これもある種のゲーミフィケーション展開のバリエーションの一種?
ゲーミフィケーション(gamification) - Wikipedia
課題の解決や顧客ロイヤリティの向上に、ゲームデザインの技術やメカニズムを利用する活動全般。この言葉は「日常生活の様々な要素をゲームの形にする」という「ゲーム化」から派生し、2010年から使われはじめた。
ゲームデザイン手法や仕組みを用いて問題の解決やユーザー契約などを獲得すること。例えば、既存のシステムやサービスへの、順位・可視化・ポイント・カード・バッジ・ミッション・レベルシステムの採用など。さらにゲームの要素を盛り込むことによって楽しみながら意図せずそれらと関わっていってもらうことが目的で行われる場合もある。
まず最初の現場で痛感したことがあった。「現場測量」と「座標・高さの計算」、この2つの業務を効率化できれば、労働時間を大幅に短縮できるという点だ。折からノンプリズムトータルステーションが現場に出回り始めた時期だった。
「そのときはネットだけじゃなく、本やパンフも含めて、測量や施工管理に関する情報を収集しまくっていた。そのなかに、たまたまノンプリズムトータルステーションの広告をみつけて、これだと思ってメーカーにデモンストレーションを見せに来てくれと問い合わせた。でも、ウチのような田舎の零細企業は軽くあしらわれて、相手にしてもらえなかった。」
これをきっかけに、ますます“井の中の蛙”感を深めた大矢氏は、ひとりぼっちでノンプリズムトータルステーションによる測量や3Dデータの作成に取り組むことになる。ひたすら自分の苦労を減らすために、生産性の高い施工方法を追い求めた。
大矢氏が3次元施工に取り組み始めたのは、国土交通省がi-Constructionを打ち出した2016年4月よりも15年前、2001年のことだった。
「作業員だった僕からすれば、スコップも重機も3Dデータも道具にすぎない。どんどん出てくる新しい道具をどう使いこなすかが技術者の技量。その点、僕の提案通りにソフトウェアとかにも出資してくれる社長には感謝している。もちろん、そのぶん自分の現場では利益を出さなきゃだけど(笑)」
そして、下請工事だけでなく、元請工事も受注するようになった正治組は、試行錯誤しながら、道路工事や護岸工事などで3Dレーザースキャナー、ドローン、ICT建機、3Dモデリングソフトなど、最新技術を次々と導入していった。
当然デジタル領域の勉強は欠かせなかったが、ゲームオタクの素質を持っていた大矢氏にとっては、ゲーム感覚の延長で全く苦ではなかった。
「測量に適した3次元モデルを作成するには、地上画素寸法や画像処理、SfM(Structure from Motion)、MVS(Multi View Stereo)などの知識も必要だった。でも毎日1時間、ラクをするための勉強を続ければ、午後3時に帰宅することも可能になってきた。土木はツラくて儲けちゃいない、という既成概念を取っ払っていきたいと思っている。」
要するに「ゲームで培った感性」が突破口になったケース。
【大矢洋平】3Dデータで「土木」が儲かるワケ https://t.co/eAwiLUqMVs @seko_kamisamaさんから
— 菊地研一郎 KIKUTI , Kenitiro (@kenitirokikuti) October 23, 2018
〈大矢氏が3次元施工に取り組み始めたのは…2001年〉
〈当然デジタル領域の勉強は欠かせなかったが、ゲームオタクの素質を持っていた大矢氏にとっては、ゲーム感覚の延長で全く苦ではなかった。〉
たぶん、「土方のあんちゃん」がゲーセンで3Dものに馴染んでたという感じ。ヤンキーはよくドライブゲームやってるな。
— 菊地研一郎 KIKUTI , Kenitiro (@kenitirokikuti) October 23, 2018
いやむしろここは「作業員だった僕からすれば、スコップも重機も3Dデータも道具にすぎない。どんどん出てくる新しい道具をどう使いこなすかが技術者の技量」なるゲーム的思考様式そのものが突破口になったと考えるべきでは?
確かに既存の意味合いにおける ゲーミフィケーション概念からは大幅にはみ出しているのですが、こうした動きもまた2012年頃より(SNSを流れるデータのリッチ・コンテンツ(静止画、GIF、音声データ、動画)化とスマーチフォンのFirst Scree(何かあると真っ先に確認するメディア)化を背景に)次第に表面化してきた(そしておそらくこれからVR技術の高度化と普及によって想像を絶する形で多様化と多態化がしていくであろう)「人生のFPS(First Person Shooting)化」の一環といえましょう。
上掲の投稿をした2016年時点では思いついていませんでしたが「(長月達平『Re:ゼロから始める異世界生活(発表開始2012年、刊行開始2014年)』や暁なつめ「この素晴らしい世界に祝福を!(刊行開始2014年)を嚆矢とする)なろう小説」や「(まさしく「2012年メディア革命」の落とし子というべき)Youtuber / Vtuber」の大流行もこれに含めて考えるべきとも。
要するに当時私が「人生のFPS化」という言葉で表現したかったのは、難しく言うと自分の生きてる世界を特定の認識空間として分割し得るそのものをまるごと、特定の集-立(Ge-Stell)システム(後期ハイデガーいうところの「特定の意図に従って手持ちリソース全てを総動員しようとする体制」の事)へと仮想化し、そこでの「( パソコンやスマートフォンやゲームのインターフェース操作を通じて体感される)生活」を自らの人生の展開単位に据えていこうという態度だったという話?
(ウォーラーステインいうところの)世界経済網が、蒸気船や蒸気機関車や冷蔵設備の世界規模での普及による流通網の一元化をインフラとして成立した様に、こうした世界観の実現にはパソコンや携帯顛末といった電子機器のGUI化とインターネットの普及による世界情報網の成立がインフラとして不可欠だったのです。
- (ウォーラーステインいうところの)世界経済網…国際的輸送網の出現は商品の生産と流通の世界に「Just in Time」の概念を定着させ、そこで便利に暮らしたい人間に何らかの形で時計(および時刻表や地図)を携帯する事を強制する様になった。そして主要燃料が石炭から石油に推移すると利便性がされに向上。
- (世界経済の延長線上に現れた)世界情報網…発端は鉄道網に沿って電信網が敷設され、それらが海底ケーブルで結ばれた事。登場当初は(コストの問題もあって)ごく一部の特権者しか自由に使えなかったが電話網の普及によってこの壁が最初に破られる。そして1990年代以降の(HTTPプロトコルとGUI端末ベースの)インターネット普及によって利便性がさらに向上。
こうした変遷は、その都度既存の個人や社会や国家や経済の概念そのものを揺るがしてきたのです。こう考えるとVR技術やAR技術の発展によって何が加速するか、朧げながら見えてくる?