2010年代を特徴付けるインターネット最大の変化、それはトラフイック量の爆発的増大でした。2000年代後半にサーバ側に技術革新があって、それで可能となったのです。日本におけるiモードの牙城を崩壊させ、ソーシャルゲーム全盛期を終わらせたのもまさにこの流れ。
そして2012年以降、二つの大きな流れが目立つ様になります。一つはSNSを流れるデータのリッチ・コンテンツ(静止画、GIF、音声データ、動画)化、もう一つはスマーチフォンのFirst Scree(何かあると真っ先に確認するメディア)化。
その結果、2013年は「素人Short動画投稿大会の年」となったのです。この時、時代の風雲児として注目を集めたのがVineというサービスでした。
ショート形式の動画共有サービスでユーザーは6秒間ループ再生されるビデオクリップ を共有することが出来た。
ユーザーは動画をVineのソーシャルネットワークを通して投稿したり、FacebookやTwitterといった他のサービスで共有することが出来た。
Vineのアプリケーションでも他のユーザーによる投稿、テーマごとでのグループ、トレンド、人気での動画を見ることが出来た。
2012年6月 ドム・ホフマン、ラス・ユスポフ、コリン・クロルらがVine社を設立。10月にTwitterに3,000万ドルで買収されたと報じられる。正式なサービス開始として2013年1月24日にiOS対応無料アプリケーションが、6月2日にはAndroid対応アプリケーションが、11月12日にWindows Phone対応アプリケーションがリリースされた。
2013年06月07日 6秒動画共有アプリ「Vine」、ズーム機能つきでAndroid版を公開。iOS版は同年1月公開済。
2013年6月13日 Facebook、15秒までの動画投稿機能「Video on Instagram」発表。
たちまち「日本の高校生がVineに投稿する悪戯動画」は国際的有力コンテンツに成長。国際SNS上の関心空間に組み込まれる事になる。
しかしこの分野の競争は以降激化の一途を辿ります。
2016年10月27日 「Vineスター達の離脱によるアクティブユーザー激減」を理由に数ヶ月以内にサービスを終了することが発表される。
途中で一体何があったの? 結局、インフルエンサー・マーケティングという形でしかマネタイズ出来なかったという事?
代わって日本国内でこの分野を制したMixChannnelはこの教訓を生かして慎重なマネタイズ計画を立てている模様。
ただMixChannnel、現時点では国際SNS上の関心空間から完全視野外。TwitterかTumblrかPinterestと関わらないと、素人動画が世界中を駆け巡る「Vineの奇跡」の再現は起こらないんですね…
利用者数が大きく増加しているアプリの中で、特にSNSアプリとして継続的に利用者数が増加している「Twitter」と「Instagram」に注目し、性年代別の利用者数を昨年と比較すると「Twitter」は、35歳以上の増加率が高く、特に35-49歳女性と50歳以上の男性利用者が増加したことが、全体の利用者数増加に寄与していました。一方「Instagram」は、もともと利用者数の多かった34歳以下の女性に加えて、35~49歳女性の利用者も増加していました。また、Twitter同様、50歳以上の男性利用者も大きく増加していました。
米フェイスブック傘下で写真共有アプリを運営するインスタグラムは21日、世界の月間利用者数が5億人を突破したと発表した。競合する短文投稿サイトのツイッターの約3億1千万人を大きく引き離し、両社の明暗が顕著になってきた。
5億人のうち8割以上は米国外の居住者だという。2014年12月に3億人、15年9月に4億人を突破し、急拡大している。おしゃれなイメージから若者を中心に人気が出た。
*単独サービスで国際SNS化を達成した稀有の例?
ちなみにTumblr(会員約2億人)やPinterest(会員1億人)に駐在し国際SNS上の関心空間を構成する匿名アカウントはインスタグラム(会員約5億人)を激しく見下していて、相互交流もほとんどなかったりします。「インフルエンサーとして振る舞うセレブ層」と「3度の食事を得意げにアップする素人」に完全に二分され「機械学習めいたコンテンツの創造と品質向上のプロセス」が全く見られないからだとか。