諸概念の迷宮(Things got frantic)

歴史とは何か。それは「専有(occupation)=自由(liberty)」と「消費(demand)=生産(Supply)」と「実証主義(positivism)=権威主義(Authoritarianism)」「敵友主義=適応主義(Snobbism)」を巡る虚々実々の駆け引きの積み重ねではなかったか。その部分だけ抽出して並べると、一体どんな歴史観が浮かび上がってくるのか。はてさて全体像はどうなるやら。

【グレイテスト・ショーマン】【神田川】「何の犠牲を払わない選択肢なんて存在しない」?

これまで「グレイテスト・ショーマン(The Greatest Showman、2017年)」をリヒャルト・ワーグナーの楽劇「ニーベルングの指環(Ein Bühnenfestspiel für drei Tage und einen Vorabend "Der Ring des Nibelungen"、1848年〜1874年)」にかこつけて理解しょうと努めてきましたが、とりわけ絶妙な嵌り方をしている箇所について中々触れられずにきました。「(ヴァルハラ城主ヴォーダンの勘当された娘にして英雄ジークフリートの妻である)ブリュンヒルデと(ジークフリートに横恋慕して「忘却の薬」を飲ます)グートルーネの鞘当て合戦」の部分…
*裏では佞臣ハーゴンが暗躍しており、さらにその背後に(英雄ジークフリートに得物を折られ、今や衰弱して気弱になったヴァルハラの城主ヴォーダンを逆に操る様になった)アルベリヒの影が垣間見える。

神々の黄昏 (楽劇) - Wikipedia

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それはヒュー・ジャックスマン演じる主人公P.T.バーナムが「自分が真に求めているのは上流階級の仲間入りそのものではなく、家族を幸せにする事なんだ」と気付く部分に該当してくるのかもしれません。

[Hugh Jackman:]

I saw the sun begin to dim
太陽が沈んでいくのを見たんだ
And felt that winter wind
冬風も感じた
Blow cold
冷たい風も吹いていて
A man learns who is there for him
そばにいてくれた人は誰なのか
When the glitter fades and the walls won't hold
眩しさも衰えてきて、もう壁が崩れそうなとき
Cause from then, rubble
そこからは、破片が落ちてきて
What remains
Can only be what's true
本当だったものが残るんだ
If all was lost
There's more I gained
もしすべて僕は(栄光を)無くしたのなら、僕はもっと得たものがあるよ
Cause it led me back
To you
だってそれはすべてあなたへの道筋になってる

From now on
これからは
These eyes will not be blinded by the lights
この2つの目は、眩しい光のせいで盲目になったりしない
From now on
これからは
What's waited till tomorrow starts tonight
明日で待ってるものは今夜始めよう
Tonight
今夜
Let this promise in me start
約束させてくれ
Like an anthem in my heart
僕の心の賛歌のように
From now on
これからは
From now on
これからは

I drank champagne with kings and queens
王や妃とシャンパンを飲んできた
The politicians praised my name
政治家は僕の名を賞賛してきたけど
But those are someone else's dreams
でもそんなのは誰かの夢でしかない
The pitfalls of the man I became
その落とし穴に僕は入ってしまったんだ
For years and years
この何年も何年も
I chased their cheers
彼らの賞賛目的で目が眩んでた
The crazy speed of always needing more
この颯爽としたスピードが僕を欲張りにさせた
But when I stop
でも止まったとき
And see you here
見えたんだ
I remember who all this was for
今まで自分がどんな人間だったっか

And from now on
そしてこれからは
These eyes will not be blinded by the lights
もうこの目はごまかされたりしない
From now on
これからは
What's waited till tomorrow starts tonight
待っていたことは今夜から始めるよ
It starts tonight
今夜始めるんだ
And let this promise in me start
君に今約束させてくれ
Like an anthem in my heart
僕の心の中で響く賛歌のよう
From now on
これからは
From now on
これからは
From now on
これからは

[Ensemble:]
And we will come back home
家に帰るよ
And we will come back home
君がいる家へと帰るよ
Home, again!
またあの家へと!
...

