Tumblrユーザーとして最近驚いてる事。なんと日本人アカウント向けにFacebookの広告が流れてくるのです。
- これまでの投稿でも幾度も書いてきた様に、そもそもTumblrは「知人全体に知れ渡ってしまうのでFacebook上では追求できない趣味に匿名で浸る場所」として発展してきた。とある年のApril Foolに「FacebookがTumblrを買収した」なるJokeが流れると多くのアカウントが「みんな死ぬしかないじゃない! 」と連呼して大騒ぎになった事まである。
*ほどなく本当に買収に興味を持っていた事が判明。
- そういう私もFacebookアカウントも持っているが、こちらも最近ユーザー紹介アルゴリズムに変更があって「この人は知り合いじゃありませんか?」通知が激増。「全く知らない他人が増えた」という点では単なる性能劣化。
Facebookよ!その方、知り合いではないので、ドンドン個人情報通知やめてくださいよ。恋愛の対象を間違って男性にしていたので、同姓の同級生から避けられているしFacebook被害半端ではない。不平っす!僕。
— うたタネ (@utatane1995) 2016年11月25日
この種のSNSは顧客数とそれぞれの顧客の関係の増加を売り物としてますが、Androidの普及台数と同じで最近飽和上限を迎えつつあるので焦ってる? いや、それどころではない問題も指摘されていたりして。
実名制でかつ、リアルな友人関係が特徴です。すでに若年層がフェイスブックから離れつつあるので、2020年頃には中高年がメインとなる予想されます。フェイスブックに変わるSNSが台頭すると、一気に廃れると考えられます。
いまや大学生たちの間では、「Facebookはおじさん・おばさんの道具」という認識のようだ。授業にLINEを利用している大学や、サークル・クラブ活動などの連絡にはグループウェアを利用するなど、若者の情報共有アイテムは多岐にわたり、ひとつのソフトに縛られなくなっているということもFacebook離れを加速させている理由だろう。
一方ではこんな記事も流れてますが、どうなんでしょう? まぁ他のアカウントがメインになっても連絡網としてFacebookの定期チエックは続けてる訳で…
Where U.S. adults get their news from on social media:
— Forbes (@Forbes) 2016年11月24日
Facebook: 44%
YouTube: 10%
Twitter: 9%
LinkedIn: 4%https://t.co/z1WPbqHwWO pic.twitter.com/czRDbjpas1
とはいえ残念ながら、代わってTumblrやPinterestみたいな国際SNS上の関心空間の一角を構成するSNSサービスが伸びてるという話でもない様です。こちらはこちらで別の問題を抱えてる様で。
NYU教授、YahooによるTumblr買収は過去10年で最悪の企業買収
そういえば2013年にサービスを開始し、2014年には「世界中の高校生の悪戯画像投稿先」として一旦は国際SNS上の関心空間に組み込まれながら2016年度には「スター投稿者達の離脱によるアクティブユーザー激減」によってサービス停止に追い込まれたVineの様な失敗例も現れました。インフルエンサー・マーケティングにマネタイズの活路を求めた結果としての悲劇?
コミュニティ育成のベンチマークにしているサービスとして、意外な名前を挙げた。それは、ドワンゴの運営する「ニコニコ動画」である。だがオタク向けという印象の強いニコニコ動画から、MixChannelが何を学ぶというのか。
「ニコニコ動画の設計は非常に日本的で、MixChannelとしてもかなり参考にしています。非リアとリア充みたいな差があると思いますが、結局、MixChannelもニコニコ動画も、ネット上で大きく反応をもらいたい人に向けて、最高に気持ちよくなれるサービスを作っているんですよ」(福山さん)
そもそも福山さんによれば、もはや今の10代にとってのリア充を「上の世代の発想でとらえてはいけない」という。というのも、彼女らは“オタク”っぽいのだ。
「だって、スマホを1日中いじっていて、暇な時間は複数のアプリを駆使して、ひたすら画像加工をしているような人たちが“リア充”と呼ばれているんですよ。それって上の世代の感覚で見たら、本当に“リア充”なのかという話ですよ(笑)。見方を変えたら、オタクですよね。最近は、もう動画編集アプリの需要まで高まっており、そのへんの女子高生がプロ並みの編集をしたりしますからね」(福山さん)
また、MixChannelはサービス開始直後、読者モデルとの連携企画を行っている。読モと言えば、上の世代には雑誌文化と結びついた、華やかなマスメディアの存在というイメージがあるかもしれない。だが、福山さんは「現在の読モの実態は、ほとんどネットアイドルで、情報発信もネットがメイン。歌い手や踊り手のような人たちと同じ」と言う。
