こういう考え方もあるのか…
「よりクリエイティヴな人達は、通常は連携しない脳のネットワークを同時に働かせることができます」と解説するのは、ハーヴァード大学のロジャー・ビーティ博士だ。ビーティを始めとした心理学・神経科学の研究者たちは、創造性にかかわる思考プロセスと、そのための脳領域を特定し始めている。
彼らによると、創造的な人たちの脳には、特別な配線パターンがあるのだという。ではいったい、それらはどのように特別なのだろうか?
彼らはそれについて、創造性の高い脳のネットワークに関与する、3つの重要なサブネットワークを挙げている。
- 「デフォルト・モード・ネットワーク(Default mode network)」で、特に思考、関心、注意を伴わない、安静時の「基礎状態」とも呼べる脳の活動だ。これは空想に耽ったり、白昼夢を見るときなどに活動的になるといわれ、独創的なアイデアを考えつくためのブレインストーミングで重要な役割を果たすと研究者たちは考えている。
- 「実行機能ネットワーク(Executice control network)」…その名の通り、思い描くアイデアに集中したり、それをコントロールしたりする場合に活動する脳のネットワークだ。クリエイティヴなアイデアが実際に機能するかどうかを評価し、また目標に合わせて修正を加えたり、切り捨てるかどうかを判断する上で重要になるという。
- 「顕著性ネットワーク(Salience Network)」…「デフォルト・モード・ネットワーク」でのアイデア生成と、「実行機能ネットワーク」でのアイデア評価を交互に行うために重要だとされている。いわゆる、ふたつのネットワークを交互に切り替えるスイッチのような役割がある。
興味深いのは、この3つの脳ネットワークは、通常は同時にオンラインにならない特徴があるところだ。研究を率いたビーティは、次のように説明している。「これらのシステム間の同期性は、クリエイティヴィティにとって重要であると思われます。より柔軟で、より創造的なアイデアを生み出せる人たちは、通常は連携していないネットワークを働かせ、オンラインにすることができるのでしょう」
まさしく「Think different」の世界?
1997年のアップルコンピュータの広告キャンペーンのスローガン。アメリカ合衆国の広告代理店TBWACHIATDAYのロサンゼルス・オフィスが制作を担当した。
このスローガンは、テレビコマーシャルのほか、印刷広告や個別のアップル製品のテレビ広告などでも使用された。このスローガンの使用は、これに続く広告キャンペーンであった Apple Switch 広告キャンペーンが2002年に始まるまで続けられた。
このスローガンは、昔から業界に定着していたIBMの初代社長トーマス・J・ワトソンが生み出したモットー「Think」を踏まえて、一捻り加えたものであるように受けとられた。当時IBMは、パソコン市場においてアップルの直接のライバルのひとつであった。はっきりしていたのは、アップルのこのスローガンが、IBMに起源を持つPC/AT互換機とWindowsを購入しようかと思っている消費者に向けられた、より賢明な選択肢としてアップル製品を提示しようとするものであったということである。
60秒版は、白黒のフィルム映像で構成され、20世紀に活躍した17人の象徴的人物を取り上げている[3]。登場順に列挙すると、アルベルト・アインシュタイン、ボブ・ディラン、マーティン・ルーサー・キング・ジュニア、リチャード・ブランソン、ジョン・レノン(オノ・ヨーコと共に)、バックミンスター・フラー、トーマス・エジソン、モハメド・アリ、テッド・ターナー、マリア・カラス、マハトマ・ガンディー、アメリア・イアハート、アルフレッド・ヒッチコック、マーサ・グレアム、ジム・ヘンソン(カエルのカーミットと共に)、フランク・ロイド・ライト、パブロ・ピカソとなる。コマーシャルは最後に、小さな少女が、あたかも何かを願うかのように閉じていた眼を開く映像で終わる。この最後のカットは、ターセム・シンが監督したディープ・フォレストの曲「Sweet Lullaby」のミュージック・ビデオ(数バージョンあるビデオのうち、Round the World Mixと称されるもの)から流用されており、少女はシンの姪であるシャーン・サホタ(Shaan Sahota)である。
30秒版は、60秒のバージョンを圧縮し、17人のうち11人を取り上げ、最後には少女ではなくジェリー・サインフェルドが登場する。登場順に列挙すると、アルベルト・アインシュタイン、ボブ・ディラン、マーティン・ルーサー・キング・ジュニア、ジョン・レノン、マーサ・グレアム、モハメド・アリ、アルフレッド・ヒッチコック、マハトマ・ガンディー、ジム・ヘンソン、マリア・カラス、パブロ・ピカソ、ジェリー・サインフェルドとなる。このバージョンが放送されたのは、1998年5月14日の『となりのサインフェルド』の最終話の放送のときだけであった。
以前よく耳にした「(ライト兄弟が1903年、世界で最初に飛ばした飛行機がそうであった様に)本当に実現される大望は、空に飛び上がる為の翼と地上に降り立つ為の着陸脚をバランスよく備えているものである(それまでの飛行実験競争ではより高く飛び、より長く滞空する事だけに主眼が置かれてきた。ところがライト兄弟が飛ばしたライトフライヤー号(Wright Flyer)は、最初から離着陸用の脚や空中で機体を操縦する手段なども搭載されていたのだった)」なるイディオムを思い出しました。考え方自体は以前から存在していた様ですね。