諸概念の迷宮(Things got frantic)

歴史とは何か。それは「専有(occupation)=自由(liberty)」と「消費(demand)=生産(Supply)」と「実証主義(positivism)=権威主義(Authoritarianism)」「敵友主義=適応主義(Snobbism)」を巡る虚々実々の駆け引きの積み重ねではなかったか。その部分だけ抽出して並べると、一体どんな歴史観が浮かび上がってくるのか。はてさて全体像はどうなるやら。

【雑想】ますます「政治先進国化」が加速する韓国新政権が羨ましい?

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今でも日本には「韓国こそ日本よりはるかに先を行く政治的先進国」と絶賛し続けている人達がいます。

どうして「反安倍こそナチス」なのか。

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それは「あらゆる政治的経済的成果より(国民全体を統治下に置く為の大義名分を獲得する為の)党争における勝利」としたカール・シュミット政治哲学の「礼儀状態」理論や儒教的伝統に基づく「愚民に対する政治的エリート集団の独裁」を肯定した福本イズムの伝統に連なっているからである。
福本イズムが説いた「理論闘争によって,労働者の外部からマルクス主義意識を注入する必要性」の源流は「革命理論を教養として身につけた政治的エリートが、それを理解しない愚民を全面統治下に置くべき」とした民主集中制そのもの。そのさらなる起源はロシアやドイツの家父長的権威主義にあり、今日なおこれが日本のインテリ階層における「反知性主義は滅ぼすべき」理論の根底にあり続けている。

要するに、これらは全て「具体的な形で外交的経済的課題の解決を志向する政策政治が崩壊し、党争における勝利が最優先課題となった末期的状況」の産物だったのであり「今や日本は親安倍勢力と反安倍勢力に二分された。中間的立場は許されない」と扇動する「反安倍勢力」が志向するのもまた、こうした時代の再来なのである。

 確かに科学的マルクス主義の観点からすれば、韓国は「日本より何周も先に進んだ国」なのかもしれません。要するにそれは「より資本主義的矛盾の限界に近付いて崩壊が間近な国」という事。どうやら一部日本人にとってはそうした韓国の状況が羨ましくて仕方がないらしい模様。安倍政権に爪の垢を煎じて飲ませたい?

韓国が「政治的先進国」という指摘は既に朴槿恵政権の時代からなされていました。

朴槿恵(パク・クネ)大統領は「ユーラシア・イニシアチブ」を語り、「今年は南北統一が大当たり(大きなチャンス)」と叫んでいるが、その国の現状はどうなのか。

現代的な自前の技術はなく、軍は事故ばかりで稼働率の低い兵器を抱えている。その一方で、財閥と官僚が横暴を極め、低賃金の非正規職労働者や失業者ら、プロレタリアがあふれている。マルクスが予言した“悪い資本主義国”の姿そのものだ。それなのに「ユーラシア」「統一」…。

北朝鮮が経済的に瓦解(がかい)すると、ドイツがそうであったように、明日にも統一が実現する可能性が…。日本でも、韓国でも、こんな近未来シナリオが常識のように語られていることが、私には不思議だ。

北朝鮮が豊かだったことは、戦後一度もない。常に貧しかったが、よろめきつつ続いてきた。貧しさに耐久性がある国であり、不満分子は完全に隔離されている。宮廷革命ならともかく、体制転覆の革命=国家としての瓦解は容易に起こるまい。いや、瓦解したとしたら、中国がいち早く北全土を掌握するだけのことだろう。

むしろ、南北統一の可能性があるとしたら、南が北に跪(ひざまず)くスタイルではなかろうか。

韓国に盧武鉉ノ・ムヒョン)政権を超えた従北左翼政権が誕生し、韓国軍や情報機関の指導部を左翼に置き換える。そして、米韓相互防衛条約の破棄を通告し、南内部が左右の激突で混乱する中、南の政権が北に鎮圧部隊の派遣を要請し…というシナリオだ。

前回の大統領選挙は51%対48%の接戦だった。開票は公正だったとしても、国家情報院と国軍サイバー司令部の心理戦団によるネット書き込み工作がなかったなら、どんな票配分になっていたのだろうか。

