諸概念の迷宮(Things got frantic)

歴史とは何か。それは「専有(occupation)=自由(liberty)」と「消費(demand)=生産(Supply)」と「実証主義(positivism)=権威主義(Authoritarianism)」「敵友主義=適応主義(Snobbism)」を巡る虚々実々の駆け引きの積み重ねではなかったか。その部分だけ抽出して並べると、一体どんな歴史観が浮かび上がってくるのか。はてさて全体像はどうなるやら。

ナショナリズムの歴史外伝⑧【朱舜水】日本では「餃子」と呼ばれる何か。

f:id:ochimusha01:20170520140432j:plain

日本では「市販の餃子の皮」が思わぬ使い方をされていたりします。

まぁキャンベル・スープ缶じゃありませんが「常備品の食材としてチョイスされると他の用途にも使われる様になる」典型例というべきかも。そもそも餃子自体、戦後日本で普及した比較的新しい食べ物だったりします。

1953(昭和28)年には、「珉珉羊肉館」から焼き餃子の作り方を習い、名前も一部引き継いだ「珉珉」が大阪で開店し、後にチェーン展開をするほど成功を収めている(ちなみに宇都宮の有名店「みんみん」とは直接関係がない)。

f:id:ochimusha01:20170520160536j:plain

1950(昭和25)年には、東京ワンタン本舗が餃子の皮を発売。いち早く薄い餃子の皮が市販されたことも、家庭への普及に一役買った。こうして、餃子はパンチの効いたご飯のおかずとして、戦後の日本を席巻していったのである。

f:id:ochimusha01:20170520160656j:plain

1960(昭和35)年には、日本冷蔵(現在のニチレイ)が初めて冷凍餃子を市販する。

1967(昭和42)年には、全国にチェーン展開する「餃子の王将」の1号店が京都の四条大宮に開店。また、1982(昭和57)年には中国残留孤児だった八木功が、東京の大田区蒲田で「ニーハオ(イ尓好)」を開き、羽根つき餃子を売り始める。これは、水溶き小麦粉をかけ、パリパリとした薄い皮をつける大連の焼きまんじゅうをヒントに作られた。

f:id:ochimusha01:20170520160253j:plain

2011年の冷凍餃子の生産量は4万680トンで、品目別では第7位(日本冷凍食品協会調べ)。パッケージには焼き方の詳しい説明のほか、煮る、揚げるなどの調理例が紹介されている。

f:id:ochimusha01:20170520161516j:plain

その後の餃子の進化については言うまでもないだろう。いまや豚肉のみならず、エビやホタテなどの海鮮、チーズ、トマトなどあらゆる食材が焼き餃子の餡に使われている。形もひと口サイズのものから、棒型までいろいろだ。

そして 数多くの「日本の洋食」同様、この間に「日本の餃子」は中華料理とは全く異なる料理へと進化を遂げてきたのでした。 

餃子(拼音: jiǎozi)

小麦粉を原料とした皮で、肉、エビ、野菜などで作った具を包み、茹でたり、焼くなどした食べ物である。調理の方法によって、水(茹で)餃子、焼き餃子、蒸し餃子、揚げ餃子などと呼ばれる。

f:id:ochimusha01:20170520134054j:plain

中国の餃子

その歴史は古く、中国の春秋時代(紀元前6世紀頃)の遺跡からすでに食べられていた痕跡が見つかっている。敦煌の唐代の墳墓では、副葬品として壺に入った餃子が乾燥状態で発見されている。

f:id:ochimusha01:20170520133932j:plain

  • 中国では水餃子(茹でて湯切りをしたもの)が主流であり、焼き餃子は水餃子に比べるとその数がずっと少ない。また中国では餃子は主食として食べられることが一般的であり、日本のように(白飯の)「おかず」としては食べない。

