「マルクス主義フェミニズム」に関する説明で共通してるのは時代が19世紀末~20世紀初頭の黎明期の話から1960年代のウーマンリブ運動に突如飛ぶ事。
特にこの説明は凄い。コンドルセ侯爵もジョン・スチュワート・ミルも居なかった事にされてます。
今回の投稿の発端は以下のTweet。
ここでいう「中心極限定理原理主義」はコンドルセ公爵やジョン・スチュワート・ミルのような数学者が始めた「古典的自由主義=第一世代フェミニズム」の大源流でもあるから話がややこしくなってくるのです。https://t.co/eq5hd9rwm8
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年11月20日
要するに基底となってる考え方は、経済活動にせよ女性解放運動にせよ、あくまで一貫として「人類が天然に有する可能性の分布を最大限引き出す為、あらゆる無用な差別に反対する」という立場なのですね。ただこの「無用」の部分に定義上の本質的問題が…https://t.co/yL0iwxaJjQ
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年11月20日
そもそもコンドルセ公爵やジョン・スチュワート・ミルはそう主張すると同時にエドモンド・バーグの「時効の憲法論=いかなる社会においても存在する世代が自分たちの知力において改変することが容易には許されない暗黙の了解」にも相応の敬意を払っていた様子が散見され…https://t.co/jk4OVoOauC
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年11月20日
英米で始まった「第一世代フェミニズム運動」も、概ね上流階級かミドルクラス出身の女性による「温情主義」の枠内に収まる活動に終始したと総括されています。https://t.co/qwBmZIDtWs
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年11月20日
そういった女性はサフラジェット運動の側ばかりか、英国で「それまで地主の利権団体に過ぎなかった」トーリー党が保守的な労働者や女性の支持を得て脱皮したプリムローズ・リーグ運動の側にも居たに違いありません。https://t.co/5d0QGleTe1
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年11月20日
その枠組みから踏み出す戦闘的な動き(器物損壊やハンガーストライキ)は帝政ロシアからの亡命者経由で英国にもたらされました。プリムローズ・リーグ運動成功の結果、女性が参政権を獲得するほど保守党有利となるので労働党が傍観を決め込み、自由党が弾圧に回った皮肉…https://t.co/3xt6qeJ7Dq
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年11月20日
そんな状況下「マルクス主義フェミニズム」はどういう状況にあったのか。カール・マルクス「ドイツ・イデオロギー(1845年~1846年)」 でも家父長制打倒が提唱されてるくらいなので言及開始自体は古いのです。https://t.co/Kf8DzXHG2c
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年11月20日
しかし1948年当時「諸悪の根源」とされた「家父長制=国王と教会が結託する権威主義的体制」は産業革命導入の熱気に追いやられ背景化。1857年恐慌によって「(好況と不況を繰り返す)資本主義社会の不安定さそのもの」が社会不安を高めるまで「革命家冬の時代」が続くのです。https://t.co/x9E4116yy8
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年11月20日
マルクスが歴史に名前を刻めたのも、こうして「旧世代の遺物」が一掃された時期を見計らってジョン・スチュワート・ミル「自由論」やダーウィン「種の起源」が刊行された1859年、「社会民主主義の祖」ラッサールのパトロネージュを受けた「経済学批判」を刊行したから。https://t.co/WizsRDpT8O
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年11月20日
要するに「思想のパラダイムシフト」に間に合い「我々が自由意思や個性と信じ込んでいるものは、実際には社会の同調圧力に型抜きされた量産品」なる概念を最初に広めた先行者利益の賜物。しかし実際の政治史的には(当時パトロンだったラッサールの始めた)社会民主主義に完敗。https://t.co/75DZ7Nrsd8
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年11月20日
一般にマルクス主義フェミニズムの嚆矢に掲げられるエンゲルス「家族、私有財産、及び国家の起源(1884年)」はまさにこうした時代に発表された訳ですが、そもそもエンゲルス「革命家冬の時代」を家族と寄りを戻して工場経営者として過ごしています。https://t.co/shj4ldrfps
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年11月20日
やがて引退し「生活に困らない不労所得者」の立場を利用して執筆活動を再開するも、こんな腑抜けたブルジョワに1848年革命当時最前線を転戦し続けた頃の鋭さが残ってる筈が…当人もそれを自覚していたのか「マルクス思想の継承者」の立場に終始する展開を迎えたのでした。https://t.co/Vfq3SHPLog
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年11月20日
以下の「家族、私有財産、及び国家の起源」分析でもその辺りの不甲斐なさは容赦無く暴露されています。言うなればこれが「マルクス=レーニン主義的フェミニズム最初の原風景」という…https://t.co/7WHERfWWvS
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年11月20日
それにつけても…「フェミニズムは数理として始まった」の部分まで踏み込んで論じられるマルクス主義理論家の少ない事…元物理学者だった戸坂潤の様に、当時最先端の数理だったベクトル理論を「これが止揚である」と言い張って既存思想をバサバサ切って捨てる様な猛者は他に?https://t.co/Lts7p2VHzl
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年11月20日
私が「マルクス・フロイト主義」なる概念に初めて邂逅したのはヘルムート・プレスナー「遅れてきた国民」なのですが、当時のプレスナーは生物学者にしてマルクス主義者だったので、当時のドイツ社会学のそういう展開を批判的に描いていたりして。https://t.co/OWuQKAwpD1
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年11月20日
「この頃についての現行フェミニストの歴史観」を知りたくなって調べたら、何コレ? コンドルセ侯爵もジョン・スチュワート・ミルも居なかった事にされてるじゃありませんか。「英国における女性参政権は結局、戦争協力の見返りとして与えられた」という現実認識もなし?https://t.co/cHiyG7Zt83
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年11月20日
そんな感じで以下続報…