ここではあえて「国際SNS上の関心空間は本当に鶏肋なのか?」についてのみ問いました。実際のグローバル・マーケットでは「デジタル社会学( Digital sociology)」の関心分野のうちでは、むしろ「その他の部分」にこそ熱い視線が注がれてるとも?
米ガートナーが2016年10月18日(現地時間)、2017年に企業や組織が戦略的に取り組むべきとする「技術トレンドワード」のトップ10を発表した。
- 高度な機械学習とAI
- インテリジェントなアプリ
- インテリジェントなモノ
- 仮想現実と拡張現実
- デジタルツイン
- ブロックチェーンと分散型台帳
- 会話型システム
- メッシュのアプリ&サービスアーキテクチャ
- デジタルテクノロジープラットフォーム
- アダプティブセキュリティアーキテクチャ
仮想現実(Virtual Reality、VR)と拡張現実(Augmented Reality、AR)の重要性については今更言うまでもない。
機械学習やAIは、深層学習(ディープラーニング)、ニューラルネットワーク、自然言語処理(NLP)といった多くの技術で構成される。この領域では、従来のルールベースのアルゴリズムを超えた技術が開発されつつあることから、「技術が登場したばかりの状態を脱し、幅広く利用され、より大きなインパクトをもたらす時期に入った」とガートナーは述べる。
ガートナーでリサーチバイスプレジデントを務め、ガートナーフェローでもあるデイヴィッド・カーリー氏は、機械学習や人工知能について次のように述べている。「これらの技術は、さまざまなインテリジェントな実装を生じさせる。これには、ロボット、自動運転車、家電といった物理的デバイスや、仮想パーソナルアシスタント(Virtual Personal Assistant:VPA)、スマートアドバイザーといったアプリとサービスが含まれる。これらは、インテリジェントなアプリやモノとして提供されるとともに、幅広い範囲のメッシュデバイスや既存のソフトウェアとサービスに重要な知識や知見、情報を提供するようになる」。
インテリジェントなモノとは、機械学習やAIを応用して高度な振る舞いをするとともに、周囲の環境や人と、より自然にやりとりする物理的なモノ、ハードウェアを指す。例えば、ドローンや自動運転車から、IoT(Internet of Things)システムのための末端デバイスなどがそれに当たる。これらが普及するのに伴い、インテリジェントなモノはスタンドアロン型からコラボレーティブ型にシフトするとガートナーは予測する。
デジタルツインは、製造業/ものづくりにおけるシミュレーション技術と位置付けるもので、ガートナーでは「センサーデータを使って、状態の把握、変化への対応、運用の改善、付加価値の提供を行う物理的なモノやシステムの動的なソフトウェアモデル」と定義している。「3~5年以内に、数億個のモノがデジタルツインによって表されるようになる。企業や組織は、デジタルツインを使用して、設備サービスの計画や事前の修理、製造工程の計画、工場の運営、設備の障害予測や運用効率の向上、強化製品の開発を行うようになる。最終的にデジタルツインは、従来の人による監視デバイスやコントローラー(圧力計、圧力バルブなど)の制御に取って代わる存在になるだろう」と推測している。
ブロックチェーンは、分散型の仮想通貨システムおよび暗号通貨である「ビットコイン(Bitcoin)」など、価値交換取引が連続的にブロックへとグループ化された分散型台帳の仕組みのこと。ガートナーは、ほとんどのモデルはまだαまたはβのテスト段階にあるとしながらも、「ブロックチェーンと分散型台帳のコンセプトは業界における運用モデルを変革する可能性がある。既に大きな支持を得つつある」と分析している。
アダプティブセキュリティアーキテクチャは、脅威の予測から防御/検知/対応までを実現する、アダプティブ=変化に適応可能な防御のプロセスのことを示す。ガートナーは、「確立されているセキュリティテクノロジーを、IoTプラットフォームのセキュリティを確保するベースラインとして使用すべきだ。ユーザーおよび組織の挙動を監視することは、IoTのシナリオで特に必要となる重要な追加事項だからだ。ただし、多くのITセキュリティ担当者にとってIoTのエッジデバイスの管理は新たな領域であり、かつ新たな脆弱(ぜいじゃく)性をもたらす部分でもあるので、新しい対策ツールとプロセスが必要となる。これらをIoTプラットフォームの実装時に考慮しなければならない」と提言した。
欧米では、それ以前から蜂や蟻や猿といった「人間以外の社会生活を営む生物」 の研究が盛んに行われてましたが、2010年代後半にはその動きが加速する模様?
