今回はここからの再出発となります。
- 「0次元=実軸(Real Axis)を1本も抽出していない状態」「虚軸(Imaginal Axis)=既存の実軸と直交する形で設定可能な抽出前の実軸」と考える数理考古学(Mathematical Archeology)の思考様式に従うなら、二次元デカルト座標系 (2D Cartesian Coordinate System) はあくまで「実際の歴史的出現順序とは逆に」極座標系(Polar Coordinates System)に直交する虚軸を追加した複素平面(Complex Plane)の延長線上に現れて欲しいのである。
- ところが実際の群論においてはリー群=円周群=一次元トーラス(半径1の単位元に対応し、半径として実数全体の集合が採用可能である)に直交する虚軸を1本追加した場合に現れるのはリー群=二次元トーラス(実数の全体集合の補集合としての1次元虚数の全体集合が排他的に現れる)であり、さらに虚軸を追加した結果はリー群=三次元トーラス(実数全体の集合の補集合として排他的に現れる3次元虚数の全体集合=四元数座標系)となる。すなわち自明の場合(Trivial Case)としてデカルト座標系が現れる訳ではないのである。
- その一方でユニタリ行列の定義はは直交行列=実ユニタリ行列を複素数体へ拡張したものだという。これは循環定義では? この問題の解決方法は案外簡単で、逆に「直交行列とは複素数体として規定されるユニタリ行列のデカルト座標系(実数体)への写像である」と考えればとりあえず済んでしまう。
ところで、ここに現れる実数体は本当にデカルト座標系そのものなのでしょうか? この辺りを掘り下げ始めると今度は幾何学の語彙が登場するのです。
「円周」概念からの再出発
まずはユニタリ群の定義から。
n次のユニタリ群(Unitary Group) U(n)とは、n次ユニタリ行列のなす群のことで一般線型群(General Linear Group)の部分群である。
演算は行列の積で与えられる。
- は一般線型群
- 〈-, -〉はエルミート形式
- はエルミート共役
- は単位元
つまりユニタリ群の元は有限次複素線型空間のエルミート形式(ノルム)を保つ。これは「絶対値が 1 の複素数」の線型変換における類似物である。
最も単純なn=1のU(1)は巡回群に対応し、絶対値が1の複素数からなる。全てのユニタリ群はU(1)のコピーを含む。
ユニタリ群U(n)は次元の実リー群である。
U(n) のリー代数は n 次歪エルミート行列からなり、その括弧積は交換子で与えられる。
n次の特殊ユニタリ群(Special Unitary Group)SU(n)とは、行列式が1のn次ユニタリ行列の為す群の事である。ユニタリ群U(n)の部分群であり、さらに一般線型群の部分群である。
群の演算は行列の積で与えられる。
Xが実ベクトル空間であるとき、線形な等長変換として直交変換が対応する。これは直交行列Tを用いてと書くことができる。複素ベクトル空間では同様な写像にユニタリ変換(およびその行列表現としてのユニタリ行列)が対応する。
一般に、実ベクトル空間内の等長写像は直交行列Tとあるベクトルaを用いてTx+aと書くことができる(アフィン変換)。このうち、|T| = 1であるものを特にユークリッドの運動と呼ぶが、これは "回転"と"平行移動"の二つの合成によってできるものである。等長写像はユークリッド空間の図形の間の合同をもたらすが、さらに一般に、リーマン多様体の間の等長写像(各点の微分が等長写像になるというように定義される)はその構造をすべて保存する。このような等長写像は運動と呼ばれ、運動の全体はある群をなす。
- 例えば1の5乗根が乗法についてなす群(巡回群)は正五角形の回転が合成についてなす群(回転群)に同型であると考えられます。
直交行列(Orthogonal Matrix)とは、転置行列と逆行列が等しくなる正方行列のこと。つまり n×n の行列 M の転置行列をと表すときに、 を満たすような M のこと。ただし、Eはn次の単位行列であり、 E 自身も直交行列である。
n次正方行列Mの転置行列[M^T]がMの逆行列になっているとき、すなわち を満たすとき、Mは直交行列であるという。
n次直交行列全体の集合をn次直交群といいO(n)と書く。行列式の値が1となる直交行列全体の集合を特殊直交群といいSO(n)と書く。
