直前の動きはこんな感じ。
で、その後どうなった?
Hail Columbia — Lone protester stands in front of the United...
ミシェル・ゴールドバーグ「新大統領誕生の日、首都を怒りが占拠した」ニューズウィーク日本語版2017年1月31日号(2017年1月24日発売)
トランプ新大統領就任式当日。左翼のデモ隊が陣どる一角では、黒装束に覆面の男達がゴミ箱に火をつけ、窓ガラスを割り、高級車を破壊した。ワシントン中でトランプ支持派と反対派の殴り合いが発生。警察は217人を逮捕した。
私はトランプ支持派の白人女性がデモ隊と言い争う現場を目撃した。抗議運動はアメリカに対する世界の印象を悪くしていると、彼女は怒りをぶちまけた。
誰かが口汚く罵ると、彼女は叫んだ。「私にはそもそも理解できない。白人に生まれた事そのものを恥じろという考え方そのものがね。私はずっと家で子供達を育て上げてきた。政府の援助もなしにね!!」
すぐに黒人の若者が近付いてきて声を掛けた。「僕達は全員アメリカ人だ。考え方は違うかもしれないけど…」。彼女は頷いてみせた。「そうだ、私達に憎しみは必要ない!!」
(荻上チキ)…あとはオルト・ライト(Alt-Right・オルタナ右翼)ですね。ヒラリー候補を攻撃するための嘘ニュースを流していたりした人たち。いわゆるトランプのネットゲリラ部隊の人たちがトランプ大統領の祝賀会をやっていまして。
(荻上チキ)うん。
(町山智浩)そこに行ったら、そこを黒ずくめの軍団が襲いまして……
(前嶋和弘)「A」の人たちですか?
(町山智浩)アナーキストです。その人たちが襲いまして。彼らはね、すごいんですよ。一撃離脱なんですよ。ウワーッ!って物を投げたり、ウワーッ!って火をつけたりして、サッと逃げるんですよ。僕はそれを撮影しようとしていて。僕もカメラを持っていたんで。やっぱりボケてましたね。警察の催涙ガスを喰らいました(笑)。
(荻上チキ)そうですか。前嶋さん、その団体はどういった団体なんですか?
(前嶋和弘)どう言えばいいですかね? アナーキストですので、要するに騒いで火を付けてっていう……今回、いろいろ日本でも中継がありましたけど、そこばかり大きくなっちゃいましたよね。要するに、何でも反対する人たちですよね。私、町山さんがどう思うかわからないですけど、たぶんあれ、ヒラリーさんが勝っても同じようなことをしたと思うんですよね。
(町山智浩)そうです。大統領選が始まる前から……「No Matter」だから「どっちが勝っても我々にとっては負けなんだ。いまの現行政府のあり方自体、投票という代表民主制そのものが我々としては許せないんだ!」ということで、どっちが勝っても就任式を潰しに行こうっていうのはずっと彼らはキャンペーンしていたんですよ。だから、報道ではほら、「反トランプ派」とかいう形で日本で報道されていたと思うんですけど、別にヒラリーが当選しても同じことをやったと思います。
(荻上チキ)はあ、なるほど。そうしたような喧騒もあったということなんですね。
(町山智浩)そうです。あのね、警察官が巨大な水鉄砲みたいなものを持っているんですよ。タンクもあって。それがね、催涙液が入っているんです。で、それをパッと構えたら、全員慣れたものでアナーキストの人たちはバーッと散っちゃうんです。で、俺だけ立っていてブシャーッ!ってなって……
(荻上チキ)浴びると、どうなるんですか?
(町山智浩)もう咳が止まらないですよ。で、服についているとなかなか、それが揮発してずーっと咳が出続けて。だから結構大変だったんですけど。
(前嶋和弘)いわゆるペッパースプレー?