杉浦氏はまず最初に「ロボティクス、人工知能への投資が活発化している」と話を始めた。2012年にはAmazonがKiva systemsを買収した。その後、KivaはAmazon Roboticsとなっている。その後、Googleは推定1億ドルでロボットベンチャー各社を買収した。Boston Dynamicsの驚異的なヒューマノイドの発表は今でも多くの人の記憶に残っている。
2014年には日本でもソフトバンクがPepperを発表。そして2005年のDARPAグランド・チャレンジ後に始まった各社での自動運転への取り組み、国内外でのAI研究センターの設立が今も続いている。
なお、自動運転技術とロボティクスはほとんどイコールの技術である。2005年のDARPAグランドチャレンジで勝ったセバスチャン・スラン(Sebastian Burkhard Thrun)氏は、その後、Google Xの創設者となり、同社での自動運転車のリーダーとなったことで知られる。彼は人工知能研究者として紹介されることが多い。だが、もともとはロボティクスの研究者だ。彼らが共同執筆した「確率ロボティクス」(マイナビ)は必読の教科書の1つとされている。
東京オリンピックが行なわれる2020年には、ロボットオリンピック改め、正式名称「World Robot Summit」が政府によって開催される予定だ。2018年にはこの予選も行なわれる。「World Robot Summit」では、サービスロボット、産業用ロボット、防災ロボットなどによるロボット競技が行なわれる予定だ。サービスロボット分野では杉浦氏らが関わってきた「ロボカップ@home」のような、日常空間でのロボットサービス競技の実施が予定されている。
現在、日本では少子高齢化により生産年齢人口は減少し続けている。このまま何もしないと現状レベルを維持することすら困難な時代に突入しようとしている。その中で人を支援する音声対話情報基盤を作るというのが杉浦氏らの取り組みである。例えば店舗などで、タブレットのボットや、実体を持ったロボットと、人とが対話する技術だ。あるいは空港などで多言語対応するといったケースも考えられる。あくまで人を代替するのではなく、サポートする技術だ。
(中略)
音声言語処理においても、大規模な正解データと機械学習によってイノベーションが起こるのではないかと杉浦氏は述べた。画像や音声認識を使って検索するといった作業は、スマートフォンでは日常的に使われている。それにもう一度アノテーションを付けるとより良いサービスとすることができ、さらにスパイラル的改善を起こすことができるのではないかという。そのようなサイクルを回すためには「学習モデルと正解データ(正確な書き起こしなど)をどれだけ集められるかが重要」だと強調した。
また、ロボティクスの特徴はロボットを動かすたびに膨大なセンサーデータが取れることだ。だが、そのデータを使って認識率を高めようといった試みはあまり行なわれていない。しかし、適切なデータを集めて研究を進めることで、ロボティクスの周辺問題もかなり解けるのではないかという。
(中略)
実際に役立つロボットの実現のためには何が欠けているのだろうか。スマートフォンでは音声認識機能は比較的普通に使われている。それは、質問応答・検索といったかたちで、用途・状況が限定されているためだ。それに対して、ロボットに対する呼びかけ・指令の場合は、状況の限定が難しい。
「それ、取って」というやり取りは日常会話なら当たり前のやり取りだ。しかし、「それ」とか「これ」とか言われても限定が難しい。もちろん「それとは何ですか」とロボットが質問しかえすことはできる。だが、そんな面倒なやり取り自体が利便性を削いでいる。そもそも「取る」とは「片付けろ」という意味なのか、「こっちへ持ってこい」という意味なのか、文脈によって異なる。また、ロボット相手に「取れ」と命令した場合、具体的にはどんな腕の軌道を生成させればいいのかといった、さらに基本的な問題もある。
そのための鍵が、音声だけではなく画像や動作情報などマルチモーダル(多感覚情報)な入力を使うことにある。国内外で研究が進められており、単に画像に写っているものを答えるだけでなく、画像表現から言語表現を生成したりすることができるようになっている。
(中略)
音声は時系列の信号である。その予測ができるということは、ほかの時系列信号を予測する技術としても使えるということだ。杉浦氏は機械学習技術の応用例として、ディープラーニングを使ったPM2.5による大気汚染の予測、太陽フレアの予測例を示した。いずれも既存の手法を超える予測精度が出たという。
一方、実際の「国際SNS上の関心空間」ではSAOのYuiちゃんとか、HELOのCortanaちゃんの様な「小妖精的ナビゲーター」の人気が高いです。出来れば自分のスマートフィンに宿って、日頃の話し相手になって欲しいらしい…
ちなみに2010年代後半の日本では「異類婚や彼岸と此岸の交流は不幸しか生まない」なる物語文法の崩壊が確認されています。そういう流れと決っして無関係ではないとも。
*これらは明らかにセカイ系作品、すなわち2000年代前半と2000年代後半の狭間に一時的に騒がれた「自意識過剰な主人公が、世界や社会のイメージをもてないまま思弁的かつ直感的に『世界の果て』とつながってしまうような想像力で成立している作品」や「戦闘を宿命化された美少女(戦闘美少女)と、彼女を見守ることしか出来ない無力な少年なるキャラクター配置を特徴とする作品」の延長線上に現れた流れ。
ところで「国際SNS上の関心空間の影響力増大」というと、日本人だと真っ先にPixivやTwitterへの画像投稿(たちまちDiggerがブリッジ投稿して海外に流出)やSoundCloudやYoutubeへのボカロPの音楽投稿(すかさずロンドンのDJがアレンジ版を投入してくる)を思い浮かべる筈で、実際そういう側面があるのは事実です。
しかし英語圏全体としては(最初から英語を第二母国語として受容済みのアイルランド・北欧・ドイツなどに加え)メキシコ(スペイン語)やブラジル(ポルトガル語)を陥落させたついでとしてのイベリア半島攻略とか、ロシア語圏取り込み成功とかの方が重要だったとも(今や最前線はアラビア語圏とも)。気づくとなんか「ギリシャ・イタリア・フランス文化圏包囲網」みたいな感じになっちゃってますね。まぁ「PIGS」のうち「PS」までを英米(アングロサクソン)文化圏が手中に収めた形とも(そもそも反英米感情が存在しないイタリアは最初から手中に収まっていたという話も)。
割とこれが「国際的文化交流」の最前線?