転置行列(Transpose [of a matrix], Transposed Matrix)とは、m行n列の行列Aに対してAの (i, j) 要素と (j, i) 要素を入れ替えてできる n行m列の行列のことである。行列の転置行列を与える操作のことを転置(Transpose)といい「A を転置する」などと表現する。
特に正方行列(Square Matrix=行要素の数と列要素の数が一致する行列)に対して、転置行列は各成分を対角成分(Diagonal Matrix)で折り返した行列になる。
転置により定義される特別な行列として以下がある。
- 対称行列(Symmetric Matrix):転置結果が元の行列と等しい()
- 反対称行列(Antisymmetric Matrix):転置結果が元の行列に−1をかけたものになる()。任意の正方行列𝐴は分解公式によって対称行列と反対称行列の和に分解することができる。
- 直交行列(Orthogonal Matrix):転置結果が元の行列の逆行列(Inverse Matrix)になる()。
これらの行列はそれぞれ随伴行列(行列のエルミート共役)に対するエルミート行列(Hermitian matrix)または自己随伴行列(Self-Adjoint Matrix)、歪エルミート行列(Skew-Hermitian Matrix)あるいは反エルミート行列(Anti-Hermitian Matrix)、ユニタリ行列(Unitary Matrix)に相当する。
ユニタリ行列は(ただしは行列Uの随伴行列、Iは単位行列)を満たす複素正方行列Uとして定義される。実数で構成される行列の随伴は単に転置となる為、実ユニタリ行列は直交行列に等しく、直交行列を複素数体へ拡張したものがユニタリ行列とも言える。
数値の列をベクトルと定義します。数値は電気信号をサンプルしたものから気象データや経済指標まで、なんでもありです。
ベクトルの線形変換は、一般にのように表すことができます。大文字のAは行列、小文字の上に→が付いた記号はベクトルを表します。は単なる平行移動なので、これを除いた線形変換に着目します。Aを正方行列とします。
定義1:行列RについてXR=RX=Iが成り立つ行列Xがあるとき、Xを逆行列といい で表す。このようなRを正則行列という。
定義2:行列の行(列)ベクトルのノルム(要素の自乗和)が1であり、各行(各列)が互いに直交する時、この行列を直交行列といいQで表す。その定義から、が成り立つ。
もし、変換A が直交行列Q と対角行列Λを用いての様に対角化できたとすると、その線形変換はとなり、や をで直交変換することにより、独立なスカラー式に分離されます。行列 がいかに複雑でも、このように分離できれば、見通しの良い分析が可能になります。
例えば回転行列
による変換は以下となります。
元図形に「同じ形を保存しながら」45度の回転と反転を加えています。言い換えれば、座標軸を回転・反転させてる訳です。そして「形が保存される」という事は、任意の2点間のユークリッド距離(あるいは内積)が不変であることを意味しています。
このような変換を合同変換または等距離変換と呼び、多次元の場合も含め次の定理が成立するのです。
定理1:合同変換(等距離変換)を成立させる行列Aは直交行列である。逆も成り立つ。
またこういう表現も。
前提
◉ Vをn次元複素計量線型空間とする。
◉x, y∈Vに対し(x|y)でエルミート積を表すとする。
◉またT, S を Vの線型変換とする。
随伴変換の定義
任意のx, y ∈ Vに対し ((x)|y) = (x|T(y)) が成り立つような Vの線型変換をTの随伴変換と呼ぶ。
数学における随伴記号は物理学における随伴記号に対応。
正規変換、エルミート変換、ユニタリ変換の定義
T = Tが成立するとTは正規変換
=Tが成立するとTはエルミート変換、
=が成立するとTはユニタリ変換であると言う。すなわち物理学の流儀で書くと
T = Tが成立するとTは正規変換
=Tが成立するとTはエルミート変換、
=が成立するとTはユニタリ変換であると言う。となる。
随伴変換の存在
Vの正規直交基底(シュッミットの直交化法によって必ず存在する)を任意に一つ取って固定し、それを< e1, e2,…, en>とする。
ここでx∈Vに対して(x)=と置けばはV の線型変換となる。
y∈Vを任意に取ってy=とすると、< e1, e2, . . . , en > が正規直交基底であることからとなる事に注意する。
一方であるから
