諸概念の迷宮(Things got frantic)

歴史とは何か。それは「専有(occupation)=自由(liberty)」と「消費(demand)=生産(Supply)」と「実証主義(positivism)=権威主義(Authoritarianism)」「敵友主義=適応主義(Snobbism)」を巡る虚々実々の駆け引きの積み重ねではなかったか。その部分だけ抽出して並べると、一体どんな歴史観が浮かび上がってくるのか。はてさて全体像はどうなるやら。

【雑想】実は「マイノリティは人道的に庇護されるべき」こそナチス論法?

そもそも「マイノリティ」の定義なんて、あくまで相対的なもの。

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  • ナチス・ドイツの最高指導者(Führer)ヒトラーは、故郷オーストリアにおける経験に基づいて「世界各国でドイツ移民がマイノリティとして迫害されている!!」と熱狂的に訴えかけ、それによってドイツ国民の義侠心を鷲掴みにした。

  • 中国共産党もしばしば同種の手口を用いてきた。全世界に張り巡らされた華僑ネットワークの庇護を口実とした各国の経済や政治への介入。「一帯一路(拼音Yídài yílù、英Belt and Road(B&R)/One Belt, One Road(OBOR)、2014年11月〜)」戦略もまた確実に「支援国に対する中国人のより大規模な形での組織的移民(棄民)と彼らの労働力および現地支配勢力としての活用」という側面を有している。それはある意味「大英帝国南アフリカ進出過程」そのものとも。

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    セシル・ローズ(1853年〜1902年) - Wikipedia

そう、このケースにおいては「宗主国は属国を好きにして良い」とする冊封史観や植民地主義と「マイノリティは庇護されるべき」とする人道主義が何ら矛盾する事なく共存しているのです。結局のところ背後に実存し続けてきたのは「少しでも自らの非を認めたら一族郎党まとめて滅ぼされるし、逆の立場に立てば躊躇なく滅ぼす」「勢力均衡状態のみがかかる悲劇を予防する」冷徹な大陸的覇権流儀のみ。その事自体の是非を問うても不毛なばかり。

そしてこうした過酷な世界観を当然の様に受け入れて生き延びてきた側からすれば、かかる「世界を実際に支配してきた現実」に疎い「半島国家」や「孤島国家」は「チョロいカモ」に過ぎないのかもしれません。

ノルウェーの場合

2010年、ノルウェーは中国の“虎の尾”を踏んだ。オスロノーベル賞委員会が、反体制派の民主活動家、劉暁波氏に平和賞を授与し、これに中国が「内政干渉」だとして激怒した。委員会は独立機関だが委員は元首相などが務め、「影響下」だという認識。中国は養殖サーモン輸入の事実上の閉め出しやビザ取得制限など報復措置を発動した。

北欧の小国には大きな痛手だった。中国の輸入サーモンはノルウェーの独壇場だったが、制裁によってチリやカナダなどライバル国が漁夫の利を得た。ベトナム経由の輸出で制裁を回避する苦肉の策も編み出したが、それほど中国市場は魅力的だったのだ。

平和賞を機にノルウェーと中国の関係は停滞していたが、昨年12月に正常化で合意。今年4月にはソルベルグ首相がノルウェーの首相として10年ぶりに中国を訪問し、自由貿易協定(FTA)の交渉の再開など経済面での協力強化を約束した。

しかし、人権問題など中国が不快と感じる事柄は取り上げられなかった。関係正常化の際の共同声明でノルウェーは、こう誓約しているからだ。

「一つの中国政策を堅持し、中国の核心的利益を高度に重視する」

ノルウェーは自らの口を縛った。その“ご褒美”が、14億人の胃袋に自国のサーモンを収める許可だ。

「信じてください。私は中国が大好きです」

ノルウェーのサンドバルグ漁業相は5月、在北京のノルウェー大使館に多くの関係業者を招き、精いっぱいの友好ムードを演出した。ノルウェー紙アフテンポステンが伝える。

中国の電子商取引最大手アリババグループはノルウェーの水産団体と提携し、タラなど魚介類を販売するイベントを行った。“失われた6年”を取り戻そうと、ノルウェーは中国向けの販売促進に必死だ。

サンドバルグ漁業相は、約120人というこれまでにない規模の随行団を率いて北京入りした。訪問中に中国の人権状況を持ち出す機会はあるのかと問うアフテンポステン紙に対し、同氏はこう答えたという。