朴氏は「経済民主化」「高福祉」「中小企業振興」などを公約に掲げて戦った。圧倒的に人数が多いプロレタリアと高齢者を意識した戦術だった。

しかし、就任して1年余、どの公約も縮んでしまった。「朴槿恵親政」などと言われる一方、「ポスト朴」らしき人脈の蠢(うごめ)きすら感じられない。

自分の任期中のことだけで頭がいっぱいで、次のことなど考えてもいないように思える。それはまさに、第2の盧武鉉政権への地ならしだ。

そして実際に文在寅大統領が誕生すると、こうした動きがさらに加速。

韓国大統領選(9日投開票)で、下馬評通り極左の最大野党「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)氏(64)が勝利した。文氏の経済政策はなかなか興味深く、「政府主導で経済成長」を掲げている。

具体的には、警察官や消防士、医療・保育の公共機関職員を、新たに51万4000人採用。さらに、公共機関で働く約30万人の間接雇用(=いわゆる、派遣社員)を、直接雇用に切り替える。財源は、歳入の自然増や予算見直しに加え、「大企業や高所得者層向けの増税」で賄う。と、明らかに「反グローバリズム」的な経済政策が中心になっているのだ。

韓国は、1997年からの「アジア通貨危機」と「IMF国際通貨基金)管理」によって構造改革を強制され、グローバリズムの優等生として成長してきた。結果、正社員と非正規雇用、大企業と中小企業など、さまざまな所得格差が拡大した。

過去10年で、正社員の月平均賃金は47%増加したのに対し、非正規は25%増にとどまった。また、正社員にしても、大企業と中小企業の給与差は2倍に達している。

若年層失業率はILO(国際労働機関)推定で10%を超え、「恋愛」「結婚」「出産」「マイホーム」「人間関係」「夢」「就職」の7つを諦めざるを得ない「七放世代」が増大している。2015年には「ヘル・コリア」(地獄の朝鮮)と、韓国を卑下する表現が流行語になった。

相も変わらず、財閥経済。財閥オーナーと、オーナー一族、そして財閥役員が、現代の兩班(ヤンバン=貴族)として振る舞い、多くの国民は過激な競争に敗れ、困窮していく。

グローバリズムの蔓延(まんえん)で、特に若い世代(40代以下)に蓄積された鬱屈とした思い、いわゆる「ルサンチマン」(恨み)が文氏を勝利に導いたのである。20代から40代の文氏支持率は、常に50%を上回っていた。

まさしく「科学的マルクス主義者が夢見てきた理想の展開」?

ロシアの革命家、レーニンは自著『経済主義的ロマン主義の特徴づけによせて』で、共産主義運動指導者、カール・マルクスが講演において、西欧諸国における「古い経済生活」と「古い半家父長制的諸関係」を、資本主義が破砕したと解説し、さらに自由主義が「破砕」を促進するとも指摘した。「ただ、この意味でのみ、諸君、私は自由貿易に賛成するものなのである」と語ったと書き残している。

マルクスは、経済自由主義-今風に書くと「グローバリズム」-だが、社会の基盤や秩序を破壊し、革命の機会を醸成するが故に、自由貿易を支持していたのである。

まさに、現在の韓国は、グローバリズムにより既存の秩序が「破砕」され、特にルサンチマンが蓄積された若い世代が「清算」を求め、「革命家」を大統領の座に押し上げたように思えてならないのだ。

北朝鮮に融和的で、かつ既存の秩序の「清算」を掲げる大統領が誕生したことで、韓国経済はかつて経験したことがない、混乱の渦の中にたたき込まれることになる。

*実は韓国において「森友学園」問題や「加計学園」問題の様な政治的スキャンダルは起こり得ない。政権側が確実に弾圧して潰してしまうからである。「どうして韓国人は反日問題や反米問題でしか団結できないか」は、韓国エンターテイメント業界における「民族精神を滋養する映像世界において韓国人は全員善人として描かれなければならず、悪人は全て外国人でなければならない」なる暗黙のルールと切っても切れない関係にあるのである。

