諸概念の迷宮(Things got frantic)

歴史とは何か。それは「専有(occupation)=自由(liberty)」と「消費(demand)=生産(Supply)」と「実証主義(positivism)=権威主義(Authoritarianism)」「敵友主義=適応主義(Snobbism)」を巡る虚々実々の駆け引きの積み重ねではなかったか。その部分だけ抽出して並べると、一体どんな歴史観が浮かび上がってくるのか。はてさて全体像はどうなるやら。

【雑想】「電気激発式先込連装火縄銃」登場の衝撃。

今回の投稿の発端は以下のTweet

ここで思い出したのが…

第一部 千葉市憂愁(Chiba City Blues)

ウィリアム ギブスン. ニューロマンサー (ハヤカワ文庫SF)

「シン、 銃 を 貸し て くれ ない か……」

少年は微笑んで、

「二 時間」 

ふたり は 滋賀 の 寿司 屋台 の 裏 の、 鮮魚 類 の 匂い の 中 に 立っ て い た。

「あと。 二 時間」

「今 すぐ ほしい ん だ よ。 ここ に 何 か ない のか……」

シン は 空 の 二 リットル 缶 の 山 の 奥 を 探る。 缶 は 粉末 西洋 山葵 用 だっ た。 グレイ の プラスティック に くるん だ 細長い 包み が 出 て き た。

「ショック 銃。 一時 間 二十 新円。 保証金 三十」

「ち ぇっ。 そんな もん、 いら ない よ。 銃 が ほしい ん だ。 つまり さ、 人 を 撃つ。 わかる かい……」 

ウェイター は 肩 を すくめ て、 テイザー を 西洋 山葵 の 缶 の 蔭 に 戻し、

「二 時間」

何だか敗戦直後の「焼け跡ノワール」の傑作、黒澤明監督映画野良犬(1949年)」に登場する「ピストル屋」みたいな風情。実際、黒澤明監督映画の海外人気を考えるとそれがモデルとなった可能性が高そう。

結局、手に入ったのはもっと奇妙な武器でした。

ウィリアム ギブスン. ニューロマンサー (ハヤカワ文庫SF) 

端末機 の むこ う の 日本人 女 は、 ディーン より 数 歳 老け て 見える が、 科学 の 恩恵 を 受け て い ない 数 歳 だ。 ケイス は ポケット から 新円 の 薄い 束 を 出し て 見せ、

「武器 を 買い たい」 

女 は ナイフ 類 で いっぱい の ケース を 身振り で 示し た。

「いや、 ナイフ は 好き じゃ ない」

 女 は カウンター の 下 から 横長 の 箱 を 出し て き た。 黄色い ボール紙 の 蓋 には、 首 の 膨れ た コブラ の とぐろ を 巻い た 粗末 な 絵 が 捺し て ある。 箱 の 中 には、 薄紙 包み の 同じ よう な 筒 が 八 本 あっ た。

ケイス の 眼 の 前 で、 茶色 の しみ だらけ の 指 が、 一本 から 紙 を 剥ぐ。 女 は それ を 差し出し て 見せ た。 鈍色 の 鋼鉄 の 筒 で、 一端 に 革紐、もう 一方 の 端 には ブロンズ 色 の 小さな ピラミッド が ある。 女 は 片手 で 筒 を 握り、 もう 一方 の 手 の 親指 と 人差し指 とで ピラミッドを つかん で、 引い た。 固く 巻きこん だ コイル ばね が 三本、 油 まみれ に 伸び 出し て、 噛み あっ た。

コブラ」 

と 女 が 言う。

扱い慣れた武器ではないので、装着に苦労す一幕。

ウィリアム ギブスン. ニューロマンサー (ハヤカワ文庫SF) 

仁清 通り の ネオン の 身震い の 彼方 で、 空 は 例 によって 不快 な 灰色 だっ た。 空気 は いつも より 悪く、 今夜 は 猛威 を ふるっ て いる らしく て、 通行人 の 半数 は 濾過 マスク を つけ て いる。

ケイス は 便所 に 十 分間 も い て、 コブラ の うまい 隠し 方 を 見つけよう と し た。 結局、 ジーンズ の ウエスト に 柄 を つっこん で、 筒 が 斜め に 腹 に 当たるよう に する。 ピラミッド 型 の 尖端 は 肋骨 と ウィンドブレーカー の 裏 との 間 に おさまった。 一歩 踏み出す ごと に、 音 を たて て 舗道 に 落ち そう な 感じ は する が、 これ で 気分 が 落ち着く。