「いまはまずは、魚のことが重要だ」

「わずか400万人の人口しかない国が、14億人を抱える中国に教えようとした。とんでもない話だ」

中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報は昨年末、勝ち誇ったような社説を掲げた。ノルウェーの人口は約520万人だが小ささを強調したいあまり筆まで滑ったようだ。「6年にわたった制裁は、内政干渉に対する中国の強い意志を示した」。社説は自己礼賛に満ちていた。

その後、中国メディアは盛んに「改善」した両国関係を取り上げるようになった。人民日報は6月、中国の国有造船会社がIT管理の養殖サーモン施設を輸出したと報じた。ノルウェーからは一次産品を輸入し、中国は工業製品を輸出するという貿易による互恵的な関係を持ち上げた。

英紙フィナンシャル・タイムズによると、ノルウェーの経済学者イバール・コルスタド氏が中国との関係悪化による輸出被害は7・8~13億ドル(約866億円~1443億円)と試算した。同氏は「中国は民主国家の外交に影響を及ぼすため経済制裁を使う」と指摘し、「大きすぎて非難することもできない」と皮肉をこめた。

 ギリシャの場合

ロイター通信などによると、スイス・ジュネーブで6月に開催された国連人権理事会で、欧州連合(EU)は中国の人権状況を批判する声明を取りまとめていたが、ギリシャの反対で断念した。今回のようなケースは初めてという。

ギリシャの外相は英紙ガーディアンに「中国との対話の中で取り上げた方が建設的だ」と釈明しているが、中国への配慮は明白だ。取りまとめにはEU全28加盟国の賛成が必要で、この手続きが逆手に取られた。

国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチは「ギリシャは欧州を人質に取った」と非難した。

ギリシャのチプラス政権は過去2年で2回も中国を訪問するなど関係強化に熱心で、最大のピレウス港は中国の国有企業、中国遠洋運輸集団(コスコ・グループ)が事実上運営する。中国が推進する現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」で欧州側の入り口となる拠点だ。

ギリシャはEUからも巨額支援を受けている。ある欧州外交官はロイター通信に「全く道義に欠けた行為だ」と憤るが、ギリシャにとって中国は厳しい要求を突きつけるEUに対抗するバランサーでもある。

米紙ウォールストリート・ジャーナルは「中国はギリシャに対する巨額投資の見返りを享受し始めた」と分析する。人権の砦を自任してきたEUは、中国の意を汲む“内なる抵抗勢力”を抱え込み始めた。

ちなみに中国共産党は中東方面においては「入り口としての衛星国」としてパキスタンを選択した様で「人道的見地から」AIIB資金をタリバン撲滅の為に惜しみなく投じていく姿勢を表明していたりします。

またインド方面ではネパールが選ばれたとも。

 実はこの手口って歴代中華王朝が敵対的な隣国を滅ぼすのに用いてきた手口そのもの。「一帯一路」戦略の胡散臭さも、まさにそうした歴史に起因するのです。だがもちろん、日本の「出羽守」は気付かない(あるいは気付かない振りをしている)?

*割とサウジアラビアにもこうした「大陸面」はしっかり備わっており、欧米社会がそれに振り回されてオロオロする側面も。

*そして欧米リベラル層の「東欧のネオナチは綺麗なネオナチ」理論も同じくらい破綻している。

そもそも日本における「容共主義の迷走」には、1979年における「ベトナム共産党によるカンボジア侵攻」と「中越戦争(1979年)」を契機として共産主義の大義名分が失われた時点から深刻化したという側面もあるのを忘れてはいけません。それ以前から既に「中国の一国平和主義の好戦性」は明らかだったのですが、それまで彼らはそれを事実として認めるのを徹底して拒絶し抜き「アジアにはアジアなりの優しい人道的な流儀が存在する」などと吹聴してきたのです。

中越戦争 - Wikipedia

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まさしくクリストファー・ノーラン監督の出世作メメント(Memento、2000年)」の世界。主人公は妻を殺した犯人に復讐すべく次々と殺人を重ねていくが、実は犯人は自分で、その罪悪感の重責を他人に転嫁する事でかろうじて自分を保っている事実が次第に明らかとなっていく…

本物の「出羽守」を目指すなら、実際に耳を傾けるべきは以下の様な声とも。

こうした議論を突き詰めていくと最後には必ず「究極の自由主義は専制の徹底によってのみ達成される」ジレンマに辿り着きます。その事実自体は、早くも1970年代後半にはもう国際的に認識されていました。

人類は一体、何時までメメント的堂々巡りを続けるの?