今ではどれほどの人が覚えているのでしょう。「トワイライト・サガ(Twilight Saga, 原作2005年~2008年、映画2008年~2012年)」の栄華盛衰を…
2003年に見た夢をヒントに『トワイライト』を書き上げた。2005年に同作品を出版し、2009年現在、8400万部のベストセラーとなっている。2006年に『New Moon』を、2007年に『Eclipse』、2008年に『Breaking Dawn』を出版し、ベストセラーとなった。
雨と霧の町、アメリカワシントン州フォークスへ引っ越してきた少女ベラと、そこで彼女が出会った完璧な容姿を持つヴァンパイア・エドワードとの許されない恋を描く。本国アメリカではハリー・ポッターシリーズに次ぐ大ベストセラーで、10代の少女を中心に絶大な人気を誇る。
この作品の人気はヒロインが吸血鬼のイケメンと狼男のイケメンのどちらを選ぶか悩んでいる間だけ続き、吸血鬼のイケメンを選んだ瞬間に完全消滅したのです。
「女は男の暴力性に惹かれる」みたいな言説がインターネッツで遊んでいると流れてくるけど、ラブコメ映画の脚本を分析すると片手落ちな見解だと思います。女は「退屈だけど優しく頼れる男」と「刺激的だけど危険な男」の両方から同時に愛されてどちらも選べなくてツラい…という状況に惹かれるんですよ
— Rootport 𝄇 (@rootport) 2021年11月20日
『二都物語』で「ルーシー・マネットがチャールズ・ダーニーとシドニー・カートンから同時に愛される」という構造を書いたディケンズは、たぶんこのことを理解していた。『風と共に去りぬ』のバトラーとアシュレーを始め、「タイプの違う男性二人から同時に愛されてしまう」という筋は王道中の王道。
— Rootport 𝄇 (@rootport) 2021年11月20日
今読んでる脚本術の本で、対立する二人の人物(※恋人とか夫婦とか)が行ったり来たりするだけでは面白くなりにくい、三角関係にした方がジレンマを生み出しやすいみたいな話が書かれていて、その分かりやすい例がラブコメだよなぁ…と。
— Rootport 𝄇 (@rootport) 2021年11月20日
二人のキャラクターが喧嘩と仲直りを繰り返すだけでは、お話が終わらない。「二人は仲直りしました、めでたしめでたし」で終わったとしても「でも明日にはまた喧嘩しているんでしょう?」みたいな感想になってしまう。「この二人は無事に結ばれるのか?」という疑問に、観客は興味を失ってしまう。
— Rootport 𝄇 (@rootport) 2021年11月20日
三角関係にほぼ頼らず「この二人は無事に結ばれるのか?」というナラティブ・クエスチョンを中心に据えて成功している古典が『ロミオとジュリエット』で、これは二人を取り巻く家族間の抗争が巨大な障壁として機能することで、観客の興味を途絶えさせないようにしている。
— Rootport 𝄇 (@rootport) 2021年11月20日
そういう目で『かぐや様』を分析してみると面白いかもしれませんね。
— Rootport 𝄇 (@rootport) 2021年11月20日
まさしく「バルコニー構造」理論そのもの。
Tumbr上でも「男子を寄せ付けない女子の最大派閥」だったのに、それが一瞬にして消え去る大事件となったのです。