諸概念の迷宮(Things got frantic)

歴史とは何か。それは「専有(occupation)=自由(liberty)」と「消費(demand)=生産(Supply)」と「実証主義(positivism)=権威主義(Authoritarianism)」「敵友主義=適応主義(Snobbism)」を巡る虚々実々の駆け引きの積み重ねではなかったか。その部分だけ抽出して並べると、一体どんな歴史観が浮かび上がってくるのか。はてさて全体像はどうなるやら。

【ビットコイン・マイニング】「経済とコンピューター・アーキテクチャーの融合モデル」の一つではある?

こうして21世紀に入ると(数理を実際に駆動させるテクノロジーとしての)コンピューター・アーキテクチャー概念と(ある意味数理そのものともいえる)経済モデル概念が、同じメタファー、すなわち「操作者言語ゲームとしてのコンピューター・アーキテクチャーや経済モデルの外側に仮想化された形で追い出された「人間そのもの」)」が「操作コンピューター・アーキテクチャーや経済モデルが受容可能な体裁を整えたフラットな操作者の「観想=イメージ操作体系」)」を通じて「操作対象操作者の「操作」に応じた影響を受容する「コンピューター・アーキテクチャーにとっての接続デバイス群」や「経済モデルにとっての経済そのもの」)」にアクセスするシンプルな言語神秘学的プロトコルによって表現可能となったのである。

改めて整理すると、大体こういう結論に到達した様です。ある意味これぞ後期ウィントゲンシュタインいうところの言語ゲームSprachspiel)的展開そのもの?

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そしてこの観点に立つなら、例えばビットコインbitcoin、2009年〜)におけるマイニング(採掘)とは紀元前7世紀に地中海沿岸およびオリエント地方で発見され「貨幣経済の仮想化後期ハイデガーいうところの「集-立(Gestell)システム」、すなわち「特定目的実現の為に保有リソース全てを総動員する事を可能とするシステム」への移行の実現)」に大幅に貢献した「試金石による貨幣価値の検証」の現代版といえそう?

ビットコイン(bitcoin) - Wikipedia

公共トランザクションログを利用しているオープンソースプロトコルに基づくPeer to Peer型の決済網および暗号通貨。サトシ・ナカモト(Satoshi Nakamoto)を名乗る人物によって投稿された論文に基づき、2009年に運用が開始された。

ピア・トゥー・ピア型のネットワークにより運営され、トランザクションビットコインの所有権移転: 取引)は仲介者なしでユーザ間で直接に行われる。このトランザクションはネットワークに参加しているノードによって検証され、ブロックチェーンと呼ばれる公開分散元帳に記録されていく。

トランザクションでは通貨単位としてビットコイン が使用される。このシステムは中央格納サーバや単一の管理者を置かずに運営されるので、米国財務省ビットコインを分散化された仮想通貨というカテゴリーに分類している。最初の暗号通貨とも言われるが、DigiCashやRippleといった先行システムが存在し、それを最初の分散化されたデジタル通貨として説明するのがより正確である。

ビットコイントランザクション処理作業に対する報酬という形で新規に発行され、ユーザ達が計算能力を提供することでトランザクションは検証され、公開元帳に記録される。このトランザクションの検証・記録作業はマイニング(採掘)と呼ばれ、マイナー(採掘者)はトランザクション手数料と新規発行ビットコインを報酬として受け取る。ビットコインはマイニングにより入手される一方で、他の通貨や商品・サービスの対価として受け取ったり、購入、交換ができる。ビットコインを送信するときにユーザはマイナーに任意の額のトランザクション手数料を払うことができる。

ビットコインは極めて低いコストでの決済(およびマイクロペイメント)を権力機関や特別な権限を持つ発行者無しで平均10分程度の待機によって可能にする。ノードから別のノードへの貨幣の移動は電子署名された取引で行われ、ピア・トゥー・ピア型ネットワーク内の全てのノードにブロードキャストされる。初期の通貨流通や、二重支払の検知のためプルーフ・オブ・ワーク・システムが用いられている。

 マイニングとは?