だがその筋の人達の目には「(銃の代替品として十分に機能する)ありふれた日常の一部」としてしか映らない諧謔

ウィリアム ギブスン. ニューロマンサー (ハヤカワ文庫SF) 

ゾーン の 眼 は わずか な 白眼 しか 覗か せ ず、 瞳 と なる と、 さらに 少ない。 垂れ下がっ た 瞼 の 下、 瞳孔 が 拡大 し て しまっ て いる。

長い 間、 ケイス の 顔 を 凝視 し た あと、 視線 を 落とし、 鋼 の 鞭 の ふくらみ に 眼 を 止め た。

コブラ か」

と 片方 の 眉 を もち 上げ て みせ、

「誰 かと やる つもり かい……」

「また な、 ロニー」 

ケイス は バー を あと に し た。

そしていよいよ追っ手との直接対峙を覚悟する。

ウィリアム ギブスン. ニューロマンサー (ハヤカワ文庫SF) 

窓 は 安 プラスティック の 一枚 板 が 嵌め ごろ し に なっ て いる。 ケイス は ジャケット を 脱い で 右手 に 巻き つけ、 殴っ た。 割れ目 が はいり、 あと 二 回 やる と 窓枠 から 外れ た。 遠い ゲーム の 雑音 に かぶさっ て 警報器 が 鳴り はじめる。 割れ た 窓 の せい か、 廊下 入口 の 娘 の せい か。

ケイス は 向き直り、 ジャケット を 着る と、 コブラ を ぎりぎり まで 飛び出さ せ て みる。

ここ の ドア は 閉まっ て いる から、 追っ手 は ケイス が 蹴り 開け た 部屋 に はいっ たと 思う に 違い ない。

コブラ の ブロンズ 色 の ピラミッド が ゆるやか に 上下 する。 鋼製 ばね の 軸 が ケイス の 脈拍 を 増幅 し て いる。

この 小 部屋 などは、 人 が 死ぬ のに ちょうど いい。 ここ で 殺さ れる かも しれ ない。 むこ う が 銃 を 持っ て い ても、 不思議 は ない ─ ─

結局、この奇妙な武器は使われる事なくゴミ箱に放り込まれてしまうのですが、現実の21世紀日本では「2連装電気激発式火縄銃」なるさらに狂気に満ちた手製武器が元首相暗殺に使われてしまった訳です。

こういう話も。

こういう話も。

カルトの定義は、「違法行為や人権侵害を行う集団」という非常に簡単な定義です。むかしはもっと細かい定義を議論していた時代もありましたが、もちろん宗教団体に限らない。

それから「カルトであるかないか明確な線は引けない」グラデーションであって、違法行為も人権侵害もいろいろな種類や度合いで行われるわけですから、これをやったら「カルト」と決めつけるのではなく、度合いの問題だと。カルト性が強いか弱いかそういう価値観になっています。理屈上は右翼だって左翼セクトだってヤクザだってカルトなんです。子供たちのいじめ集団だってカルトなんです。

ただし、歴史上、従来はヤクザのように反社会的集団としてカテゴライズされてきていなかった宗教集団やスピリチュアル集団が深刻な事件や問題を起こし、弁護士や宗教者や研究者が問題に取り組んできた経緯があるので、自然と宗教的な集団が扱われる中心にはなっていますが、理屈上は宗教を特別視しない、という方向にきています。あくまでも「人権」がネックです。昔は「エホバの証人統一教会は聖書を歪めているからダメなんだ」と主張する人がいました(いまもいます)が、教義が正しいかどうか、思想が正しいかどうかは関係ないんだというのがカルトの定義になっています。

そして… 

そして…

こういう話も。

こういう話も。

ここに乱入

 

ちなみに、ここでは「本筋の展開とはとりあえず独立した背景として(新興)宗教団体が登場する場合」「(分散円環内に収まらない)外れ値(Outlier)」として除外しています。

  • 宗教団体が普通に救済側として現れる作品。映画「幻魔大戦(1983年)」のキャッチコピー「ハルマゲドン到来」を継承する形で世紀末不安を煽りオウム真理教事件(1994年~1995年)への道筋を準備した大友克洋AKIRA(原作1982年~1990年,映画化1988年)」や荒俣宏帝都物語(原作1985年~映画化1988年)」。

  • 押井守監督天使のたまご(1985年)」への「返歌」としての宮崎駿監督On Your Mark(1994年)」。

  • 因習の再建過程に生じた新興カルト集団の恐怖を、生贄に捧げられる被害者側から描いた「ウイッカーマン(1973年)」「ミッドサマー(2019年)」。

そして…

 

そして…

こんな感じでとりあえずメモがてら。