諸概念の迷宮(Things got frantic)

歴史とは何か。それは「専有(occupation)=自由(liberty)」と「消費(demand)=生産(Supply)」と「実証主義(positivism)=権威主義(Authoritarianism)」「敵友主義=適応主義(Snobbism)」を巡る虚々実々の駆け引きの積み重ねではなかったか。その部分だけ抽出して並べると、一体どんな歴史観が浮かび上がってくるのか。はてさて全体像はどうなるやら。

【雑想】「伝統的女神三態イメージ」に埋め込まれた「女性の生涯時間」問題①

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ロリータ・コンプレックスなる言葉のニュアンスが日米で全く異なる」点について、さらに詳しく。なにしろ国際SNS上の関心空間において女子アカウントが選んできた「ロリータ・ヒロイン」が以下。

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私屋カヲルこどものじかん(2004年〜2013年)」の九重りん(CV喜多村英梨

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竹宮ゆゆことらドラ!(2006年〜2009年)」の逢坂大河(CV:釘宮理恵

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物語シリーズ」の忍野忍(CV:平野綾/坂本真綾

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そして2010年代を彩った「ドラゴン娘」達…

*「(臆病な男性主人公に「彼女を守る騎士」の座を用意してくれる)引き篭もり系美少女」と「(仕える相手は自分で選ぶ、当人自体は人間性に欠けた)ドラゴン娘」…ここで改めて、思わぬ形で「究極の自由主義は専制の徹底によってのみ達成される」政治的ジレンマが浮上してくる? それぞれ自らを主人公に据えた「サディストのファンタジー」と「マゾチィストのファンタジー」は決っして噛み合う事はないとも。

何故和製コンテンツがここまでこの分野において国際的ニーズに食いこめたかというと、同じニーズに対するアメリカの対応が「暴力に甘くエロに厳しい」レギュレーションのせいで「彼女らのニーズのド真中」が通らないせいとも。

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「悪い種子(The Bad Seed、1954年)」のローダ

原作においては一連の恐ろしい出来事の後、クリスティーンが娘ローダの性質が、自分の持つ悪い血(種子)を受け継いだためだと考えるようになる。

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そして彼女に睡眠薬を大量に飲ませ、自分はピストルで心中を図る。どちらも失敗に終わるが、なお失意の中にある母をよそに、ローダは知らせを聞いて駆け付けた父の前で平然とした笑顔を見せる。

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映画販(1956年)には続きがある。その夜、ローダは嵐の中、こっそり家を出て、自分の不利になる証拠を始末しようとするさなか、突然の落雷を浴びて死んでしまう。その後エンドタイトルを前にメインキャストによる朗らかな様子のカーテンコールがあり、ローダは母にお尻を叩かれながら、コミカルで子供らしい笑顔を見せる。(日本のテレビ初放映時は、これらの場面はカットされていた)

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これはヘイズ・コードに準拠した改変であり、悪が勝ったまま終わる結末を避け、ローダに天罰ともいえる死を与えたこと。明るいカーテンコールで、残虐な印象を軽減したことの二点にその特徴を見てとる事が出来る。

*「ペーパー・ムーン(Paper Moon、1973年)」はまさにかかるHays CODE崩壊が産んだ落とし子だったとも。

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*実はこの辺りの教養抜きに 「エンジェルウォーズ話法」の完全解読は不可能。要するに「あの謎エンディング」こそが案外肝だったりする。ポー・ダメロン(Poe Dameron)が家父長主義的に君臨する恐るべき擬似家族と、これに対する「娘達」の絶望的叛逆。こうして「I can fly anithing!! (何でも飛ばしてみせるぜ!! )」なる名台詞に新たな意味合いが付加される展開に…

*実は古代ギリシャ神話における「農耕神クロノスが(母親たる)地母神ガイアに唆される形で(父親たる)天空神ウラノスを裏切る」展開までは古代メソポタミア文明に起源を有するフェニキア神話だったりする。フェニキア商人は「紀元前1200年のカタストロフ」を契機に「神殿宗教と灌漑農業に支えられた都市国家群」の没落が深刻化した紀元前10世紀頃から、新アッシリア帝国新バビロニア帝国が「まつろわぬ都市国家」を神殿破壊や住民大移動によって殲滅する様になった紀元前8世紀頃にかけて地中海沿岸一帯を単一商圏として支配下に置いていた。