ビッコトコインやその他暗号通貨の発行や取引には国や銀行のような中央機関が存在せず、 取引は全てピアツーピア(P2P)ネットワーク上で行われています。 二重払いや不正を防ぐため、過去の取引履歴のデータの整合性を取りながら 取引の承認・確認作業を行うことをマイニングと言います。マイニングが行わなければビットコインを送ることができず、ビットコインの仕組みを維持するためには必要不可欠な作業です。また、マイニングを行う人のことをマイナーと呼びます。

金や銀を掘る作業のイメージになぞらえてマイニング(採掘)と呼ばれていますが、実際にはコンピュータでビットコインの取引をチェックし、ブロックチェーンという取引台帳に追記していく作業のことです。具体的には送金情報を送った人がそのビットコインの正しい保有者なのか、ビットコインを重複して使用していないか、などを検証しています。

この追記作業を行うには計算量の大きな問題を解く必要があり、マイナーたちは競ってその問題を解くためにコンピュータを使って計算処理します。結果として1番最初にブロックを追加することに成功したマイナーにその報酬が支払われることになります。通貨としてのビットコインの新規発行はマイニングを通してしか行われず、マイナーたちによってビットコインの仕組みと安全性が保たれていると言えます。 ただし、マイニングによりビットコインが無限に生み出されるわけではなく、ビットコインの総発行量は2100万ビットコインと事前に決められています。マイニングにより発行される量も調整されていて、2016年現在12.5BTC/10分がビットコインマイニングの報酬としてマイナーに支払われています。

マイニングの方法

マイニングの方法には一人で掘る「ソロマイニング」と複数人で掘る「プールマイニング」があります。

2009年にビットコイン取引が開始した当初は主にCPUによる取引が行われていましたが、ビットコインの価格が高騰するとより高速の処理のためにGPUによる計算処理に移行していきました。さらにASICというビットコインマイニング専用チップを搭載するハードウェアも現れマイニング業界の競争は激化しています。マイニングの速さは1秒間で処理されたハッシュ数(H/s)によって測定されますが、GPUで約600MHH/s、ASICでは1GH/s(1GH=1000MH)が可能になりました。さらに性能の良い機械の開発が進められています。

現在は、ビットコインのdifficulty(採掘難易度)が非常に高くなっており、個人での参加は初期投資が高額になり、機器のセッティングやメンテナンスの知識、また機器自体の世代交代と言ったリスクが伴います。 ソロマイニングは採掘に成功する確率が低く、効率が悪くなるので現実的とは言えません。 プールマイニングは、複数人で行うことで採掘に成功する確率を上げることができ、安定的に報酬を受け取ることが可能となります。

 

ソフトマイニング / プールマイニング

ソロマイニング」「プールマイニング」ともに参加するには、マイニング機器の維持と管理の知識やマイニングを行う知識が必要となります。このような専門的な知識がなくても資金を出すだけでマイニングに参加できる方法の中に「クラウドマイニング」という参加方法があります。

クラウドマイニング」とはマイニングへの参加をオンライン上で行う方法でクラウドマイニング運営会社に資金を出すだけで簡単に参加できるので特別な知識が必要ないことがメリットです。

マイニング機器自体の世代交代もクラウドマイニング運営会社が大規模で順次交換していくので常に最新の機器でマイニングできることもメリットです。 

ビットコインは、一定期間ごとに、すべての取引記録を取引台帳に追記します。その追記の処理には、ネットワーク上に分散されて保存されている取引台帳のデータと、追記の対象期間に発生したすべての取引のデータの整合性を取りながら正確に記録することが求められます。

その整合性を取る作業はコンピューターによる計算で実現できるのですが、膨大な計算量が必要となります。分散されて保存されている1つの大きな取引台帳のデータも、追記対象の取引のデータも、すべてを正確に検証してから追記しなければならないのです。

