諸概念の迷宮(Things got frantic)

歴史とは何か。それは「専有(occupation)=自由(liberty)」と「消費(demand)=生産(Supply)」と「実証主義(positivism)=権威主義(Authoritarianism)」「敵友主義=適応主義(Snobbism)」を巡る虚々実々の駆け引きの積み重ねではなかったか。その部分だけ抽出して並べると、一体どんな歴史観が浮かび上がってくるのか。はてさて全体像はどうなるやら。

【三体】サイバーパンク文学壊滅後のサイバーパンク文学?

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劉慈欣「三体2006年)」を読みました。最初はウィリアム・ギブスン辺境Hinterlands)」的展開かと思ったけど、読後感としては虚淵玄脚本のTVアニメ「翠星のガルガンティアGargantia on the Verdurous Planet、2013年)」や劇場版アニメ「楽園追放 -Expelled from Paradise-2014年)」の内容をさらにHard Drivenした感じ?

中華人民共和国のSF作家。山西省陽泉出身。本業はエンジニアで、発電所のコンピュータ管理を担当している。

中学生のころから創作を開始。1999年、中国のSF雑誌『科幻世界』でデビュー。その後、銀河賞に連続して入選。2010年、第1回中国星雲賞世界華人SF協会主催)で作家賞を受賞(韓松と同時受賞)。2015年、アジア人初のヒューゴー賞受賞者となった。

SFに興味を持つきっかけになったのはジュール・ヴェルヌ地底旅行』で、その後アーサー・C・クラークの『2001年宇宙の旅』で本格的にSFにのめり込むようになった。

まさに以下の流れを継承する展開?

①そもそもフランスにおいては絶対王政の樹立過程で地方に分立する(大貴族連合や教会勢力や職業ギルドといった)在地有力者集団が王権(国王とその直臣達)の暴走を掣肘する伝統的構図が崩壊し、中央集権にインテリ=ブルジョワ=政治的エリート体制が集団知性として対峙する啓蒙主義的構造がこれに置き換わる。こうして「(絶対君主から大衆消費社会の大衆に継承されていく究極の自由主義専制の徹底によってのみ達成される」ジレンマと、あえてこれに依存して保身や自らの立身出世の為に役立て様とする社会自由主義が対峙する構造が表面化してきた。
日本でいうと大正12年1923年)に関東大震災後の混乱を受けて公布された緊急勅令「治安維持ノ為ニスル罰則ニ関スル件大正12年勅令第403号)」を前身とし、普通選挙実施に伴う「赤化への恐怖」が反映された治安維持法昭和16年(1941年)3月10日法律第54号)制定によって大いに権限を増強した特別高等警察Special Higher Police, SHP)が査察・内偵・取り締まりの主ターゲットたる「国体皇室私有財産制を否定する」(そもそも国家の存在そのものを認めない無政府主義者・(より過激な国家主義者としての共産主義者社会主義者などを狩り尽くした後、リストラを恐れるあまり取り締まりの対象を反戦運動や(大本教の様な)類似宗教や一般市民の風紀取り締まりや言論統制に拡大していった展開と対応する

②これをそのまま継承した共産主義圏において「(当時共産主義社会を技術的停滞に追い込みつつあった)神人同形論(Anthropomorphism/アントロポモルフィズム)」が暴走。ポーランドのSF作家スタニスワフ・レムが「ソラリスの陽のもとにSolaris,1961年、映画化1972年、2002年)」の中でその対極的存在、すなわち「人間の思惑が一切届かない神秘的存在」として惑星ソラリスを設定。この発想がストルガツキー兄弟の「丘の上のピクニック/願望機1977年)」における「異星人の足跡が発生させた神域」という設定などに継承されていく。
③こうした作品群はアーサー・C・クラーク幼年期の終りChildhood's End、1953年)」や「2001年宇宙の旅2001: A Space Odyssey、1968年)」にインスパイアされる形で主に共産主義諸国で執筆され(ドラッグを捨て「脳を再プログラミングする道具」コンピューターに入れ込んだ)1980年代以降のティモシー・リアリーの「元ヒッピーベトナム反戦運動の一環としての徴兵忌避でカナダに移住した)」ウィリアム・ギブスンなどへの働きかけを通じてによってTV系サイバーパンク文学ブーム開始に大きな影響を与えている。ただし正確な科学的知識に裏付けられていなかったので次第に時代遅れとなってインターネット普及が始まった1990年代以降は衰退。後世の再読に耐え得るのはJ.P.ホーガンやルディ・ラッカー程度で、前者の「仮想空間計画Realtime Interrupt、1995年3月、邦訳1999年)」が河原礫「ソードアートオンラインWebへの連載開始2002年〜、刊行開始2009年〜)」シリーズ、「未来からのホットラインThrice Upon a Time、1980年)」が「Steins;Gateシュタインズゲート、2009年〜)」シリーズの基本的世界観に強い影響を残した。

とりあえず「人の心が分からない」魏成 、「生き長らえる刑を与えられた」1379号監視員、「何故か中国人が多い」生存派の行く末が気になります…