2. 1980年前半に入るとホワイトデーと義理チョコが登場。ホワイトデーの起源については、福岡県の和菓子屋・石村萬盛堂のキャンペーンと、全国飴菓子工業協同組合の構想が注目されている。また1977年に石村萬盛堂は、バレンタインデーの返礼としてマシュマロデーを開始した。これは社長が女性雑誌の投稿欄を見て思いついたものだという。そして1979年には他の菓子店と協同で「ホワイトデー」という名称を用いたとされる。一方、全国飴菓子工業協同組合は1978年6月の組合の総会で「ホワイトデーキャンペーン」の実施が決定され,1980年に第1回「愛にこたえるホワイトデー」キャンペーンが行われたとしている。2回目の1981年には「好きな女の子にキャンデーを贈ろう」というキャッチフレーズが添えられ1984年の第5回キャンペーンには各地で品不足になるほどの盛況となった事から同組合は1984年をホワイトデー定着の年としている。その一方で「(すでに交際中の恋人や、結婚している夫妻、子供同士、憧れの男性・女性、上司や同僚、恋愛感情を伴わないただの友人相手にもチョコレートを贈る)義理チョコ」の慣習は1990年代後半以降衰退の一歩を辿り、それに代わって2000年代初旬より女性が女性へチョコレートを贈る「友チョコ」の動きが広まってバレンタイン商戦を支える存在となり、特に2000年代後半以降市場規模を拡大させ続けている。またバレンタイン・デーの時期はチョコレート販売店舗で特設会場が設けられたり、商品の種類が多様化するため、その試食を目当てにしたり、輸入品や高級品のように店頭在庫が珍しいものを自らのために買い求める「自分チョコ」を行う者が2000年代以降増えつつある。
    https://www.evernote.com/shard/s45/sh/01e72a8b-e5e7-4065-9601-118dcf5decc6/28b11e2aa6bc832aa9cd9fbef07eb374/res/5d2d406e-1401-421a-ae1c-56262b26ec5f/ss20130314b3.jpg?resizeSmall&width=832
  3. 批判もない訳ではない。世界最大の恋愛・結婚マッチングサイト「マッチ・ドットコム ジャパン株式会社」は,2009年2月5日のプレスリリースにて「2月14日に愛のないチョコレートを形式的に贈答する『義理チョコ』のマッチ・ドットコム社内での配布禁止令」を発表。また2012年には、愛知県内の中学校で、バレンタインデーでのチョコのやりとりが「校則違反」とされ、クラブ活動が活動停止となった。愛知県教育委員会などへは、保護者などから抗議の投書が多数寄せられており、有識者や教育関係者から配慮不足との声が多数出ている。その一方で、バレンタインは環境型セクハラに該当するため、禁止するのが妥当とする意見も近年では専門家から出される様になった。
    https://www.evernote.com/shard/s45/sh/01e72a8b-e5e7-4065-9601-118dcf5decc6/28b11e2aa6bc832aa9cd9fbef07eb374/res/47e06571-5c7a-4a4f-998d-fc9b5820a696/20110211131853.jpg?resizeSmall&width=832
  4. その一方で2010年頃より、日本の花業界(主に花小売店)が「フラワーバレンタイン推進委員会」を結成し、バレンタインデーを「男性から女性に花を贈る日」として定着させようと試みている。2012年2月には「初代Mr.フラワーバレンタイン」として、元サッカー日本代表三浦知良選手(横浜FC,2012年当時)が選出され話題を呼んだ。
    https://www.evernote.com/shard/s45/sh/01e72a8b-e5e7-4065-9601-118dcf5decc6/28b11e2aa6bc832aa9cd9fbef07eb374/res/ee854352-b937-48ea-a17b-d3086bd5c821/bbcb1fdd7c31ef5fdea5af5b1981c691.jpg?resizeSmall&width=832

まぁなんというか「剥き出しの商業主義」の世界?

Romanticが止まらない

かくして最近では「国際SNS上で日本型バレンタイン・デーの到来を無条件に喜ぶのは日本人と韓国系ばかり(成熟した欧米人ならOTAKUでも花とカード交換によってこの日を祝う)」という状況となりました。不思議にも「友チョコ(および、それにかこつけた同性愛者同士の愛の告白)」は弾劾対象とならないという抜け穴もあるにはあるのですが…

この映像のまとめ方実は上手いけど、実はある種の欺瞞が隠されてます。

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— Well

所長のヒロインに対する「説教」の中に「アナと雪の女王」における「主題歌を歌う様なヒロインがその力だけで現実を打ち破れるオペラ的世界」を全否定する箇所があるのだけど、この部分をちゃんと翻訳すると日本人受けを狙って「Let it go(どうでもいい)」を「ありのままに」と翻訳してしまったツケが回ってくるんですね。そうした障壁を乗り越えたければ、そうした現実も超克していかなけばならなくなるという話…

http://moja-moja.tumblr.com/post/145235177239/人間関係の一番の敵は無理することだと思います無理して他人に合わせると絶対に良くないと思います

moja-moja.tumblr.com

でもあくまでこれが結論というあたりが厳しい…