((x)|y) = (x|T(y))
が成り立つ。
注意:上記は正規直交基底 < e1, e2, . . . , en > によるTの行列表示をAとし、そのAの随伴行列 に対応するVの線型変換をとするのと同じである。
数学における複素共益記号は物理学における随伴記号に対応。
随伴変換の一意性
f, gをVからVへの写像とする。任意のx, y∈Vに対して(f(x)|y) = (g(x)|y)が成り立つとすると0 =(f(x)|y)−(g(x)|y)=(f(x)−g(x)|y)となるが、ここで yは任意だからy= f(x)−g(x)と置けばとなる。よってf(x)−g(x)=0である。従ってf(x)=g(x)であり、x は任意だから結局f=gである。
をTの随伴変換とする。任意のx, y∈Vに対し ( (x)|y) =(x|T(y)) = ((x)|y) であるから、上記で示したことにより=が分る。
注意:以上から正規直交基底によるTの行列表示をAとするとき以下が成り立つことが容易に分る。
1. Tが正規変換⇄Aが正規行列
2. Tがエルミート変換⇄Aがエルミート行列
3. Tがユニタリ変換⇄Aがユニタリ行列
*の性質
上掲の一意性に関する計算から以下が分かる。
1.
((x)|y) = (x|(y)) = ((y)|x) = (y|T(x)) = (T(x)|y)
2.
3.
[tex:( (T+S)^∗(x)|y)=(x|(T+S)(y))=(x|T(y)+S(y))=(x|T(y))+(x|S(y))=(T^∗(x)|y)+(S^∗(x)|y)=(T^∗(x) + S^∗(x)|y)=*1=(T^∗(a)|a) = (T(a)|a) = (αa|a) = α(a|a)]
よってなのでαは実数である。
ユニタリ変換の固有値
ユニタリ変換の(従ってユニタリ行列の)固有値は絶対値が 1 の複素数である。
Uをユニタリ変換、αをU の固有値、aをαに対応する U の固有ベクトルとすると
ここで aが固有ベクトルだからa≠0従って(a|a)≠0 である。よって |α|=1となってαの絶対値が 1であることが分った。
固有空間
エルミート変換の異なる固有値に対する固有空間は直交する。
Tをエルミート変換、α≠βをTの異なる固有値、aをαに対応する T の固有ベクトル、bを βに対応するTの固有ベクトルとする。α, βが実数であることに注意せよ
α(a|b) = (αa|b) = (T(a)|b) = (a|T(b)) = (a|βb) = β(a|b)
よって (α−β)(a|b)=0となるが、α−β≠0だから(a|b)=0が分る。
同様の内容の物理学的表現
様々な例外を考慮すると、どうしてもこんな複雑怪奇な韜晦表現になり果ててしまうのでしょう。すぐにちょっとした堂々巡り状態に陥ってしまいます。そしてとりあえず私の目にはこれがこう単純化出来そうに写るのです。
①「等長写像(Isometry)」なるキーワードを手掛かりに以下の投稿における「半径1の場合のピタゴラス族(Pythagorean Family)」との対応を探るならこうなる。
添字関係が合ってるか不安だが、とりあえず…
- 一次元上:
- 二次元上:
- 三次元上:
おそらくこの辺りの定義に既に「四元数における生成子i,j,kの線形従属性」が現れていると思われるが、現時点ではさっぱり掴めないでいる。
この生成子1個だけ操作して他の生成子の操作は巡回の末に元通りにする感じ、ルービックキューブに似てる?
②二次元上のピタゴラス族=SU(1)は「半径1の単位円」すなわち(巡回群の一種としての)円周群、リー群、一次元トーラスとぴったりと重なる。
③この範囲では「絶対値を変えない等長写像を生み出す」エルミート演算は以下の形で規定される事になる。
要するに…
- 指数関数を対数関数に変換するXY座標交換。
- 指数関数や対数関数の微積分循環。
こうした既存知識について「等長変換の特別な場合」と考えれば、以下の様な線形代数の数理知識との連続性を保つ事が出来そうに感じてならないのです。
群の種類の表記
群論では色んな構造に名前と記号を付けて分類している。
例えば,n次元のユニタリ行列の集合は群になっている.ユニタリ行列どうしの積はやはりユニタリ行列になるし,行列の積では結合法則も成り立っているし,単位行列もユニタリ行列の一種であるし,ユニタリ行列には必ず逆行列もあるからである.これと同じ構造の群を「n次元ユニタリ群」と呼び,U(n) と表記する.
