2016-04-01から1ヶ月間の記事一覧
2010年代のアメリカでは、以降の文化史に大きな影響を与えそうな変化が起こっています。まだまだその影響範囲を相応の形で見積もれる段階にはないのですが。 アルゴリズムが世界を支配する (角川EPUB選書) posted with ヨメレバ クリストファー・スタイナー …
スイスの文化史学者ブルクハルト(Carl Jacob Christoph Burckhardt,1818年~1897年)は、ルネサンス期イタリアを分析して「権力は、何者がそれを行使するにしても、それ自体においては悪である」という結論に到達した。ここで断罪されているのは概ね「(領…
ソフィアコンサルティング 行動変革と自立性強化 悪の華 (新潮文庫) posted with ヨメレバ ボードレール 新潮社 1953-11-03 Amazon Kindle 「近代詩の父」ボードレールがは決して生前発表した唯一の詩集「悪の華(Les Fleurs du mal、初版1857年、禁断詩を削…
現時点における私の立ち位置。思うよりウィリアム・H. マクニール「ヴェネツィア 東西ヨーロッパのかなめ 1081-1797(Venice: the Hinge of Europe, 1081-1797、1974年)」に負う部分が大きい。 レオナルド・ダ・ヴィンチが描いた大量の解剖図デッサン画 : …
19世紀後半のフランスでは、今日では忘れられて久しい「ポルノグラフィ論争」というのがあった。 近代芸術成立過程で最も重要な役割を果たした事件だったが、坂口安吾でさえ戦前段階ですでに「(その時起こったパラダイムシフトがあまりに激烈で不可逆的だっ…
19世紀末から20世紀初頭にかけてのドイツの学者は、やたらめったらマルクスの造語「上部構造/下部構造」を使いまくる。 これは日本では吉本隆明「共同幻想論(1968年)」によって広まった「共同幻想」の概念にほぼ相当する。
欧米の歴史観では割と普通に「カール大帝の征服事業(9世紀)」「ヴァイキング(9世紀~11世紀)」「ノルマン人の征服事業(11世紀~12世紀)」「十字軍運動(11世紀末~13世紀)」「イタリア戦争(15世紀末~16世紀前半)」が連続的に語られる。その一方…
歴史観が変われば日本の戦前に対する反省も変わる。 スイスの文化史学者ブルクハルト(Carl Jacob Christoph Burckhardt,1818年~1897年)は、ルネサンス期イタリアを分析して「権力は、何者がそれを行使するにしても、それ自体においては悪である」という結…
スイスの文化史学者ブルクハルト(Carl Jacob Christoph Burckhardt,1818年~1897年)は、ルネサンス期イタリアを分析して「権力は、何者がそれを行使するにしても、それ自体においては悪である」という結論に到達した。ここで断罪されているのは概ね「(領…
ochimusha01.hatenablog.com 実はどっちと考えてもさほど大きな問題は起こらない。そもそも「ユダヤ教徒でした」とか「イスラム教徒でした」といったどちらでもない回答も存在する。
人間は自己分析の結果、何が悪か認識するとまず真っ先にそれを対立陣営に投影しようとする。まさしくカール・シュミットの「友敵理論」そのもの。
そもそも「世界史とは海の国と陸の国の対決の歴史であったとする世界観」とか「帝国主義そのものを悪とみなし、非武装中立の即時実践を正義と掲げる世界観」みたいな粗雑な歴史観は死角が多い。 例えば以下の様な歴史的悲劇を見逃してしまう。 Relish in Rus…
ハプスブルグ帝国に組み込まれる事を拒絶して独立したスイスの文化史学者ブルクハルト(Carl Jacob Christoph Burckhardt,1818年~1897年)は、シスマ(Schisma、教会分裂)期(1378年~1417年)に領主化した教皇とその背後でのボルジア家やメディチ家の暗躍…
欧州には伝統的に「権力は悪」とする立場と「経済は悪」とする立場の対立がある。その背景として、貨幣経済浸透に伴う価格革命(インフレ進行に伴うランティエ(rentier、地税生活者)階層の没落)の皺寄せが庶民にいった事が挙げられる。 一方、江戸幕藩体…
ハプスブルグ帝国に組み込まれる事を拒絶して独立したスイスの文化史学者ブルクハルト(Carl Jacob Christoph Burckhardt,1818年~1897年)は、シスマ(Schisma、教会分裂)期(1378年~1417年)に領主化した教皇とその背後でのボルジア家やメディチ家の暗躍…
ウィキペディアの記述があまりにカオスだったので少しまとめてみた。 知識 - Wikipedia また新しいカオスを生み出しただけに過ぎないのかもしれないのだけれど…
欧州の科学実証主義は15世紀末から16世紀初頭にかけてパドヴァ大学やボローニャ大学の解剖学部中心に広まった新アリストテレス主義哲学、すなわち「実践知識の累積は必ずといって良いほど認識領域のパラダイムシフトを引き起こすので、短期的には伝統的認識…
それは「自由のあるところには秩序はない」とする立場と「究極の自由主義は専制の徹底によってのみ達成される」とする立場の究極の意味での中庸… こういう歴史的展開の裏側には「人間にしか感動出来ない」欧米的人間中心主義(Humanism)が存在しているのか…
フランスでは以下の様な人物が「上からの自由主義を目指した冒険者達」として語り継がれる。 ホイジンガ「中世の秋(1919年)」においても多くのページが割かれた公益同盟戦争(1465年~1483年)の盟主ブルゴーニュ公シャルル(Charles le Téméraire/シャル…
恋愛と贅沢と資本主義 (講談社学術文庫) posted with ヨメレバ ヴェルナー・ゾンバルト 講談社 2000-08-09 Amazon Kindle 個人が個人を超えて持続する共同体から一人抜け出した時、初めてその個人の生涯がおのれの享楽の尺度となった。個人はおのれ自信が、…
しかしもちろん、実際の歴史の歩みはそう単純ではない。カエサルは「人間ならば誰にでも、現実のすべてが見えるわけではない。多くの人は、見たいと欲する現実しか見ていない」と言ったという。フランス人もまた例外ではなかった。
以下はあくまで小説だが着想自体が興味深い。 「ダ・ヴィンチ〜ミステリアスな生涯」は最高! - Apple/Macテクノロジー研究所 チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷 (塩野七生ルネサンス著作集) posted with ヨメレバ 塩野 七生 新潮社 2001-07 Amazon…
「21世紀は陸と海のたたかい」~400年ぶりの歴史的大転換の始まり~(2010年02月16日) 陸と海と―世界史的一考察 posted with ヨメレバ カール・シュミット 慈学社出版 2006-11 Amazon Kindle こういう粗雑な歴史観が成立しにくいのは、そもそも「陸の…
欧米的合理主義はイタリアから始まった。 しかし19世紀スイスの文化史学者ブルクハルトは「イタリア・ルネサンスの文化(Die Kultur der Renaissance in Italien, ein Versuch、1860年)」の結語で、こうした考え方の登場は、当初むしろ当時の信仰深い人々を…