「実際、人気の読モって、しょっちゅう自分のブログやTwitterを更新していますからね。Twitterのフォロワー数も30万人だとかで、すぐに画像が500RTされたりします。ネット上での影響力という点では、もう普通のテレビタレントよりもはるかに大きいですよね」(福山さん)
ちなみに、こういう人気のあり方はその規模感も含めて、やはり中高生に人気がある、ニコニコ動画の歌い手や実況者によく似ている。しかもMixChannelで活躍する投稿者の遊び方も、ニコニコ動画にそっくりだという。
「ニコニコの“やってみた”という文化は、ネットの遊び方の本質をよく表していると思います。すごく個性的な表現が出てくるというよりは、誰かがやった面白いことを、みんなで真似する文化なんですよ。それがジャンルになって全体として盛り上がっていくのであって、それはMixChannelも同じです。実は、カップル動画がメディアでは面白がられますが、本当はやってみた系の動画のほうがずっと多いんですよ」(福山さん)
皮肉にも国際SNS上の関心空間独特の特徴が足を引っ張ってる様です。
- 「知人に知られたくない趣味を匿名で集まって追求する場」として急発展する為に、あえて顧客情報をあえて集めてこなかった為に広告媒体としての利用価値が恐ろしく低い。
*同じ問題は同様の戦略で顧客数を伸ばし、国際SNS上の関心空間の重要な一角を担うPinterestも抱えている感がある。その洗練度たるや、アクセサリーや料理の写真一つ流れてきただけで「あ、これPinterest tuneでしょ?」と一発で見て取れる凄まじさなのだが…
- 「無数に存在する小規模回覧集団同士の相互模倣によって価値判断基準の淘汰による洗練が急激に進む」機械学習(Feature Learning)めいたプロセスのせいで、広告の出稿者(概ね本当に注目に値する商品なら、既にその分野に関心があるアカウントのタイムラインを流れている。わざわざ広告を出す時点で敗者認定)ばかりか「空気も読まず自分の作品を認めてもらいたがる」駆け出しアーティストにも優しくない。
*逆に実際に成功してるPixivやTwipicやDevianARTの絵師やSoundCloudのミュージシャンはこの流れに乗るのが実に上手。「奇人=貴人」の水木しげる画伯いわく「自分の好きな事しかしかしてはいけないが、それを世間に認めさせる努力も怠ってはいけない」。
- これは実際にマインクラフトで起こった事だが、投稿作品の回覧数を競い合う様なサイトであまりにも突出した「先行集団」が常時上位に君臨し続ける様になると「後続集団」が大量の脱落者を出す展開となる(規模拡大を続けつつ国際SNS上の関心空間からは脱落するという奇妙な現象が起こる)。こうした行き詰まりは投稿の判断基準の多様化によってある程度まで緩和可能だが、今度は新人にとって分かりにくくなって参入障壁が高まってしまうのである。ただあくまで全体設計の問題で「どうぶつの森シリーズ(2001年〜)」における衣装や部屋のカスタマイズではこうした問題が観測されてない。
皮肉にも利用者側は投稿や回覧の種類によって割とはっきり各アカウントをセグメンテーションしてるのですが、そもそも流れてるのがリッチ・コンテンツ(静止画・GIF・音声データ・動画)中心なので解析が難しく、GitHubなどを覗いても(NLP(Natural Language Processing=自然言語処理)の成果がそのまま流用できる)Reddit(2005年〜)やTwitter(2006年〜)の解析ほど盛り上がってない感じ。
だけど、今そこを覗いても商業利用可能な情報が転がってるかどうか…
Redditは発足当初はオバマ大統領への質問を募るなどリベラルだったが、次第に差別的なユーザーが増え、2015年には前の勤め先を女性差別で訴えたRedditの女性CEOをユーザーが猛攻撃して辞任に追い込むほど女性嫌悪的に。先週号のタイム誌には「ヘイト・グループの温床」と書かれた。
— 町山智浩・告知用 (@TomoMachi) 2016年8月28日
これを読むとRedditユーザーが女性差別を訴えるようなアマは辞めろと猛バッシングしたかのように思えるけど実態は全然違う。このCEO(ErrenPao)は外からやってきて名物コーナー(AskMeAnything)の創案者を一方的にクビにして編集者達がストライキするくらいの反発を招いたから、コミュニティの独立性、草の根感覚が奪われるとRedditユーザーが暴動を起こしただけ。 リベラルだとかオルタナ右翼wだとかヘイトだとか全く関係ない。加えて言えばオバマをAMAに招いたからリベラルだとか意味が分からんし(誰でも呼ぶ)、Redditはコミュニティとして全然リベラルな方。
Reddit社内の体質も問題になっている。酒を飲みながら仕事をするのが常態で、女性に対するセクハラも激しいという。この1年で経営層の女の人がボロボロ辞めている。
英語圏ってそこまでヘイター一色になってるの? いくつかのサブレじゃなくredditでひとくくりになってる時点でモヤモヤするんだけど。
