久しぶりに食文化の話…
発端はこの投稿。
調査地では豚肉がご馳走で結婚式などの祝宴には巨大な豚を丸一頭〆るんですが、キリスト教徒の間で「豚は宗教的に安全な肉だ」という歪んだ認識があって私はこれをカウンターハラールとかリバースハラールという風に呼んでいます。「豚はムスリムが触らないから清浄だ」というネガポジ逆転現象です。
— Aisanazman Marukwamy (愛沙奈まみ) (@marukwamy) 2022年1月17日
調査地北側ではムスリムは全人口の3%弱、南側は10%以上でいずれも平地にだけ住んでいます。以前にもどこかで述べた通り屠殺業者や食肉流通業者にはイスラム教徒が多く質の良い肉は大抵ムスリム商人が握っているのですが、これを嫌がって鶏肉や魚もムスリムからは買わないというクリスチャンがいます。
— Aisanazman Marukwamy (愛沙奈まみ) (@marukwamy) 2022年1月17日
牛肉や羊・ヤギ肉になるとムスリムから売ってもらう以外ほとんど手に入りません。私はいつも現地でインド人のイスラム教徒のやってるカレー屋で食事をしてるので全くどうでもいいと思っているのですが、「大事な祝祭行事の時にはムスリムの売った肉なんて食べたくない」というのはよく聞かれる話です。
— Aisanazman Marukwamy (愛沙奈まみ) (@marukwamy) 2022年1月17日
キリスト教徒の側はイスラム教徒は死肉を売ってるとかキリスト教徒を騙して一番質の悪い商品を売りつけているといったプチ陰謀論をでっち上げて嫌っているのですが、そんな中でも「豚はムスリムの手に触れていないから安心だ」という敵のハラームはハラールだみたいな考えを持つに至っているようです。
— Aisanazman Marukwamy (愛沙奈まみ) (@marukwamy) 2022年1月17日
こういう現象は世界の他の地域で同じようにクリスチャン多数派・ムスリム少数派の組み合わせでムスリムが食肉流通を握っているような場合に同様にして存在しているのかどうか、とても興味がありますが調査地以外では見聞きしたことはありません。
— Aisanazman Marukwamy (愛沙奈まみ) (@marukwamy) 2022年1月17日
また、これはハラール認証叩きとは全く別の現象で、純粋にイスラム教徒への憎悪に基づいてムスリムが扱う食肉に対する不浄視が起きた結果、豚をめぐってムスリムのハラールと±が逆になったものがキリスト教徒の間にも生まれている、という話です。完
— Aisanazman Marukwamy (愛沙奈まみ) (@marukwamy) 2022年1月17日
そして…
一方日本のキリスト教徒の間じゃそんなこたまったくないと言っていいので皆様調査地との違いを楽しんでくださいませ https://t.co/UWM30a7Xjs
— 今後ともくう朝 (@ichbinfumikun) 2022年1月18日
差別意識バリバリ……? https://t.co/kZOWc09VPE
— unam (@nniiicccooholic) 2022年1月18日
おおお!面白い!ケガレの意識なのかな。
— 中山今(まんががすき) (@kon_nakayama) 2022年1月17日
しかし差別の成り立ちはどうあれ、動きが日本と似た感じになるのはやっぱり人類皆仲間だなって思いますね(暗い気持ち) https://t.co/fq3MeugIsU
そして…
改宗したユダヤ人にわざと豚肉を食べさせて、本当にキリスト教に入ったのか確認する、悪趣味なキリスト教徒たち。
— まーる (@266266an) 2022年1月18日
日本人だったら友だちだったとしたら、目の前には出さないようにするだろうけど。アレルギーとか心配だし。 https://t.co/EXWm6o5JJB
ここに乱入。
スペインが「豚の丸焼き」とハムと肉汁ソースの本場になったのにも、似た様な背景があった気がします。
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年1月17日
主にユダヤ人改宗者の炙り出しに豚肉を使ったという話ですね。
— Aisanazman Marukwamy (愛沙奈まみ) (@marukwamy) 2022年1月20日
スペイン異端審問で(胃が弱くて)豚肉を食べられないというユダヤ人改宗者がキリスト教を受け入れていないと疑われて吊るし上げられたとかいう記録があったと思います。
そんな感じで以下続報…