また,行列式が 1 であるようなユニタリ行列だけを集めても群になっている.というのは,行列式が 1 であるようなユニタリ行列どうしの積を計算してみると,やはり行列式が 1 であるようなユニタリ行列にしかならないからである.これはユニタリ行列の中でも特別な条件が付いたものなので,「特殊ユニタリ群」と呼び,SU(n) と表記する.Special Unitary の略である.
回転行列についても同じような表記が行われている.回転行列は直交行列の一部であった.直交行列というのは座標の回転の他に鏡像変換(座標軸の反転)をも含んでいるからである.直交行列の全体は群になっているので,「直交群」と呼び,O(n) と表す.O は Orthogonal(直交)の頭文字であり,n は行列の次数である.
行列式が 1 であるような直交行列というのは回転行列のことであるが,これだけでも群になっている.これは「特殊直交群」または「回転群」と呼ばれ,SO(n) と表す.Special Orthogonal の略である.
掛け合わせても絶対値は 1 のままである.これは複素平面上の半径 1 の円の上に乗るので,2 次元回転群 SO(2) と全く同じ構造の群であることが直観的にも分かるだろう。U(1) と SO(2) は同型である.
では,行列式を 1 に制限したSU(1)というのはどんなものだろう? 実はこれを考えるのはほとんど意味が無い.1 次の行列の行列式というのはその成分そのものであり,それを1 に制限するということは群の要素が1しかないということになる.これは単位元のみで構成される「自明な群」と呼ばれるものだ.
ここから先はもう完全に未知の領域…
とりあえず今は情景の様な妥協を図りつつ先に進めるだけ進む事とします。
円筒座標系への発展
柱体(Cylindrical Body)とは数学、特に幾何学において合同で平行な二つの平面図形を底面として持つ筒状の空間図形のことである。数学、特に幾何学において合同で平行な二つの平面図形を底面として持つ筒状の空間図形のことである。
その定義
三次元空間内に平面 P と、P 上に自己交差を持たない閉曲線(単純閉曲線)C が与えられているとする。さらに C 上の点を通り、P に平行でない直線 l を一つ選ぶ。
C上の点を通り、l に平行であるような空間直線の全体が描く軌跡、あるいはそれを互いに平行な二つの平面 π1, π2(ただし l とは平行でない)とで囲んでできる有界な立体図形を柱体と呼ぶ(以下「柱体」は後者の意味で用いる)。
このとき、平面 π1と平面 π2との距離 h をこの柱体の高さという。また、柱体とこの二つの平面のそれぞれとの共通部分をこの柱体の底面、そうでない面を側面という。定義から明らかだが柱体の底面の数は 2 つで、互いに平行である。
さらに、底面と側面とが直交している柱体を直柱(あるいは直柱体)、そうでない柱体を斜柱(斜柱体)といって区別することがある。後述するように斜柱は適当な座標変換で直柱に変換することができる。
その性質
柱体は中身の詰まった (Solid) 閉じた空間図形で、その表面は閉曲面である。
体積が定義できるが、その値 V は底面積(底面の面積)を B、高さを h としたとき、V = Bh で与えられる。
直柱の側面積(側面の面積)S は、底面の周長を l としたとき、S = lh で与えられる。
その表面の媒介表示
標準化柱体の表面は、適当に直交変換することによって、次のように媒介変数表示することができる。
またこのとき、この柱体の平面 Z = 0 への正射影は以下の閉曲線を描く。
