今年から数理の再勉強を始めた文系人間が感じた事…
有理数(Rational Number)についてのヒューリスティクス(英:heuristic, 独:Heuristik)に立脚する=最も人間的な説明は「人類が何らかの数理操作を経て幾らでも再計算で確かめられる特定の数値や収束の極限」なのかもしれません。この定義においては例えば平方根(例えばsqrt(2)=1.414214)や円周率π(=3.141593)やネイピア数e(2.718282)/1/e(0.3678794)の様に定数的に扱える無理数(Irrational Number)も無意識化で「怖くない数字」に加えられているのです。
ちゃっかり「定数っぽい安心感を醸し出す」メンバー入りを果たしているのが万有引力定数(0.98N)。本当は関数(状況に応じて値の変わる計算式)なのに、中々上手く擬態に成功しています。
1kg(キログラム)の質量をもつ物体に1m/秒^2(メートル毎秒毎秒)の加速度を生じさせる力が1ニュートンです。
ところで、力の分野の問題ではよく、「100gの物体にはたらく重力を1Nとする」と書いてあります。なぜでしょうか?
実験によって、地球上にある物体を落下させると、すべての物体は9.8m/秒2の加速度で加速することがわかっています(正確には、9.8m/秒2は平均値であり、場所によって加速度は違います。一般に高緯度の地点のほうが低緯度の地点より加速度は大きくなります。例えば、札幌の加速度は9.80m/秒2、那覇の加速度は9.79m/秒2です)。
そうすると、「質量1kgの物体に1m/秒2の加速度を生じさせる力が1N」であり、地球上にある質量1kgの物体に加わる加速度は9.8m/秒^2であるということから、地球上の質量1kgの物体にはたらく重力は、1Nの9.8倍の、9.8Nだということになります。
- 1kg…1m/秒^2…1Nだから、1kg…9.8m/秒^2…9.8N
- 1kgにはたらく重力=9.8Nだから、(その10分の1の)100gにはたらく重力=0.98N。
このように、正確には「100gの物体にはたらく重力は0.98N」なのですが、0.98だと計算がややこしくなるし、0.98は1に非常に近いので、それで中学生の問題だと「100gの物体にはたらく重力を1Nとする」と、近い数値で書いてあるのです。
こうした意味合いにおいて際どい「攻めの数理」として急浮上してくるのが、一応は代数方程式(algebraic formula)あるいは有理式(rational expression)に含まれる反比例式y=1/xや単位円の判別式x^2+y^2-1=0、および前者の積分過程で発見された自然指数関数y=e^xや自然対数関数y=log(x)、三角関数cos(θ)、sin(θ)、tan(θ)などといった超越関数(Transcendental Function)。
最近では個人レベルでも結構な部分までコンピュータに解かせる事が可能となりました。有難い限りです。その結果「人類が何らかの数理操作を経て幾らでも再計算で確かめられる特定の数値や収束の極限」のニュアンスが大幅に変更された訳ですから。
今年の残された時間は、主にこの方面におけるこれまでの投稿のまとめに費やされています。