そしてこういう話も。
「パウロ中心主義」を超えて1co1312.wordpress.com
スコット・マクナイトは『福音の再発見』の中で、「イエスは福音を宣べ伝えなかった」と主張する牧師について書いています。その牧師が言おうとしているのは、イエスはパウロが語ったような信仰義認を宣べ伝えなかったということですが、この牧師は「信仰義認」を「福音」と同一視していたので、イエスは福音を宣べ伝えなかったと大真面目で考えていたのです。
「パウロの信仰義認」は「人は善い行いによらずに、信仰のみによって義と認められる」なる言葉を指します。そして現代ではそれはルッキズムに結びつけられる様に。
今回の投稿の発端は以下のTweert。
古代文学で興味深いのは、証明=目撃証言なんだよな、コーランの時代までこれで書かれている
— すきえんてぃあ@書け (@cicada3301_kig) 2022年8月11日
物的証拠どころか時間的アリバイもまったくアテにできない以上、仕方ないと思いますねェ。
— ぺんぶろーく (@ttee000800ttt) 2022年8月11日
パウロ「私は死後のキリストと交信した。その内容を福音書として後世に伝える」。https://t.co/B9btGRSByL
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年8月11日
パウロにとっては、すでに死去したナザレのイエスが直接自身に内的な啓示によって通信してきた体験がイエスはキリストであるという信仰に至るきっかけとなった。盲目からの奇跡的回復という話は自身が記していないことから、キリストはイエスであったと考えるようになったのは、イエスを名乗る存在の内的な啓示と、第三の天にまであげられたというある人の天界の体験とが原因として読み取れる。
罪からの救いを求めて信仰義認論を説いていたパウロは、書簡の中で、自分が救われるためには、あるいは救いの経験があったのは、信仰だったと述べている。
そして…
モルモン教の教祖もやはり…https://t.co/In6dQPeT4E
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年8月11日
教祖ジョセフ・スミス・ジュニア(1805年~1844年)によれば、彼は14歳の時(1820年)、当時激化した教派間の争いや矛盾に疑問を抱き、新約聖書『ヤコブの手紙』1章5節を読み、どの教会が真実であるかを神に祈り求めたところ、父なる神とその子イエス・キリストが現れる示現を示され、言葉を交わしたとされる。スミスによれば、イエスは「(既存の)いずれの教会もことごとく誤っているため、あなたはどの教会にも加わってはいけない」とジョセフに告げ、イエス・キリストの教会を再び地上に回復するためにジョセフを預言者として選んだとされる。
そういえばこういう投稿も。
個人的メモ。統一教会の合同結婚式の話題が再燃しているのでシャーロック・ホームズ「緋色の研究(A Study in Scarlet,1886年)」におけるモルモン教徒の描かれ方を再チェックしてみました。https://t.co/oftyrcUlZH
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年7月28日
物語の発端は砂漠を移動中だったモルモン教徒のソルトレイク・シティ開拓団が瀕死のジョン・フェリアと孤児のルーシーを拾う場面から始まります。その後ジョンは郊外で必死に働き地域でも屈指の富豪に。また彼の養女となったルーシーは、並ぶ者の無い美しい少女に成長。https://t.co/7G3V0XwrwP
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年7月28日
ああここに既に悲劇の種は埋め込まれていました。特定の教団がゼロから築造した都市に異教徒の「金持ち過ぎる男」と「美しすぎる娘」。さらにジョン・フェリアが旅の異教徒の青年ジェファースン・ホープを気に入って彼と娘を結婚させようとしたから、さぁ大変。
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年7月28日
記憶が正しければモルモン教の指導者ブリガム・ヤング(実在の人物)がルーシーに青年ドレッバーかスタンガスンとの結婚を命令した経緯はあまり詳細に語られてなかった気がします。ドレッバーやスタンガスの強引な運動の結果だったのか、地元有力者がジョン・フェリアの財産を狙っての犯行だったのか。
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年7月28日
いずれにせよソルトレイク・シティで宗教指導者の命令に逆らえば生きていけません。ジョン・フェリアとジェファースン・ホープとルーシーは脱出を試みますがドレッバーとスタンガスの追撃隊に捕捉され、ジョン・フェリアは死亡。強引に結婚させられたルーシーも夭逝。
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年7月28日
生き延びたホープは復讐鬼と化し、ドレッバーとスタンガスの命を執拗に狙う様に。二人が身元を偽ってロンドンに逃げてきてからが「シャーロック・ホームズの事件」となります。ここで注意すべきは上掲の物語、あくまで最後まで生き延びたホープしか証人がいないという辺り。
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年7月28日
なにしろこのホープなる人物、狙う人物に接触すると「ダークナイト」に登場するトゥーフェイスみたいに「毒入り丸薬とそうでない丸薬を二人一緒に飲み。片方が受けて死ぬ」神明裁判を強要する中々の異常者。少なくともまっとうな近代的キリスト教徒とは思えません。https://t.co/UhKZu3kjlr
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年7月28日
結局、逮捕後ほどなくホープも動脈瘤が破裂して死去。この事件は英国司法が一切届かない範囲で落着する事になったのですが(そもそもシャーロック・ホームズ、南アフリカやインドの様な英国本土以外からの闖入者が犯人だと裁かない)、その過程で「アメリカ西部独特の荒々しさが上手く描かれてる」と…
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年7月28日
アメリカ人読者に気に入られ、シリーズ続編が次々と発表される事になったのでした。特にモルモン教徒から禁書扱いされているという話も聞いた事がなく、フィクションとして上手く距離感を保ったなという印象も。それにつけてもシャーロック・ホームズ、よくこんな事件の謎が解けたなぁ…
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年7月28日
あと「被害者全員見殺し」は金田一耕助シリーズに限らないという話でもありますね。https://t.co/Sx1jnGgVik
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年7月28日
これまでその事について考えた事がありませんでしたが「アメリカ西部独特の荒々しさが上手く描かれてる」と大喜びしてこの物語を歓迎した「アメリカ人読者」が「アメリカ西部を生きる当事者」とは限らない辺りにまたアメリカの闇が潜んでそうな…
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年7月28日
また読み返してみよう。第二部冒頭の「砂漠で死を覚悟した時に突如現れる大キャラバン」みたいな構図が異様に記憶に残ってたりするんですね。
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年7月28日
そんな感じで以下続報…