まさかここまで続くとは…
島耕作を長年読んで謎だったのが「自己肯定への貪欲さ」である。学生運動でコテンパンにされた世代だろうに、懲りてるようで懲りて無い、というかずっとあの失意の自分を肯定したかったのだろう。総括するのが死んでもイヤだったのだ。総括という名の自己否定をされる屈辱が身にしみているから。 pic.twitter.com/AqfvN56v4J
— ゾルゲ市蔵 (@zolge1) 2020年2月11日
まだ島耕作を読んでる人、あんまいないかもしれないけど、実は最近恐ろしくなっている。島耕作がどんどん偉くなるのは知ってると思うけど、島耕作を敵に回した奴も例外なく自動的に破滅するのな。今元妻にもその魔の手が(自動的に)伸びているところ。多分死ぬ。怖えぞ島耕作。デスノートかよ。
— ゾルゲ市蔵 (@zolge1) 2020年2月11日
というか島耕作。味方もたいてい島耕作に運を吸い取られるようにして死ぬ。そのたび島耕作は悲しみの涙を流す、というか島耕作を涙させるため味方が定期的に死ぬ。島耕作がほとんど何もしてないのに出世を果たすその間に、敵も味方も皆死んでいく。死神か。怖えぞ島耕作。
— ゾルゲ市蔵 (@zolge1) 2020年2月11日
つ[異能生存体]
— 相沢タツユキ (@Tatsuyuko) 2020年2月11日
弐十手物語みたいですね。
— TFjmt/湘南クラシック音楽を愛する会 (@grunherz054) 2020年2月11日
エターナルチャンピオンか。そういえば最近異世界転生もしてたな。
— 散散満/阿部市英夫 (@til_til_mitil) 2020年2月12日
そういえば確かにマイケル・ムアコック(Michael John Moorcock, 1939年~)「エターナル・チャンピオンシリーズ(1961年)」の主人公は例外なく「敵を屠りエネルギーを吸収する武器」を所持していますが、この武器には反動で身内に不幸をもたらす恐るべき副作用を備えているのです(発想の大源流はおそらく最強戦士であるが故に身内に次々と不幸を呼び寄せる英雄ヘラクレス)。小池和夫漫画にもそういう側面があり、その最初期の登場例が「御用牙(作画神田たけ志, 1970年~1976年)」辺り。
この作品にはハーレム要素もありますが、世界観的世界観全体としてはラブコメどころか「THE レイプマン(愛崎けい子脚本、みやわき心太郎画、1980年代中盤~後半)」に近かったりします(下手をすれば大源流)。
何となく1970年代的メンタリティとでも呼ぶべき概念が浮かび上がってきそう?
ハーレム系作品の急増は「(イベント消化の都増えていく)関係済みヒロインの後処理方法」の変化と関連が深い。
①怪盗ルパン・シリーズや007シリーズなどでは一般的だった「適時、適度に間引く」方式はラブコメに使い回す事が出来なかった。
*小池一夫の「大人向けハードボイルド調作品」や、寺沢武一「コブラ(COBRA THE SPACE PIRATE 1978年〜)」などでは使われ続ける。その小池一夫も「魔物語 愛しのベティ(1981年〜1985年)」は途中からラブコメ路線に変更してしまった。時代の波を感じる。②高橋留美子「うる星やつら(1978年〜1987年)」「らんま1/2(1987年〜1996年)」や北条司「シティーハンター(CITY HUNTER、1985年〜1991年)」においては「1対多」の「多」の数がどれだけ増えてもタイム・シェアリング方式で誤魔化す事が出来た。ただ既にまつもと泉「きまぐれオレンジ☆ロード(1984年〜1987年)」や、藤島康介「ああっ女神さまっ(1988年〜2014年)」などがその要件を満たしつつあったという指摘もある。
*例えば「同じ学園内に恋愛対象がどんどん増えていく」といった展開に直面せずに済んだのが大きい。「別の相手に感心が推移する」「恋敵に挑む同性が現れる」という対応が読者の嫉妬心を刺戟する事もなかった。③「ダム決壊」の契機となったのは、間違いなく1990年代に入ってからの恋愛アドベンチャー・ゲームの登場。エルフ「同級生(1992年、18禁ゲーム初のOVA化)」「同級生2(1994年)」、コナミ「ときめきメモリアル (1994年)」「ときめきメモリアル2(1999年)」、カクテル・ソフト「Piaキャロットへようこそ!!(1996年)」「Pia♥キャロットへようこそ!!2(1997年、10万本以上を売り上げメイド喫茶やコスプレ喫茶のアイディア母体となった)」「Pia♥キャロットへようこそ!!3(2001年、2002年には本作を原作とした劇場版アニメが公開。18禁ゲームを原作ととする初劇場版アニメ)」などの発売に軸を合わせる形で「天地無用魎皇鬼OVA(第1期1992年〜1994年、第2期 1994年 - 1995年、第3期2003年〜2005年)」、赤松健「ラブひな(1998年〜2001年、アニメ化2000年)」などが続く。
*その原型はエニックス「TOKYOナンパストリート(1985年)」の様な「ナンパに成功すると御褒美にH画像が見られる」というもの。エルフ「同級生」も同種の18禁ゲーム「ぴんきぃぽんきぃ(1989年)」の企画から出発している。こうして2000年代後半までに「果たされぬ悲恋のロマンチズム」が崩壊…
こうして全体像を俯瞰してみると古(いにしえ)の物語文法の継承者。ある意味「生きている化石」とも?