以下の記述に登場する「(古い時代の戸籍を調べると発掘される)奴婢制度の残滓みたいな大家族制度とその崩壊」って、古くは古墳時代(3世紀中頃~7世紀頃)にまで遡り(古墳を築造する伝統的在地豪族の崩壊と群集墳を築造する新興勢力への置換)、(戦国時代西日本に構築された藩ごとに御用商人集団が仕切る自給自足体制の解体がほぼ完了した)元禄時代(1688年~1704年)に執筆された松尾芭蕉「おくの細道(1702年)」においては北陸から東北にかけての在地有力者の生活形態としてまだまだ見られる一方、明治維新期(最も広義には1831年~1889年)に執筆されたイザベラ・バード「日本奥地紀行(1878年)」に目撃記録がない。欧州大陸各地では、幾度も革命騒ぎを引き起こしながらその撤廃が離散的に進められてきた「(資本主義経済導入の妨げとなる)領主が領土と領民を全人格的に代表する農本主義的権威体制(いわゆる「封建体制」「アンシャン・レジーム」)の解体」が大英帝国と大日本帝国では比較的穏健かつ連続的に進行した傍証…
今回の投稿の発端は以下のTweet。
BBCニュース - 「自分はモー・ファラーとして知られているが……」 人身売買されていた英陸上スターhttps://t.co/3wiGXnLh5n pic.twitter.com/69w9nKWVtj
— BBC News Japan (@bbcnewsjapan) 2022年7月17日
「ロンドン西部の家族の使用人にされ」というところで、一気に身近に感じられるようになりました。「ロンドン西部」といっても広いですが、以前、われわれもそこに住んでいたことがあり、具体的な地名や街の雰囲気が心に浮かびますので。ソマリア系の人々がたしかにロンドンにはたくさんいます。 https://t.co/dbwblsGT4o
— YOSHIDA Hiroshi 吉田寛 (@H_YOSHIDA_1973) 2022年7月17日
なるほど…その辺りの地区の人はほんの数十年前まで奴隷を扱うことに躊躇なかったんや…?なんでも自分でやらないとって考える僕ら日本の平民とは思想が全然違うな?それは確かにわざわざ人権宣言でもしないとわかんない人もいるだろな。まあ日本でも子供にそういうのやらせる話はたまに聞くけど… https://t.co/DC18jUd4Zr
— ふうこうぞう🔰 (@constructuralis) 2022年7月17日
向こうは階級社会だから、社長は社員を奴婢みたいに思ってるところある。仏人社長は俺にハサミの刃を向けて渡した。
— ケースクエイク (@chucknorrisuke) 2022年7月18日
「こうやって使うんだ」との習わしがあるんだろう。その瞬間、俺の表情を隈なく見て、奴隷の資質があるかどうか見極めているのだ。俺は物凄い殺気を飛ばしたので今そこに居ない。 https://t.co/fBYbeCuc4Q
一応、日本でも江戸幕藩体制下まで「奴婢階層の残滓」みたいな家族制度が資本主義的後進地域では残ってた模様。そう、日本人にとって奴婢はあくまで伝統的に「家族の所有物」だったのであり、資本主義導入が進んで人が核家族単位で暮らす様になると原則として「いらない子」化していったのです。
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年7月17日
ちなみに欧州における「家内製手工業=徒弟制」もかかる大家族制と密接なかんけいにあり、それが解体される形で「工場製手工業」が立ち現れてくるのである。
一方、英国では産業革命当時、労働階層が工場での夫婦共働きを実現する為に「代わって家事と子供を担当する祖母」を必要とし、該当する存在が不在の場合は老人ホームから引き取ってその役割を担わせる(逆をいえば、その役割を担えないなら実母でも容赦なく老人ホーム送り)という展開が見られました。
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年7月17日
そしてドイツ。ドイツの労働階層にとって産業革命とは炭鉱や金属工場といった危険で不安定な現場での労働を意味する一方、その供給階層が直前まで農奴だったので彼らは「裏庭の広い工業団地」に誘致され、家族の主要働き手が(一次)解雇されたり、怪我で働けなくなったり亡くなった場合に備え…
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年7月17日
