ING on Twitter: "My prince.… "
映画「ブラックパンサー(Black Panther、2018年)」の数少ない弱点の一つは「アクションシーンが少ない」事?
「アクションシーンが少ない」という意見を見かけましたが
— ケロヨン (@oyasumi210z) 2018年3月20日
それは
ブラックパンサー自体が「装い」でしかないからだと思います
現に妹が吸収能力を後付けできたように
スーツの存在自体に兵器としての葛藤がある「アイアンマン」とは違い
スーツに意味はない
この映画、ヒーローものじゃないんですよ pic.twitter.com/UvnNI3qo97
その証拠に本編でティ・チャラはスーツを着ていてもマスクを付けてない素顔のシーンが多いんですよ
— ケロヨン (@oyasumi210z) 2018年3月20日
これは作り手が無意識に
ヒーローもの<<<キャラクターのドラマ
を描こうとして力が入った偏りの部分だと思う pic.twitter.com/K1sWzp6dtB
だから『ブラックパンサー』は「映画」としてのドラマがよくできてる
— ケロヨン (@oyasumi210z) 2018年3月20日
でも、ヒーローものとしてアクションにしてほしいという気持ちは
僕がゴジラやガメラよりウルトラマンが出てきてずっと戦闘シーンが続けばいい、隊員や少年のドラマなんか要らない
と願ってた小さい頃を思えばわかる pic.twitter.com/T9RQzfpHcC
だから、アクションを観たいならアイアンマンを観るべきで
— ケロヨン (@oyasumi210z) 2018年3月20日
この映画は世界観から生まれるドラマを観る映画なんですが
MCUとしては珍しい単品で楽しめる作品として
一作目の『アイアンマン』のMARK1の初登場シーン
「暗闇での戦闘」がオマージュされてる pic.twitter.com/BHuzYK5Jvr
これまでマーベル・シネマティック・ユニバース(Marvel Cinematic Universe、MCU)世界の正義は概ねプラトンやアリストテレスに始まり、アラビア哲学を経て欧州スコラ学にもたらされた「イデア流出論」に従ってきました。おそらくこの基本構造自体は「アベンジャーズ4」以降も変わらないと考えています。
*そもぞも「アクション映画の基本スタンス」としては、全然破綻してないので変える必要がないとも…
米バニティ・フェア誌の取材で、マーベル・スタジオのケビン・フェイグ社長が明らかにしたもので、マーベルの映画作品は「アベンジャーズ4(仮題)」以前と以後に分かれるという。「アベンジャーズ4(仮題)」は、18年5月3日全米公開の「アベンジャーズ インフィニティ・ウォー」同様、ルッソ兄弟がメガホンをとっており、19年5月3日の全米公開を予定している。
- ここでいう「イデア流出論」とは 「神は無謬のはずなのに、どうしてこの世には悪が存在するのか?」を問う伝統的弁神論に対して「神の叡知自体は無謬だが、現世に流出する過程で誤謬が累積し、最後には正義と絶対矛盾する悪まで生じてしまう」なる答えを用意した系譜を指す。その成立にはアラビア哲学者にしてスーフィー(イスラム神秘主義者)でもあったペルシャ系法学者のガザーリーが大きな役割を果たし、欧州においては17世紀フランス絶対王政を正統化するイデオロギーとして普及。
*この構造、どうやら18世紀フランス啓蒙主義を経てロシアの科学的マルクス主義(特にスターリニズム)に継承されたっぽい。
*かくして1970年代以降「究極の自由主義は専制の徹底によってのみ達成される」ジレンマが強く意識される様になり、1980年代に入ると「有限資産としての人間の想像力の限界」を主題とするオメガファンタジーなるジャンルが台頭。
- MCUでいうと定義上「疑う事なき正義の実践集団」の筈なのに(いやむしろそれ故に)次々と内輪からヴィラン(悪役)を生み出し続ける「お騒がせ企業」や「お騒がせ一族」が物語を駆動する構造がこれに該当。
-
もちろん「ブラックパンサー」もこの構造自体は踏襲しており、かくして「ワカンダの遺産」の継承権を巡って「新国王候補者」ティ・チャラと「王位挑戦者」キルモンガーの衝突が発生する。
*それにつけても、またもや南アフリカ…というより大英帝国連合?*だからCIA捜査官エヴェレット・ロス(演マーティン・フリーマン)が007シリーズのフイリップス・ライターにしか見えない…
この構造の唯一に近い欠陥、それは「カルト映画にはなり得ない事」…
この映画の唯一の欠点あげるとすれば
— ケロヨン (@oyasumi210z) 2018年3月20日
「これはカルト化しない」
ということです
僕のカルト映画の条件は
— ケロヨン (@oyasumi210z) 2018年3月20日
①感情移入しやすいキャラクター
②覚えやすい音楽
③たった1つの価値観で統一された世界
①感情移入しやすいキャラクター
— ケロヨン (@oyasumi210z) 2018年3月20日
は「キルモンガー」なんですがこれは成功してます pic.twitter.com/tNdBjlgbx7
②覚えやすい音楽
— ケロヨン (@oyasumi210z) 2018年3月20日
はブレードランナーでもマッドマックスでもララランドでも
「この映画」と言えば「この曲」と言える音楽
音がいいで売ってるスクリーンで観たんですが
映画に合った曲はあるし盛り上がるんですが
メロディを歌えるような名曲がほしかった
とサントラ聴いても思う
③たった1つの価値観で統一された世界
— ケロヨン (@oyasumi210z) 2018年3月20日
本編で『ブレードランナー』の強力わかもとのおばさんが登場するんですが
いや、シド・ミードほどの才能による強烈な美術までは言ってないと思います
一番惜しいのはキルモンガー周り
ワカンダに来るまでキマッたカットがなく常に凡庸であの時間が勿体無い pic.twitter.com/VfhV1h9q4x
『ブラックパンサー』の唯一の欠点は
— ケロヨン (@oyasumi210z) 2018年3月20日
「臭くないこと」
何を出しても否らしくないし皆が好きになれる作れてる「巧い」映画で止まってるのが
あれだけの世界観を作れたのにふっきれてないなぁと
「それは「カルト」としてではなく、誰にでも受け入れられる「巧い」映画なんだから、そこを評価すべきでしょ
— ケロヨン (@oyasumi210z) 2018年3月20日
おまえがホドロフスキーみたいなのを勝手に期待してたことを作品の欠点にするなクソが」 pic.twitter.com/1pRV8k8I45
はい、そのとおりです pic.twitter.com/RQnXsrRfuG
— ケロヨン (@oyasumi210z) 2018年3月20日
なにしろ原則として「反逆者の英雄視」が不可能な世界観ですからね。とはいえこの方面も最近では揺らぎつつある感が… そしてこの部分を読み解こうとする努力こそが「2120年代のトレンド」解読につながってくるとも。
そう、MCUの世界観において「キルモンガーの啓発」を継承するのはこの人…