町山さんみたいに「Reddit」悪いとするのは少し一方的だけど、アメリカメディア全体が「4chan +8Chan」→「Reddit」→「Facebook」で5,000いいね!の流れを見て「これってヘイト増強マシンだよね」って言い始めているのは確か。Reddit全体は4割動物、2割おっぱい、2割おもしろ交通事故GIF祭り、最後の2割が政治ネタで、この政治枠で上がってくるネタには思いっきりヘイトな奴も含まれる、ということだと思う。
/r/TumblrInActionってゲーマーゲートサブレじゃなくないですか?どっちかっていうといまレディットで流行りのPCポリスをたたくサブレだと思う。Tumblrはもともと写真ブログをホストするサイトで今は過激なフェミニストや極左系の若年層が利用するサイトとしてレッテル貼りされている。その矛盾を指摘するのが/r/TumblrInActionだと思います。例えば(https://m.imgur.com/lyqLG8Y) これ、5000UV以上されているポストだが、訳するとヘテロの白人男性に無料ビンタ!!!って書いてある看板の写真です。欧米における極左とはLGBT権利擁護を支持する一方で長らくそれを阻止してきた性差別的で人種差別的な、既得権利を最も多く持っているとされるヘテロの白人男性に対して牙をむけているという矛盾を嘲笑し、指摘するサブレだという風に私は解釈しています。
/r/TumblrInActionがTumblrの過激なフェミニストをさらし者にするサブレであるというのはわかります。でもそのサブミで「さらし者」にされているでフェミニストの人って、たまに明らかに神経を病んでいる人とか、猛烈に馬鹿な人が多いので、放っておいてやったほうがいいと思うケースが多いかなぁ、と思います。コメント欄も思いっきり「CUNT」とか書いてあるし、「すごい意地悪な場所だな」という印象です。
*Tumblr上でもウルトラ・フェミニストや「避妊はホロコースト!!」とか主張する狂った女性Activistが現れてオルグを始めると、女子と4chan兼民が共闘して叩く。そうした4chan兼民は以前、自嘲的に"Drill Loser"とか名乗ってたけどいつの間にか、そんな「照れ」も消失。ちなみに国際SNS上の関心空間としての完成度がより高いPintestは「聖なる修験場」みたいな独特の雰囲気を漂わせていて、最初からそういう層が寄り付かない(そしておそらく4chan兼民もいない)。
量だけでなく、質的な問題もあると思うんだな。なまじネットやナードカルチャーに詳しく、深くかかわっていて、ネタを作って掲示板をリードしていく能力あるやつが、けっこうウヨってるっていう。
そう。彼等は実際賢い(ヒステリーっぽいネトウヨとはちょっと違う)。例えばアメリカの右派が毛嫌いしている思想に「BLM=Black Lives Matter (黒人の暮らしも考えよう)」っていうのがあって、当然Redditの一部でも憎まれてる。もちろん黒人が警官に射殺されるニュースが続いて同情はしているけど、BLMがデモで高速道路とかを遮断して「それ意味あるの?」という過激な運動をして反感を買っているという側面もある。
んで、テキサス州で警官が黒人のテロリストに銃撃される事件が発生すると、ドナルドのサブレは「All Lives Matter(大事なのは皆の命)」というサブミを立てて、2000UVまで盛り上げてる(確かフロントページでも見た)。そりゃ「皆の命は大事」は大前提だし、こういうサブミは事件の後では支持を集めやすい。黒人の生活が苦しかったり、射殺事件が止まない現状は変わらないのに、そこで「いーえ!大事なのは皆の命。BLMはテロ組織決定!!」って論調に持っていこうとするのは、本当に狡猾だし、反論しにくい。
サブミの中でも「UV率69%かよ。。。DVしているリベラル工作員は恥を知れ」っていうコメントがトップで、本当にレスバトルと印象操作だけは旨いと思う。
つうか、自由主義やPCの矛盾点を突かれてるから、どんなに頭のいい人でも反論できないんや。多様なウンチャラとかいうお題目を掲げてしまうと理屈で言えば差別主義者やパターナリストを排除することはできなくなってしまう。PCも理屈で言えば特定人種へのアファーマティブ・アクションを否定しなきゃいけないしな。世界中で一斉に(自称)弱者競争があまりに強すぎることに気が付き始めたせいでいろんな理論が崩壊し始めてる。
*実際、Tumblr上でも国際SNS上の関心空間に参加してる様なBlack Establishment層(全体の25%以上を占める中産階層以上の黒人。親日派が多い)はアファーマティブ・アクション返上を申し出てるリベラル系黒人団体を支持していて、Poor Black層からUncle Tom呼ばわりされたりしている。
それにしても、一時期はあれだけIT業界最先端企業としてブイブイいわせていたFacebookがどうしてこんな事に?