(町山智浩)ちょっと違うんですね。レモンみたいな香りがするんですよ。最初、洗剤かな? と思ったんですけど。漂白液のキツいような匂いがして。
(荻上チキ)混ぜるな危険っていう感じがしますね。
(町山智浩)そうそうそう(笑)。
(荻上チキ)それ、洗っていいのかな? みたいなのも心配になりますね。
(町山智浩)ねえ。でも、銃を持っているから。ゴム銃っていうやつですね。ゴム弾を発射するやつを全部持っていたので、かなり警官の武装がすごかったですね。で、翌日、今度はトランプの就任式に行こうと思ったら、ゲートが入れないんですよ。で、4時間ぐらい並んだんですけど。どうしてか、後からわかったんですけど、僕が入ろうとしたゲートの近くのゲートが2つとも、潰されちゃったんですよ。
(荻上チキ)誰にですか?
(町山智浩)デモ隊とアナーキストに。ひとつはデモ隊。ひとつはアナーキストが車に火を付けたじゃないですか。あのへんのゲートが封鎖になっちゃったんで。
(前嶋和弘)リムジンのあれですよね?
(町山智浩)そうです。だから、ゲートの数が減っちゃったんで、1ヶ所に集中しちゃったんですよ。それで入れなくなって、4時間並んで。結局就任演説の時にはそのセキュリティーの荷物チェックの金属探知機のすぐ5メートルぐらい前で就任演説になっちゃったんですよ。
状況を整理してみましょう。
- オルタナ右翼(Alt-Right)の本質は「扇動屋」。当然、当日現場に姿を表す事はなかった。彼らは原則的にあくまで「匿名の世界の住人」に過ぎず、表に出てきて素顔をさらしている連中やトランプ・サポーターと一緒くたにしてよい存在ではない。まぁ「オルタナ右翼」なる表現を使い始めたのは、ここでいう「表に出てきて素顔をさらしている連中」の一人リチャード・スペンサーなので、そのあたりややこしいのですが。
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>マカフィー「『オルタナ右翼』という言葉を作ったのはあなたですか」
— irr (@IrrTenko) 2017年1月23日
>スペンサー「そう、2008年の夏に、僕が『オルタナティブ右翼』という言葉を使い始めた。当時、それはもっと広い意味を持ってて、W・ブッシュや『保守運動』に反対する、沢山の違ったバージョンの右翼を指す言葉だった」>マカフィー「オルタナ右翼と、普通の、よく見かけるような、ドナルド・トランプを支持している共和党員との間に違いはありますか。あなたは世間に、彼らとひとまとめにされていると思いますか」
— irr (@IrrTenko) 2017年1月23日>スペンサー「当然、そこにはドデカイ違いがある。オルタナ右翼は知的な前衛で、とても若い。トランプ支持者の圧倒的多数はアメリカ人、それもほとんどは年寄りのアメリカ人で、自分たちの未来に対して深刻な怒りを覚えている人たちだ」
— irr (@IrrTenko) 2017年1月23日>スペンサー「大事なのは、彼の世代的な面が重要だということだ。彼くらいの年齢の人たちは、古いアメリカを振り返ってる。オルタナ右翼の人たちは、ポストモダンなアメリカで育ってきた。僕たちは『過去に戻る』つもりはない。僕たちは前に行きたいんだ」
— irr (@IrrTenko) 2017年1月23日 - 一方、オルタナ左翼(Alt-Left)の本質は「喧嘩屋」。今度も元気に暴動の先陣を切った模様。そしてもちろん日米の主要マスコミがこの件を報道する事もなかった。ちなみに下の動画で殴られているのは「オルタナ右翼提唱者」リチャード・スペンサーその人。今その筋で最も人気の回覧。「オルタナ右翼はネオナチ!! 見つけ次第殴れ。それが出来ないならお前もオルタナ右翼だ!!」とか息巻いてます。
Rhamphotheca
FOLK PUNK DREAMBOAT
*PHOTO*THUG*LIFE*: Activists are met with excessive force by police... - その一方で(とりあえずトランプ候補に投票してみた様な)中道右派と(とりあえずクリントン候補に投票してみた様な)中道左派は着々と融合を果たしつつある感も。真の意味で「リベラル派=インテリ・ブルジョワ階層」包囲網を完成さえつつあるのは、むしろ彼らとも?
Welele.es - Lo mejor de muchos protestantes es lo bien que se... - Tu web de humor, memes, gifs y vídeos
ある意味予想通り?