ちょっと待った。「Aoba Cake」memeのオリジナルって「夫が妻の為に焼いたケーキ」だったの?
それがオリジナルだったのか、誰かが追加したジョークだったのか区別がつかないのがTumbr全盛期(2010年代前半)の闇。まぁ実際、当時の「小娘」勢も「私達ならやりかねん」で納得していたので、話はそれで終わりなのである。
というか、やっぱり真相はこういう話では? 逃げちゃ駄目だ!! 逃げちゃ駄目だ!!
個人的メモ。いつの間にか「Aoba Cake」が「夫が妻の為に焼いたケーキ」に言い換えられて広まってる件について。https://t.co/E3RLq5jzJx
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年5月10日
むしろ10年前には逆にそんな発想はなかったよ。「小娘」側も神妙に「そうです、アタシ達ならやりかねません」と認めてたし。
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年5月10日
思えばそれは最初から「イプシロンデルタ論法」の話だったのです。
- エロティズムの追求の極限を「はしたない」に設定すると「虚無」の領域に到達。それは「 巧稚」の「稚」の極限でもある。ある意味「どうやってもエロくならない」極限。
- エロティズムの追求の極限を「気持ちよさのみ」に設定すると「汎性愛(Pansexual)=無性愛(Asexual)」の領域に到達。それは「 巧稚」の「巧」の極限でもある。ある意味「エロいもエロくないも自由自在」極限。
この立場からアプローチすると「表現の自由」問題がまた別方面から照明される展開を迎えるのです。
「綺譚クラブ」は、「あらゆるマイノリティ性欲の読者投稿を掲載する」という雑誌で、本当に多種多様な性欲が掲載された。今だとダメなんだろうなぁというような、「女切腹フェチ」とか、「女性の轢死体に興奮する鉄道マニア」みたいなところまで。最終的にSMが大躍進して1ジャンル化した。
— ぬまきち (@obenkyounuma) 2021年11月3日
流石「轢死フェチ」は物議を雑誌内でも醸した様ですが(記憶が正しければ「奇譚クラブとその周辺」に実物掲載あり)。「これを禁じたら表現の自由も死ぬ」なる英断が下った模様。
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2021年11月3日
最近この手の表現問題は、数学におけるイプシロンデルタ論法で擁護可能ではないかと考える様になりました。「いかなる過激表現についても、それを超える過激表現が思いつける事こそが、人間の想像力が無限である証である」。ただ確かに「轢死美人」超えるのが厄介なネタではあります。
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2021年11月3日
あ、唯一「轢死美人」を超えたと思えた作品があった事を思い出しました。石井輝男「江戸川乱歩全集:恐怖奇形人間(1969年)」ラストシーン。イプシロンデルタ論法偉大なり。ただもう誰向けのエロか分からない世界ではあります。
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2021年11月3日
何しろ①人間を生きたまま花火に詰めて射出②空中で爆発四散③地面にぼたぼたと肉片が降り注ぐ、ですよ。まぁこのネタ考えたの自体は江戸川乱歩ですけど、まさかああ映像化されるとは思ってなかったと思います。
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2021年11月3日
そういえばここでいうイプシロンデルタ論法要素(ゲームで言うとハイスコア更新性)って「ヴァセック」や「果てしない物語」といった20世紀までの物語には未実装で、「メイドインアビス」みたいな21世紀の物語には標準実装されてるんですね。これもコンピュータゲーム普及の影響かもしれません。
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2021年11月3日
いつのまに広まったんでしょうか。同一作家の手になる「ソードアートオンライン」には未搭載で「アクセルワールド」には搭載済みな辺りに何かヒントが?
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2021年11月3日
あ、考えてみれば20世紀にもハイスコア更新性の極限を主題にした作品は有り得ましたね。リュック・ベンソン監督映画「グランブルー」とか潜水深度競争が身体的限界に直面して次々と死者を出すデスゲームに変貌しましたし、登山や極地探検は元々デスゲームだし。
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2021年11月3日
いやむしろ、そういうネタが尽きた1990年代からデスゲーム文学が登場してくるとも考えられそうです。そういえば1990年代から2000年代の米国小説界は漂流サバイバルブームで、そういう下地があったからこそアンディ・ウーアー「火星の人」も登場した訳ですね。
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2021年11月3日
一方「ダイナマイト心中ロマンティズム」なんてのも考えられる訳です。実例としては白夜書房編集長の母くらいしか思い浮かびませんが、そういえばSAO第2部でシノンちゃんが満面の笑顔でこれやってのけてしばらくネットで話題になってましたっけ。
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2021年11月3日
そういえばシノンちゃんのあれは「ダイナマイト心中」でなく「手榴弾心中」で、(冒頭で示された)西島大介「ディエンビエンフー」の結末でもあるんですね(思うよりサクサクと類例が見つかる)。「無理心中?」という辺り樋口一葉「にごりえ」に通じるロマンティズムも?
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2021年11月3日
まぁ本当に単なる無理心中だった場合、巻き込まれる側からすればたまったもんじゃありませんが「そうでもない」場合に独特のエロティズムが生じるとも。例えば「ファントム・スレッド」の「二度目の毒殺」みたいに。
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2021年11月3日
「奇譚倶楽部とその周辺」の著者は「轢殺美少女」についてその残酷性だけでなく叙情性の伸び代がない事を批判してましたが、むしろそうしたアラこそが次のイプシロンデルタ論法による超克」を準備する展開となるのが興味深いところですね。「バトルロワイヤル」にもあった特徴とも。
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2021年11月3日
そういえばPS1用に発売された初代トゥームレイダーではティラノザウルスに邂逅すると上半身がぱくっと咥えられ、首を振った拍子に千切れた下半身が宙を飛びました。まさしく「轢死美少女」の絵柄で、ローポリ時代だから見逃されましたが、今の限りなく実写に近い表現での再現は倫理上絶対不可能…
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2021年11月3日
どうやら想定通りTwitterに「数学に興味ある人がイプシロンデルタ論法について検索するとこの轢死美少女関連tweetが現れ、しかもイメージが強烈過ぎて脳裏に残ってしまう」呪いが掛かった様です?
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2021年11月3日
考えてみれば第一次世界大戦(1914年~1918年)における大量死へのショックからシグムント・フロイトが性欲とタナトス(死の誘惑)を結びつけた呪いから人類が解放されたのは21世紀に入ってからだったという事かもしれません。
いやフロイトが言ったのは「死そのもの」というより「無機質の不変性への回帰」なので「Aoba Cake」はむしろ本命? それを打倒対象としか考えない偶数世代フェミニズムと異なり、奇数世代フェミニズムは一般に「ポルノなる事象」により客観的アプローチを試みてきました。
オンラインポルノの匿名閲覧者の42%は10歳から17歳までの年齢である。その一方で「ポルノは女性に対する暴力である」なる反ポルノ運動は確実に「セックスを望んでいるのは男性のみであり、女性はそれに忍従しているだけ」なる新ビクトリア朝的倫理観を国際的に世界に広めてきた。
しかし(特定のポルノサイトの顧客を分析したり、オフラインでアンケートを集計する)従来の学術的研究では「SNSで起こってる最先端のトレンド」に到底追いつきません。 実際、むしろtumbr上のエロ画像Diggerとして大いに参考にさせてもらったのがこの本…
そんな感じで以下続報…