[Hugh Jackman:]
From now on!
これからは

Yes!

[Ensemble:]
From now on
これからは

[Hugh Jackman:]
These eyes will not be blinded by the lights
僕のこの目はごまかされない
[Ensemble:]
From now on
これからは

[Hugh Jackman:]
What's waited till tomorrow starts tonight
今夜から始めるよ
It starts tonight
今夜がスタートだ
Let this promise in me start
Like an anthem in my heart
僕の心の中で奏でる賛歌のように約束させてくれ

[Ensemble:]
From now on
これからは

[Hugh Jackman:]
From now on
これからは
From now on
今ここで


[Ensemble:]
And we will come back home
家へ帰るよ
And we will come back home
家へ帰るよ
Home, again!
...

From now on
From now on
Home, again!
またあの家へ
...

しかしまぁ「解放」の進んだ 1990年代以降の女性の脳内ではこんな曲も鳴り響いている訳でして。

これから主人公はどうするんでしょうか?今まで和訳したなかでも1・2を争う「コワイ」曲で,まるで目の前で,主人公が相手を恨みつつ,相手に似せた人形に針を突き刺すのを見ているような気がします。あっ,こっち見て笑わないで。恨むべきは私じゃないですからね(What's she gonna do? Probably this is one of the scariest lyrics I've ever translated. It felt as if the protagonist's bitching about the second person in front of me, sticking needles in an effigy of him. Oh don't smile at me, please. I'm not the one to blame, you know.)
中島みゆき「悪女(1981年)」を何倍も上回るレベルで「結婚式じゃ絶対に歌ってはいけない歌」とされている…


*元「可愛い子役」が突如これを歌い出す衝撃…1990年代特有のこうした(高度な技術に支えられた)ヒステリックな感情爆発こそ当時の若者の気持ちを代弁してた気もするんですね。それについて誰も語らなくなって久しいけど、ある意味これぞ本物の「流出」…


*1980年代における源流としてはこういった系譜も浮上してくる?
ビハインド・ザ・マスク (マイケル・ジャクソンの曲) - Wikipedia

アラニス・モリセットAlanis Morissette)You Oughta Know歌詞

I want you to know, that I am happy for you
I wish nothing but the best for you both
An older version of me
Is she perverted like me?
Would she go down on you in a theater?
Does she speak eloquently
And would she have your baby?
I'm sure she'd make a really excellent mother

これだけはわかってね
別に恨んだりしてないから
2人が幸せになるように
心の底から祈ってる
だけどアタシより老けてるよね?
やっぱりこういうヤな性格?
劇場に行ったら
「不適切」なこともしてくれんのかな?
あの人って口が立つタイプ?
子どもは産んでくれるわけ?
あの人ならきっとステキな
お母さんになれるよね

'Cause the love that you gave that we made
Wasn't able to make it enough for you
To be open wide, no
And every time you speak her name
Does she know how you told me
You'd hold me until you died
'Til you died, but you're still alive

だってこのアタシとの
あの程度の関係じゃ
ダメだったんでしょ?
だから黙ってたんだよね
あの人には
名前を呼ぶたびに
ちゃんと教えてあげるわけ?
アンタがアタシに言ったこと
言ってたよね?
アタシを死ぬまで離さないって
なのにどうしてまだ生きてんの?

And I'm here, to remind you
Of the mess you left when you went away
It's not fair, to deny me
Of the cross I bear that you gave to me
You, you, you oughta know

だからここで教えてあげる
忘れてるみたいだからね
アンタに捨てられた時
アタシがどんなに惨めだったか
あんまりでしょ?
貰ってつけてた十字架まで
アタシからもってくなんて
だからこのことだけは覚えといて

You seem very well, things look peaceful
I'm not quite as well, I thought you should know
Did you forget about me, Mr. Duplicity?
I hate to bug you in the middle of dinner
It was a slap in the face
How quickly I was replaced
And are you thinking of me when you fuck her?

