数学の世界では普通「A=B, B=Cが成立するならA=C」となります。
カオスちゃんねる : 面接官「 A=B かつ B=C だが A≠C であるものの具体例を挙げてください。」
49: 風吹けば名無し@\(^o^)/ 2017/01/03(火) 12:21:29.91 id:EBidL4FvH
一行目はここで
ここは二行目だが
一行目は二行目ではない68: 風吹けば名無し@\(^o^)/ 2017/01/03(火) 12:22:45.09 id:mGsDwyub0
>>49
これ良いな 優勝
Bを記号として扱えば変化させられるわけやな83: 風吹けば名無し@\(^o^)/ 2017/01/03(火) 12:23:43.62 id:Rx9vZS7Rd
>>49
お前はかっこいい
ところで、黒澤明監督映画「虎の尾を踏む男達(制作1944年〜1945年、公開1952年)」と「隠し砦の三悪人(1958年)」の間、および「隠し砦の三悪人(1958年)」と「スターウォーズ(STAR WARS EPISODE IV A NEW HOPE、1977年)」の間には紛れもない連続性が存在するとされています。
*「虎の尾を踏む男達(制作1944年〜1945年、公開1952年)」…能楽「安宅(あたか)」、いわゆる「勧進帳」の翻案物。戦時中は「忠義物」の企画しか通らず、敗戦後は「忠義物」の封切り許可が下りない不運に振り回され、GHQ占領終了まで封印された悲運の作品。
という事はつまり…
- 「虎の尾を踏む男達」の源義経(仁科周芳)=「隠し砦の三悪人」の雪姫(上原美佐)=「スターウォーズ」のレイア姫(キャリー・フィッシャー)とルーク・スカイウォーカー(マーク・ハミル)。
雪姫「そんな忠義立てなぞ、妾は望んでいなかった!!」
レイア姫「ダスト・シューターに飛び込みな、蝿小僧!!」
『ローグ・ワン』K-2SOがキャシアンを殴るのは歌舞伎の『勧進帳』を彷彿とさせる。ギャレスは歌舞伎も研究したのか?と、一瞬思ったが、黒澤明が『虎の尾を踏む男達』でやってたから、そっちのオマージュだと考えるのが妥当妥当。 pic.twitter.com/dBY9MegL0E
— シン・まじさん:ROBOCHAP (@mazy_3) 2017年1月11日 - 「虎の尾を踏む男達」の武蔵坊弁慶(大河内傳次郎)=「隠し砦の三悪人」の侍大将・真壁六郎太(三船敏郎)=「スターウォーズ」のオビ=ワン・ケノービ(アレックス・ギネス)
- 「虎の尾を踏む男達」の冨樫左衛門(藤田進)=「隠し砦の三悪人」の田所兵衛(藤田進)=「スターウォーズ」のダース・ベーダー(初代の声はジェームズ・アール・ジョーンズ)。
- 「虎の尾を踏む男達」の強力(ごうりき=荷運び人夫、喜劇王エノケンこと榎本健一)=「隠し砦の三悪人」の太平(千秋実)と又七(藤原釜足)=C3POとR2D2の凸凹コンビおよびハン・ソロ船長とチューバッカの凸凹コンビ
ルーク「彼女、金持ちだぜ」
ハン・ソロ「金持ち?」
ルーク「ああ、金持ちで有力者だ。助ければきっと…」
ハン・ソロ「何だと?」
ルーク「きっと報酬は想像だ出来ないくらい…」
ハン・ソロ「知った事か。ちょっと黙ってろ…」
バラバラにされてチューバッカに運ばれるC3PO
「頼むのはあの強欲。金を背負わせればどのような苦難にも耐えましょう」
— 名言・名文bot (@meigen_meibun) 2017年1月20日
真壁六郎太 - 映画『隠し砦の三悪人』登場人物 - 「虎の尾を踏む男達」で強力が背負って運ぶ笈(おい)=「隠し砦の三悪人」で太平と又七がって運ぶ米俵と鍋=「スターウォーズ」におけるR2D2のデザイン
つまり…
- 源義経=レイア姫&ルーク・スカイウォーカー(流浪の貴種)