そこで、ビットコインでは、この追記作業に有志のコンピューターリソースを借りています。余っているコンピューターの計算能力を借りることによって、膨大な計算を行い、みんなで共有する1つの大きな取引台帳に追記を行っているのです。

この追記作業の手伝いをしてくれた人、追記作業のために膨大な計算処理をし、結果として追記処理を成功させた人には、その見返りとしてビットコインが支払われます。つまり、追記作業を手伝ってビットコイン全体が健全に運用されるようにがんばってくれたことへの報酬として、ビットコインが支払われるのです。

この報酬は、新たに発行されたビットコインによって支払われます。つまり、通貨の新規発行がこの瞬間に起こるのです。

ゲームをしていてもいいし、ネットで遊んでいてもいいのに、わざわざ膨大な計算を行ってビットコイン全体の発展に貢献してくれた人へのささやかな感謝の形が、新規ビットコインの発行なのです。

この新規発行に至る行為は「採掘(マイニング)」と呼ばれています。コンピューターの計算能力をお金に変えるビジネスと割りきって、日夜採掘(マイニング)に励んでいる人たちが世界中に存在します。そのおかげで、今日もビットコインの安全性が保たれているのです。

通貨としてのビットコインの新規発行は、この採掘(マイニング)を通じてしか行われません。そのため、ビットコインの発展を信じる人達が、次々と採掘活動(=1つの大きな取引台帳の更新作業)に力を注いでいるのです。

マイニングという技術(ノウハウ)を使うことでしか仮想通貨が運用できないという事を初めて知り早3年。取引をするたびに電力が消費されるのが仮想通貨です。

仮想通貨を使えば使うほど電力が消費されることになるため、電力供給量に響いてきます。聞くところによればヨーロッパの小国の年間電力消費量を仮想通貨では消費しているという事実。

国もこの電力消費が無視できなくなっている昨今、ガソリン車やハイブリッドカーの動力で発電する電気に着目した事業計画がカーマイニングというコンセプトになります。車が走れば走るほど電力を発電することは周知の事実で、この電力を活用しようと開発が続けられているIoT機器・カーマイニング装置は車産業と連携し最新技術である仮想通貨の技術に寄与するというのです。

車社会で成り立つ我が国は、電気自動車化とIoT(モノとITを結ぶ)を国策に位置づけています。カーマイニング知っていて損はないと思います。 

Blockchain.infoのデータによると2018年4月26日、1700万ビットコインの採掘が達成されました。ビットコインは、その発行上限が「2100万BTC」と定められているため、これまでに総供給量の内、80%が発行されたということになります。

ビットコインのプログラミングコードは、決められた数の新しいビットコインが一定の間隔で発行されるように設計されていますが、新たなビットコインの発行には、マイナー(採掘者)の存在が欠かせません。コンピュータで複雑な計算を行い、ビットコインの取引データを公式の取引台帳に追記する作業を行うマイナーには、その労力の見返りとして、新しい取引ブロック生成ごとに、決められた量のビットコインが支払われます。現在、一つのビットコインブロックが作られると12.5BTCが与えられ、およそ10分毎のペースで1ブロックの生成作業がおこるため、1日では新たに1800BTCが加わることになります。

1700万BTCは、「心理的節目」として考える向きもあります。もちろんその言葉の意味の捉え方は、それぞれの立場により異なるでしょう。

ニューヨークに拠点を置く仮想通貨投資のヘッジファンド、Tetras Capital共同設立者であるAlex Sunnarborg氏は、発行されうるすべてのビットコインの80%が採掘されたという側面、つまり最終的な供給量の1/5しか、これからのバイヤーやマイナーにとって残されていない事実を強調しています。他の人々は、この節目について「ビットコインを支える技術と、功績が持つ真価を認める気運が高まるチャンス」として捉えているようです。

