とりあえず、いつもの様にメモがてら。
今回の発端はこれ。
「二重に差別される女たち」を読んだのだけれど、国内の主流フェミニズムの人たちが「日本人女性=白人女性」って思ってるらしきこと、大いなるかんちがいなのでは…
— ヤヤネヒロコ ⋈⚡️ (@chat_le_fou) 2022年1月25日
ブラック・フェミニズムの教訓は「女性の中にも差別があり、格差がある」ということだと思っているのだけれど。そのあたりの複雑さが「日本人は全員差別者側です」みたいな雑なアイデンティティ・ポリティクスに回収されるから、いつまでも差別が再生産されるんでしょうね、とか。
— ヤヤネヒロコ ⋈⚡️ (@chat_le_fou) 2022年1月25日
ブラック・フェミニズムの提言内容っていうのも、実は無条件に信頼すべきでなくて、白人女性フェミニズムによる黒人差別に反発してきた中で、黒人女性へのSlut Shaming的な視線が相当に内面化されている風に読めた
— ヤヤネヒロコ ⋈⚡️ (@chat_le_fou) 2022年1月25日
Fast girl問題の切実さは理解するのだけれども、おそらくSlutであること、というのは黒人女性が受ける差別における「非文明性、未開性と見做されるもの」の一部分でもあるんだろうなぁ、といったようなことを考える
— ヤヤネヒロコ ⋈⚡️ (@chat_le_fou) 2022年1月25日
「奴隷制度を克服し-多様化されたアメリカ(欧米)社会」「未開で差別的な非欧米圏」といったBushism的な差別意識は反レイシズム、フェミニズムといった運動にもビルドインされていて、そういったものが無批判に紹介されてしまう状況について、何らかの考察があっても良いんじゃないか、みたいなこと
— ヤヤネヒロコ ⋈⚡️ (@chat_le_fou) 2022年1月25日
ここで乱入。
この本自体は未読ですが「黒人は全体の1/4を占める中流と残り3/4を占める貧困層に分断されている」「貧困層に暴動を扇動するのは黒人公民権運動残党で、男尊女卑的だから黒人女性全般から嫌われている」といった基本を認識してない白人リベラルの言動や行動が支離滅裂になるのはネットで良く見ました。
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年1月25日
「被害者ぶりながら冷酷」は悪役ウォーモンガーの話ですね。ちなみに「黒人公民権当時の英雄だから今でも尊ばれる」の裏返しが「立ち上がらなかった」アジア系への侮蔑と表裏一体になってくる訳です。
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年1月25日
ちなみに「白人」間にもさらに階層があって、その最下層たる南イタリア人は「公民権運動で成り上がった」黒人に社会的地位で抜かれてしまったというルサンチマンから執筆されたのが映画「ロッキー」初稿だったりします(対戦相手が黒人なのはそういう意味)。
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年1月25日
へー… このあたりの複雑さって推察しがたいものがありますね。ブラックパンサー、言われてみると。
— ヤヤネヒロコ ⋈⚡️ (@chat_le_fou) 2022年1月25日
この何というか「黒人公民権運動ばかり特別視する態度」としか言いようがない態度こそが米国白人リベラルの悪癖という印象。「高級住宅街に住み、黒人の不遇に涙を流しながら、黒人が隣人となる事は許さない偽善者」という印象も。そもそも日本人同様、前掲の状況すら理解してない人までいたりして。
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年1月25日
あと、さらにややこしいのは大阪なおみさんみたいなカリブ系は、どちらにも属さないという辺り。確かオバマ大統領もどっちつかずの出自だった筈(富裕側出身でも貧困側出身でも反対陣営を敵に回し大統領になれない)。
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年1月25日
なるほどー… 調べてみます。
— ヤヤネヒロコ ⋈⚡️ (@chat_le_fou) 2022年1月25日
ここで別の話題との連続性が生じてきたりします。
学者先生が公開パワハラしてヤクザの世界だったら指詰めて詫びを入れるような局面、って言ってたけど、実際に暴力団の取材をしてる人が「アンタみたいにいちびったれて公然とメンツを潰すような事したら指を詰めるのを強要する前にメンツ潰したアンタが殺されてるで」って言われてて笑うしかない。
— MIB@C99A木曜日南地区“よ”-27a Skeb受付中 (@MIBkai) 2022年1月25日
まあでも懲役太郎さんも言ってたけど、死に指なんかやるくらいなら看板に泥塗ってメンツ潰した奴ンとこにケンカしに行くわな。普通。いやヤクザのケンカってのはそういう事なんだけど。