- 武蔵坊弁慶=オビ=ワン・ケノービ(忠臣)
- 冨樫左衛門=ダース・ベーダー(敵中の味方)
- 強力(喜劇王エノケン)=C3PO&R2D2およびハン・ソロ&チューバッカ
そしてどの作品も基本的には「関所破り」の話です。
- 「虎の尾を踏む男達」の主眼は江戸時代、上流階層に好まれた能楽の「インテリ弁慶(能楽)」と庶民に好まれた歌舞伎の「芋洗い弁慶(歌舞伎)」のええとこどりにあった。
*「芋洗い弁慶」…人質として残された弁慶が、一行が十分離れた頃合いを見計らって暴れ出す。関所の全員皆殺し。用水桶に全員の生首を放り込んで芋を洗う様にぐるぐると搔き回す。江戸時代初期の庶民は血に飢えてたので、こういう演目が受けたのである。その一方でこの場面がない「勧進帳」には「お高くとまりやがって!! 俺たちの愛してる弁慶はこんなんじゃねぇ!!」と野次を飛ばしたという。 - 「隠し砦の三悪人」における関所破りは「(叡智で無難に擦り抜ける)インテリ版」と「(荒事に発展する)庶民版」の二段階構成とする事でこの問題を解決。
- 「スターウォーズ」における「関所破り」も「(フォースの力で検問を無事擦り抜ける)惑星タートウィーン脱出場面」と「(オビ=ワン・ケノービが犠牲となる)デススター脱出場面」の二段構え。
根底にあるのはいわゆる「貴種流離譚」。基本構造を同じくしながら、刻々と変化を遂げていくのは「伝説の人達(Legend)」と「庶民」の関係。
- 「虎の尾を踏む男達」では「芋洗い弁慶」は庶民の想像の中にしか存在しないという設定。そして「伝説の人達(Legend)」は自分たちの悲劇に巻き込むのが忍びなくて「庶民」を置き去りにしていずこへともなく去っていく。
*エノケン演じる強力はそれと知らず義経一行に「芋洗い弁慶」の話を得意げに話して聞かせ、置き去りにされた後で(歌舞伎では幕切れに弁慶がする様に)ラストシーンで飛び六方を踏む。果たして両者は出会ったといえるのか?
さば通信 : 時代劇の鉱脈(黒澤明「虎の尾を踏む男達」その1)
さば通信 : エノケンと歌舞伎と黒澤(黒澤明「虎の尾を踏む男達」その2)
*そもそも元来「貴種」って、何か余程の不運にでも見舞われない限り都を離れて地元の田舎に現れてなんてくれない。「東京のイケメン、ここにあれ!!」みたいな気安い気持ちで召喚したら大変な事に。現れたら現れたで遠藤周作「沈黙(1966年)」の密入国パードレみたいに現地にトンデモない災厄をもたらす可能性の方が高い存在でもあった訳です。 - 「隠し砦の三悪人」では侍大将・真壁六郎太が風聞に恥じない剛勇を見せつける。しかし結局「庶民」の人生と「伝説の人達(Legend)」の人生は一瞬交わるだけに終わる。
*雪姫には「ローマの休日(Roman Holiday、1953年)」でオードリー・ヘップバーンが演じた「凛とした某国王女」のイメージ投影もあって「伝説の人達(Legend)と庶民の邂逅が一瞬に終わる」展開ははこれに由来すると見る向きもある。
- 「スターウォーズ」における「庶民」は、巻き込まれたらもう二度と逃げられない。遂には「伝説の人達(Legend)」が皆死ぬか隠れてしまい、自分たちだけで突撃する展開まで…
*これって「進化」なの? 「庶民側の要望」が反映された結果なの?
それはそれとして「世界の黒澤」が後世に与えた影響が大き過ぎて、上に列記した映画にもオマージュ・シーンが沢山あって溜息が出ます。
その一方で「隠し砦の三悪人」の「三悪人」が終戦後「虎の尾を踏む男達」の撮影現場を見学に訪れた事もあるジョン・フォード監督の「三悪人(Three Bad Men、1926年)」に由来するのは有名な話。
もはや「A=B, B=Cが成立するならA=C」とか列記してられない展開に?