これは素晴らしいことだ。」 とベンチャー投資家のTim Draper氏は言います。同氏は、アメリカ政府に押収された約3万BTCを2014年に購入、ビットコインの熱烈な支持者としても知られていますが、この節目にあたり次のように述べています。

ビットコイン創始者たちは当初、ビットコインがこれほどまでに重要な役割を持つようになるなんて、夢にも思わなかっただろうね。

金(Gold)とビットコイン

また、ビットコインや他の仮想通貨の持つ特徴を、多く一般の人々に学んでもらう機会にしたいという見方もあります。

ビットコインマイニングで「採掘」という言葉が使われているように、伝統的な資産としての「Gold)」と比較して説明されることがあります。 

金の埋蔵量に限りがあるように、ビットコインは技術的な現実として、その発行総量にも限度が設けられています。 

金本位制支持者や、経済学のオーストリア学派の熱心な読者は、このようなビットコインの特徴に早くから注目してきましたが、そのグループの最も活発なメンバーのひとりであるTrace Mayer氏は、ツイッター法定通貨との違いについて次のように要約しています。

通貨の流通量を増やすということは、インフレによって没収すること、つまり代議制度や適正な法手続きを経ることのない”課税の一種”だと言える。

ビットコインは、中央政府により発行されるのではなく、ネットワークのブロックチェーンを維持する取引の承認作業によって発行されます。 

前述したように、マイナーが取引の有効なハッシュ値を計算により見つけ出す(マイニング)作業、つまりビットコインプロトコルのパズルを解くことで、ビットコインが支払われるような仕組みなのです。 そして、新たなビットコインが生成、発行される度に、最終供給量は減っていくことになります。

インフレ防止の半減期

ただし、マイナーへ支払われるビットコインの量(ビットコイン新規発行数)は、減少していくように設計されています。

ビットコイン半減期と呼ばれる仕組みで、2009年にサトシナカモト氏がはじめのビットコインブロックを採掘したときには50BTCでしたが、21万ブロックごとにその報酬は半減するようにプログラムされています。

2012年に初めての半減期を迎え、報酬は25BTCになり、続いて2016年に12.5BTCに半減して現在に至ります。

報酬(=発行数)を半分ずつ減らしていくことによって、ビットコインの発行量限度に到達する時間を徐々に遅くしていき、供給量増大によるインフレを抑止することができるという理論に基づいて設計されているのです。

現在、採掘可能なビットコイン発行総量の残りは400万BTCとなりましたが、この設計と仕組みにより、ネットワークが最終的な供給量に到達するのは、2140年の5月だと予想されています。

ビットコインは、大変長期間にわたって作動するようにプログラムされているのです。

ビットコインは分割可能な通貨

最後に、見落としてはならないビットコインに備わった重要な特徴は、ビットコインは分割できるという事実です。最小単位の1Satoshiは、1BTCの1億分の1(1Satoshi=0.00000001BTC)であるため、理論上では1ビットコインにほぼ無限の価値を含有可能なのです。

電子財布スタートアップ、Casaの主任エンジニアがこの特徴について、次のように表現しています。

「1700万BTCという量は一見多いように思えるが、実際は希少で、今日の億万長者一人一人が手にするにも満たない量だ。しかし幸いなことに、1ビットコインは1億サトシに分割することができるので、いつでも十分な量を行き渡らせることができる。」

先日、国税庁の発表で、仮想通貨で1億円以上儲かった人(いわゆる「億り人」)のだいたいの人数が判明しました。まずは、5月25日に配信された時事通信のニュース記事を読んでください。

1億円超収入、300人規模=仮想通貨売買活発で─国税庁

2017年分の確定申告で雑所得の収入が1億円超あったとした納税者のうち、仮想通貨の売買で収入を得ていた人が少なくとも331人に上ることが25日、国税庁のまとめで分かった。昨年は相場高騰で、いわゆる「億り人」の急増が話題となった。国税庁は「331人の収入の大半は、仮想通貨売買によるものではないか」と分析している。

