以前、別の投稿で述べた「完璧なる雌ライオンの集団狩猟」の話の元ネタ…
以下は「折木さんってお姉さんいるんですよね…いいですね…」なる千反田えるの台詞を受けた流れ。
千反田江留「気のおけない相手がいつもそばにいるなんて、素敵なことだと思いませんか?」
折木奉太郎「別に」
千反田江留「あ、ここのお風呂、一緒に入れないんですね」
折木奉太郎「思うより俺と一緒に入りたがる女って多い様だ…」
ううむ…
千反田江留「私、気になります(I can't stop thinking about it)」
折木奉太郎「俺も気になります(I can't stop thinking about you)」
今回の投稿の発端は以下のTweet。
サマーウォーズは完全に『有力な一族に入り婿になった平凡な男が嫁の一族に認められる話』だと思った。それをちょっと若者向けにするために設定を少し変えただけな感じ。考え込まれた構成だなぁと思った。
— けむ (@kemunopasokon) 2022年6月3日
「平凡(ただし数学の才能は凄くて、それちょっと一族の遺伝子プールに欲しい)」。実は侘助とか排出してるからそもそも皆無ではない筈だけど、何か足りないからここで補完しておきたい?
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年6月3日
類例に米澤穂信「古典部シリーズ」の「奉太郎狩り」がありますが、あちらの主体は千反田家ではなく「(桁上がり三家全域に渡る)謎の飛騨女ネットワーク」な辺りが斬新。その黒幕はどう考えても…「奉太郎、後ろ後ろ‼︎」の元ネタですね。
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年6月3日
古典部シリーズよく知らないんですけど、そんな話なんすね~。
— けむ (@kemunopasokon) 2022年6月3日
侘助の家の情報が『平凡』しかなかったので、分からないことには何も言えないって感じっすね~。
— けむ (@kemunopasokon) 2022年6月3日
あれ、もしかしたら「古典部」シリーズで「サマー・ウォーズ」における「侘助」に該当するのって「奉太郎、後ろ!!後ろ!!」のこの人? pic.twitter.com/IFy3ScXKLa
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年6月3日
もちろん、より正確に「侘助」に対応するのは「(彼女も思い出させようとした)間もなく死亡認定されようとしている千反田えるの叔父」なんですが…そもそもの発端となった「古典部再結成」の契機を改めて思い出してみましょう。
ちなみにネタバレになるので詳しい話は出来ませんが、この隠し要素がちゃんと読み取れてると、米澤穂信の直木賞受賞作「黒牢城」で「なるほど、こう発展させてきたか。悲しい…」という気持ちに。https://t.co/u0rbyMUUKO
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年6月3日
というか「黒牢城」って主要女性登場人物がたった一人しか存在しないので「真犯人は女性」なるヒントが得られた時点でもうその部分は手遅れな訳ですが、おそらく最初からそれが分かっていたとしても、さらに重要な「彼女が真犯人であることの意味」は最終章まで分からないのですね。
ひゃー、そういえば「(サマーウォーズのヒロイン)夏希は小さい頃から侘助を慕っており「初恋の人」でもあった模様。栄に「侘助を家族の中で孤立させないように」と託されて着いて回るうちに義務感を恋心と混同したとも」。完全にシリーズ第1作「氷菓」の写像になってやがる!!
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年6月3日
千反田えるちゃんが「侘助役」から受け取ったメッセージの方が強烈。「叫ぶべき時に叫べないと、俺の様に生きながら死体として葬られる事になるぞ」という言葉の意味を探るうち文集「氷菓」の題名の真意が「I scream!!(私は叫ぶ!!)」に行き着く訳ですからね。で、この事件の真の「依頼人」は?
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年6月3日
その千反田えるちゃんが「探偵役」奉太郎に「究極の探偵殺し」を仕掛ける続編「愚者のエンドロール」結末も壮絶でしたが、如何せん2000年代の人類には早過ぎました。しかしそれが人類にとって幸いとなった側面も?何しろ当時作者の念頭にあった第3作は「さよなら妖精」…https://t.co/BSXs61gc5t
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年6月3日
そして「黒牢城」はどう考えてみても、こちらの「(途中頓挫したハードモードの)古典部シリーズ」から分岐した世界観。逆をいえばこの辺りの物語文法を相応に駆使したら直木賞も狙えるという先例が現れてしまった訳ですね。https://t.co/cHagfIvrGH
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年6月3日
「米澤穂信の全体構想」が推測通りこういう物だったとしたら「流石にその残酷過ぎる選択肢はラノベでは選べなかったのだ」という考え方も出来なくはないのですが…じゃあその後もタブーのまんまだったかというと…https://t.co/3YmBG7yJ1n
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年6月3日
この辺りの世界観に惹かれるのは私も含め「タクティクスオーガ」ファンが多い印象。
あれ「ライトノベル」って「軽小説=light+novel」なるコンセプトから生まれた和製英語だった筈。どうして「我より軽くないものを示してみよ」みたいな試練に?いやガチ「黒牢城」って本当に「さよなら妖精」のマーヤが飛騨に留学してきた「古典部シリーズ」の時間線と捉えて読むと…
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年6月3日
数日間「御免なさい、御免なさい、私はまだまだ本当の絶望とは何かちゃんとイメージ出来てませんでした」なる気持ちに打ちひしがれて完全に身動きが取れなくなるのでオススメ。さらなる戦慄を誘うのが、どうやら今年は「いまさら翼といわれても」の続きが出るらしいという事…https://t.co/4NDIkz51J7
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年6月4日
支倉凍砂 「狼と羊皮紙」第2巻でも「沈黙」の本歌取りをきっちりやり遂げてましたし、正直、今や「ラノベの対語たるべきヘノベ(Heavy Novel)って実在し得るのか?」という話になってきた気もしてます。https://t.co/4FNyRmAprK
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年6月4日
そんな感じで以下続報…