すごく元気そう
別に問題もないみたい
だけどこっちはそれほどじゃない
知りたくない?
気になるでしょ?
アタシのことは忘れちゃったの?
ねえ「二股」さん
ディナーの真っ最中に
うるさくからむなんてイヤなんだけど
まるで顔を正面から
平手打ちされた気がしたよ
あんなにさっさと乗り換えられちゃ
あの人とヤル時は
アタシのことを考えてるの?

'Cause the love that you gave that we made
Wasn't able to make it enough for you
To be open wide, no
And every time you speak her name
Does she know how you told me
You'd hold me until you died
'Til you died, but you're still alive

だってこのアタシとの
あの程度の関係じゃ
ダメだったんでしょ?
だから黙ってたんだよね
あの人には
名前を呼ぶたびに
ちゃんと教えてあげるわけ?
アンタがアタシに言ったこと
言ってたよね?
アタシを死ぬまで離さないって
なのにどうしてまだ生きてんの?

And I'm here, to remind you
Of the mess you left when you went away
It's not fair, to deny me
Of the cross I bear that you gave to me
You, you, you oughta know

だからここで教えてあげる
忘れてるみたいだからね
アンタに捨てられた時
アタシがどんなに惨めだったか
あんまりじゃない
プレゼントの十字架まで
取り返していくなんて
だからこのことだけは覚えといて

'Cause the joke that you laid in the bed
That was me and I'm not gonna fade
As soon as you close your eyes, and you know it
And every time I scratch my nails
Down someone else's back I hope you feel it
Well, can you feel it?

だってベッドでネタにしてた
あれはアタシのことだった
だけどアタシはこのまますぐに
消えていったりしないから
いくら目を閉じたってね
そのくらいわかってんでしょ?
だからアタシが爪を立て
誰かの背中を快感で
引っ掻いていくたびに
アンタにそれが伝わればいい
どう?わかる?

And I'm here, to remind you
Of the mess you left when you went away
It's not fair, to deny me
Of the cross I bear that you gave to me
You, you, you oughta know

だからここで教えてあげる
忘れてるみたいだからね
アンタに捨てられた時
アタシがどんなに惨めだったか
あんまりじゃない
プレゼントの十字架まで
取り返していくなんて
だからこのことだけは覚えておいて

*そしてテイラー・スウィフト(Taylor Swift)が登場し2Ne1のNORZAが国際的ヒットを飛ばす展開に… 

*なまじ「女性の本音」が容赦無く込められたNORZAが国際的にヒットしたせいで「彼女達には韓国精神の再注入が必要だ」とか言い出して次のアルバムではトロット(韓国における「演歌」)を歌わせ、全てを台無しにした上にこのグループを解散に追い込んだ韓国芸能界を私を含め世界は未だに許してないのだよ…それにつけてもマイクロソフトって、どうしてWindws95発表時の「Start me up」といいSuface Pro 3発表時の「I am the best」といい「この曲をちゃんと最後まで聞いて歌詞の意味について考えてれば、貴方がこの製品を購入した事でどれほど恐ろしい目に遭うか想像がついた筈なんです。私達は良心的なのであらかじめ警告はしてたんです」みたいな自虐的センスで主題曲を選ぶのか…バカなの? いやむしろ自分が何をしてるか全て自覚した上でやらかしてる悪魔的所業なの?

当然、21世紀の女性同士の対決がさらに激しくならない筈がありません。
*そもそもワーグナーニーベルングの指輪」におけるグートルーネは「(夢破れたヴォーダンの「大いなる計画」を乗っ取った)アルベリヒの陰謀」の顕現として「ブリュンヒルデの自己犠牲」の引き金を引く役割。彼女の登場無くしてこの物語文法は成立し得ないとも?

