諸概念の迷宮(Things got frantic)

歴史とは何か。それは「専有(occupation)=自由(liberty)」と「消費(demand)=生産(Supply)」と「実証主義(positivism)=権威主義(Authoritarianism)」「敵友主義=適応主義(Snobbism)」を巡る虚々実々の駆け引きの積み重ねではなかったか。その部分だけ抽出して並べると、一体どんな歴史観が浮かび上がってくるのか。はてさて全体像はどうなるやら。

【雑想】前世代同性愛者ヒーロー達を見舞ってきた悲劇

せっかくスーパーマンの息子がバイだとカミングアウトしたのだから時々は「ウオッチメン」に登場するヒーロー・チーム「ミニットメン」の同性愛者メンバーの悲劇的最後も思い出してあげてください。

D/Repressed nerd — Ursula Zandt:The Silhoutte Before Watchmen - The...

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シルエット/ウルスラ・ザント(The Silhouette/Ursula Zandt)

オーストリアの上流階級出身。ナチス迫害を逃れてアメリカに移住した(すなわちユダヤ人そのものもしくはそれと近しい関係にある家系で、その事を黒髪が暗喩する)。その出自から、フーデッド・ジャスティスとは仲が悪かった。チャイルドポルノの製作者を摘発するなどの活躍をしていたが、1946年レズビアンであった事が発覚して「ミニッツメン」のイメージを守る為にチームから追放されて引退する。しかし、6週間後にかつての宿敵リクイデイターに自宅を襲撃され、恋人もろとも殺害された。

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フーデッド・ジャスティ(The Hooded Justice)

1930年代、コミックブック『スーパーマン』の第一号発売とほぼ同時期に登場した世界最初のコスチュームヒーロー。

1938年10月カップルを襲った暴漢を撃退したことで新聞に取り上げられると、更にその翌週スーパーマーケットを襲った強盗団をたった一人で鎮圧し「フードを被った正義(The Hooded Justice)」として一躍有名人となり、その時に身につけていた黒いフルフェイスフード、ロープ、赤いケープをコスチュームとしてヒーロー活動を始める。1940年代~1950年代のヒーローブームを生み出し、自身のデビューを機に相次いで活動を始めたヒーローたちと「ミニッツメン」を結成しその一員としても活躍した。1950年代共産主義者狩りの際、政府からの身分開示要請を拒否して失踪した。

正体は、フーデッド・ジャスティスの失踪と同時期に失踪し後に死亡が確認されたサーカスの怪力男ロルフ・ミュラーと推察されるが真偽は不明。ミュラーは移民系の東ドイツ人であり、共産主義者であった。第二次世界大戦以前にはナチスを賞賛する発言もしていたという。コメディアンのレイプ未遂を阻止した事から、恨みを抱いていた彼に射殺されたとも推察されている。ゲイで極度のサディストでもあり、キャプテン・メトロポリスと恋人同士だったが、彼の暴力的傾向から倦怠期に陥り破局した。

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そう、当時は(明文化された規範たるヘイズ・コードにそういう条項が存在しないにも関わらず)「物語中に登場する同性愛者主人公は(ギャングやその情婦同様)決して美化されてはならず、可能な限り悲劇的結末を迎えるべきである」なる倫理規定が通用しており、江戸川乱歩横溝正史といった当時既に物語中に同性愛者を登場させていた様な進歩的作家ですら、この考え方は遵守したのでした。そうした時代性を考慮に入れると(まさにそうした倫理規範をおちょくった)ビリー・ワイルダー監督作品「お熱いのがお好き(Some Like It Hot, 1959年)」のラストのセリフが凄味を増してくるという話ですね。

すみません、僕男なんですけど

気にするな、誰も完璧ではない(Nobody is purfect)」

まさに時代遅れになったヘイズコードが廃止に追い込まれ様とする 時期の到達点。あえてギリギリまで踏み込んだ「この物語に決して美化されてはならず、可能なら悲劇的最後を遂げるべき存在など登場しない」という力強いメッセージ…

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これマジで海外の第三世代フェミニストの基礎教養なんですが、日本のフェミニストは一体何を学んできたんですかね?