  • 中国においては、北京語の発音で「ジャオズ、チャオズ(ピン音:jiǎozi)」といい、特に中国東北部満洲)において水餃子(茹で餃子、満州語:hoho efen)がよく食べられる。満洲民族による清朝成立後に広く華北一帯に普及し、中華料理の代表的な料理のひとつになった。それとは別に華南で発達した点心として食べられる蒸し餃子がある。

    f:id:ochimusha01:20170520133958j:plain

  • 中国の華北の餃子は主食のひとつとして一度に沢山食べられ、水餃子(水餃、shuǐjiǎo)が主流。水餃子といっても、皮は厚目にし、お湯で茹で湯面に浮いてきたものをザルに上げ湯切りをして食べる。日本的な表現をするならば「茹で餃子」である。形状も日本の餃子が長細く楕円に近いのに比べ、丸みを帯びて正円に近い。日本では水餃子とスープ餃子(湯餃、tāngjiǎo)が同義で用いられる場合が多いが、中国では水餃と言えば茹で餃子のことを指す(中国語でお湯は「熱水」、スープは「湯」である)。

    f:id:ochimusha01:20170520134941j:plain

  • 餃子の中身に冷まして固体にした牛脂を入れる場合がある。これが熱でとろけて何ともジューシーであるが、皮が厚いので牛脂は漏れだしにくい。

    f:id:ochimusha01:20170520135224j:plain

  • その他に、主にスナック感覚で食べられる小ぶりで日本の餃子のように皮が薄い焼き餃子(煎餃、jiānjiǎo)も屋台などで売られている。また煎餃自体が大括りでの焼き餃子の意味になり、水餃子の再利用としての焼き餃子はむしろこちらで呼ばれる。中国華北の専門店ではほぼ水餃子のみであるが、屋台などでは多量に水を使わないことから、焼き餃子をメニューに採用することも多い。日本の焼き餃子と同じく蒸し焼きで、水は使用する。

    f:id:ochimusha01:20170520135318j:plain

  • 中華圏では水餃子と鍋貼の具としてニンニクを入れる習慣はない。また、ニンニク的役割を果たすものにニラ(韭菜、jiŭcài)があるが、必ずしも入れず、白菜と豚肉のみなどというものも多い。ニラを使ったものは「韭菜水餃」として水餃子と区別してメニューに記載されたりもする。また、店によっては生のニンニク片が卓上に置かれる事もあり、食べる者の好みにより生ニンニクを囓りつつ食す方法がある。

    f:id:ochimusha01:20170520135449j:plain

  • 華東や華南では点心の一種として、蒸し餃子が良く見かけられる。また、揚げ餃子を出す例もある。中国で点心として食べられる蒸し餃子には皮や具や形に工夫を凝らし、皮に小麦粉ではなく米粉を使うなどさまざまなバリエーションが存在する。陝西省西安などには「餃子宴」と称する、形を変えた変わり餃子や、加熱の仕方や具の異なる餃子を次から次へと出す、餃子フルコースがある。

    f:id:ochimusha01:20170520133627j:plain

餃子はその発音が交子(子を授かる)と同じであることや、清代の銀子の形に似ていることにより縁起の良い食べ物としても珍重される。また「交」には「続く、末永し」という意味もあり、春節には長寿を願い食され、大晦日(過年、guònián)には年越し餃子(更歳餃子、gèngsuì jiǎozǐ)を食べる。また、皇帝も王朝と社稷の永続を祈願し春節のときだけ餃子を食したという。ただこれは元来北部の習慣である。

日式餃子

皮が薄い日本風の餃子を、近年は「日式餃子」と称して出す店もある(主に日本人が多い地域の日本料理店で、日本料理として)。ちなみに日式餃子はあくまで日本料理として扱われるため、いかにも日本料理店な店舗で寿司などと一緒に餃子が並んでいる、日本人からすると異様な光景が見られる。

f:id:ochimusha01:20170520132759j:plain

「鍋貼(グオティエ、guōtiē)」と呼ばれる、焼いた餃子もある。特に台湾では鍋貼のチェーン店が全国に多数展開され、その他に朝食を売る店や屋台でもメニューとして置かれており、非常に一般的である。ただ、台湾も中国大陸と同じく水餃子が主流で、点心としても食べられている。「鍋貼」はもともと「残り物」の餃子を焼いて食べるものと言われることが多いが、現在店舗で料理として売られているものは残り物の再利用ではない。

