実は日本にも「自主規制」に邁進して「子供向け漫画」の枠内に留まり続けた「少年向け月刊誌」が、冒険を恐れなかった「少年向け漫画週刊誌」に淘汰されていた歴史があったりして。
- 手塚治虫作品史でいうと「鉄腕アトム( 1952年〜1968年)」と「ブラック・ジャック(BLACK JACK, 1973年~1978年)」の狭間
- 横山光輝作品史でいうと「鉄人28号( 1956年〜1966年)」と「伊賀の影丸(1961年〜1966年)」や「バビル2世(1971年〜1973年)」の狭間
台湾はマンガが徹底的に弾圧された時代があって、台湾に昔からあったマンガが全滅して、その後規制緩和されたときには弾圧期間が長すぎて以前の人が残っておらず、かつ止まっていただけに古びていて、そこに日本の漫画やアニメが流れ込んで来て熱狂的に好まれた流れなので、手放しに喜んでもいかん。
— ぬまきち@ツイキャス配信中! (@obenkyounuma) 2020年5月15日
日本だって、弾圧に屈したら簡単にそうなるし、世界をみると自国のマンガやアニメがわずかしかなく圧倒的にアメリカや日本、韓国、インド、フランス、ナイジェリアなどのコンテンツに支配されている国のほうが多い。
— ぬまきち@ツイキャス配信中! (@obenkyounuma) 2020年5月15日
日本も、コンテンツ輸出においては世界第3位の大国だけれども、知財でみるとアメリカから買うほうが多く、日本もまた米国の文化的属国であるのだ・・・
— ぬまきち@ツイキャス配信中! (@obenkyounuma) 2020年5月15日
全体像を俯瞰してみると、和製コンテンツの一貫性って案外ある種の「定期的再評価」に支えられていたりする側面があったりして。
- (松本清朝らの社会派ミステリに一旦は完全に駆逐された)横溝正史「金田一耕助シリーズ(1946年〜1980年)」や(少年向け漫画週刊誌に淘汰された「少年向け月刊誌」時代を支えた)江戸川乱歩の「少年探偵団シリーズ(1936年〜1962年)」の1970年代再評価
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「仁義なき戦いシリーズ(1973年〜1976年)」や「魔界転生(1981年)」ばかりか「バトルロワイヤル・シリーズ(2000年〜2003年)」も手掛けた深作欣二監督、映画「武士道残酷物語(1963年)」原作「被虐の系譜(1963年)」や漫画「シグルイ(2003年〜2010年)」原作「無明逆流れ(1957年)」「駿河城御前試合(1964年)」で知られる南條範夫の時代超越性。
- 「生きていたプログレバンド」人間椅子の最近の国際的評価獲得。
そもそも日本には「世界文化のバックアップ用外付HDD」なる定評があって、例えば古代中国の諸子百家文書のうち、大陸では思想的弾圧を受けて抹殺された法家文献の多くが日本で後世「再発見」されたりしてるんですね。
- ヌーベルキュイジーヌ(Nouvelle Cuisine)以前のフランス料理文化…まぁ「洋食の父」サリー・ワイル料理長(Saly Weil 1897年〜1976年)の名前が挙がる分野とか。
そして、その集積性故に「思わぬFusion(融合)を引き起こす」。例えば所謂「魔法少女物」とかも明瞭に米国産ホームドラマ起源ながら…
そして…
余談ながら、ナイジェリアで映画産業が爆発的に成長して「ノリウッド」と呼ばれるほどアフリカ圏の黒人向けコンテンツ輸出大国へなっていった流れについては「ストーリーに飢えたアフリカに「映画」が声を与えた:ノリウッドの旗手、アフォラヤン監督語る」(Wired2013)https://t.co/6VlP8u4vqc
— ぬまきち@ツイキャス配信中! (@obenkyounuma) 2020年5月15日
ボリウッド同様、最近注目してる分野。香港映画やカナダ映画やオーストラリア映画同様、自国作品に「後続が超越せねばならない古典」が登場してから俄然面白くなってくるのですねぇ…