- そもそもSNS上では数値化(投票数)によって超高速で特定対象群の順位付けがなされる事実を明らかにしたのはFacebookに着手する前夜のマーク・ザッカーバーグが手掛けたFacemash.com(2002年)だったりする。ただしここでいう「特定対象群」が大学のサーバをクラッキングして入手した女子学生の顔写真だった為、ザッカーバーグは詰問され中退に追い込まれたとも。
*そういえば国際SNS上の関心空間では、実在の人物についての「Hot or Not(2000年〜)」式ランキング投票はまず行われない。ほぼ間違いなく熱狂的ファン同士の組織票合戦に成り果て「無数に存在する小規模回覧集団同士の相互模倣によって価値判断基準の淘汰による洗練が急激に進む」機械学習(Feature Learning)めいたプロセスがうまく回らないからとも。
- 2007年以降、Zyngaを台頭させたソーシャル・ゲームのリリース環境を提供してきたのもまたFacebookだった。
- また2012年頃、インタレストグラフ(Interestgraph)とSNSの結びつきを世に改めて広めたのは元ナップスター社長のショーン・パーカー。彼はFacebook社の元CEOでもあり、この年にFacebook向けビデオチャットサービスをリリース。ただ彼のビジョンはあくまでインタレストグラフ(Interestgraph)は(Facebook上に構築された)既存のソーシャルグラフ(Socialgraph)の延長線上に現れるというもので、それが「知人に知られたくない趣味を匿名で集まって追求する場」でこそ本領を発揮するという発想までは至らなかった。
*むしろ、2010年以降の「人生がFPS化される時代」すなわちコミュニケーション志向(Communication Oriented)、対象関係論志向(Object relations theory Oriented)、ピクチャレスク志向(Picturesque Oriented)が評価軸の三大柱となる様な時代にデータの持ち方として前適応を果たしていたのは日本の「関心空間(2001年〜2016年)」だったとも。
*ただし「Hot or Not」がテキストだけのインターネットでは盛り上がらなかったであろう様に「国際SNS上の関心空間」対応はあくまで回覧内容のメディアリッチ(静止画・GIF・音声データ・動画)化を待たねばならなかった。それは恐らく国際SNS上の関心空間における二大巨頭たるTumblrとPinterestが女性集団によって支えられている事と不可分の関係にある。
*源氏物語「雨夜の品定め」の段ではないが、女子は品評会好き。ただリアルな会話では雑念がいろいろ入ってきて話が脱線しまくるので「知人に知られたくない趣味を匿名で集まって追求する場」を純粋な審美眼向上の場として有効活用している感がある。料理やフアッションやアクセサリやインテリアなどを無言で回覧し合ううちに自然と人気不人気が明らかになる形式も、その目的に合致しているらしい。それと何故か「ぐうたら自慢」。集団行動の規模が極めて大きく、かつ急速にその内容を変遷させていくので、全体像を俯瞰するとアンドロメダ病原体とかゴジラ細胞群体に見えるのも特徴の一つ。
男子禁制、女子会トーク☆女の子の秘密をちょっぴり暴露!! | Lovepress*そしてこの様にして割とテキパキと何について機械学習(Feature Learning)を重ねるか決め、適切な人数が集まる女子アカウントの大規模集団行動に魅了されたかの様に2011年以降、Tumblrに大量流入してきた男子アカウント中心の4chan兼民。流石に「聖なる修行場」みたいな独特の雰囲気を漂わせるPinterestには入り込めなかった様だが、その成果物なら幾らでも流れてくるのでしっかり影響下にある。「2ch民と良く似た心理特性を備えた」「絶えずJokeを言い続ける事でHighな状態を保ち続け様としているが、究極的には何も信じてないニヒリスト集団で」「Meme(ネット遺伝子)のHFT(High Frequency Darwinism)すなわち超高速進化にDragの様に耽溺するMeme至上主義者の母体となってる」彼らが国際SNS上における関心空間に如何なる影響を与えてきたかについて、正直これまで大して関心を払ってこなかったが、他サイトでの暴れっぷりを見る限り、彼らが温順しくしている事こそ最大の成果とも。ちなみに最新のトレンドはEvil Kermit。当事者も自らの在り方について何か悩んでる。まぁ女子アカウントの基本的振る舞いが「女子会での実態」と重なる様に、その振る舞いが「男子会での振る舞い」と重なるのは確か。
