諸概念の迷宮(Things got frantic)

歴史とは何か。それは「専有(occupation)=自由(liberty)」と「消費(demand)=生産(Supply)」と「実証主義(positivism)=権威主義(Authoritarianism)」「敵友主義=適応主義(Snobbism)」を巡る虚々実々の駆け引きの積み重ねではなかったか。その部分だけ抽出して並べると、一体どんな歴史観が浮かび上がってくるのか。はてさて全体像はどうなるやら。

「ブラックパンサー」見てきました② 「MCU(Marvel Cinematic Universe)流正義概念」の臨界点?

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映画「ブラックパンサー(Black Panther、2018年)」の数少ない弱点の一つは「アクションシーンが少ない」事? 

これまでマーベル・シネマティック・ユニバース(Marvel Cinematic UniverseMCU)世界の正義は概ねプラトンアリストテレスに始まり、アラビア哲学を経て欧州スコラ学にもたらされた「イデア流出論」に従ってきました。おそらくこの基本構造自体は「アベンジャーズ4」以降も変わらないと考えています。
*そもぞも「アクション映画の基本スタンス」としては、全然破綻してないので変える必要がないとも…

米バニティ・フェア誌の取材で、マーベル・スタジオのケビン・フェイグ社長が明らかにしたもので、マーベルの映画作品は「アベンジャーズ4(仮題)」以前と以後に分かれるという。「アベンジャーズ4(仮題)」は、18年5月3日全米公開の「アベンジャーズ インフィニティ・ウォー」同様、ルッソ兄弟がメガホンをとっており、19年5月3日の全米公開を予定している。

  •  ここでいう「イデア流出論」とは 「神は無謬のはずなのに、どうしてこの世には悪が存在するのか?」を問う伝統的弁神論に対して「神の叡知自体は無謬だが、現世に流出する過程で誤謬が累積し、最後には正義と絶対矛盾する悪まで生じてしまう」なる答えを用意した系譜を指す。その成立にはアラビア哲学者にしてスーフィーイスラム神秘主義者)でもあったペルシャ系法学者のガザーリーが大きな役割を果たし、欧州においては17世紀フランス絶対王政を正統化するイデオロギーとして普及。

    *この構造、どうやら18世紀フランス啓蒙主義を経てロシアの科学的マルクス主義(特にスターリニズム)に継承されたっぽい。

    *かくして1970年代以降「究極の自由主義は専制の徹底によってのみ達成される」ジレンマが強く意識される様になり、1980年代に入ると「有限資産としての人間の想像力の限界」を主題とするオメガファンタジーなるジャンルが台頭。

  • MCUでいうと定義上「疑う事なき正義の実践集団」の筈なのに(いやむしろそれ故に)次々と内輪からヴィラン(悪役)を生み出し続ける「お騒がせ企業」や「お騒がせ一族」が物語を駆動する構造がこれに該当。

  •  もちろん「ブラックパンサー」もこの構造自体は踏襲しており、かくして「ワカンダの遺産」の継承権を巡って「新国王候補者」ティ・チャラと「王位挑戦者」キルモンガーの衝突が発生する。
    *それにつけても、またもや南アフリカ…というより大英帝国連合?

    *だからCIA捜査官エヴェレット・ロス(演マーティン・フリーマン)が007シリーズのフイリップス・ライターにしか見えない…

この構造の唯一に近い欠陥、それは「カルト映画にはなり得ない事」… 

なにしろ原則として「反逆者の英雄視」が不可能な世界観ですからね。とはいえこの方面も最近では揺らぎつつある感が… そしてこの部分を読み解こうとする努力こそが「2120年代のトレンド」解読につながってくるとも。

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そう、MCUの世界観において「キルモンガーの啓発」を継承するのはこの人…