そもそも当時の歴史的課題は「男が恣意的に貞女と毒婦を峻別する世界からの決別」。
今回の投稿の発端は以下のTweet。
うる星やつら新アニメ第2話Bパートのプロレスまでは良かったが最後で解釈違いを起こしてしまった話。 pic.twitter.com/MhmvlGQ0w9
— GLUMip (@glumip) 2022年10月27日
原作もリボン取る時「ふっふっふ」と笑ってるんですが、原作からはまるで戦隊特撮の悪の幹部の如き不敵さを感じ、新アニメでは嗜虐性を感じるんですよねぇ。何故なのか。
— GLUMip (@glumip) 2022年10月27日
原作だと「ダーリン帰ったらリンチだっちゃ!」ですら嗜虐性は感じないのですが…
私はこれで「1970年代うる星やつらのラムちゃん(毒婦)」でも「1980年代うる星やつら(アイドル)」でもない令和うる星やつらが樹立したと思いました。①諸星あたるは宿命上、あらゆる災厄を引き寄せるが「女難の層」も最狂なのでそれは美女でもある(やがて諸星あたる自身もそれに気付き楽しみ始める)。
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年10月29日
②「災厄=美女」側は自らの進路を「(しばしばコンピュータを使った)ランダム抽出で選んでるつもりでいるが、全体構造を伺う限りこの「あたるの凶運」に引き寄せられたある意味「犠牲者」。③大抵の「災厄=美女」は勝手に救済されて去っていったり、引き寄せられたあたるが元の日常に戻る事で解放。
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年10月29日
④ただし勝手に「自分は選ばれた」と勘違いし「あたるの日常に留まる」選択をしたサイコパス型「怪異」が一匹存在した。それがラムちゃん。そう、最後に「怪異」という表現をしたが、物語文法上の立ち位置も、声も完全に「令和版諸星あたる」は「物語」シリーズにおける阿良々木暦さんなのである‼︎
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年10月29日
あたるの声が阿良々木暦なので、つい「物語」シリーズで呼び寄せた「怪異」に手足を食いちぎられ、真っ二つにされ、腸を撒き散らしつつ、それでも「可憐だ‼︎」と喜んでる姿が重なってしまいます。ここでサクラさんエピソードを挟んでくる辺り確信犯でやってる?
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年10月29日
うちはそっちの作品を存じ上げないので、関連性を意識せずに鑑賞していました。
— GLUMip (@glumip) 2022年10月29日
どうなんでしょうね。
例えば令和版1話でしのぶに殴られた時の「竹蜻蛉飛び」とかどう見ても阿良々木暦さんの「竹蜻蛉爆発」のパロディにしか見えないという…「うる星やつら」でこれやらかすと「撲殺天使ドクロちゃん」になりますね。 pic.twitter.com/Nwcy5he4vQ
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年10月29日
「電撃の方がまだ可愛げがある!!」そう「物語シリーズ」の「美(小)女怪異=災厄」は「阿良々木暦の不死性」に引き寄せられ、彼をサンドバックにするだけしてストレスを解消し終えると去っていくのです。ラム「でもうちはずっと一緒だっちゃ!!(ニヤリ)」 pic.twitter.com/l3gmbuJ4pZ
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年10月29日
こーゆーサディスティックな女性とはお付き合いしたくないですね(笑)
— GLUMip (@glumip) 2022年10月29日
脳がラムちゃんだと認識するのを拒絶しています(笑)
しかし「毒婦」ラムちゃんと「貞女」ラムちゃんの三角関係から入った連載当初からの「うる星やつら」ファンにとっては、これこそが「適切に弱毒化されたラムちゃん」とも映るという…で「うちが適切に弱毒化された?」が迂闊に聞こえたら「まだ調教が足りないっちゃね」で新手を…
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年10月29日
ここは認識の差異があるところですね。
— GLUMip (@glumip) 2022年10月29日
原作初期は毒があり、そこが作品の魅力でもあります。
あまりにぶっ飛んでいるが故にいっそすがすがしく、新アニメでは、そこに等身大の嫌な女像の印象を付加した感があります。弱毒化の印象は視聴者により差が出るところなのでしょう。
そういう全体像を含め令和版うる星やつらが成し遂げた最大の功績は、この作品に「リブートする都度対象ターゲットを変えるアメコミみたいなマルチバース性」を加えたところかと。そう「セーラムーン」に対して「セーラムーン・クリスタル」が果たした役割…
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年10月29日
そして…
なら「令和版ラムちゃん」はキスショット?その疑問に答えたのが「絶体絶命」「黄色いリボン」のチョイスとも。「最初の(見た目ほどランダムではなかった)ランダム抽出過程」やそのサイコパス的振る舞いはともかく、ともかく彼女の「怪異」としての特異性は「自らのに依ってのみ行動する自由性」。
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年10月29日
戦場ヶ原ひたぎさんの場合怪異が退治されて当人が残り、キスショットですら「怪異なりの因果に導かれて」阿良々木暦を選んだのに対し、令和ラムちゃんは「自由に徘徊する怪異」であり、ただしその「寂しい自由」を自ら気に入ってはおらず「完全に自らの自由意識のみに基づいて」相手の都合も省みず…
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年10月29日
そう「相手の事情は一切省みず(この辺りがサイコパス性)」諸星あたるを選ぶ事で「諸星あたるにとっての最悪の怪異」として機能するというメカニズム。そしてその背後に「うちにとって何が幸せか決められるのはうちだけだっちゃ。だからうちがダーリンを選んだ事については(ダーリン自身も含め)…」