I'm trying to hold my breath
Let it stay this way
Can't let this moment end
私は息をひそめて
様子を見ようとしてる
このままの状態が
続くのはいいけれど
この瞬間を終わらせはしない

You set off a dream with me
Getting louder now
Can you hear it echoing?
Take my hand
私の内にある夢を
あなたが始動させた
今では, より大きくなって
この共鳴が聞こえるかしら?

Will you share this with me?
'Cause darling without you
私の手をとって
これを私とシェアしてくれる?
だって, あなたなしでは

All the shine of a thousand spotlights
All the stars we steal from the nightsky
Will never be enough
Never be enough
Towers of gold are still too little
These hands could hold the world but it'll
Never be enough
Never be enough
For me

数えきれないほどの
スポットライトの輝き
夜空から盗んだ無数の星々
それらを得られても
私は全く満足できない
決して満足することはない
金のタワーなんて
ちっぽけ過ぎる
この手で世界をものに
したとしても
私が満足することはない
決して満たされることはない
Never, never
Never, never
Never, for me
For me
Never enough
Never enough
Never enough
For me
For me
For me

私には, 決して満足できない
絶対に, 絶対に, 私には

All the shine of a thousand spotlights
All the stars we steal from the nightsky
Will…

数えきれないほどの
スポットライトの輝き
夜空から盗んだ無数の星々
それらを得られても…

Some people long for a life that is simple and planned
とある人はシンプルに計画的に生きることを望んでるわよね
Tied with a ribbon
りぼんで結びつけて
Some people won't sail the sea 'cause they're safer on land
とある人は海へ渡ろうとしないのよ だって島の方が安全だから
To follow what's written
書物に書かれたことに従うの
But I'd follow you to the great unknown
でも私は得体も知らないところへ向かっていくあなたへついていく
Off to a world we call our own
私たちは私たちの世界を呼び出す


Hand in my hand
手を繋いでいて
And we promised to never let go
そして約束して決して離さないと
We're walking the tightrope
私たちは危ない橋を渡ってるの
High in the sky
空の高みへ
We can see the whole world down below
そしたら全世界を上から見下ろせるね
We're walking the tightrope
私たちは綱渡りしてるの
Never sure, never know how far we could fall
絶対確信なんてできない 何処まで落ちるかもわからない
But it's all an adventure
でもこれは冒険なの
That comes with a breathtaking view
息を呑むような景色を見るように
Walking the tightrope
危ない道を渡るわ

With you...
あなたとなら

Mountains and valleys, and all that will come in between
山や谷が私たちの間に入ってくるでしょう
Desert and ocean
砂漠も海も
You pulled me in and together we're lost in a dream
あなたは私を引っ張って夢の中で私たちは消えるの
Always in motion
ずっと動き続けてる
So I risk it all just to be with you
だからそのリスクを私はあなたといるために負うから
And I risk it all for this life we choose
そして私たちが選んだ人生のために負うから

Hand in my hand
手を掴んでよ
And we promised to never let go
約束して決して離さないと
We're walking the tightrope
私たちは危ない橋を渡ってるの
High in the sky
空の高みへ
We can see the whole world down below
そしたら全世界を上から見下ろせるね
We're walking the tightrope
私たちは綱渡りしてるの
Never sure, never know how far we could fall
絶対確信なんてできない 何処まで落ちるかもわからない
But it's all an adventure
でもこれは冒険なの
That comes with a breathtaking view
息を呑むような景色を見るように
Walking the tightrope
危ない道を渡るわ

With you...
あなたとなら
With you, ooh, ooh, ooh, ooh
あなたとならね
With you, ooh, ooh, ooh, ooh
あなたが一緒なら
With you
With you, ooh, ooh, ooh, ooh, ooh
With you, ooh-ooh-ooh
あなたと共に
With you
あなたと一緒なら

さて、両者の勝負を分けたのは一体何だったのか。ふと「ハリー・ポッターシリーズ(Harry Potter、1997年〜2016年)」の著者J・K・ローリング女史の「キラキラしてる同士は絶対にくっつけない。お互い不幸になるだけだから」宣言を思い出してしまいました。
*この宣言のせいでファンから「あの人は自分がシングルマザーなもんだから、自分のキャラクターの幸せな結婚を許せないのよ」とまで罵られたローリング女史…さてティナ・ゴールドスタインの運命や如何に?