鍋貼(グゥオ・ティエ)/棒餃子

  • 大きくわけて2つのタイプがあり、日本で「棒餃子」や「鉄鍋餃子」と呼ばれるもののような皮が薄く長細いものが基本で、水餃子とは皮の作り方から違う。また、水餃子と同じく、丸い形状のものを焼き、鍋貼と称することもある。

    f:id:ochimusha01:20170520133017j:plain

現在、台湾の鍋貼チェーンが中国本土にも進出し、展開されている。中国で焼き餃子が主流ではない理由として、丸底の中華鍋が一般的になり、平底の鍋が普及しなかったからという理由も考えられる。

日本の餃子

日本の餃子は、日本で独自に進化("日本化")した餃子である。

  • 現在、日本語での発音として一般的な「ギョウザ」、「ギョーザ」という呼び方は、山東方言の発音「ギァオヅ(giaozi)」に由来しているという説のほか、満州語満洲民族の言語)のgiyoseに由来するという説がある。山東方言説は、煙台市周辺で無声歯茎硬口蓋破擦音のj([tɕ])が日本人にはガ行の音に聞こえる無声硬口蓋破裂音([c])で発音されることによると思われるが、煙台周辺では「古飵(グージャ、guja)」という言い方のほうが普通であるが、「餃子」と呼ぶ場合での発音は「ギャオダ(giaoda)」や「ギャオラ(giaora)」で、これが訛ったとする説である。

  • 他の中国主要都市の方言では安徽省合肥で「ジオザ」と発音しているのが比較的近い。潮州語では、餃子と雲呑を総称して「餃」(ギオウ、giou)と呼んでいるが、接尾語の「子」は付かず、日本語の由来とは見なせない。

  • 第二次世界大戦以前の中華料理(当時は支那料理と呼んだ)の本の記載では「餃子」の読みは「ギョウザ」ではなく、日本語の料理名を付けていることもある。例えば、1927年の『家庭でできるおいしい支那料理』は、「餃子」(チャオツ、メリケン粉に包んだもの)、1935年の『支那料理』は「水餃子」(スイキョウズ、肉の包み茹で)、1940年の『お鍋一つで出来る支那料理と支那菓子の作方』は「餃子」(チャオツ)としている。

焼き餃子が主流であり(中国では水餃子が主流)、用いる具材、調理法も中国で主流のものと異なる。

f:id:ochimusha01:20170520133132j:plain

  • 日本では、日本独自の「焼き餃子」がとても人気があり、かつては皮も含めて家庭で材料から作ることが多かったが、市販の皮をスーパーなどで買って具を作って包むという方法をとる家庭も増え、いつ頃からかは未検証だが、具を皮に包んだ状態の冷凍食品・チルド品も多くの種類が出回っている。各種飲食店のサイドメニューとしても広く扱われていて、焼きあがったものや生のものを持ち帰り用に販売している店もある。

  • 日本の餃子は薄目の皮を使い、豚ひき肉、キャベツ、ニンニク、ニラを入れるのがポピュラーである(中国の餃子ではキャベツではなく白菜を使い、ニンニクを入れることはない、という点で異なっている)。ニンニクを入れるのは肉の臭みを消すためだと言われる。日本に餃子が伝わった当時は物資不足のため豚肉ではなく羊肉を使用していたことから、当時は臭みの強かった羊肉の臭い消しとしてニンニクが用いられた可能性が高い。だが、豚肉がメインで使用されるようになってからも、風味の良いニンニクが餃子とも相性がよく好まれたため、今日も多くがそのまま具材として使用され続けている。

    来日する中国が餃子定食に驚愕(?)中国人と日本人、こんなに違う餃子の食べ方(中島恵) - 個人 - Yahoo!ニュース

  • しかも日本では、出来上がった餃子を「焼き目」の側を上にして皿に盛る、という独自性がある(中国では、餃子の「上下」は、あくまで皮と皮をくっつけた側が「上」と考える。中国人が日本の餃子を見ると「ひっくり返っている」と見える)。