*その「各泊地の在地首長と政略結婚を重ねつつ現地に神官を送り込み現地の土俗的信仰を「バール(男主人)/バーラト(女主人)夫婦神」を中心に据えた宗教祭祀に再編する」独特のやり口は旧約聖書に詳しい。バビロンの都市神マルドゥクMarduk)に類似した唯一神ヤハウェを崇拝する「ヘブライ民族」にとって、こうした宗教祭祀形態の強要は「バビロン捕囚(紀元前587年/586年〜紀元前537年)」に匹敵する「宗教的危機」を引き起こしたとされる。「啓典の民」を誕生させた人類初の「民族問題」にして「宗教問題」。一方、神殿破壊や住民大移動によって「宗教」や「民族」を破壊し尽くそうとする浄化政策は「スターリンのジェノサイド」にまで連綿と受け継がれていく。まさしくそれは「沖縄独立に賛成する琉球人はたった4%しかいないというが、残り96%さえ粛清してしまえばたちまちその数字は100%となる。多数決原理なんてその程度の脆弱な指針に過ぎない」なる急進左派独特の「冷たい方程式」の大源流でもある。

旧約聖書にもイスラエル王国ユダ王国の王族がフェニキア商人と政略結婚すると神官が送られてきてヤハウェに配偶神が設定されるエピソードが存在する。

実際サマリアの神話や遺跡には「アシェラとヤハウェの夫婦神祭祀」の痕跡が残されているし、エレファンテネのユダヤ傭兵居住地でも「天空の女神とヤハウェの夫婦神」という体裁で祀られていた。

「民主主義」諸国:スターリニズムの共犯者 | 国際共産主義潮流

*どうやら当時まで遡ると古代ギリシャ神話の最古型における主神もまた「天空神ゼウス(Zeus)と(「ゼウス」の女性形たる)配偶神ディオネ(Dione)」であったらしい。しかしながら「古代ギリシャ冒険商人集団」は紀元前8世紀以降、海賊行為と植民市への大量移住を武器として次第に東地中海沿岸をフェニキア商人から勝ち取っていく。そしてその過程で古代ギリシャ神話もまた「(ギリシャ人の主神)ゼウスが(地母神ガイアや天空神ウラノス勝利したフェニキア人の主神)クロノスをさらに打倒する物語」へと変貌を遂げていったが、しかしながら(オーギュスト・ブランキが冷徹に指摘してのけた様に)革命の成功は常に「新たな既存政権」の誕生に過ぎない。かくしてゼウスもまた「自らも新たな革命により打倒される恐怖」に怯え「子供達の反抗」を弾圧する毎日を送る展開に。「美の女神アフロディテの二つの出自」や「(都市国家アテナイの守護神アテナの母たる)知恵の女神メティス(Metis)の受難」といった物語がこの過渡期独特の価値観の混乱を今日に伝える。
メーティス(Metis) - Wikipedia
アプロディーテー(Aphrodite) - Wikipedia

*現代人は古代ギリシャ神話を「完成した一つの体系」と認識しているが、そもそも当時の古代ギリシャ都市国家群の分裂はあまりにも激しく「古事記(712年編纂)」や「日本書紀(720年)」の様な形で「当時ヤマト王権に服属した諸氏族の伝承を統合した決定的古典」が残された日本神話やキリスト教伝来を契機にまとまった形で文献記録が残された北欧神話や(マルクス史観のベースとなった)アイルランド神話と違って各時代ごとにその内容は大幅に異なり、むしろそれらの間に一貫性を見出す事の方が難しかったりする。

*しかし逆を言えば、むしろ堂々と各時代ごとに全く異なる形で「民族統合の柱と為す為の強引な編纂」が行われてきたが故に「全時代を貫く神話的本質」と「各時期において支配的だった政治的状況」の分離が比較的容易なのが研究者にとっては魅力の宝庫とも。

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激昂すると「みんな殺しちゃう」宮崎駿監督映画「風の谷のナウシカ1984年)」に登場する「族長の娘」ナウシカ


