困った事に「全てが数値化されていく現代社会」において安直に科学主義(Scientism)に従って「全てを超越的に統べる数理」を求めようとすると大抵は破滅に終わります。ある意味「科学的マルクス主義」に従って理想の楽園を構築しようとした共産主義思想が最近にして最大の反面教師とも。
それでは一体どう考えたらいいのか? 例えばこんなアプローチがあったりします。
システム思考(Systems thinking) - Wikipedia
様々な種類のシステムの多様な研究の技法が含まれる。
- 自然界では、例えば、大気、水、植物、動物など相互に作用を及ぼす多様な要素を含む生態系(エコシステム)があげられる。
- 組織について言えば、組織を健康や不健康にするように機能する、人、構造、プロセスから構成される。
システム工学は、複雑な工学システムを設計、構築、運行、維持するためにシステム思考を使う分野である。
歴史と概要
ヤン・スマッツのホーリズムから、1940年のルートヴィヒ・フォン・ベルタランフィの一般システム論や、1950年代のロス・アッシュビーが解いたサイバネティックスに至る広範な起源に由来する。この分野は、さらにジョイ・フォレスターやMITの組織学習協会の会員によって展開された。
- 物事をシステムとして捉え、その要素間の因果関係をグラフとして表し、その構造を利用して振舞の特徴把握や定性的な分析を行う考え方。 システムの各要素は、環境やシステムの他の要素から分離した場合、異なる振る舞いを見せるという前提に基づく。 全体論的なシステム観を持ち、デカルトの還元主義と相対する考え。
- 全体のシステムを構成する要素間のつながりと相互作用に注目し、その上で、全体の振る舞いに洞察を与える。 全ての人間活動は開放系であり、それゆえ、環境からの影響を受ける、という考えに基づく。
- 複雑系において出来事は距離と時間によって区別され、 小さな種となる出来事がシステムにおける大きな変化へとつながりうる。 ある領域での変化が、別の領域で逆向きの変化をもたらすこともある。 従って、縦割りの思考の弊害をさけるため、全てのレベルでの有機的なつながりを強調する。
システムダイナミックスから生まれた分析手法で、主に経営・経済問題の分析など定量的な把握が困難なものに関して用例が見られる。アメリカの経営学者ピーター・センゲ(Peter Senge)がその著書『The Fifth Discipline(1990年)』(ISBN 0385517254、邦訳『最強組織の法則』(徳間書店))で用いて広く認知された。
これまで述べて来た「(各要素間の連続性と連動性がカプセル化によって互いから隠された)オブジェクト指向プログラミングの世界」と仏教における「縁起の世界」を同一視しようとしてきたこのサイトのアプローチとの親近感を感じます。それでは本当に「全てを超越的に統べる数理」など実在するのでしょうか? 残念ながら我々は例えそれを発見したとしても(既にそれが発見済みだったとしても)、その事実を検証する手段に決定的に欠けているのですね…問題はまさにその事自体かもしれません。