「日本は伝統的に同性愛に寛容だった」?
今回の投稿の発端は以下のTweet。
日本は伝統的に同性愛に寛容だったとよく言われるが、いま読んでる乃至政彦 @naishimasahiko『戦国武将と男色』洋泉社,2013によれば、前近代の男色は実質「少年との性交」で、江戸時代には性具とされた少年たちの人権(という言葉はなかったが)に配慮すべきだとして各方面から批判にさらされ、
— 佐藤哲朗(nāgita) (@naagita) 2023年5月19日
度々禁令も出され、明治維新までにはかなり廃れていたそうだ。世に遅れた仏教寺院ではずっと陋習として残り、町人の間にもそれなりに盛んだったようだが、建前上は武家が手を出すべきではないとされてたとのこと。LGBT絡みで、日本の伝統としての同性愛も持ち出すのはあまり筋の良い話ではなさそうだ。
— 佐藤哲朗(nāgita) (@naagita) 2023年5月19日
同書では「男色は武士のたしなみだった」などの通説はことごとく間違いとしている。「戦場に女がいなかったから代わりに」というのも間違いで、実際戦国時代の古戦場を発掘したところ、出土した人骨の3割位は女性だったケースが紹介されている。女性が戦闘に加わることもあったし、
— 佐藤哲朗(nāgita) (@naagita) 2023年5月19日
「御陣女郎」という戦場慰安婦のはしりみたいな女性たちもいた。これは余談的な記述だが、江戸時代に男色が廃れ始めると、「柳腰の女性(華奢な身体つきの娘)」が尊ばれるようになったと三田村鳶魚の考証を引いている。少年っぽい性的魅力を文字通りの少年ではなく、女性に求めるようになったのだ。
— 佐藤哲朗(nāgita) (@naagita) 2023年5月19日
「してみると男色の系譜は、同性愛ばかりでなく、いまの少女愛にも継承されたところがあるのではなかろうか。我々は男色が、少年児童(それも十代前半を珍重する)への性愛であることをよく考えるべきであろう。」現代日本文化を考察する上で読まれるべき一冊と思う。https://t.co/vqrWINutEX
— 佐藤哲朗(nāgita) (@naagita) 2023年5月19日
とはいえ版元の洋泉社は消滅してしまっているので、どこぞで電子書籍の版権だけでも引き受けて再発してくれないものだろうか……
— 佐藤哲朗(nāgita) (@naagita) 2023年5月19日
”世に遅れた仏教寺院ではずっと陋習として残り” と書いたけど、周知のとおり男色(少年性愛)の風俗は仏教寺院から武家に持ち込まれたというのが定説。それが徐々に廃されたというのは、武家の価値観が仏教から離れていった経緯ともリンクしている感じはする。
— 佐藤哲朗(nāgita) (@naagita) 2023年5月19日
あと、公家にも男色はあったが、こちらはことさらに少年を弄ぶというよりは成人男性同士の付き合いだったので、現代的な同性愛やBLノリに近かったかもしれない。
— 佐藤哲朗(nāgita) (@naagita) 2023年5月19日
『戦国武将と男色』を知ったのは、大塚ひかり『ヤバいBL日本史』祥伝社新書がきっかけです。古事記から近世文芸まで網羅しており、性愛という切り口で日本史を捉え直した勝れた入門書だと思います。https://t.co/GCwBsEbKhA
— 佐藤哲朗(nāgita) (@naagita) 2023年5月20日
あと日本仏教寺院における男色文化(というか少年性愛、児童性虐待の伝統)については、松尾剛次『破戒と男色の仏教史』平凡社新書が必読です。なぜか版元品切れで電書化もされてないのですが……https://t.co/J3v0iAqxMV
— 佐藤哲朗(nāgita) (@naagita) 2023年5月20日
類書と併せて解説した動画もあります。https://t.co/YV4wtd91BR
重要なのにあまり知られていない史実なので追記します。日本仏教の歴史では、師僧が弟子を犯すことが当然のこととされてきました。おそらく日本仏教の祖師方もみな通った道だったのでしょう。
— 佐藤哲朗(nāgita) (@naagita) 2023年5月20日
文献にある例をひけば、親鸞の曽孫である覚如は超絶美少年で寝床でのテクニックも勝れていたため、
その奪い合いで僧兵を動員した戦闘も起きたと(真宗聖典所収の文献に)伝えられています。
— 佐藤哲朗(nāgita) (@naagita) 2023年5月20日
"たゞ學問の器量の倫に拔たるのみにあらず、容儀事がらも優美なる體なり。さるまゝには房中の賞翫もならぶ人なく、つたへきくあたりにも事々しき程にぞいひあつかひける。"(最須敬重繪詞)
現代の価値観でみれば、まさに子供をグルーミングで手なづけて自分の性欲を満たしていたわけで、悍ましい限りなのですが……
— 佐藤哲朗(nāgita) (@naagita) 2023年5月20日
以下、正木晃先生によるわかりやすい読み物です。男色(少年愛)と同性愛をあまり区別していないので、そこは注意が必要です。https://t.co/C7zp4XUBdZ