逆にこのような形で曲線 C が与えられたなら、C の式において Z 座標の値を限定しなければ柱体を描くことがわかる。
円錐座標系への発展
錐体(Conic Body)とは、数学、特に幾何学において空間内の一点から底面に伸びる線分によって形作られる錐状の立体図形の総称である。
その定義
3次元ユークリッド空間内の平面 P上に単純閉曲線Cが与えられ、平面 P 上にない点 O をとるとき、点 O と曲線 C 上の各点とを結ぶ直線の軌跡を錐体面と呼び、錐体面と平面 P が空間から切り取る有界な図形を錐体という。
このとき、点 O をこの錐体の頂点、頂点 O と平面 P との距離を錐体の高さという。また、曲線 C が囲む平面 P の領域を、この錐体の底面といい、底面以外の面すなわち、頂点 O と閉曲線 C 上の各点とを結ぶ線分の軌跡のことを側面という。
錐体のうち、頂点 O から底面に下ろした垂線の足が、底面の重心に一致するものを直錐(直錐体)と呼ぶことがある。直錐体の中でも、底面が円のものを円錐、底面が正多角形のものを正多角錐と呼ぶ。一方、直錐体に対して、それ以外の錐体を斜錐(斜錐体)と呼んで区別することがある。
その性質
錐体は中身の詰まった (solid) 閉じた空間図形で、その表面は一つの閉曲面である。錐体の高さを h、底面積(底面の面積)を B とするとき、錐体の体積 V は V = Bh/3 で与えられる。これは、同じ底面と高さを持つ柱体の体積の 1/3 の値である。
その表面の媒介表示
標準化錐体の表面は、頂点 O を原点に写す適当な直交変換によって、次のように媒介変数表示することができる:
特に t = 1 のときを考えると底面の閉曲面を表す式が表れる:
柱体は単位元と逆元を追加する群演算を施しても幾何学上柱体と呼ばれ続けます。
しかし錐体に群演算を施すと双錐体(Bipyramid)が現れるのです(本来は群演算を施した柱体も双柱体と呼ばれるべき?)。
二次元空間では2組で1対、三次元空間においては3組で1対…
ここに「有界」なる概念の重要性が急浮上してくる訳です。
数学において集合が有界(Bounded)である、または有界集合(Bounded Set)であるとは、ある種の「差渡しの大きさ」に関する有限性をそれが持つときにいう。有界でない集合は非有界(Unbounded)であるという。
順序集合の有界性
順序集合 (X, ≤) とその空でない部分集合 A を考える。X の元 L が、A の任意の元 a について a ≤ L を満たすとき、L を A の上界 (Upper Bound) といい、上界を持つ A は上に有界であるまたは「上から抑えられる」(Bounded [from] Above) という。また X の元 l が、A の任意の元 a について l ≤ a を満たすならば、l を A の下界 (Lower Bound) といい、下界を持つ A は下に有界である、または「下から押さえられる」(Bounded [from] Below) という。
順序集合 (X, ≤) が半順序集合(Posets=Partially Ordered Set) ≤ に関して最大元および最小元を持つならば、この半順序は有界順序 (Bounded Order) である、または X は有界順序集合 (Bounded Poset) であるという。有界順序を持つ順序集合Xに対し、部分集合Sに順序を制限した (S, ≤) は必ずしも有界順序にはならない。
- これまで用いてきた単振動(Simple Vibration)なる独自表現を数学的に正しい表現に差し替える時が来た?