そうか「グレイテスト・ショーマン」においてはブリュンヒルデの役割がP.T.バーナムにシフトしてるから…いや、むしろP.T.バーナムは英雄ジークフリートで、ブリュンヒルデの役割を継承したのは「元上流階層向け演劇の脚本家」フィリップ・カーライルとも考えられるから…いずれにせよ犠牲を払わない決断なんて存在しない訳で、そうやって「世代交代」が必然化されていくという…

*この展開、かぐや姫神田川(1973年)」の歌詞「若かったあの頃 / 何も恐くなかった/ ただ貴方のやさしさが/ 恐かった」と結びつけて考えられる人間って、今の日本にどれくらい残っているんだろう?

30年以上経って初めてしった名曲「神田川」とかぐや姫~「ただあなたの優しさが怖かった。」の意味: 技術戦略アドバイザ/開発テクノロジーコンサルタント ハシモト・タカナリのエンジニアリング日記

*もちろん誰も間違ってなんていやしない。全ての選択がそれぞれ相応の対価を要求してくるのは当たり前というだけの話。Idealismを貫くとは、それだけ過酷な事なのである。♪あなたは、もう忘れたかしら?

それはそれとしてP.T.バーナムが妻と娘を総称して「Girls」と呼び掛け続けるのって平等主義的にどうなんでしょう? これだけの冒険を乗り越えて家庭に戻ってくる男だけの特権? などと戸惑いながら検索をかけたら…

これに「Nice. Very nice. You are really a different race.」なんてコメントがつくとか、まるでブライアン・デ・パルマ監督映画「キャリー(Carrie、1976年)」のラストシーン的展開だぁ…
*想像してごらん、地底から這い出してきて「This is me」を歌い出すキャリーを…そう、この曲はそういうポテンシャルも秘めているから恐ろしいのである。
キャリー (1976年の映画) - Wikipedia

危うく「ニーベルングの指環」における「ヴァルハラ城主」ヴォーダンから「ニーベルング族の支配者」アルベリヒへの「大いなる計画」の「継承」という展開を見落とすところだった…確かに「グレイテスト・ショーマン」において「(P.T.ボーナムを私物化しようとした)挑戦者」ジェニー・リンドが去り「(物語文法上はフイリップとアンが継承した事になってる詳細不明の)ヴァルハラ城主ヴォーダンの大いなる計画」と表裏一体の関係にある「(計画が迷走すると背後で蠢き出す同じ詳細不明の)アルベリヒへの陰謀」を継承する権利は「どすこい髭女と愉快な仲間達」に「P.T.ボーナムの家族(Girls)」も留保してるという次第。
フリッツ・ラング監督・テア・フォン・ハルボウ脚本映画「メトロポリス(Metropolis、1926年)」における「資本家=支配的権力者」フレーダーセンと「発明家」ロトワングの水面下におけるイニチアシヴ争いに該当する?