17年分の確定申告をした人は、前年比1.3%増の2,198万人。このうち、納税の必要がある641万人の所得金額は同3.4%増の41兆4,300億円、申告納税額は同4.6%増の3兆2,000億円だった。雇用の改善や株価が順調に推移したことなどが影響したとみられる。

仮想通貨売買による所得は雑所得として計上される。公的年金以外の雑所得の収入額が1億円以上だった納税者は、前年の238人から549人へと急増。このうち、仮想通貨取引で収入を得ていた人が6割超を占めた。(2018年5月25日 時事通信配信)

この記事を読むと、「億り人」は300人以上もいるんだ! 儲かっている人が多いなあ、俺(私)も仮想通貨をやってみよう、と思う人も多いかと思われます。

が、少し冷静になってもらわなければなりません。まず、仮想通貨をやっている人(購入している人)の母数から見ていきましょう。国内での仮想通貨の取引者は、364万人です。億を稼いだ「億り人」というのは、364万人のうちの300人ちょっとというわけです。実に1万人に一人しか「億り人」はいないのです。一時は、仮想通貨を買えば、誰もが大儲けできるように言われてましたが、決してそんなことはないのです。

ビットコインは2017年の初頭には10万円程度だったのが、年末には200万円以上の値をつけました。だから、たくさんの人が儲かったはず、という印象を持つかもしれません。しかし、ビットコインは、1年をかけて少しずつ上がっていったわけではありません。年末に急激に上がったのです。

社団法人「日本仮想通貨交換業協会」が平成30年4月に出した「仮想通貨取引の現状報告」によると、日本国内の仮想通貨の入金額は、平成29年11月までは月1,000億円を超えていませんでした。が、翌月の平成29年12月には1兆円を超えているのです。つまり、たった1か月で10倍もの入金があったわけです。ざっくり言えば、この1か月の間に仮想通貨を買った人(買った金額)が10倍近くに増えたのです。「仮想通貨を始めた」という人の大半は、この平成29年12月に集中しているわけです。

そして、ご存知のように、平成30年の1月には仮想通貨は大暴落をしてしまいました。だから、仮想通貨を始めた人の大半は、大損をしているはずなのです。

投資の素人たちが買い支えているビットコイン

仮想通貨は、これまで何度か資金流出事件などを起こして世間を騒がせてきて、今年の1月も大きな事件がありました。そのため仮想通貨の価格は暴落しました。が、現在、仮想通貨の価格は下げ止まっています。ビットコインなどは、最高値に比べれば、半値以下になりましたが、しかし、それ以上は値が下がりません。

仮想通貨というのは、実は機関投資家がまだほとんど参入していません。機関投資家というのは、ヘッジファンドなど、投資を専門とする機関のことです。ヘッジファンドというと、ハゲタカファンドとも呼ばれ、利益になることであれば、どんなものにでも、どんなやり方でも手を出すという事で、たびたび世界的に批判されてきました。昨今、たびたび世界中の非難を浴びるタックスヘイブンなどでも、ヘッジファンドはお得意様となっています。その、やたら利にさといヘッジファンドが、仮想通貨に手を出していないのです。これがどういうことを意味するのか?

仮想通貨は、ヘッジファンドさえ手を出さないほど、リスクが高いということなのです。

機関投資家が買っていないとなると、では仮想通貨を買っているのは一体誰でしょうか? 実は、「日本の普通の個人たち」なのです。仮想通貨の中で9割程度のシェアを持つビットコインの国別の保有割合は以下のようになっています。


 ビットコインの国別保有割合

  日本      57.7%
  アメリカ    20.4%
  ユーロ     3.1%
  韓国      2.4%
  その他     16.4%

つまり、仮想通貨の半分以上は日本が保有しているのです。なぜ日本の保有割合が高いかというと、日本は仮想通貨に対して比較的、寛容だったこと、そして、アベノミクスによる金融緩和でお金が余っていたことなどが考えられます。