  • 焼き餃子が殆どだが、揚げ餃子も好まれている。春巻きに似た形で鉄板焼きにしたものを棒餃子(ぼうギョウザ)または焼き棒餃子(やきぼうギョウザ)と称したり、特に日本で広まった鉄鍋で焼く餃子を鉄鍋餃子(てつなべギョウザ)と称して出す店がある。また鶏の手羽先に具を詰めて揚げたものは、手羽先餃子と呼ぶ。

    f:id:ochimusha01:20170520130700j:plain

    八幡ぎょうざ - Wikipedia

    鉄の都として栄えた旧八幡市は、八幡製鐵所が必要な鉄鉱石を大陸から輸入していた関係で明治時代から中国大陸との人的なつながりが存在した。

    また近隣には後に宇都宮に餃子を伝えた第14師団が誕生した小倉市(現・北九州市小倉北区)や、大陸への玄関口であった門司港もあるなど、北九州地域は大陸とのつながりが強い地域であった。こうしたことから、八幡には古くから餃子が根付いたものと考えられている。

    また八幡製鐵所には多くの労働者が働いていたが、激しい肉体労働を行う彼らは安く、ニンニクなどのスタミナ素材を含む餃子を好んで食べていた。また、特に戦後の物資が乏しく貧しい時代には、少ない食材で作ることができ栄養満点の餃子は労働者に好まれたという。

    こうして餃子文化が浸透し、九州の食文化と結びついて独自の発展を遂げていったといわれている。現在では餃子専門店、ラーメン店など、八幡東区の20店舗以上で「八幡ぎょうざ」を食べる事ができる。

    f:id:ochimusha01:20170520162903j:plain

    ”名古屋なギョウザ”といえば、やっぱり「手羽ギョウザ」でしょう。名古屋といえば手羽先、手羽先といえば名古屋ですが、居酒屋のつまみとして「手羽ギョウザ」を出しているお店はたくさんあります。

  • 店舗では、焼く面が平らで長方形の、餃子専用の道具(中国では見かけられない道具)が用いられ、それに餃子が並べられ、(専用道具併設の水道蛇口から)水が加えられ、工程の前半で、蓋がされ、まずは「蒸し焼き」状態にされ、後半で蓋が開けられ、水蒸気を飛ばしつつ、焼き目をしっかりつける。

    f:id:ochimusha01:20170520131753j:plain

  • 家庭での調理もほぼ同様で、(店舗のような専用道具が無いので)一般的には、底面が平らで円形のフライパンに餃子を並べ、適量の水を加え、蓋をし、適度に「蒸し焼き」にし、次に蓋を取り、水蒸気を飛ばし、適度な焦げ目をつける(最近の冷凍食品では「焼く時に水を加えなくてもよい(しかも羽根つき)」ということをセールスポイントにするものも登場した)。

    f:id:ochimusha01:20170520131619j:plain

  • 日本の餃子を提供している店では、サラリーマンが仕事帰りにビールを飲みつつ焼き餃子だけを食べている(つまり、米飯無し)、という光景も日常的だったりする。

    f:id:ochimusha01:20170520131508j:plain

日本では米飯を主食として餃子を「おかず」として食べる(中国では「水餃子はあくまで主食」であり、白飯と一緒には食べず、他の「おかず」と併せて食べる。中国人の眼には「主食ばかりを2種類同時に食べている」と映じ、とても奇妙に感じられる)。タレには醤油、米酢、ラー油を混ぜたものを使う。 

f:id:ochimusha01:20170520132222j:plain

  • 日本国内で初めて餃子を食べた人物は江戸時代の徳川光圀とされており、亡命していた朱舜水から教わったという。明治時代までにも餃子を出す中華料理店は存在し、料理書でも作り方は紹介されている。しかし、呼び方はチャオツなど原語の音をそのまま使い「メリケン粉に包んだもの」や「焼いた豚饅頭」などという解説を付けなければならないほど、庶民には縁遠い存在であった。