— MIB@C99A木曜日南地区“よ”-27a Skeb受付中 (@MIBkai) 2022年1月25日
正直2010年代の左派系運動に夢見ちゃった人に良く見られた「自分が暴力使い慣れてないから『迷わず暴力という手札切れる輩』をなんかすごいもんだと勘違いしてしまってる」感がすごくある
— 一条和城@C99お疲れ様です (@ichijou_kazuki) 2022年1月25日
暴力団の暴力の行使にしたって様々なプロトコルがあるんですよ。というか、肝心なところをがお分かりでないのですね。っていう。
— MIB@C99A木曜日南地区“よ”-27a Skeb受付中 (@MIBkai) 2022年1月25日
おシバキに絡めとられて、抜け出せなかった人ですしねあのいきってた講師さん
— 一条和城@C99お疲れ様です (@ichijou_kazuki) 2022年1月25日
それ指詰めさせたらそこで矛を収めさせないと戦争ですよ、分かってますか。というか、仲裁するつもりなら詰めるのはアンタだよ。っていう「暴力のプロトコル」がわかってないのが。
— MIB@C99A木曜日南地区“よ”-27a Skeb受付中 (@MIBkai) 2022年1月25日
一方的に自分が強者、て立場しか想定していないんだろうなぁ、仕方ないね
— 一条和城@C99お疲れ様です (@ichijou_kazuki) 2022年1月25日
ていうか、ヤクザのケンカなら下っ端の指なんて切っても死に指だっつうんですよね。目上だ、っつう意識があるなら「俺の指で納めてくんなせえ」(=さもなきゃ戦争だぞテメエ)ってやるのがヤクザなんで、中途半端なんすよね。暴力のものの見方も。
— MIB@C99A木曜日南地区“よ”-27a Skeb受付中 (@MIBkai) 2022年1月25日
「下っ端なんだからてめぇが指切って詫びに来い」ってことなんだろうけれど、任侠関係なしに名誉も金も奪われた人間が何するか、考えないんだろうか。
— 一条和城@C99お疲れ様です (@ichijou_kazuki) 2022年1月25日
…ないんだろうなぁ
まあ普通そこまでやったら戦争ですわな。良くて砂利詰んだダンプが荷台から家に突っ込んでくる、悪くて直接殺されて見せしめにされる。
— MIB@C99A木曜日南地区“よ”-27a Skeb受付中 (@MIBkai) 2022年1月25日
僕はほかの人が悪手と言ってる「雁林さんが事実関係を音声付きでげろった」のはそういう意図があると思いますよ。ただでさえ今の人文アカデミアで保守思想なんて鬼子扱いの上にこういう攻撃されたなら死ぬまで叩いてくるだろ、それならこちらもやり返すまでだ…と
— 一条和城@C99お疲れ様です (@ichijou_kazuki) 2022年1月25日
まあそんなら全部ぶちまけたらァ。がやってることでしょうからね。
— MIB@C99A木曜日南地区“よ”-27a Skeb受付中 (@MIBkai) 2022年1月25日
実際呉座氏どころか某氏のやり方に苦言を呈した弁護士や学者に弁護士から内容証明が送られているわけですからね、職務倫理を侵すようなことを正義として
— 一条和城@C99お疲れ様です (@ichijou_kazuki) 2022年1月25日
まあそうしないと無理でしょうしね。
— MIB@C99A木曜日南地区“よ”-27a Skeb受付中 (@MIBkai) 2022年1月25日
人文系の村の出身でこそあるが今ある業種でも間接的に被害被ってるしもう人文は一回皆燃えてしまえ…というアポカリプス願望が無いと言えばうそになる
— 一条和城@C99お疲れ様です (@ichijou_kazuki) 2022年1月25日
そしてここでも乱入
先生方、米国黒人公民権運動がどう始まったかご存じない?「バスの白人席と黒人席を分けるまでは穏便に進んだ。ところが、ある町の白人が黒人席に座ってる黒人に席を譲れと要求し、譲らないから逮捕して裁判で有罪にして罰金と禁錮刑を課したら反対運動が全国に広がり、二度と元の平穏は戻らなかった」
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年1月25日
「誰もが過ちを1回余計に犯しただけだ。すぐに何もかも元通りになるさ、と最初の頃は思う」って話ですね。
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年1月25日
ホフスタッターの「アメリカの反知性主義(1964年)」、本国においては白人の慢心が黒人公民権運動やヒッピー運動を引き起こしてしまった事に警鐘を鳴らす内容でしたが、もうその時点で時計の巻き戻しなど不可能になっていた事に白人だけが気付いてなかっただけとも。https://t.co/HHegF57OPr
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年1月25日