トランプ批判をしたとたんツィッターで300近くのヘイト攻撃を受けたユダヤ系の評論家マリス・クライズマンが叫んだ疑問。「どうしてこんなに沢山の匿名レイシスト・トロールがアニメ・アイコンなの?」https://t.co/DkMgyo4ayg
— 町山智浩・告知用 (@TomoMachi) 2016年8月28日 - しかし何故か Facebook上におけるインフルエンサー・マーケティングの過熱化は(父権主義と白人優先主義が徹底していた1950年代的価値観への回帰を志向する)自警団を台頭させ、女性アカウントと非白人アカウントの排斥運動を引き起こしてしまう。その結果「1950年代回帰派」以外はFacebookを連絡網として使用するのみとまり、インフルエンサー・マーケティングもその主舞台をインスタグラムに移す事となった。
*同時進行でFacebookにおいては情報流通網としての廃墟化が進行。SNS上を流れるトラフイックの実に3割から7割が外部サービスからの(しばしば元拠を隠した)引用という事態に。それでも「Facebookを流れている情報は無条件で信じる」と4割の人間が答える状況を利用して、4chanや8chanやReggitに匿名で潜むオルタナ右翼(Alt-Right)が扇動活動を繰り広げているという絶望的状況が顕現する事に。
これを「2000年代前半までの文化」と「2000年代後半以降の文化」の衝突と見る向きもある様です。背景にあるのは現代界に対する基本的不信感。
15年位前の2ch辺りで作られた「ネット上での正しい振る舞い方」と「知性的な人間(肉屋を支持する豚)の考え方や価値観」に縛られてる人って思った以上に多いし根が深いなと思いました。
肉屋を支持する羊のミームは、アメリカでもちょくちょく見るようになってる。
This and more cartoons from The New Yorker
- 匿名性を重視する
- 賞賛よりも批判を優先する
- 人の言わなさそうなことを言う
- 頭が良さそうな人を装う
- 最後に言い返した方が勝ち
確かに変なルールいっぱいあるな
アカデミアの雰囲気じゃないの? 昔の2chは氷河期にあぶれた学部卒ニートみたいなのでできてたし 学歴コンプがうるさくて慶應早稲田はFランとか本気で信じてる連中ばっかりだった。
中学校までトップクラス、高校で落ちこぼれて学歴こじらせちゃってる奴らも相当におった印象。末期ケンモーの自称理系のマジョリティが何故か東京理科大でへーって印象だった
これまでの投稿に沿って解釈すると「人生のFPS化」、すなわち人格心理学(personality psychology) の世界から対象関係論(Object relations theory)の世界への推移。それに伴う社会と個人の関係の見直し。
*おそらくキーワードとして対象関係論志向(Object relations theory Oriented)に「他者の再発見」に該当するコミュニケーション志向(Communication Oriented)やピクチャレスク志向(Picturesque Oriented)が続く。ある意味、前者は「自分の手に負える他者」で後者は「自分の手に負えない他者」。両者未分化の状態からの再スタート。
*2007年にYoutubeデビューしたジャスティン・ビーバーが「僕は18歳にして既に数千万人の女子中高生のファンを獲得してたんだ」と自慢すると、同年発売された初音ミクが「私なんて存在すらしてないのに数億人のファンを獲得したよ」と言い返す。まさにこの辺りが「この世界に現実はたった一つしか存在しない」とし、それは自分の属する世界のみと主張する勢力同士が無限闘争を続ける世界が崩壊する分水域?
