諸概念の迷宮(Things got frantic)

歴史とは何か。それは「専有(occupation)=自由(liberty)」と「消費(demand)=生産(Supply)」と「実証主義(positivism)=権威主義(Authoritarianism)」「敵友主義=適応主義(Snobbism)」を巡る虚々実々の駆け引きの積み重ねではなかったか。その部分だけ抽出して並べると、一体どんな歴史観が浮かび上がってくるのか。はてさて全体像はどうなるやら。

そもそも「ファシズム」とは何か?① ナチス・ドイツ台頭の予兆としての「狗肉ソーセージ市場」登場

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それにつけても「(敗戦時日本の食料不足に付け込んだ米国による輸入小麦独占」と「(「日本人が白い饂飩を好む」のに付け込んだオーストラリアによる日本市場食い込み」の物語は本当に容赦というものがありません。

敗戦直後の日本「お腹が空いた…食べ物が何もない…」

GHQ「君達が食べたいのはアメリカの小麦だ」

高度成長期の日本「もっと白い饂飩が食べたい…」

オーストラリア政府「君達が食べたいのはオーストラリアの小麦だ」

まさしく「そして君の骨には無視できない疼きが埋め込まれたAnd buried in your bones there's an ache that you can't ignore)」の世界。

 これも「バーナム効果Barnum effect)」のある種のバリエーション?

バーナム効果(Barnum effect) - Wikipedia

誰にでも該当するような曖昧で一般的な性格をあらわす記述を、自分だけに当てはまる性格だと捉えてしまう心理学の現象。

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1956年にアメリカ合衆国の心理学者、ポール・ミール(P.E.Meehl)が、興行師 P・T・バーナムの "we've got something for everyone"(誰にでも当てはまる要点というものがある)という言葉に因んで名付けた。アメリカの心理学者バートラム・フォア(Bertram Forer)の名をとってフォアラー効果(Forer effect)ともいう。

被験者に何らかの心理検査を実施し、その検査結果を無視して事前に被験者とは無関係に用意した「あなたはロマンチストな面を持っています」「あなたは快活に振舞っていても心の中で不安を抱えている事があります」といった診断を被験者に与えた場合、被験者の多くが自分の診断は適切なものだと感じてしまうが、この現象を「バーナム効果」と呼んでいる。 

それについてバーナムは、「世間は騙されたがる(There is one born every minute. )」と返しただけだった。

これまで(国家間の競争が全てとなった総力戦体制時代1910年代後半〜1970年代)から「(商品供給企業やマスコミが総力戦体制時代の「全国民に対して特定の価値観を強要する力」の継承を目論んだ)産業至上主義時代(1960年代〜?)」に至る流れがどうしてあれほどまでにスムーズに展開したか探りあぐねてきましたが、どうやらヒントはこの辺りにありそうです。いうなれば、出発点は「This is for Youの精神」だった筈なのです。

*新鮮な生卵や納豆やブロッコリーを供給して「This is for You」。

*カレーやシチューのルーを発売し、デミグラソースやホワイトソースで味付けした洋食を提供して「This is for You」。

*トンカツやコロッケやメンチカツといった惣菜を提供して「This is for you」。

*駄菓子屋も駄菓子屋なりに「This is for you」。

これまで様々な切り口から投稿してきましたが、鍵は以下の三段階の切り口とも。

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  • ①本当に食べる物がない時、何かを少しでも美味しく、しかも可能な限り量も膨らませて食べる工夫…近世欧州における新大陸作物の普及、日本における終戦直後の洋食(小麦粉製品)普及、第二次世界大戦下フランスにおけるヌーベル・キュイジーヌの発明などはこれ抜きに語れない)。

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  • ②「生活の質」のランクアップを望む購買者のスノビズムの刺激…19世紀英国におけるFish&Tips(それまで庶民の口に入る魚といえば鯰くらいだったのに産業革命で輸入品の鱈が入ってくる様になった)、日本における海苔や鰻の常食化(やはり養殖技術普及まで相応に高値の花だった)、そして米国におけるキャンベル・スープや戦後日本のレトルト調味料(それまで家庭では再現不可能だったレストランの味が簡単に安価に手に入る様に)などはこれ抜きに語れない。

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  • ③「常識」の打破…映画のトーキー化やカラー化やVR化、PCのマルチメディア化、エロティズムやバイオレンスの極限突破、オカルトの実証など。

特に歴史上忘れられがちなのが①から②に至る流れ。日本でいうと高度成長期が続いた1960年代までがこれに該当します。そういえばNSDAP(Nationalsozialistische Deutsche Arbeiterpartei=国家社会主義ドイツ労働者党)も1933年に与党となってから失業率を大幅に下げたり、慰安旅行の励行で「原則として死ぬまで生まれた場所を一生離れない労働者」の見聞範囲を広げたりしてるのですね。
*慰安旅行…これは③に入る快挙とも。

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そういえば、自らも当時を体験しているとあるナチズム研究家がナチス台頭期のインテリ=ブルジョワ=政治的エリート階層の知的怠慢についてこう要約していました。「我々はヒトラーの論法が滅茶苦茶なの事ばかり笑っていたが、本当に注目すべきだったのは、市場の売価表示に狗肉ソーセージが加わった事だった。そして当時、そういう状況を何とかしようと力説していたのは彼だけだったのである」。社会が困窮してもインテリ=ブルジョワ=政治的エリート階層の生活レベルにはそれほど影響がない事がどんな問題を引き起こしかについては、戦線日本の社会学者も指摘してますね。

このシリーズの出発点はまずここ…