が、ここで、注意しなくてはならないのが、ビットコインを購入している日本人が、決して投資に詳しいわけではない、ということです。日本人は、アメリカなどに比べるとはるかに国民の「投資」が少ないのです。

アメリカ人は、資産の一部を株式などの投資に振り分けるということは、ごくごく普通に行なっています。しかし、日本人の場合、自分の資産を「投資をする」ということは、あまり一般的ではありません。つまり、そもそも日本人は、投資になれていないのです。

そんな中、仮想通貨という儲け話が降ってわいたわけです。もし、仮想通貨がそんなに儲かるというのであれば、アメリカ人はなぜもっと関心を向けないのでしょう?

話をもとに戻しましょう。総じて言えば、現在の仮想通貨市場というのは、投資の素人ともいえる日本人の個人が支えているのです。そして、それが、仮想通貨が下がりきらない大きな要因でもあります。

なぜ仮想通貨の値は持ちこたえているのか?

機関投資家やプロの投資家であれば、投資対象の相場が崩れたとき、一定の水準に達すれば、思い切って全部処分します。多少、損をしていたとしても、それ以上の大損をしないためです。だから、普通の金融取引市場では、ある銘柄が一旦、暴落すればあっと言う間に底値に達したりするのです。

しかし、仮想通貨の場合、「多少、損をしていたとしても、それ以上の大損をしないために処分する」という法則性を持っていない投資家がほとんどです。それがかえって功を奏し、今のところ底値には至っていないのです。逆に言えば、現在の仮想通貨相場は、逃げ遅れた人たちによって形成されているとも見ることができるのです。

 なぜ仮想通貨はやたらと「技術力」を宣伝するのか?

筆者が、仮想通貨のリスクを訴えると、SNSなどで、こういう反論をする方をよく見かけます。「大村という人は、ビットコインの革命的な技術革新について何も知らないのだ」「だから、仮想通貨の本当の価値を見出していないのだ」と。なるほど、ビットコインなどの仮想通貨は非常に高い技術でつくられていると。とりあえず、そういう事にしておきましょう。

が、冷静に考えてほしいのは、その高い技術の恩恵に浴している人がいますか? ということです。通貨にとってもっとも大事なのは、「安全」です。安心して、保管し、使用できるものでなければ、通貨は信用されませんし、通貨としての存在価値はありません。その安全面において、仮想通貨というのは、信用できませんよね? この短い期間でかなりヤバい事件が起きています。

どれほど高い技術を持っているか知りませんが、それは実際には役に立っていないのです。少なくとも、通常の銀行の電子取引に比べれば、はるかに危険が大きいわけです。銀行の電子取引は、仮想通貨よりもはるかに多くの取引があり、仮想通貨よりもはるかに莫大な金額が毎日毎日動いているわけです。しかし、仮想通貨のような大きな資金流出事件などは、これまで起きていません。つまりは、仮想通貨の技術というのは、もしかしたら部分的、専門的には高いものがあるかもしれませんが実用面においては、まったく高いとは言えず、むしろ不安定で危険なものなのです。

でも、仮想通貨信仰者の方々は、

 「仮想通貨はすごく高い技術を持っている
 「その技術は資産としての価値があるのだ
 「だから、仮想通貨は今後、発展していく


と信じています。なぜ、そう信じているかというと、そもそも仮想通貨が、そういう喧伝をしてきたからです。各仮想通貨は、創設時から今に至るまで、さんざんやかましく


 「仮想通貨はすごく高い技術を持っている
 「その技術は資産としての価値があるのだ
 「だから、仮想通貨は今後、発展していく


と宣伝してきました。仮想通貨信仰者の方々は、その宣伝をまともに信じ込んでしまっているわけです。

しかし、冷静に考えてください。銀行が、電子取引をすることも、実は非常に高い技術が必要です。世界中の銀行をネットでつなぎ、瞬時に取引をするわけです。また世界中の悪い奴らが、アタックしてくるわけですから、その防御にも大変な技術が必要なわけです。

