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諸概念の迷宮(Things got frantic)

歴史とは何か。それは「専有(occupation)=自由(liberty)」と「消費(demand)=生産(Supply)」と「実証主義(positivism)=権威主義(Authoritarianism)」「敵友主義=適応主義(Snobbism)」を巡る虚々実々の駆け引きの積み重ねではなかったか。その部分だけ抽出して並べると、一体どんな歴史観が浮かび上がってくるのか。はてさて全体像はどうなるやら。

神は三つの身分をつくりたもうた。 祈る人、戦う人、耕す人である。

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欧州における身分社会の起源を遡るとこんな話にまで行き着きます。

中世の詩人フライダンクは「神は三つの身分をつくりたもうた。祈る人、戦う人、耕す人である」と歌った。十世紀末頃にはかなり広まっていた考え方である。「祈る人」である聖職者はともかく「 戦う人」の身分固定化は 戦争の様相が変化し、その結果、かなり兵農分離が進んだことを示している。
*フライダンク(Freidank、?~1233頃)…中世ドイツの格言詩人。シュワーベンの市民出身の吟遊詩人といわれる。作品『ベシャイデンハイト (世間知) 』 Bescheidenheitは人生一般を明快に,含蓄深くうたい上げた格言詩の集成。
中世格言詩の表現と世界像

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 実は「産業者(les Industriels)」理念の提唱者サン=シモンの「産業階級の教理問答(catechisme des Industriels、1823年〜1824年)」も似た様な概念を語っています。

  • フランスの王侯貴族の先祖はノルマン人である。彼らはある日突然フランスにやってきて現地のゴール人を支配下に置いた。武力に加え優れた文化や技術も持っていたので、制服は必ずしも悪い側面だけではなかった。

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  • しかしゴール人は慎重に全てを学びながら次第に農場経営や商業や工業の実務を握る様になっていく。遂には法律の制定や運用、所領の出納管理といった支配体制の根幹まで丸投げする様になり、ノルマン人の末裔達は単なる高級遊民となり果ててしまう。

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  • そして今やゴール人の末裔は遂にフランスの殆どを掌握する事になった。彼らこそまさに未来のフランスを担うべき産業者達(les Industriels)である。今はバラバラに分断されているが、団結さえすればこの国を手に入れられるのである。

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ちょっとした革命童話。おそらく「祈る人」の起源にまで触れるとややこしくなるのであえて省いたのでしょう。
*とはいえ貴族の長男以下は常備軍の将校になるか聖職者となるのが当時の常識でしたから概ね「ノルマン人」側にカウントされていたと考えて良さそう。

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そしてこの歴史観にのっとって「同じ産業者同士なのだから工場主と労働者は喧嘩をしてはならない」とか「産業者全体の裁定者として君臨する準備が出来ているなら、国王を迎え入れるのはやぶさかでない」と続けた訳です。
*フランス人ならそうする事によって英国の様な小作人が農場主を憎み、労働者が工場主を憎む様な不毛な事態が回避できると考えていた。また当初は科学者が全体を統括すべきと考えていたが、それでは急進的すぎて無血革命は達成出来ないと考えたのか王政の転覆を必要以上に煽らない様になり、オーギュスト・コント(Isidore Auguste Marie François Xavier Comte、1798年〜1857年)と袂を別つ事に。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/6/62/ChartistRiot.jpg/500px-ChartistRiot.jpg

ちなみに英国では、薔薇戦争(Wars of the Roses、1455年〜1485年/1487年)の様な内戦に際しては領民を虐殺や略奪の対象としない暗黙の了解があったとか。何せ大陸と異なりノルマン朝時代(1066年〜1154年)から所領がバラバラに散って入り組んでおり、農場経営者と地主と小作人の分離が早く進んでいましたから「領主が領土と領民を全人格的に代表する農本主義的伝統」など育つはずもなかったのです。要するに英国の方がフランスよりよっぽど進んだ「産業者社会」だったという事になるのかも?
 *ミュージシャンのスティングが個人スタジオに改造する為に居館を購入したら「領民」がついてきて、しかも「領主として一切の口出し手出しをしない」という契約書にサインさせられたとか。その「領民」を眺めて作曲したのがField of Goldという曲。すっかりジェントリー様状態…

Fields Of Gold (Original version by Sting)

You'll remember me when the west wind moves
Upon the fields of barley
You'll forget the sun in his jealous sky
As we walk in fields of gold

大麦畑の上を西風が吹いたら
私のことを思い出すだろう
黄金の草原を私と歩く時
嫉妬深い空の太陽を忘れるだろう

So she took her love for to gaze awhile
Upon the fields of barley
In his arms she fell as her hair came down
Among the fields of gold

彼女は恋人を連れ出し彼を見つめる
大麦畑で 
彼の腕に抱かれて髪が乱れる
黄金の草原の中で

Will you stay with me, will you be my love
Among the fields of barley?
We'll forget the sun in his jealous sky
As we lie in fields of gold

大麦畑でずーっと一緒にいてくれる?
恋人でいてくれる?
嫉妬深い空の太陽を忘れ
黄金の草原に私たちは身を横たえる

See the west wind move like a lover so
Upon the fields of barley
Feel her body rise when you kiss her mouth
Among the fields of gold

大麦畑の上を西風が
恋人のようにたゆたうのが見える
黄金の草原で接吻
彼女の体がしなうのを感じる

I never made promises lightly
And there have been some that I've broken
But I swear in the days still left
We'll walk in fields of gold
We'll walk in fields of gold

軽はずみな約束などしないけど
約束を破ったこともある
けれど私は今誓う。残された日々
黄金の草原を一緒に歩いていくことを
黄金の草原を一緒に歩いていくことを

Interlude
間奏

Many years have passed since those summer days
Among the fields of barley
See the children run as the sun goes down
Among the fields of gold

大麦畑で過ごしたあの夏の日々から歳月が流れ
走り回る子供たちを見る
黄金の草原を太陽が沈みゆく中で

You'll remember me when the west wind moves
Upon the fields of barley
You can tell the sun in his jealous sky
When we walked in fields of gold
When we walked in fields of gold
When we walked in fields of gold

大麦畑の上を西風が吹いたら
私のことを思い出してほしい
嫉妬深い空に太陽が輝く
黄金の草原を私と歩いたことを

この曲の歌詞、よく難解と言われますが「領民の日常を毎日眺めてる領主様視点」と考えると割とストレートにそのままとも。ちなみに動画で演奏してる場所がまさにその居館(離れなので小麦畑は見えない)。「領民」に気を使って夜のパーティも出来ないそうで当人談「まるで親と同居してた高校時代みたい」との事。まぁ権威主義的裏付けを失い「領主が領土と領民を全人格的に代表する農本主義的伝統」が崩壊した後の「祈る人」や「戦う人」の立場って、案外そんなものなのかもしれません。そう思うと「Fields Of Gold」が彼らに対するレクイエムに聞こえてくる不思議…