「カイジ」の帝愛会長が言う様な「本当に平等である必要はないが、不平等感を持たれてはならぬ」匙加減に失敗は許されないのですね。
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年1月25日
そしてはっと私は気付いた訳です。
はっと。この米国白人が、完全に対応に失敗した黒人公民権を(他の人種への配慮をおざなりにしてまで)やたらと神聖視したがる傾向、何か既視感があると思ったらスタンダール「赤と黒(1830年)」の世界?https://t.co/ogzlIwUu7Y
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年1月25日
当時のフランスは所謂復古王政時代(1814年~1830年)。貴族の大半が表面上傲慢に振る舞いつつフランス革命再来を恐れ流るあまり肝心の場面で心が折れて庶民への迎合に走ってしまう一方で、一部貴族が「フランス革命への復讐」と称して白色テロを敢行。https://t.co/LOZOwHUeGo
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年1月25日
「赤と黒」についても「(フランス貴族に迎合して)こんな作品、フランスの現実を何も写してない」と強がる評論が大量に現れ、これを酷評したメリメが「ナポレオン主義の自滅」を描いたプーシキン「スペードの女王(1933年)」を翻訳する流れの一方で…https://t.co/XQxZ0bBYGo
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年1月25日
スイスでのカソリック州とプロテスタント州の対立激化の波及を背景とするフランス7月革命(1930年)によって、イタリア独立運動を主導するカルボナリ(シャルボンヌリー)党をパトロネージュによって手駒としたオルレアン家がブルボン朝追い落としに成功。https://t.co/aBUTNwYuex
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年1月25日
そう、実は本来ブルボン朝が警戒すべきは急進共和派でも庶民でも「赤と黒」でもなく、着色料としても香料としても世界最高峰とされたサフラン権益をおさえ「フランス最大の素封家(金持ち)」として君臨する「御三家」オルレアン家の財力だったのです。https://t.co/E3VnLLoY1j
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年1月25日
こんな時代には誰も望む通りの人生など送れません。文豪ビクトル・ユーゴーもその一人。戯曲「エルナー二((Hernani),1829年)」が小ロマン派結成の契機になったにもかかわらず、彼らが個別に破滅していくのを放置(ゴーチェがほぼ唯一の生存者)。https://t.co/pzqUWOy6lV
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年1月25日
メリメ同様、オルレアン朝廷の太鼓持ちとして成功。2月革命以降はルイ・ナポレオンに熱狂するも内部党争に敗れてスイスへ亡命。そこで自らの混迷に満ちた人生を美化した「レ・ミゼラブル(Les Misérables,1862年)」をベルギーで出版。名誉復活の契機に。https://t.co/blvL57VqOu
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年1月25日
作中でも屈指の偽善で知られるのが、有名な六月暴動(1832年)の場面。現実にはカルボナリ(シャルボンヌリー)党の急進共和派と彼らが扇動する事に成功した外国人労働者(要するに王政への再移行に抵抗して人々)への粛清に過ぎなかったとされてますが…https://t.co/Zv43FvEfLB
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年1月25日
これを「愛国的フランス人の義憤」と書き換え「小ロマン派の破滅」に重ねる一方、自分らのマリウスがそれに巻き込まれたのは悪女エポニーヌ (Éponine)の自殺的(心中的)陰謀とし、マリウス自身の身はジャン=バルジャンに危ういところで救出させたのです。https://t.co/K1OptrvLrA
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年1月25日
で、見捨てられ玉砕していくABC団に最後に捧げられた言葉が「フランスの歴史の為に犠牲になってくれて、ありがとう」。まさか後世のミュージカルが、こんなにも偽善まみれの場面をクライマックスに持ってくるとは予想だにしていなかったでしょう。https://t.co/gUWthqeC7v
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年1月25日
