「世界で初めて大砲に液気圧式駐退復座機を搭載」した結果がこれ。
そしてそういえば確かに「米軍に75mm砲」ってイレギュラー…
異世界に最新技術を移すのとはちょっと違うけど、一次大戦で大活躍したフランスの1897年型75mm野砲(Canon de 75 modèle 1897)はそれまでの野砲の概念を根本的に覆す「駐退復座器」を導入していたのだけど、これをアメリカでライセンス生産する時にフランス側が色々情報を渋って米国側が苦労してる。
— 兼光ダニエル真C98三日目と01b (@dankanemitsu) 2020年6月17日
そもそもフランスで駐退復座器を生産したプトー製造所の職人は「我々が何年もかけて編み出した製造法をそう簡単に量産ラインに乗せられるか」とふんぞり返ったいたそうな。設計図は提供してた、その通りに生産しても上手くいかなかったので米側は困惑。
— 兼光ダニエル真C98三日目と01b (@dankanemitsu) 2020年6月17日
フランス使節団は壊れた75mm野砲を断面にした教材の作成にも噛み付いたくらい機密保持にうるさかったので恐らくこそっりやったんだろうけど、フランス製のを解体して確認したら設計図や製造法に記されていなかった「製造後に職人による加工調整」が発覚したんですよ、お客さん。
— 兼光ダニエル真C98三日目と01b (@dankanemitsu) 2020年6月17日
そこで米国側で駐退復座器の生産を担当していたシンガー社(ミシンメーカーとして有名ですね)とロック・アイランド兵器廠は逆に大量生産に適した方式に変更し、寒暖の差が激しいアメリカでも問題なく活用できるように再設計しました。
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米国が1897年型75mm野砲のライセンス製造権を取得した時、フランス側は「大量生産はまず無理だよ」と警告していたのをシンガー社は(色々な人間の協力の元)7ヶ月で解決し、大戦が終結する以前に米国産75mm砲100門が大陸にいる米軍のところに届けられました。短期間でやってのけたのはすごいですね
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ちなみにここでライセンス生産された75mm砲は改良されて第二次大戦でM3リー中戦車やM4シャーマン戦車の戦車砲、M3ハーフトラック車載対戦車砲、はたまたB-25ミッチェルのG型やH型に搭載されました。
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なんとこれらの砲弾は共通だったんです。
みなさん、二次大戦中の米軍の兵装はインチ式が多いのになぜか75mm砲はインチ式から大きく外れているのに疑問を感じたことがありませんか?そうです。メートル式を採用していたフランスから導入したのをそのまま保持したのでこうなったわけですよ。
— 兼光ダニエル真C98三日目と01b (@dankanemitsu) 2020年6月17日
最後に一つだけ。発砲しても大砲の位置がずれないで済む液気圧式駐退復座器を初めて導入したのがフランスの1897年型75mm野砲ですが、実は液気圧式駐退復座器の技術を思いついたのはドイツの技術者でえした。クルップも採用を考えたのですが液漏れ問題を解決できなくて見送っていたのです。
— 兼光ダニエル真C98三日目と01b (@dankanemitsu) 2020年6月17日
この問題を見事解決したプトー製造所としては液気圧式駐退復座器は極秘中の極秘だったので自国の将校にすら情報をあまり開示しませんでした。職人が編み出した解決策をやすやすと米国には共有したくなかった理由がちょっとわかりますね。長々と失礼しました。
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— 兼光ダニエル真C98三日目と01b (@dankanemitsu) 2020年6月17日
他にも昔、色々読んだけどどこで読んだかはちょっと忘れたので割愛
こいつについてるにも同じだったんだ…
兵器としての寿命が長い…