「タンジェント」している構図について解説します✨https://t.co/hVyfNhimhg pic.twitter.com/24Lm0kr4Aq
— お絵かき講座パルミー (@palmie_oekaki) 2021年1月31日
オイラーの公式(Eulerian Formula)e^θi=cos(θ)+sin(θ)i(公表1748年)の登場によって、一見日陰に追いやられたかに見えたタンジェント関数(Tangent Function)…
XY軸(円弧)
XZ軸(Cos波)
YZ軸(Sin波)
古代にまで遡る三角測量全盛期にはむしろCos関数やSin関数を差し置いてTan関数こそが花形でした。 そういえばシャーロック・ホームズが活躍するコナン・ドイルの短編「マスグレーヴ家の儀式(The Musgrave Ritual,1893年)」にも登場します。
「『楡の木がどれくらいの高さだったか分からないだろうな?』僕は尋ねた」
「『すぐに分かるよ。64フィートだった』」
「『なぜ分かるんだ』僕は驚いて尋ねた」
「『僕の昔の家庭教師がよく三角法の練習をさせたんだ。いつも高さを計るという実習をしていた。子供の頃、僕は敷地の木や建物を全部計ったよ』」
「これは予想もしない幸運だった。僕の期待以上にデータが素早く揃い始めた」
(中略)
「僕はマスグレーヴと書斎へ行き、木を削ってこの釘を作り、この一ヤード毎に結び目をつけた長い紐をその釘に結びつけた。それから釣り竿を二本つないだ。それはちょうど6フィートの長さになった。そしてマスグレーヴと楡が立っていた場所に戻った。太陽はちょうど楢の木をかすめるところだった。僕は竿を真っ直ぐに固定してから影の方向に線を引き、長さを測った。それは9フィートの長さだった」
「もちろん計算は単純だ。もし6フィートの竿が9フィートの影を落とすのなら、64フィートの木は96フィートの影を落とすだろう。そして当然竿の影の方向と木の影の方向は同じだ。
「その楡の木は成長しなかったのか?」なる著名なツッコミはさて置き…同様のトリックが江戸川乱歩作の少年向け推理小説シリーズ第4話「大金塊(1939年~1940年連載)」にも登場しますが、ちゃっかり計測対象が(時間経過に強い)岩に置き換えられていました。
島へ上陸したのは午後三時ごろでしたが、岩を見まわっているうちに、いつのまにか時間がたって、もう五時をすぎていました。太陽は西のほうの海面に近づいて、だんだん形が大きくなり、赤い色にそまっていくのでした。
不二夫少年は、またしても獅子岩の上によじのぼって、ひとりではしゃいでいましたが、とつぜん大きな声でさけびました。
「やあ、すてきすてき、獅子の形があんなにのびちゃった。小林君、ごらん、獅子の頭がもう少しでむこうの烏帽子岩にとどきそうだよ。ぼくの影もあんなに長くなっちゃった。ほらほら……。」
さけびながら、不二夫君は獅子岩の上で手をふってみせましたが、その手の影が、ずうっとむこうの岩のはだにうつって、ひらひらと動いているのです。
不二夫君のいうとおり、獅子岩の影は、今にも烏帽子岩にとどきそうになっています。下に立っている三人は、不二夫君に教えられてその影をじっと見つめていましたが、やがて、明智探偵がハッと何ごとかを気づいて、うれしそうな声で宮瀬氏に話しかけました。
「宮瀬さん、わかりました。暗号のなぞがとけたのです。不二夫君のおかげですよ。今の不二夫君のことばで、すっかりなぞがとけたのです。」
「エッ、不二夫のことばで? わたしにはさっぱりわかりませんが……。」
宮瀬氏はびっくりしたように、名探偵の顔を見つめました。
「ごらんなさい。不二夫君に教えられて気がついたのですが、獅子岩の影があんなにのびて、今にも烏帽子岩に、とどきそうになっているじゃありませんか。もう少し太陽がさがれば、影はもっとのびて、ちょうど獅子の頭が烏帽子岩の下のほうにうつるでしょう。すると、獅子が烏帽子をかぶるわけじゃあありませんか。暗号の意味は、獅子の頭の影が、烏帽子岩にうつって、ちょうど、烏帽子をかぶったように見える時ということだったのですよ。」
「ああ、なるほど、そうだ、そうだ、そうにちがいありません。やっぱりその場へ来てみなければわからないものですね。まさか影とは気がつかなかった。不二夫、おまえは、たいへんなてがらをたてたんだよ。おまえがなにげなくいったことばから、明智先生が暗号をといてくださったのだよ。」
宮瀬氏はうれしまぎれに、岩の上の不二夫君に、大声に呼びかけるのでした。
どうやら「小学生にはまだ早過ぎる」なる判断から三角法概念の適用は見送られた様です。そんな弱気だから戦争に負けてしまったのでは? そういう私もオイラーの公式から数学ロマンの世界に足を踏み入れたクチの数学素人なので「タンジェント関数はその歴史的役割を終えた」とか勝手に思ってた訳ですが…
- そもそもオイラーは-1^x=(0±1i)^2x(i^2=-1を代入)の添字であるSV(Simple Vibration)An(n=-1⇄1)をπ/2倍して当時自分が発見したばかりの自然対数関数exp(x)の添字に放り込む事を思いついただけでなく(これを契機に指数/対数系演算と三角関数系演算が統合される)、円周率近似法として先行していたビエトの無限乗積式(Vieteian Infinite Product Formula)がSinic関数Sin(x)/xにx=π/2を代入した結果に過ぎないとした人でもある(というかSinic関数の発案者?)。本当に個人だったの? ブルバキみたいな集団ペンネームだった可能性はないの?
*「Sinic 歴史」で検索したらこんな情報が…ご冥福をお祈りします。
- そういう人だからアークタンジェント(Arctangent)関数の解析高速化にも貢献している(Eulerian Transformation=オイラー変換)。π/2で収束する関数でπ/4で1となる性質が円周率計算に都合よかったからという。
*明らかに途中からEulerian Transformationの様子がおかしいですが、現段階では直し方が分かりません。今後の課題…
*あれ? もしかしたらこれが正解? そんな訳ない?
もしかしたらオイラー変換が有効なのは奇数項、それもX=1の場合のみ?
- 最近ではさらに機械学習分野からTanh関数(Hyperbolic tangent function 双曲線正接関数)が注目を集めている模様…「微分による解析が困難」という、それまでの研究阻害要因が反転して「偏微分の連続に強い」なる賞賛に結びついた希有の例…
これからは、こっちの知識も補わねば…そんな感じで以下続報…