当時の日本におけるフェミニストやエコ左翼評価と、21世紀に入ってからジブリファンが見出した「もののけ姫(1997年)」との連続性はまた異なる。後者はさらに「スター・ウォーズ/フォースの覚醒(Star Wars: The Force Awakens、2015年)」との連続性まで見出している。


キル・ビルKill Bill、2003年)」に登場する「モーニング・スターを使いこなす女子高生美少女」


あえて言うまでもなくこれは「桜の代紋入りのヨーヨー」を武器とする和田慎二スケバン刑事(原作1976年〜1983年、実写ドラマ化1976年〜1983年)」へのオマージュである。

 しかしながらアメリカにおいては(フロンティア・スピリッツに基づく)無政府主義への憧憬心がより根強いのでこういう展開となる。

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ハードキャンディ(Hard Candy、2005年)」におけるヘイリー・スターク(エレン・ペイジ)。

実はこの映画の原案は「日本の新聞記事に掲載された美人局事件」だったりする。日本、色々な意味で「宝庫」過ぎ。
日本、色々と「宝庫」過ぎ…そういえば「(男性への不信感をこじらせて)チ◯コ狩りに邁進する様になった絶対暴力系美少女(ただし男性側が改心すると後で返してくれる)」は早くも平安時代の説話集に登場している。とはいえ「全て日本起源」と偽装するその態度は気にくわないとする意見も。

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キック・アス(2008年〜2010年)」におけるヒット・ガール

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「ローガン(Logan、2017年)」におけるローラ(ダフネ・キーン)

ジェームズ・マンゴールド監督は当初からR指定を条件にスタジオ側と交渉していたという。一方演じるヒュー・ジャックマンも自身のギャラを減らしてまで、その点にこだわった。この二人にとって、子供の観客を切り捨てないと描けないことが、どうしてもあったということである。
*しかもそれが実際は「子供達自身も望んでる何か」だったりするからややこしい。

「自分たちと違うもの」を迫害する多数派。その構図を描き続けてきたこのシリーズは、現実の社会問題を反映している。来日したジェームズ・マンゴールドヒュー・ジャックマンはそう名言した。

LOGAN/ローガン」にもその色は濃い。とくに今回私が感じたのは、3人を追う側の人間たちが人工的に作り出したミュータント兵士のことを「特許品」と呼ぶシーンである。ここで観客のだれもが感じるであろう嫌悪感に注目すべきではないか。

遺伝子を組み替えた人間を特許品と呼ぶのも、遺伝子を組み替えた小麦をそう呼ぶのも、根本的には大差がない。そういう世界に現実の私たちも生きている。

実際には国際SNS上の関心空間上における「私屋カヲルこどものじかん(2004年〜2013年)」や浅野いにおおやすみプンプン(2008年〜2013年)」などを推す)インテリ気質のハイティーン系女子組」と「岸本斉史NARUTO -ナルト(1999年〜2014年)」や「アバターAvatar)シリーズ(2005年〜2014年)などを推す)武闘派のローティーン系女子組」の関係は最初から順風満帆だった訳ではなくて、2011年時点で(双方の陣営が3桁以上のアカウントをLostした様な)激しい衝突も経験していたりします。

後者のイメージの大源流は「(古代地中海世界において各部族間で崇拝されていた)三態の女神イメージ」、すなわち以下まで遡るとも。
Barbaroi!
ギリシア神話・伝説ノート

  • (その潔癖症ゆえに過剰なまでの攻撃衝動に苛まれる)幼女
    *信者達の恋愛沙汰を許さない残虐な狩猟神アルテミスの起源とも。

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  • (何とか大人にはなって過去の暴走を反省する様になったものの、悟り切った平安な精神状態には程遠い)婦人。
    *豊穣と不作を司る地母神デメテルの起源とも。

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  • 相応の財産を獲得して富裕となって「伝統的既得権」すなわち家母長として君臨する老婆。
    *人間の生死を左右する運命の女神ヘカテーの起源とも。

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かくして戦場は「古代ギリシャ・ローマ時代」へのタイムスリップを余儀なくされる展開に。