*ただでさえ韓国の民族左派は伝統的に老若男女の秩序を重んじ「韓国精神を汚染する」退廃的な外国文化を嫌悪する宗教右派と二人三脚で闘争を積み重ねてきた。そもそも韓国における宗教右派の起源はアメリカのそれの宣教師による移植で、実は韓国は「進化論が否定される」かくして「赤い牧師」「赤い神父」「赤い僧侶」と呼ばれる急進左派グループが暗躍を続ける遠因の一つとなっていたりする。詳細は不明だが、おそらくこうした流れは「日本において新左翼運動が琉球民族アイヌ民族独立運動に傾倒していく過程」や「アメリカにおいてウルトラ・フェミニズム宗教右派共闘が成立していく過程」とも密接な関係がある。そもそもの問題は科学的マルクス主義が破綻した後、民族左派がそのロシア的家父長主義の伝統を継承した辺りにあるのかもしれない。「左翼が民族主義に傾倒するほど「男女平等」や「民族平等」を標榜するリベラリズムから乖離せざるを得なくなるジレンマ」については船戸与一の「赤いハードボイルド小説(1984年〜1995年)」でもしっかり描かれていた。

*「守旧派」だけでなく「進歩派」も権威主義的伝統を盲目的に容認する空気は、その反動として(大学卒の半数が就職出来ない)若者達の間に「韓国において本当に尊ばれるべきは韓国人の若者であって、老人や外国人や心身障害者を同じ人間扱いするのは人道的に間違っている」なんて「革新思想」を広める効果も生んでいる。この空気が政治活動に身を投じた日本の若者層にも伝わり「あえて点字ブロックを塞ぐ様にデモする」「身障者用トイレに「ナチス安倍政権の既得権益甘受者はそれを恥じて自殺しろ」的な悪戯書きを書き込む」といった行為が英雄視される風潮が広がっているとも。

そりゃ一部日本人が「日本もモデルとすべき政治的先進国」と絶賛する訳だ? さぁいよいよ今度こそ「左翼陣営の戦陣訓」民衆の歌(Do You Hear the People Sing?)が響き渡るぞ!?


*「左翼陣営の戦陣訓」…アメリカ人にも相応に「レ・ミゼラブル」の熱狂的ファンが存在するが、彼らの間ですらこの曲について触れる事だけはタブー視されている。「政府との対話」を拒絶し抜き一般人にもマスコミにも見捨てられた「ウォール街を占拠せよ運動」の最後の残党が、警官隊に粉砕されながら合唱した曲だったせいで、同じ景色がトルコのタクシム広場や香港の龍和道でも繰り返される事になった。国際的に急進左派は絶対に台湾の「ひまわり運動」の様な円満解決を認めない。そのせいで、この曲は2010年代に入ってまさしく「玉砕強制フラグ」認定を受けるに至ったのだった。

新聞や映画雑誌は、「レ・ミゼラブル」が韓国で大ヒットしている理由を、「大統領選挙後、“革命”に敗れた20~40代を癒すヒーリングムービー」だからと分析している。19世紀のフランスは格差や不平等が根付き、お金と権力のある人は貧乏人を人扱いしなかった。金持ちはあの手この手を使ってさらに財産を増やし、貧乏人はどんなに働いても貧乏になる一方だった。そんな世の中を変えようと希望を持った若者が立ち上がるが、革命は失敗に終わってしまう。

正義とは何か。慈悲とは何か。愛とは何か。レ・ミゼラブルが提起したこれらのテーマが、大統領選挙で野党候補を当選させて世の中を変えたい、貧富の差を少しでも減らしたい、とがんばったけど夢かなわなかった20~40代を慰めているというのだ。

観客は、自分をジャン・ヴァルジャン、ファンティーヌ、ジャベール、エポニーヌ、マリユスなど登場人物に重ね合わせ、共感し、もう一度立ち上がろうという気になった。この点も、レ・ミゼラブルがヒットした理由の一つと韓国のマスコミは分析した。

*この記事を見る限り多分韓国人の大半は実際の六月暴動(1832年)が「オルレアン公の招聘した外人部隊の異端分子の粛清(彼らの扇動に乗せられた一部労働者を除き、フランス人の大半は黙ってそれを眺めていただけ)」だった事も、原作の「レ・ミゼラブル」が「経済的に成功してブルジョワ階層の仲間入りを果たしたジャン・ヴァルジャンが「金儲けの秘訣」を「不毛な」六月暴動における玉砕から救った「娘婿」マリユスに伝授してハッピーエンド」という結末を迎える事も知らない。

まさしく宮沢賢治オツベルと象」の世界とも?