諸概念の迷宮(Things got frantic)

歴史とは何か。それは「専有(occupation)=自由(liberty)」と「消費(demand)=生産(Supply)」と「実証主義(positivism)=権威主義(Authoritarianism)」「敵友主義=適応主義(Snobbism)」を巡る虚々実々の駆け引きの積み重ねではなかったか。その部分だけ抽出して並べると、一体どんな歴史観が浮かび上がってくるのか。はてさて全体像はどうなるやら。

【雑想】「世界商品(World products)」から「オイラーの原始量(Euler's primitive sweep)」へ。

f:id:ochimusha01:20190617060610j:plain

スマホは極めて優れた商品である。電話が出来て、インターネットが出来て、動画も写真も撮れて、その他エトセトラ様々な事が出来る商品である。

しかしこんな優れた物が生み出されたら、消費者のあらゆる欲望が簡単に満たされてしまうのである。

消費者がお金を払うという行為のためには、欲望を叶えたいという飢餓感が必要である。

以前であれば、音楽を聞くためにオーディオ機器やCDが必要であったし、動画を撮ったり見たりするためにはビデオの機器も必要であったし、写真を撮るためにはカメラも必要であった、その他エトセトラ。そういったものの売り上げは、スマホの普及で確実に落ちていると考えられる。

別に私はスマホを悪だと言いたいわけではない、優れた商品であると思っている。しかし、優れた物が発明される事で副作用も起こるのである。潰れたり、縮小したりする産業もあるのである。

優れたヒット商品を生み出すような技術進歩はデフレ要因になるのである。今、世界はどの国もデフレの状況にある。そして、最も強いデフレに陥っているのは日本である。これは、それほどお金を払わなくても快適な生活が送れるという素晴らしい社会だからという様にも言えるのである。

だから、もっともっと強いデフレ対策が必要となってくるのである。

考えてみたらこれも「世界商品World products)」の話ですね。

  • まずは産業革命に先立ってカロリー革命を引き起こした「砂糖

  • 日本においては江戸幕府開闢期に徳川家康が贅沢品として愛用していたそれが、その後のコモディティ日常品)化によって倹約精神のシンボルへと変貌していった事で有名な「綿製品」…

  • 紙製品」のコモディティ日常品)化を実現した製紙業界の破滅的コストダウン競争。

    製紙分野の過当競争が牽引した大衆向け出版文化

    現代社会を特徴付ける「情報流通の産業化」の起源は、16世紀イタリア・ルネサンスを特徴付ける機械印刷技術の発展に端を発する。いわゆる「グーテンベル聖書utenberg Bible、初版1455年)」と「アルドゥス・マヌティウスAldus Pius Manutius 1450年頃〜1515年の携帯可能な文庫本刊行」の時代。それは当初は小冊子(パンプレット)の大量配布による政治的プロパガンダの拡大と、何とか伝統的地方共同体の自治体制への介入権を虎視眈々と目論んできたインテリ層の策謀を伴った「魔女狩り」の大流行なんて困った事態も引き起こした。

    ②しかしまぁ、当初「紙の需要」を牽引したのはあくまで官僚の文書行政と商人の記録主義だったのある。欧米では「複式簿記」が、日本では売掛金管理に特化した「大福帳」が定着。当時における製紙産業の最大顧客の立場にありながら「格調高い手書き公文書」に拘り過ぎる一方で、商業蔑視の悪習から脱却出来なかった中華王朝(科挙合格に必須とされた八股文が有名)やオスマン帝国がこの段階で文化牽引者の立場から脱落していった。
    *これらの国々では官僚供給階層が既得権益独占の為に独自の書体や文体を複雑怪奇な方向に発展させ、それが読み書き出来ない部外者に対する参入障壁としてきた。おかげで出版技術の発展が阻害され、技術者の政治参入の道が閉ざされて自力近代化への道が閉ざされてしまったのである。
    f:id:ochimusha01:20190617064218j:plain

    ③いずれにせよ製紙業界における「紙の供給量を巡る競争の過熱」はこの分野が必要とする需用量をあっという間に超越してしまいます。砂糖産業や綿織物産業や鉄道業界を自壊に追い込んだ情熱、すなわち「供給量を倍にしてもそれによって得られる利益がどんどん半減してしまうジレンマ」を物ともせず生産規模拡大に奔走し続け当時の猪突猛進主義がこの業界にも襲い掛かり、製紙業界の人々は新たな需要開拓を求めエンターテイメント業界への進出を果たす。
    *日本の隣国が「折り紙の起源は我が国」と主張しているが、当時の日本に偏在した「子供なら無邪気にどこまでも紙の消費を増大させてくれる」と期待した製紙業界の悪辣さを抜きにして「折り紙文化の急速な発展と成熟」を説明するのは不可能。かくして江戸時代後期の日本では読本や絵草紙や絵双六といった出版文化が急速な発展を遂げる事になる。

    http://img-cdn.jg.jugem.jp/6df/1454177/20091004_2781350.jpg

    ④欧米でも19世紀後半にパルプ産業が急速な発展を遂げ、印刷所に蒸気機関が導入されると同種のジレンマに直面。やはりエンターテイメント業界への進出が有望と見込まれたが、顧客として見込まれた対象に若干の違いが見受けられる。日本ほど「女子供」の「子供」の部分がフォーカスされる事がなかった一方、「」の部分がフェミニズム運動と連動していく展開を迎えるのである。
    *19世紀後半から20世紀初頭にかけて英米で爆発的に流行した女性向け通俗小説のうち、今日なお日本で読めるのは「金色夜叉(1897年~1902年連載 )」の種本に採用された米国女性向け通俗小説市場のベストセラー「Weaker Than a Woman(女より弱き者:著者のバーサ・M・クレーは当時の人気作家で、英米の男女数人の共同筆名)」くらい。しかし「緋文字(1850年)」で世に出たナサニエル・ホーソーン(1804年~1864年)も「女性向け通俗小説を書いてる売れっ子女流作家に収入面で全然追いつけない」と嘆いており、当時の勢いを偲ばせる。

    http://d2ydh70d4b5xgv.cloudfront.net/images/1/3/story-of-a-wedding-ring-antique-book-a-rare-1800-novel-by-bertha-m-clay-510d96964f2e0d3d09c015d15cbad335.jpg

     http://www.ndl.go.jp/exposition/images/R/604r.jpg

  • 最終的には参入業者全てが共倒れに終わった鉄道開発ラッシュの裏で並行して進んだ携帯時計の普及と電信網整備による「スケジュール管理時刻表精緻化と情報伝達速度の劇的高速化伝書鳩から光通信)」。

  • こうした「情報流通の産業化」に後押しされる形で20世紀後半以降急激に進行した「コンピューター技術のコモディティ日常品」。

欧米におけるその前史が香辛料(スパイス)臭かったり、羊臭かったりするのに対し…

日本のそれの大源流は昆布臭かったりする様です。

そして未来はオイラーの原始量Euler's primitive sweep)=観測原点をすっぽり包む全球型スクリーン」をどう再現するかという方向に向かっている模様?