まさしく奥田民生「他人の息子」の歌詞「戦え若者よ、俺達が楽になる。大活躍するのを祈ってる」の世界。とはいえ下手に同情も出来ないのです。一切反省しない「急進共和派に先導された労働者達」は二月革命後の「フランス初の普通選挙」に際して…https://t.co/0r3mQvWVlQ
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年1月25日
よりにもよって恐怖政治当時のコスプレで練り歩き「ブルジョワ殺しを再開しよう!!」なるシュプレヒコールでインテリ/ブルジョワ/政治的エリート階層を完全に敵に回してしまい落選。腹いせに二度目の六月暴動を引き起こし植民地に流されるのですから。https://t.co/cZL4xncSjL
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年1月25日
「写実派」フロベール「感傷教育(1864年~1869年)」屈指の名場面。こんな「フランスの偽善」をそのまま実践したら、そりゃポルポト政権みたいに滅茶苦茶な展開を迎えます。そして「ウォール街を占拠せよ」運動はこの前轍を繰り返してしまったのです。https://t.co/amvBmFOiKb
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年1月25日
「ウォール街を占拠せよ」運動、実は「政府との裏交渉が上手く行った」スペインと台湾では勝ってるのですがマスコミはこの部分を隠蔽。「カナダの司令部(詳細不明)」がこの手口を禁じた為、ニューヨーク、香港、トルコでの運動は無残な玉砕で終焉。https://t.co/NAVtYV144y
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年1月25日
この時、玉砕していくデモ隊が最後に歌ったのが2012年のミュージカル映画でもクライマックスで歌われた「Do You Hear The People Sings?」。一方「バットマンは人民の敵宣言」で彼らの敵に回ったネット勢が当時ヘビロテしたのはこの曲を除いた…https://t.co/OKn18cEmCI
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年1月25日
こうした一連の失策も「米国インテリの終末時計」の針をどんどん押し進めた訳ですが、すっかりガラパゴス化していたJリベラルは、こういう展開も完全に見逃してたという話。その一方で当時の日本の漫画やアニメ作品は新しい流れの加速剤として機能…https://t.co/Nzt5FqshiF
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年1月25日
というのも日本の作品「善女と悪女を峻別し、後者は自業自得の最後を遂げるべきである」なんて因循姑息な価値観から20世紀のうちに脱却してたからなんですね。伊達に第三世代フェミニスト達から「聖書(バイブル)」扱いされてきた訳ではない訳で…
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年1月25日
こういう前段を踏まえてやっと「グレーテスト・ショーマン」でゼンデイヤの姐御がピンクブロンドのカツラを被って「パム・グリア的媚態」を振りまきつつ「それでも私は私だ。文句あるか!!」と大見得を切る男前展開が解読可能となるのですね。https://t.co/XY32qkMdrW
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年1月25日
そう、物凄い遠回りとなりましたが、こういうのがゼンデイヤの姐御の「黒人女性へのSlut Shaming的な視線」との戦い。でブラック羽川「それって美味しいにょ?」千石撫子「(漫画を描きながら)私は描くだけ」が日本作品のスタンスという…
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年1月25日
それにつけても、こうして海外ではドロドロの展開を見せてきた「ピンク・ブロンド問題」を継承する「恋柱」甘露寺蜜璃さんが、師匠の煉獄さんの髪がシャインレッドでより目立つ事によって救われてしまう展開から、フェミニストは何を学ぶべき?
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年1月25日
ちなみに最近話題になった中国のSF小説「三体」、この辺りのSlatレギュレーションが1950年代なので美少女が登場して活躍すると屋上から飛んだり爆発して死にます。日本でいうと復興期の江戸川乱歩や横溝正史レベル?https://t.co/R0nCbBAt3U
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年1月25日
そんな感じで以下続報…