    f:id:ochimusha01:20170520130047j:plain

  • 日本で一般の日本人が食べられるようになったのは第二次世界大戦後で、関東軍満州開拓団などの引揚者によって広く普及するに至った。しかし、米飯が主食の日本ではおかずとして、水餃子ではなく薄目の皮を使用した焼き餃子が主流となった。以降、大衆的な日本人向けの中華料理店やラーメン店、また餃子専門店、スーパーやデパートの惣菜コーナーなどで広く扱われ、家庭の手軽な惣菜として定着している。

    f:id:ochimusha01:20170520125846j:plain

  • 日本では戦後の同時期に各地から普及したため、「元祖餃子」を謳う店舗は幾つか存在する。発祥地を特定するのは困難とされるが、現在では宇都宮を餃子の発祥であるとする説が有力となっている。大陸に派遣された師団本部が宇都宮にあり、帰還兵が大陸の食文化を伝えたと考えられるからである。

    f:id:ochimusha01:20170520125739j:plain

  • 日本で初めて工場で作った生の餃子を販売したのは株式会社紀文食品。現在は、多数の食品会社や餃子店がチルド食品や冷凍食品として各種餃子を販売している。冷凍餃子のシェアでは、2012年時点で味の素冷凍食品が9年連続でシェア1位で、家庭用国内シェアは47%(店頭市場ベース)と、圧倒的な「独り勝ち」の状態で、その時点でシェア2位は、「大阪王将」を前面に打ち出したイートアンド社製である。その後、1位の味の素冷凍食品はさらにシェアを伸ばし、50%を超えた。2014年に、冷凍餃子市場は前年比8.4%の増加で、388億円。シェア2位に付けるイートアンド社も「羽根つき餃子」の投入と認知の拡大という方法で、市場シェアを30%を(わずかに)超えるまで伸ばした。

    f:id:ochimusha01:20170520163252j:plain

    f:id:ochimusha01:20170520125620j:plain

  • 2002年7月に餃子をテーマにしたフードテーマパーク「池袋餃子スタジアム」がオープン。戦後の日本で餃子が大衆食として定着した昭和30年代の園内演出と、宇都宮餃子をはじめ日本全国の餃子を一度に味わえる運営スタイルが特徴。東京・池袋のナムコナンジャタウン内にある。浜松市宇都宮市北九州市八幡東区などでは、餃子をご当地グルメとしてPRし、地域おこしを行っている。

    f:id:ochimusha01:20170520125353j:plain

地域によっては、軽トラックに専用の鉄板を積んで売り歩く姿も見られる。売り歩く際は、「ぎょうざーぎょうざー」といった独特の節回しで呼びかけるのが定番。

 欧州などの餃子

ポーランドスロバキアなどの中欧諸国、ウクライナリトアニアベラルーシグルジア、ロシア、モルドバなどといった旧ソビエト連邦構成国の東欧諸国、ないしイタリアなどの南欧にも中国とよく似た餃子の文化がある。
*その起源はササン朝ペルシャ226年〜651年)時代のサンブーサクまで遡るとも。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/o/ochimusha01/20170423/20170423202732.jpg

  • ポーランドスロバキアでは「ピエルク」と呼ばれる。ポーランド語やスロバキア語ではスープに入れる小ぶりなものにはまた別の呼び名がある。

    https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/o/ochimusha01/20170423/20170423193305.jpg

  • ウクライナの民族料理の「ヴァレーヌィク」は、ほぼ中国式の水餃子と同じものである。具はバラエティに富みジャムやチーズ、果物なども入れられて主食としても食される。

    f:id:ochimusha01:20170520123205j:plain

  • リトアニアでは「ヴィルティニャイ」、ベラルーシでは「カルドゥーニ」、グルジアでは「ヒンカリ」と呼ばれる。ロシアでは「ペリメニ」と呼ばれるが、これは日本国内のロシア料理店などでよく供されるので、ロシア料理の好きな日本人には比較的なじみ深い呼び方である。モルドバでは名称は中国北部のマンティから派生した「マンティーヤ」であるが、ヴァレーヌィクなどと基本的に同じものである。