が、銀行が電子取引をはじめて20年近くたちます。が、先ほど言いましたように、まだ仮想通貨のような、大掛かりな資金流出事故のようなことは起きていません。それでも、銀行は、自分たちの技術をそれほど誇示することはありません。なのに、なぜ仮想通貨はことさら「技術力」を誇示するのでしょうか? そこに仮想通貨の大きな弱点があるのです。

仮想通貨が、実体のない通貨だということは、これまでこのメルマガで何度か言及してきました。仮想通貨は、貴金属との兌換を保証しているわけでもなく、発行元が巨額の資産を持っていていざというときに、価値の保証をするようなものでもありません。また、普通の通貨のように、国がその価値に責任を持っているわけでもありません。まったく架空に作られた通貨であり、何の価値の裏付けもないのです。

その架空の通貨を、流通させるためには、多くの人に、「この通貨は価値がある」と信じ込ませなければなりません。そのために、やたらと、「仮想通貨というものは、すごい技術で作られた未来の通貨なのです」と喧伝してきたわけです。つまり、技術の高さをここまで誇示するということ自体が、信用のなさの裏返しということなのです。

株式市場などでは、一旦、暴落した株は、とことん下がり、紙切れ同然になることも少なくありません。特に、企業が何か不祥事などを起こし、信用を無くしたような場合は、一気に値が下がってしまいます。しかし、仮想通貨は、そこまでの値下がりはしていません。だから、「仮想通貨は将来性があるから、値が下がりきらないのだ」という解釈をして、今でも仮想通貨に期待している人はたくさんいます。

しかし、仮想通貨の値が下がりきらないのには、実は他に大きな理由があります。それは、仮想通貨が、簡単に言えば「投資の素人の相場」だということです。

そもそも後期ハイデガーいうところの「集-立Gestellシステム」、すなわち「特定目的の為に手持ちリソースを最後まで総動員しようとする操作体系」としての貨幣経済が成立可能となったのは「試金石による試し」なる金の通貨価値を安定して保証するプロトコルの発見を契機としています。こうした形での「権威権力の展開を正当化する力の源泉)」と「権力権威の正しさを信頼して展開される操作体系)」の分立が、ビットコインの世界においては「ビットコインのマイニングビットコインとしての価値を安定的に保証するプロトコル)」と「(その結果の正しさを信頼して展開されるビットコイン取引」の関係にも見て取れるという話ですね。

*「権威と権力の分立」…例えば「自然権(羅ius naturale/jus naturale、英Natural rights)」を法源に選べば自然法(英natural law、独Naturrecht、羅lex naturae、lex naturalis)の体系が成立し「国家による暴力的手段の十分な独占」を法源に選べば法実証主義(英legal positivism, 独Rechtspositivismus)となる。

もちろん私は「ビットコイン・ムーブメントの是非」そのものについて触れ様とは思いません。あくまで「マイニングなるビットコインの価値の保証様式」と「試金石による試しなる金の価値の保証様式」の等価性について指摘しておきたいだけで、この問題はさらに実際に展開される法体系そのものに、その正しさを保証する「自然法概念」や「国家による暴力的手段の十分な独占」の正しさを証明する方法論が備わってない問題とも等閑視線する事が可能そうだという事なのです。様するに…

  • 世界観を単一の仮想体系に編纂しようとする(後期ウィントゲンシュタインいうところの言語ゲームSprachspiel)システムや(後期ハイデガーいうところの)集-立(Gestell)システムの成立にはある種の「(一定以上の客観視に耐え得る信念」による(原義的には不可逆的たるべき)裏付けが不可欠である。 

    908夜『パサージュ論』ヴァルター・ベンヤミン|松岡正剛の千夜千冊

    ベンヤミンのパサージュ概念は「個人にとっては外的で確からしく感じられる諸概念の多くが、集団にとっては内的で定義も根拠も曖昧な夢の様な状態で存在する」点に注目した。原型としての諸体験の個人的 / 集団的蓄積は要するにそういう状態に置かれている。

