諸概念の迷宮(Things got frantic)

歴史とは何か。それは「専有(occupation)=自由(liberty)」と「消費(demand)=生産(Supply)」と「実証主義(positivism)=権威主義(Authoritarianism)」「敵友主義=適応主義(Snobbism)」を巡る虚々実々の駆け引きの積み重ねではなかったか。その部分だけ抽出して並べると、一体どんな歴史観が浮かび上がってくるのか。はてさて全体像はどうなるやら。

【雑想】「ゾンビ映画の父」G・ロメロ氏死去

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ちなみに以下、グロ注意。

そもそも今から思えば、この人の作風の最大の特徴は「ホラー映画に政治批判を持ち込み、かつ完全に題材として消化し尽くす」なる奇跡を幾度となく繰り返してきた事かもしれません。

①「Night of the Living Dead(1968年)」 においては、新左翼運動やヒッピー運動の終焉に戸惑う市民運動家達をゾンビとして揶揄する一方、最後まで生き延びるのが黒人でしかも白人に射殺されるという結末によって黒人公民権運動との分裂を描いたとされる。
*誰かがちゃんと解説してくれるのを待ってるのだけれど、どうもこの「最後まで生き延びる黒人」って「ガッデム!!(God damn!)」の代わりに「ムアディブ(Mohadiv?)!!」と叫んでいた様な。Black Panther やNation of Islamの暗喩?

*ちなみに「ムァディブ=砂漠の救世主」という表現はフランク・ハンバート「デューン(Dune)シリーズ(1965年~1985年迄)」にも登場する。元来は第二次世界大戦中、アフリカ戦線で活躍した英軍RATパトロールの合言葉(ドイツ兵には発音が難しかったのが採用理由)とも。
ゆめで逢いましょう - デューン砂の惑星 84年

②「Dawn of the Dead(1978年)」では、スーパー・マーケットに籠城して恵まれた生活を送る「富裕層」と「(それを妬み中に押し入ろうとする)貧民達」を対比させて貧富格差の広まるアメリカを揶揄した。


③「Land of the Dead(2005年)」の主題はズバリ移民問題。「ゾンビ=不法移民」に対峙させられるのも「市民権が欲しくて武器を手に取った使い捨ての余所者傭兵集団」という絶望的状況を描き出した。


何が凄いかって以下の3点が揃ってる辺り。

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  • 元来、下手に政治的風刺を盛り込むと(政治的状況が変遷して当時の状況が忘れられる事によって)その作品の寿命を縮めてしまう。ところがロメロ監督の場合、その観点を徹底的に普遍的な認識構造に咀嚼してから盛り込むので「作品が古くなる」という事がない。

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  • しかも、そうして盛り込まれた「普遍的構造」が「ソンビと対峙する恐怖」とちゃんと密接に関わってくるので鑑賞者はそれを皮膚で体感する事になる。

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  • 一方、こうした「普遍的構造」の導入によって同時に「ゾンビVS人間」という図式だけでなく「人間VS人間」という対立図式も盛り込まれ、ドラマ展開に厚みと緊張感が増す。

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本当に惜しい人を無くしました。冥福をお祈りさせて頂きます。

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出来れば蘇ってまた新作を撮って欲しい…