日本のコロッケの起源は…個人的には「中東における「ひよこ豆のファラフェル」が、アジア植民地経由で日本に伝わる過程で具がジャガイモに転じた」可能性なんぞを疑ってる訳ですが、もちろん証拠なんて皆無です。そもそも何処を探せばいいのやら…
さかきしんさんのマンガ、「大正の献立 るり子の愛情レシピ」から、お手製のポテトコロッケです。湯気がほんわかと立っていて、揚げたての熱々の感じが出ています。ウスターソースの瓶が見えますね。https://t.co/TLKZ3W4XYu pic.twitter.com/ql6N0DbfHk
— 近代食文化研究会 (@ksk18681912) 2018年4月11日
「お好み焼きの戦前史」に書きましたが、洋食の揚げ物にウスターソースをかけて食べるという習慣は明治20年代からあり、その頃のある女学校の料理実習では、カツレツにソースをかけて食べています。https://t.co/CuDEeTE93T
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とはいえ、大正時代でもまだ家庭にウスターソースがなかった家もあるらしく、洋食の出前をたのむと(戦前は出前していたんです)、ソースの小瓶がついてきました。ナイフ・フォーク・スプーンも出前に付属していました。洋食器がない家もまだあったんですね。
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さて、戦前の「コロッケ」は、現在の「コロッケ」と少し意味が異なります。これを理解していないと、戦前の資料を読む際にかなりの誤解を招くこととなります。
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戦前のコロッケには、肉100%のコロッケがありました。現在では肉100%の場合「メンチカツ」とよびますが、大正時代までは肉100%でも「コロッケ」とよびました。
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コロッケと言えばポテトコロッケであり、肉100%のコロッケを「メンチカツ」「ミートコロッケ」と別称化したのは大正の末から昭和に入ってからです。
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日本のコロッケがどこから来たのか、実はよくわかっていません。私は他の洋食と同じくイギリスからだと思っていますが、当時のイギリスでも肉100%のコロッケがありました。
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これは明治維新直前のイギリスにおける大ベストセラー料理本(家政本)、1861年発行のThe Book of Household Managementから、七面鳥のコロッケ。クリスマスで余った七面鳥をハムかベーコンとあわせて刻んで作ったコロッケで、肉100%です。 pic.twitter.com/sXkHz5vJmv
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コロッケはフランス料理由来という説もありますが、フランスでも肉100%のコロッケはあるはず…です(フランス料理は理解していない)。
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これはフランス料理界の有名シェフ、エスコフィエのチキンコロッケ。マッシュルームとトリュフを混ぜていますが、肉主体のコロッケです。1908年のA guide to modern cookeryより。 pic.twitter.com/Krt2jW29p9
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というわけで、日本でもコロッケが導入された当初には肉100%のコロッケがありました。昭和に入ってもこの習慣は残っており、肉100%のコロッケが資料に登場するので、戦前の資料を読む際には注意が必要です。
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そういえば大英帝国はアジア植民地にも盛んにウスター・ソースを輸出していた様です。まぁ発酵調味料の本場でもありますから…
はてさて、両者は何処で出会ったのか? 一番怪しいのは香港とかシンガポール辺り?
*実際「Sweet Potato and Yam Crispy Fritter」なんて食べ物も…