貴重な知見、ありがとうございます。
— 会津里花@一五一会🎵🚩 (@jackies151e) 2023年5月20日
私は直感的に「日本人or日本社会は古来男色に寛容」という言種を胡散臭く思っていましたが、根拠の一端が垣間見えたように感じます。
ですので、警察もうごかないのではなく、動けないのではないかという…。
— タケダファンキー (@7OymcxC7ErJHItN) 2023年5月19日
統一教会問題の時は、政治家のストップがあったと言われてますが、このジャニーの件は自主規制かなと思います。
縦(歴史)の線の考察とは別に、横の線から考えると、児童回春は日本男性と切り離せないものがあります。
— タケダファンキー (@7OymcxC7ErJHItN) 2023年5月19日
日本男性が東南アジアに旅行し児童を蹂躙して回る世界があったと思います。
ジャニーはそれを日本でしたということです。
日本男性の性欲は底が抜けています。
これについた参照意見。
ほほう…こーゆーのは知らなかったな。
— アフロボゥイドラポ子育て部 (@Afloboy360) 2023年5月20日
たしかに上司と部下の関係だったし、
主に少年側には基本的人権も備わっては無かったであろうねぇ。
まぁここでは「同性愛」に対する忌避感そのものにスポットを置いてるので、少し話が逸れてもいるけども。 https://t.co/46690t7ZFe
これは衆道と男色の意味を理解しないと難しくて、「お稚児さん趣味」と言ったら分かり易いかな。少年男色は少年に女装させていたので同性愛ではないのだ。それとはまた別に成人同士の衆道もあったという話なのだが、そこはあまり注目されない。戦国武将の場合も少年が成人しても関係が続いたりしてる。 https://t.co/cFdKdjSRS2
— 山田実理@FtM-gay/ASC (@mitsusato_2) 2023年5月20日
戦国武将の「恋文」もちゃんと残ってる。少年男色が人権的にヤバいのは勿論だが、衆道が容認されてきた歴史を否定されるのはちょっとなあと思う。古代ギリシアの「念者」のシステムと同じで、恋愛感情ありなのだけどな。
— 山田実理@FtM-gay/ASC (@mitsusato_2) 2023年5月20日
男同士のセクハラを「同性愛に寛容な伝統」とか言われても、って話。力関係に鈍感な議論はゴミ。 https://t.co/CCRTBHfYxM
— 元の日常に戻れない無空🚁 (@helicopter_muku) 2023年5月20日
大禿
— nekotama (@nukotama001) 2023年5月20日
この妖怪いや風刺の話も参考になるのでは。https://t.co/ihXadK6p5l https://t.co/wxrvWrtTkT
いや同性愛とかじゃなくて成人が子供に手を出すのはあかんって普通の話では・・・ https://t.co/JQlBFq83Io
— カボチャ@ティアマト鯖 (@Lantern_pumpkin) 2023年5月20日
同性愛に寛容だったっつーよりは「ジャニってた」んだよ多分😂
— ヤマイ(凍結すんなアホンダラボケカス) (@toyamanoinkya_O) 2023年5月20日
逆に今までのアイドル歌手界隈が同性愛に寛容だった…ワケねーわな😂 https://t.co/ecKmvojvtO
ここに乱入。
この話、日本人の同性愛に関する認識がやっと相応のレベルに到達したかという気持ちも。https://t.co/3iu0AjwnwC
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年5月20日
この話、日本人の同性愛に関する認識がやっと相応のレベルに到達したかという気持ちも。https://t.co/3iu0AjwnwC
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年5月20日
例えば以前冗談めかした口調で投稿した「蟻の戸渡絵師」の話も…https://t.co/1w7D8jcrRj
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年5月20日
その背景には「同性愛は性自認がはっきりした大人同士の関係」と打ち出さねば迫害される海外ゲイ文化の苦境と「アナベル・リー症候群」の激しい鍔迫り合いが存在したという話。https://t.co/8tT68w8tCO
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年5月20日
その背景には「同性愛は性自認がはっきりした大人同士の関係」と打ち出さねば迫害される海外ゲイ文化の苦境と「アナベル・リー症候群」の激しい鍔迫り合いが存在したという話。https://t.co/8tT68w8tCO
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年5月20日
そんな感じで以下続報…