そういえば今年になって集中的に聞き返してるLiving Color「Type(1990年)」…
不思議と自分の中で同じジャンルに分類され、当時同じくらい熱狂して聞いてたVan Halen「 Don't Tell Me (What Love Can Do,1995年)」はそこまで聞き返す気が起こらないんですね。
思えば何時の時代も若者は、ある種の反抗心とまだまだ教養蓄積が不十分である事から(どうにも擁護しようがないくらい、既存常識を逸脱した)変なモノに他の世代より惹かれる傾向を有しているものです。
- 都会に出てきた家出少女が麻薬中毒になって破滅する過程を淡々と面白げに語り続けるキャブ・キャロウェイ「ミニー・ザ・ムーチャ(Minnie The Moocher, 1931年)」。フライシャー兄弟の短編アニメとのコラボで人気が加速。ちなみに訛りが酷く、ネイティブ・スピーカーでも聞き取りに苦労するのが逆に良かった模様。
- 原曲は同様に家出少女の破滅を歌うアニマルズ「朝日のあたる家(The House of the Rising Sun, 1964年)」。ボブ・ディランが女歌のまま淡々と歌っても話題にもならなかったのに「若者バンド」アニマルズが強引に「娼館でなく刑務所で破滅までの日々を回想する不良少年の歌」に歌詞を改変し(そのせいで不整合な箇所が散見される)酩酊状態の如き狂った調子で歌ったら人気が出て所謂British Invationを生き延びた数少ない米国歌謡の一つとなった。
- 歌詞内容が実は単なるストーカーのキモい独白に過ぎないポリス「見つめていたい(Every breath you take, 1983年)」スティングが作詞した曲はこういうのが多い。
この路線のバージョンアップ版がNIN「Closer(1994年)」とも。
- いかにもマンチェスター・バンドらしい現れ方と消え方をしたThe Stone Roses「I Wanna Be Adored(1989年)」。「俺を崇拝しろ」とストレートに繰り返す。
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甘美なラブソングに突如ノイジーなギターサウンドが乱入するレディオヘッド「クリープ (Creep,1992年)」。むしろこの曲の圧倒的人気がバンド成長の足枷になった側面も?
ラナ・デル・レイ(Lana Del Rey)がインディーズ時代及びメジャー・デビュー最初期に放った「Queen of the Gas Station(2009年?)」「Lolla(2010年?)」
こういう曲調なのに(いやむしろ、その背徳性ゆえに)2010年代には熱狂的なNymphet層(成長期に入って体格面で同世代の男子に並んだり勝ったりする小学生高学年の頃から、再び追い抜かれる中学生頃までの少女層)のファン層がついていたが、彼女が歌姫としてBigになるに連れ次第に離れていった。
「Don't Tell Me」も当時はあの変拍子感とかが良かったのですが、年を経て次第に自己憐憫の強さみたいなものが鼻につく様に…何と言うかヘンについての審美眼がどんどん上がっていった感じ?