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年10月29日
「…誰にも文句は言わせないっちゃ‼︎」なる傲岸不遜な勝利宣言が潜んでいるのが令和ラムちゃんとも…それにつけても阿良々木暦の場合「しのぶ」枠が空いてたので「怪異を払って戦場ヶ原ひたぎさん当人をゲット」というハッピーエンドがあったのだとしみじみと…(その意味合いではしのぶも怪異枠)。
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年10月29日
×怪異枠○あたるを追い込む怪異メカニズムの重要な一翼。ちなみに「物語」シリーズの方では、羽川翼と千石撫子が、この「私にとって何が幸せかは私自身が決める(自分のどの部分が払われるべき怪異で、どの部分が残すべき人間性かすら人には決めさせない)」なるロジックで「阿良々木システム」を卒業。
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年10月29日
まぁ「諸星システム」も「阿良々木システム」も一撃離脱を繰り返すだけでそもそも払われる必要がない「怪異」が大半なんだけど「うる星やつら」のしのぶの「卒業」をどう扱うかだけは見ものかと(隠れしのぶ派)。
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年10月29日
話を原点に戻すと「あれ笑ってる?」を私は令和版ラムちゃんが「絶対絶命」の「徹底抗戦だっちゃ‼︎」を原作と全然違うレイアウトと表情で叫んだ時にもう感じてました。
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年10月29日
うちは、第一話であたるへの興味で声色を変えたという地球人的演出で驚き、「誰とでも公平に接するが歯に絹着せぬラムちゃん」ではなく「相手によって態度を変える」点に原作以上に踏み込んだ描写だと思いました。絶対絶命でも人物像の印象は変わらず、黄色いリボンでますます性格悪いなと思ってます
— GLUMip (@glumip) 2022年10月29日
そして
興味深い論考ありがとうございます。私も概ね同じ考えでおります。
— GLUMip (@glumip) 2022年10月29日
今作の特徴として、原作よりも性格の悪い描写がなされており、従来の「理解不能な宇宙人。ピュア故に迷惑」から、人間的な思考をする存在への変化が見て取れました。
これは初期うる星における厄MAN諸星あたるに災厄が訪れる構図を強調するものであり、迷惑さを強調する試みかもしれないと思っています。
— GLUMip (@glumip) 2022年10月29日
今作は、最速で面堂登場に持ってくる為に、原作であたるが見せた迷惑がっているけどまんざらでもない部分が全てカットされており、両者の関係性は今まで描かれたことのない新境地に達していると考えます。
— GLUMip (@glumip) 2022年10月29日
初期から中期にかけてあたるの立ち位置が大きく変化していく訳ですが、最初期にラムの性格の印象を変えた事が、今後どの様に影響し、どの様に関係を転換していくのか、固唾を飲んで見守っているところです。
— GLUMip (@glumip) 2022年10月29日
原作ファンとしても原作セレクトで、まず「居着いたサイコパス災厄」ラムちゃん像を固めてきた手腕には脱帽。原作でも後半に「マルチバース全破壊」を仕掛けてますが令和版アニメスタッフの「リミックスは原作を越えられない?お前に全く新しいラムちゃん像を見せてやんよ」精神に乾杯。
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年10月29日
いやマジkindle新装版第3巻第5話「トラブルは舞い降りた」は絶対第3巻第6話「星座は巡る」なる原作ファンの予測を裏切って、第3回は4巻4話「迷路でメロメロ(ただしエンディング改変)」ですよ。面堂終太郎初登場シーンのモブにラムを潜ませて「騒がしいっちゃね」。そして…
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年10月29日
追い詰められると何の躊躇もなく「居着いたサイコパス災厄」ラムちゃんを仕掛けるあたるの御都合主義、しかも十分な熟成期間を与えられる事なく放たれる「しのぶも浮気症」…かくして令和版「うる星やつら」は前人未到の領域に足を踏み入れる!?
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年10月29日
まさに脚本はお話しいただいたとおりになっていると思います。
— GLUMip (@glumip) 2022年10月29日
私は私で「本当にリミット切って最後の手段として噛みついてくるラムちゃんがサイコー」という性癖なので、この展開には「待ってました」感が。それにつけても、ここへきて「攻撃を加えるキャラの声優が、その攻撃の擬音をオノマトペで口にする演出」がハマってくるとは… pic.twitter.com/jmnZDOLlYy
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年10月29日
その感想に立ち至れたのは実に羨ましいです。
— GLUMip (@glumip) 2022年10月30日
数十年来毎日うる星の事ばかり考えてきましたが、うちも早く新アニメの面白さを理解できるようになりたいものです。
この通り道なら令和版うる星やつら、絶対にこの場面を有効活用してくるに1票(kindle新装版第4巻第4話「酒と泪と男と女」より)。そうラムちゃんは天然サディストだからこそ良い?(個人的性癖です) pic.twitter.com/f6P8Ynct6m
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年10月30日
自分も重症なので遠慮せずに申し上げますが、難儀な性癖ですね(笑)
— GLUMip (@glumip) 2022年10月30日
そんな感じで以下続報…