再びキーワードとして浮上してくる活人画…
バタイユ自身は「エロティズムの本質は蕩尽」と主張してるだけですが、要するに最大の蕩尽とは死に他ならないのではないかという話…
今回の投稿の発端は以下。
でもみんな、ドビュッシーの音楽ってエロいと思うでしょ?生に後ろ向きな音楽はエロいんですよ。生殖が目的になるとエロや官能は消える。官能は死とか破滅への憧憬。ベートーヴェンのように、苦悩を突き抜け歓喜に至るタイプ、自殺を思い留まる生命力の強いタイプはエロくない。ドビュッシーみたいな続
— さとみ (@stm_pf) 2023年6月16日
破滅的な恋愛を繰り返す人が書く音楽には、美しさの中に影がある。私はそれがめちゃくちゃエロいと思う。以前、美しいかどうかの判断基準に「死ねると思えるかどうか」を挙げたけど、ドビュッシーがそれ。あんまり美しくて、もういいや死んじゃえ、みたいな刹那的な気分になる。生命力に乏しい。好き。
— さとみ (@stm_pf) 2023年6月16日
(バタイユを読書中なのでだいぶ思考が感化されております)https://t.co/GFNZPOUFED
— さとみ (@stm_pf) 2023年6月16日
私個人の考え方だと人間と関わるとエロ、自然と関わるとエロくない
— エキストラララバイ (@ZbSonSoUss2KR) 2023年6月16日
だから私生活のあり方はともかく自然から材を取るドビュッシーはエロくない、人との関わりを問うことが多いベートーヴェンはエロいとなる
でもまあベートーヴェンをエロだのなんだの言うのは難しい
ロマン派は明らかにエロかな
ここに乱入。
「生に後ろ向きな芸術はエロい」という話ですが、実は吸血鬼譚と相性がいい… https://t.co/qmObWN8BuW
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年6月16日
ロマン派詩人バイロンの同性の恋人だったポリドリ「吸血鬼(1819年)」が有名ですが、エロい吸血鬼譚元祖というとゲーテ「コリントの花嫁(1798年)」の名前が上がります。おそらく田辺聖子「ジョゼと虎と魚たち(2084年)」に登場するジョゼちゃんさんのモデル。https://t.co/dNo30pPnLc
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年6月16日
最新の劇場版アニメでは「苦学生たる恒夫の理解あるパトロン」なる立場を利用して「全身ピチピチの若い田舎娘」に完全勝利を収めて実写版の仇を討ったジョゼちゃんさんですが、実は短編集「ジョゼと虎と魚たち」は、むしろ浮ついた世相の到来に際し、気持ちが従来の生き方と「翔んでる女」の間を… pic.twitter.com/eytuSoEOcO
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年6月16日
往復する様々な年代の様々な状況の女性心理を描写する群像物。その一作としてのジョゼちゃんさんの物語はまさに「これからはキリスト教の時代という浮かれ騒ぎについていけない若者が」「あえて古代ギリシャ時代の因習に囚われた少女との殉死を選ぶ」筋書きが「コリントの花嫁」そのものという… https://t.co/KcW50XDVRK
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年6月16日
で、構成上対になってるのが「恋の柩」。19歳の若者と29歳の「年増」女性の一夜限りのアバンチュールの物語で、ジョゼの方から常夫に別れを持ち出す実写版に展開はこちらの流れの援用とも。それにしても最大の衝撃は「道頓堀川」の松坂慶子もそうですが「20代後半はもう年増」感覚。 https://t.co/yo1dR461g3
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年6月17日
ちなみに「恋の棺」というと「やはり吸血鬼物?」とつい考えてしまいます。しかし作中の解説によれば西條八十の詩「われら、山頂の黒き土に巨なる穴をうがち、人知れず恋の棺を埋めむ」 由来の事。https://t.co/JetJq1AozU
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年6月17日
で、この二作が短編集「ジョゼと虎と魚たち」の中でも突出してエロいのです。前者は「こんな後ろ向きの生き方がいつまでも続く筈がない」と、どちらもが気付いているのに恒夫が「市松人形昇る様に古風で少女めいた」ジョゼの肉体を貪るのをやめられない有様が…
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年6月17日
後者は年上女性が「繰り返す気がないからこそ存分に堪能出来る底知れぬ愉悦」に耽溺していく様子が、とにかく耽美。ベッドルームの暗闇の中で男の汗みどろの背中と尻がグリグリと上下し続ける」景色が確実に脳裏に刻印される展開を迎えるのです(まぁ同じエロでも女性向けだから多少はね?)。
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年6月17日
「ロマン主義=神があらかじめ用意しておいてくれた救済計画し蹴って未知の荒野に足を踏み入れるダンディズム」とエロティズムの相性が良いのはこの構造のせい。そうまさに「天気の子(2019年)」における帆高君の台詞「青空より君だ‼︎ もう二度と陽光が目に出来なくなったって構わない‼︎」そのもの。 https://t.co/ODrMU0Leau
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年6月17日
そしてこれ…
「キアヌ・リーヴスに(ジョン・ウィックを演じてもらうにあたって)伝えた『葉隠』の言葉」としてスタエルスキ監督が挙げてた「You only have a good death with a good life」って「武士道というは、死ぬ事と見付けたり」かな?と思うんだがだとしたらいい英訳だな。
— こりま (@korimakorima) 2023年7月1日
そんな感じで以下続報…