メトロポリス (1927年の映画) - Wikipedia

フリッツ・ラング監督によって1926年(大正15年)製作、1927年に公開されたモノクロサイレント映画で、ヴァイマル共和政時代に製作されたドイツ映画である。

製作時から100年後のディストピア未来都市を描いたこの映画は、以降多数のSF作品に多大な影響を与え、世界初のSF映画とされる『月世界旅行』が示した「映画におけるサイエンス・フィクション」の可能性を飛躍的に向上させたSF映画黎明期の傑作とされている。フォレスト・J・アッカーマンは本作をSF映画に必要な要素が全てちりばめられており「SF映画の原点にして頂点」と評価している。また、前年の1925年に製作された『戦艦ポチョムキン』と並んで、当時の資本主義と共産主義の対立を描いた作品でもある。

  • 1924年のクリスマス間近、ラングは初めて見たアメリカの巨大都市ニューヨークの圧倒的な印象に影響を受け帰国し、なんとか映画化したいと相談すると、妻のテア・フォン・ハルボウも熱狂しシナリオを完成させた。
    *映画評論家淀川長治が渡米して「貴方の代表作は「ジークフリート」と「メトロポリス」ですね」と指摘したらフリッツ・ラング監督が「ハリウッドでは誰もそういってはくれなかった!!」と感動したというエピソードもあったりする。

  • 完成したシナリオは「階級社会の矛盾は「脳(知識指導者階級)」と「手(労働者階級)」の調停者「心」の出現によって解決される」というラングの構想した物とは若干異なる物だったが(ラングは労働者の勝利による結末を考えていた)、興行的な面などを考え受け入れたという。
    *後年のラングの回想によると、楽観的な結末になったのは当時台頭し始めたナチス・ドイツに妻が傾倒していた影響があったと語っている。ちなみにこの思想的な食い違いにより、後に二人は離婚、さらにラングはアメリカに亡命することとなる。

  • 1926年に完成したオリジナル作品は主演俳優の他に端役750人、エキストラとして男性25,000人、女性11,000人、子供750人、黒人100人、中国人25人(支払った報酬は当時の金額で160万マルク)、衣装代が200万マルク、靴3500足、カツラ75個、特注の自動車50台、映画の為に使ったフィルム62万メートル、ポジ・フィルム130万メートルという大長編映画だったが(費用の総額は最低500万マルクから最高1300万マルクと文献により異なる)、完成後すぐアメリカのパラマウント社に持ち込まれ、興行的な理由と「共産主義的な傾向を本質的に持っている字幕があった」という政治的な理由により、ラングの許諾無しに徹底的にカットされ、継ぎはぎの編集が為されたコンパクトなアメリカン・バージョンとして公開。
    *ちなみにハルボウのオリジナル脚本自体は現存し、和訳も電子書籍化もされている。そしてそれはメトロポリス崩壊の経験から「資本家=支配的権力者」フレーダーセンが「発明家」ロトワングとの確執の出発点となった妻を巡る三角関係を思い出して家族愛を取り戻し、息子と「労働階級の代表者」マリアの恋を祝福するという内容だったのである。あれ? 展開がまるで「グレイテスト・ショーマン」引き写し?
    「メトロポリス」の原作は新訳文庫化されていた: クライム・ノヴェルを毎日読もう

  • 1927年にオリジナル全長版をプレミア公開したドイツのウーファ社も、結局はアメリカ編集バージョンに追従。上映回数を増やし利益を上げるためであったが、それでも莫大な制作費を回収することができず、倒産するに至った。そうした混乱のため、上映時間は世界中で様々なバージョンが存在した。
    *その後、第二次世界大戦の混乱などでオリジナルフィルムは世界各地に散らばり、フィルムが現存するかどうかも定かではないためオリジナルの完全版を観ることは不可能となっている。

 マリアの姿を写される前のアンドロイドは「映画史上最も美しいロボット」と言われ、『スター・ウォーズシリーズ』のC-3POのデザインに影響を与えた。

それにしても、どのアプローチを選ん掘り下げてもQueenが先鞭をつけてるのは一体どういう事? もしかしたら「グレイテスト・ショーマン」なる称号の真の保持者ってフレディ・マーキュリーだったりして…

この映画も今年封切りかぁ…本当にミュージカルの年になりそうだ?