ただし同時にこうした変化のネガティブな側面も語られる様になりつつあります。
このディスカッションでは、ソーシャルメディアの台頭によって、人と人の関わり方が大きく変わってきたことを指摘。脳は見ただけの情報をあたかも体験したかのように感情を伝える作用を持っており、その情報に共感してしまうのだそうです。
これにより、特定の意見に共感したもの同士の信頼関係が生まれ、コミュニティが形成されます。そうすると「ゲーマーゲート問題」のように女性を非難することが「正論」であるかのような雰囲気が生まれ、一斉に攻撃をするということが起きてしまうとのことです。
最近の投稿はこの辺りを堂々巡りしてますが、ちょっとした突破口を見つけました。
「セカイ系」という言葉を活字メディアに導入した最初期の人物の一人たるゲーム・ライター元長柾木は、清涼院流水の小説「カーニバル・イヴ(1997年)」の中の「社会派ではなく世界派として小説とは異なる大説を目指す」という言葉を「セカイ系宣言」とみなし、翌年に発表された上遠野浩平の「ブギーポップは笑わない」と合わせ「世界をコントロールしようという意志」と「成長という観念への拒絶の意志」という二つの根幹概念をもつセカイ系作品群の代表的存在とした。元長によれば、それまでのジュブナイル小説からライトノベルが枝分かれしたのは、ここで示された「セカイ系的なもの」の有無であり、これに従えばライトノベルはすべてセカイ系となる。
*2010年代には「成長という観念への拒絶の意志」が「何も考えず既存世界の用意したレールに乗せられる展開の拒絶」、「世界をコントロールしようという意志」が「世界を実際にコントロールしている意思と対峙して自分の立ち位置を見つける」に進化したとも。ターニングポイントとなったのが、このキャラの登場とも?
こうした「セカイ系作品」の定義もあるという話。「面白ければなんでもあり発行累計6000万部――とある編集の仕事目録(ライフワーク)」によれば、この続きがさらに壮絶だったりする。
- それまで理系一筋だった新米編集者三木一馬が「生まれて初めて本気で精読した小説」、それが「ブギーポップは笑わない」だった。
*国際SNS上の関心空間では「君に夢がないのは、自分の夢を生きてないからだ」なる台詞が引用され、回覧された。まさしく「我々が自由意思や個性と信じているものは、社会の同調圧力に型抜きされた既製品に過ぎない」なる原点への回帰。
- その感動を出発点として高橋弥七郎「灼眼のシャナ(2002年〜2012年、アニメ化2005年)」、おかゆまさき「撲殺天使ドクロちゃん(2003年〜2007年、アニメ化2005年、2007年)」、鎌池和馬「とある魔術の禁書目録(2004年〜、アニメ化2008年〜2009年)」「とある科学の超電磁砲(2007年〜、アニメ化2009年、2013年)」、伏見つかさ「俺の妹がこんなに可愛いわけがない(2008年〜2013年、アニメ化2010年、2013年)」、川原礫「アクセル・ワールド(2008年〜、アニメ化2012年、劇場版2016年)」入間人間「電波女と青春男(2009年〜2011年、アニメ化2011年)」を編集。日本のアニメの海外展開(国際SNS上の関心空間における作品受容)において大きな役割を果たす。
*改めて一覧に目を通すと、どの物語でも異世界と現実世界の境界線が吹き飛んでいる。
- さらに川原礫「ソードアート・オンライン(Web連載2002年〜2008年、 刊行2009年〜2016年、アニメ化2012年、2014年)や佐島勤「魔法科高校の劣等生(Web連載2008年〜2013年、刊行2011年〜、アニメ化2014年)」を発掘してWeb小説のメジャー進出に貢献。
*Webに連載される「なろう系小説」は、異世界転生系が多い。J・K・ローリング「ハリー・ポッターシリーズ(Harry Potter Series、1997年〜2016年)」もそうだが「(実世界の常識の通じなさを楽しむ)ハイ・ファンタジー(Hig Fantasy)」と「(現実世界と密着した)ロー・ファンタジー(Low Fantasy)」をゲーム・プレイヤーの立場から「ええとこどり」した感じ?
ほとんど独力で「ゼロ年代の壁」すなわち、1990年代後半と2010年代前半の狭間に横たわるギャップを走破する橋頭堡を築造し、しかもその流れを海外にまで通用させてしまった観があります。
ただし、従来の戦略の延長で2010年代後半が乗り切れるかは全くの未知数?
いずれにせよ現時点では国際SNS上の関心空間にブーム全盛期の頃の様な「登場人物達に必死で自分を重ね合わせようとする真摯な態度」は見られません。まぁ、まだ露出してる情報が少ないし、仕方ない?