    *そしてマンハイムによれば近代的保守主義とはこれが「仮想化」すなわち、特定の中核的価値観によって包括的秩序として再編成されたものと位置付けられる。

    *ただし(進歩主義の対立概念として萌芽した)近代的保守主義は「存続そのものを最優先課題とする価値体系」なのであり、その「特定の中核的価値観」はこの目的に叶う様に絶えざる(時として大胆で飛躍的な)調整を続けていく。

    *例えば多くの宗教が、その発生段階においては信者獲得も狙って「終末が間近に迫っている」と強迫するにも関わらず、安定期に入るとその到来時期を無期限に先送りにしようとする傾向を有するのも、ここでいう絶えざる(時として大胆で飛躍的な)調整の一環といえそうなのである。
    終末論(eschatology) - Wikipedia

  • この点(無矛盾かつ相応に厳密な再現性を有する操作体系を備えた)数理とそれを実稼働させるテクノロジーは(状況によって揺れ動く)人文学的諸概念より相対的に有利な立場にあるが、むしろそれゆえに厳密な実証主義科学として成立し続けていく為に(ユークリッド幾何学が非ユークリッド幾何学に、ニュートン力学相対性理論量子力学によって拡張された様に)絶えざる反証可能性を抱え続けているのであり、だからこそ、ここでいう「言語ゲームSprachspielシステムや集-立Gestellシステムを支える信念」に選ぶのは危険とする考え方もない訳ではない。

    *歴史的にいうとこの問題は近世初頭における「事象の地平線としての絶対他者」の発見にまで遡る。(ある意味究極の仮想化ともいうべき)デカルト象限概念の発案者でもあるフランス人のルネ・デカルト(René Descartes、1596年〜1650年)は「数理の究明のみが「事象の地平線としての絶対他者」に到達し得る」なる機械的宇宙論を展開したが、イタリア人のジャンバッティスタ・ヴィーコ(Giambattista Vico, 1668年〜1744年)は一切の学問的成果はその反証性を担保される(すなわち如何なる手段を用いても人類は仮想としてしか「事象の地平線としての絶対他者」には到達し得ない)とし、実証主義的人文学との等価性を主張。その一方でかかる「真理の不安定性」に絶望した「超越論哲学の父」イマヌエル・カント(Immanuel Kant、1724年〜1804年)や「実証主義哲学の父」オーギュスト・コント(Isidore Auguste Marie François Xavier Comte、1798年〜1857年)は「人類は数理以外の手段で「事象の地平線としての絶対他者」に到達せねばならぬ」とし、後期ハイデガーに至っては数理ばかりか「集-立(Gestell)システム=それを実稼働させるテクノロジー」自体が「事象の地平線としての絶対他者」への到達手段としてふさわしくないとした。

    現代社会は少なくとも「可能な限り全てを数値化して管理下に置こうとする」点において集-立(Gestell)システム的な訳だが、確かにそうしたインフラ状で稼働する「数理およびそれを実稼働させるテクノロジー」はどれも究極的正しさを保証されている訳ではなく、従って迂闊に依存し過ぎると致命的過ちを犯す可能性を秘めている。これは実はある意味、上掲の「(安定期に入るとその到来時期が無期限に先送りにされる)宗教における終末論問題」と同種のジレンマであり、現実世界の集-立(Gestell)システムは、この辺りも「うまくやる」裁量を求められる事になるのだった。

なんとなく全体的には無難に「全てが数値化され管理可能となっていく歴史展開上において、だからこそその結果次々と実践可能となる、迂闊に飛びつくと破滅をもたらす極論だけは回避し続ける」中庸思想が最善解として残りそうな予感がしてきました…

さて、私達は一体どちらに向けて漂流しているのでしょう?