なんと妻子が「広い裏庭」で野菜や家畜を育てていたのでした(半工半農?)。そう当時の「自称社会主義者」は、これだけの違い(現実には出稼ぎ外国人の労働形態などさらに多様)を黙殺して「ひとまとめにしての政治的救済」を考えていたのです。
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年7月17日
江戸時代の話のソースは鬼頭宏「人口から読む日本の歴史」辺り。産業革命当時のい英国労働者の話は報道大学の授業。https://t.co/mkXbvmkZgk
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年7月18日
×報道大学〇放送大学。
ドイツ労働者の住宅状況は世界史リブレット「ドイツの労働者住宅」あたり。https://t.co/VZqA8kC8zU
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年7月18日
これにぶら下がった意見。
確かに日本にも昔はあったっていうのはわかるかも。敗戦でみんななくなった感。 https://t.co/R8BUPlFXad
— ふうこうぞう🔰 (@constructuralis) 2022年7月18日
確かに「大日本帝国期以降も地域社会に残った農本主義的権威体制」は、それ自体研究に値する重要なテーマ…
姥捨山はプラグマティズム… https://t.co/8R1KNigvzd
— ふうこうぞう🔰 (@constructuralis) 2022年7月18日
ただ「捨てられる」のではなく「交換される」恐ろしさ…
そういう絵本読んだことあるかも!戦争に明け暮れて食べ物がなくなった兵士が裏庭で畑をやってるお母さんに助けられる話…?あれはそういう啓蒙…? https://t.co/XwCoR8hudD
— ふうこうぞう🔰 (@constructuralis) 2022年7月18日
これについてはこんな話も。
母との会話で、デフォルトが怖くないかと聞いたら、強すぎる一言が返ってきた。
— ウォッカねえさん (@VodkaNeesan) 2022年3月6日
「ソ連出身だもの。子供の頃ジャガイモしか食べてないし、家庭菜園さえあればロシア人は生きていられる」
そう言われても心配。 pic.twitter.com/vZj0gL33RG
ロシアが経済制裁の影響を語るスレッドで「社会全体が高齢化しており、かつての食糧難を乗り切ったように家庭菜園に頼る事もできない」という記述に寒気がしてる。
— 戦争の季節の到来を告げる枢密院勅令 (@order1914) 2022年3月27日
「家庭菜園」という隠語に寒気が。。https://t.co/QNAal3NzD5
— 諸隈元シュタイン (@moroQma) 2022年3月27日
丸の内OL(27)先生もロシア人は90年代のどん底を知ってるし皆家庭菜園持ってて自給できるから経済制裁やってもなかなか効果は出ないってテレビで言うてたな。
— ドカ太郎 (@dameningen1gou) 2022年3月2日
要するにこの話。
ダーチャさえあればロシア人は大抵の苦難はしのげる。
— 阿部隆史@ジェネラル・サポート (@GS_abetakashi) 2019年3月9日
それではダーチャとな何か?
かつて日本一のソ連戦車専門家は僕に「ソ連には全ての砲兵は対戦車砲兵だという格言がある」と言った。
僕はあえて言おう。
「全てのロシア人はロシア農民である」と。
そう、ダーチャとは家庭菜園なのだ。(続) pic.twitter.com/xK4lpnMEIE
そう、ダーチャさえあれば何も困る事は無い。
— 阿部隆史@ジェネラル・サポート (@GS_abetakashi) 2019年3月9日
給料が滞ろうと野菜が店頭から消えようと、それどころか禁酒法が施行されようとヘイチャラなのである。
だからロシア政府は極限状態になった国家の治安維持に頭を使わないで済む。
何も心配しなくていいのだ。
だから...
核ミサイルで近隣諸国(続) pic.twitter.com/ul4i2rdeLY
を恫喝する必要もない。
— 阿部隆史@ジェネラル・サポート (@GS_abetakashi) 2019年3月9日
自分の政権が倒れる事を心配しなくて良いのだから気が楽なもんである。
プーチンが長らく政権の座に居続けられる理由はダーチャにあるのだ。
まあ...
全国民が屯田兵の様なものだ。
ああ、まさにそういう部分が大日本帝国…そして米騒動(1918年)?
そんな感じで以下続報…