    f:id:ochimusha01:20170520123300j:plain

これらヨーロッパ系の餃子は中国の餃子に比べて皮が厚めの傾向がある。

  • 皮の非常に薄いものが近年のポーランドに見られるが、これは「ピエルク・ヤポンスキ(複数形はピエロギ・ヤポンスキエ)」と呼ばれ、「日本風のピエルク」という意味で、形も具も調理法も基本的には日本の標準的な餃子と同じである。
    *ただ醤油と酢とラー油のタレを付ける食べ方は一応知られているものの、特にラー油が入手困難なことと辛いものがポーランド人は大の苦手なため、まだ日本式のタレは定着はしておらず、焦がしベーコンをベースにしたポーランド独特のタレをかけたり、多少濃い目に味付けをしたキノコのクリームソースなどといったいろいろなソースをかけたり、サラダ用の様々なドレッシングをかけたりして食べる。

    f:id:ochimusha01:20170520123508j:plain

  • イタリアのラビオリは東洋の餃子が元であり、イタリアに入って現地の味覚に合うように変化したものである。餃子は日本を経由して伝わったため、「ラビオリ・ジャポネージ ravioli giapponesi (複数形)」と呼ばれている。

    f:id:ochimusha01:20170520124230g:plain

  • ドイツ南部シュヴァーベン地方にはラビオリに似たマウルタッシェ(Maultasche)という料理があり、スープ餃子のような形で提供されている。

    f:id:ochimusha01:20170520124527j:plain

  • フランスでは日本人シェフがプロデュースした餃子専門店が「餃子バー」として出店している。

さらにポーランド系移民やその子孫が非常に多い北アメリカではピエルクの複数形の「ピエロギ」として知られるようになり、北アメリカではピエロギが英語風に訛った「ピーロギー」という呼ばれ方をすることが一般的である。

f:id:ochimusha01:20170520123821j:plain

  • しかも「ピーロギー」はもともと「ピエルク(Pieróg)」の複数形「ピエロギ(Pierogi)」が訛ったものであるにもかかわらず、英語では「ピーロギー(Pierogi、ないしPerogiやPirogiと表記)」が単数形として認識され、この複数形として「ピーロギーズ(Pierogies)」が存在し使われている。オックスフォード英英辞典にも「Pierogi/Pierogies」が正式な英単語として載っているほど一般化している。基本的には水餃子と同様に茹でるが、そのほかにフライパンで焼いたり油で揚げたりといったさまざまな加熱法を使う。なお北米の都市の中には中華式の餃子がDumpling(本来の意味は茹団子)またはPot stickerと称されスーパー等で販売されているケースも見られる(カナダ・バンクーバーで在カナダ華僑が製造販売する餃子の袋売りパッケージなど)。

    f:id:ochimusha01:20170520123726j:plain

  • カナダではポーランド系移民やその子孫が特に多いことからピーロギーは広く浸透して定着し、長いこと国民食の一つとなっている。「ピーロギー」の名で餃子を提供する食堂はポーランド系やスロバキア系といった中欧系の人々のほかにウクライナ系の人々が経営している場合も多く、そこでは「ピーロギー」が「ウクライナ料理」として供される。本来ウクライナではヴァレーヌィク(複数形はヴァレーヌィキ)と呼ばれるが、英語圏ではこの呼び方は一般的ではない。通常は「ポットスティッカー(Pot sticker)」とよばれている。

    f:id:ochimusha01:20170520123746j:plain

トルコ料理にも水餃子によく似た献立であるマントゥ(羅Manti、アルメニア語մանթի、カザフ語мәнті、トルコ語mantı)があり、ゆで上げてニンニクや香味油で味付けしたプレーンヨーグルトを掛けて供される。

f:id:ochimusha01:20170520125142j:plain

またブラジル料理にもブラジル風揚げ餃子といわれるパステル(またはパステウ)が存在する。

f:id:ochimusha01:20170520125238j:plain

ある意味、朱舜水が「徳川光圀に様々な中華料理を食べさせただ人」に成り果てちゃってるのが凄いとも。朱子学は遠くなりにけり?
朱舜水は「水戸光圀に日本で初めてラーメンを振る舞い、返礼として光圀自ら打った饂飩を振る舞われた人物」でもある。

f:id:ochimusha01:20170520163755j:plain