- 統計学における順序尺度に間隔尺度や比例尺度には還元不可能な新たなイメージが…まぁそれがN次元尺度というものである…
距離空間 (M, d) の部分集合Sが有界であるとは、Sが有限な半径を持つ球で覆えることをいう。すなわち、M の元 x と正数 r > 0 で、任意の S の元 s に対して d (x, s) < r となるようなものが存在するとき、S は有界であるという。
Mがそれ自身をMの部分集合とみて有界であるとき、d を有界距離函数 (Bounded Metric) といい、M を有界距離空間 (Bounded Metric Space) と呼ぶ。
例と性質
①実数からなる開区間 (a, b) や閉区間 [a, b] は(通常の実数の大小関係に関する)順序集合としても(通常のユークリッド距離に関する)距離空間としても有界である。
②実数からなる集合(実数全体の成す集合の部分集合)が有界ならば、それを含む有界区間が存在する。一般にに大小関係の直積順序と通常のユークリッド距離を入れて考えるとき、の部分集合がこの順序に関して有界となることとこの距離に関して有界となることとは等価である。
の空でない有界集合は上限(最小上界)と下限(最大下界)を持つ。
こうして単純閉曲線を形成する「半径1の単位円」がリー群、特殊直交群SO(2)、ユニタリ群U(1)、巡回群の一種としての円周群、等比数列の演算結果集合そして1次元トーラスの共通元として改めて浮上してくる訳である。
- さらに同じく「半径1の単位円」を二次元の場合の元として共有するピタゴラス族(Pythagorean Family)、すなわち(それ自体は観測不可能な)観測原点0と観測極限∞の間に分布する正の実数列についてとりあえず∞-∞=0を加法単位元(Additive Identity)、を乗法単位元(Multiplicative Identity)と置き、ピタゴラスの定理(Pythagorean Theorem)によって各次元ごとの元が定まるとした演算結果集合(Operation Result Set)について考える。
- ここで思い出さねばならない事が一つある。元来の複素平面(Complex Plane)の定義では実軸(Real Axis)=直径(Diameter)=単位単振動(Simple Vibration)と角度を表す虚軸(Imaginal Axis)の直交によって構成される極座標系(r,θ)においてはX軸は実軸、Y軸は虚軸とイメージされるのである。
そしてXY軸双方を虚軸と置いた上でZ軸に実軸を導入すると円柱座標系(Cylindrical Coordinate System)となり、さらにZ軸にも角度概念を導入すると複素球面(Complex Sphere)の変換公式すなわち極座標系(r,φ,θ)の世界に発展する。世に流布している「(三角関数計算に便利な)単位円」の正体は実はこれらから抽出した水平面なのである。「半径をスカラー倍する演算」は、前者だと線形独立したZ軸にのみ影響を与えるが、後者ではXYZ軸全てに均等に影響を与える。
-
かかる座標系において1次元上のピタゴラス族の元は上の有界と下の有界の2点が閉曲線(面)を構成。その全体像は交代級数および単位単振動(Simple Vibration)の範囲における符号関数(Signum Function)に重なる。
これは複素関数論における分岐点切断(Branch Cut)に該当する概念でありその対数写像(Logarithmic Map)は無限整数列(Infinity Integer Sequence)を構成する。この概念を援用すると2次元上のピタゴラス族の元は理論上無限実数列(Infinity Real Sequence)を構成する事になるが、実際には実数全体は0から2にかけての正の実数と2の冪乗の組み合わせ、対数全体は0から2にかけての正の実数とlog2の組み合わせによって説明される事が多い。おそらく、ここでいう「0から2にかけての正の実数」は要するに単位単振動(Simple Vibration)に該当する。
-
その一方で3次元上のピタゴラス族の元、すなわち「半径1の球面」は特殊直交座標群SO(3)や(四元数の全体集合に対応する)リー群の生因子i,j,kが描く球面と元を共有する。
またオイラー の多面体定理(Eulerien Polyhedron Theorem)に従って(球面そのものを含め)6種類しか存在しないとされる正多面体(Regular Polyhedron)の頂点集合もこの条件を満たす。
正四面体(Regular Tetrahedron)
正六面体(Cube)
正八面体(Regular Octahedron)
立方体は単独で、正四面体と正八面体はセットで空間充填性を備える。
正十二面体(Regular Dodecahedron)
正二十面体(Regular Icosahedron)
球面(Sphere)…頂点数∞,辺長
かかる慎重な分類の結果、大半径(Major Radius)Rと小半径(Minor Radius)rの組み合わせによって規定されるリー群=二次元トーラスが「群論的にピタゴラス族に含み得ない(位相幾何学的状態も全く異なる)別の族」として抽出される結果を迎える訳です。さらにこれをRr比(大半径と小半径の比)で見た場合、(大半径と小半径の比が1:1となる)単位トーラス(Unit Torus)を単位元とし、トーラスの上界(下界)の限度たる「二重球面状態」と下界(上界)の限度たる「(頂点数∞,辺長の)単位円状態」を揃って観測結果集合(Observation results Set)に含まない新たな乗法群が現れるのです。
まず、ここまでまとめるのに頭が疲れ果てました。とりあえず以下続報…