ドキュメント「シン仮面ライダー」が話題の様で…
今回の投稿の発端は以下のTweet。
等身大特撮アクションの大きな魅力として確かに「完全制御が不可能」「偶発性、生身感」というのはあるんだけど、それって庵野監督の作家性とは相性が悪いんじゃないかなぁ……という感想。
— 葛西伸哉 ラノベ作家 (@kasai_sinya) 2023年4月1日
『Black Sun』が畑違いの料理人が不慣れな食材の魅力に中って珍品を作ってしまったのだとすれば『シン・ライダー』は一流の料理人が「絶滅してもう手に入らない食材」を用意しろとゴネた産物だったのか。
— 葛西伸哉 ラノベ作家 (@kasai_sinya) 2023年4月1日
その意味で、庵野は『シン・仮面ライダー』の前に準備運動として『シン・レッドマン』を手がけるべきだったのかも知れない。
— 葛西伸哉 ラノベ作家 (@kasai_sinya) 2023年4月1日
だってさあ、段取り否定の生身感むき出しのアクションの結晶だよ、『レッドマン』。
— 葛西伸哉 ラノベ作家 (@kasai_sinya) 2023年4月1日
最小限の人数で早朝から日没までで何本撮れるかという耐久レースでカメラ持って、頭と心をほぐしてから『シン・ライダー』を手がければよかったんじゃない?
『シン・ライダー』、好きだし評価もしてるけど『シン・ゴジ』『シン・マン』と比較してどうも見劣りする点があって、サプライズというか「原典が持っていた驚きの復活」の弱さ。
— 葛西伸哉 ラノベ作家 (@kasai_sinya) 2023年4月1日
ゴジラもウルトラマンもライダーも、そもそも「誰も見たことがないもの」であり、しかし「今ではお馴染みのもの」だからこそ『シン』になっちゃったのだけど、蒲田君とか銀一色の巨人とかは原初の「誰も見たことがない」性へのアプローチだと思うのだ。
— 葛西伸哉 ラノベ作家 (@kasai_sinya) 2023年4月1日
で、元祖『仮面ライダー』は改造人間の戦いという「誰も見たことないもの」を表現すべくコマ落としとかで異様さを出してたのだけど『シン』はその再現に終始してなかったか?
— 葛西伸哉 ラノベ作家 (@kasai_sinya) 2023年4月1日
ひとつにはゴジラやウルトラに比べてもライダーは現役で新たな画作りの試みをやり続けているというのもある。ミラーワールドとかクロックアップとか。
— 葛西伸哉 ラノベ作家 (@kasai_sinya) 2023年4月1日
そもそもが「仮面ライダーの原点を見つめて仕切り直そう」という試みが『スカイ』『Black』『真』『First』と過去に4回もあったもんなぁ。
— 葛西伸哉 ラノベ作家 (@kasai_sinya) 2023年4月1日
何なら『アマゾン』『ZO』『クウガ』だってカウントできる。
仮面ライダーってのは等身大であるが故に原初からアクションそのものは「衝撃」だったかどうかは疑問なんですよ。
— first_オヤジ@機動戦士ガンダム40周年 (@the_thingX) 2023年4月1日
プロレスやボクシングが人気で時代劇も全盛期。
等身大ヒーローの魅力はごっこ遊びの楽しさとかの方かなと。
原典スタッフがそれでも「侍や忍者でも柔道家でもない、改造人間の戦いという今まで見た事のないモノを見せよう」という意図の表れがコマ落としや逆回しを用いた異様な映像だと思うのですよ。
— 葛西伸哉 ラノベ作家 (@kasai_sinya) 2023年4月1日
だから蒲田君や銀一色の巨人のメソッドのように「原典を再現する」のではなく「原典の意図」を今実行するならどうするか、というアプローチが必要だった。
— 葛西伸哉 ラノベ作家 (@kasai_sinya) 2023年4月1日
ところが当の『ライダー』はもちろん、MCUなども含め「等身大の超人アクション」は50年で技術が蓄積され、洗練されてしまった。
その「洗練と技術的蓄積」を否定して原典の味に近づけようとしたけれど、少なくともアクション表現において《驚くべき何か》を提示できなかったのは『シン・ライダー』の至らなかった点でしょうね。
— 葛西伸哉 ラノベ作家 (@kasai_sinya) 2023年4月1日
等身大超人バトル、自主映画『バトル野郎』初見の衝撃が未だに忘れられないんだよなぁ。
— 葛西伸哉 ラノベ作家 (@kasai_sinya) 2023年4月1日
あとはやっぱり『サイバーコップ』2話。
単なる「映像技術の向上」だけでは達し得ないサムシング・ニューへの意志。
未だに疑問なのは、ライダーと言うコンテンツは「シン」にする必要があったのか?と…
— first_オヤジ@機動戦士ガンダム40周年 (@the_thingX) 2023年4月1日
そして…
個人的メモ。以下の投稿で有名な演劇論「ピーター・ブルックのEmpty Space論」について触れてますが…https://t.co/aPA4GaVh0q
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年4月1日
これを援用するなら「シンゴジラ」における蒲田君を経ての(野村萬斎をスーツアクターに迎えた)鎌倉君の登場、「シンウルトラマン」における「カラータイマーなき銀色の巨人」が次第に見慣れたウルトラマンに近付いていく過程に見られる「神聖芸術」性が「シン仮面ライダー」では希薄だったという…
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年4月1日
そういう批判が確かに成立するのかもしれません。https://t.co/chxCGixlXx
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年4月1日
「退廃演劇=新たな感動の再構築を伴わない既存作品からの無分別なええとこどり」からの脱却を提言するピーター・ブルックのEmpty Space論はある意味パンク精神そのもの…https://t.co/Kmy1oAxkLD
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年4月1日
この観点からすれば「シンゴジラ」における災害要素、「シン仮面ライダー」におけるショッカーへのアルカイダ要素の導入自体は「野生演劇」性の導入として十分評価に値するのですが、それだけで「退廃演劇からの脱却」は果たせるものなのか?
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年4月1日
「シンウルトラマン」では「シンゴジラ」における災害要素をさらに推し進め「人類はある日突然数日後に滅ぶと分かっても限定的対応しか取れない」「それでもウルトラマンは何故地球を救おうとしたのか?」といった「神聖演劇」的要素の追加が見られたが、それは「シン仮面ライダー」にもあったのか?
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年4月1日
それ以前に「シンゴジラ」は「単体の怪獣が襲来するアクション映画」、「シンウルトラマン」は「怪獣とウルトラマンが格闘するアクション映画」としての完成度が高かったが「等身大の怪人同士が格闘するアクション映画」としての「シン仮面ライダー」の完成度はどうだったのか?
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年4月1日
こういう部分に統合的判断が必要となってくる様な…
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年4月1日
そして…
「ドキュメント シン・仮面ライダー」視聴。
— むらさめ (@murasame201) 2023年3月31日
段取りは要らない。殺陣(段取り)じゃなく文字通り「本郷を殺す」って意志を要求し声を荒げる庵野監督。そんな監督に田淵アクション監督は「段取りが要らねえってんなら俺等要らねえじゃん,台本投げ捨てて全員帰ってやる!」と激昂するギリギリの撮影現場。 pic.twitter.com/7G9YgVa7RO
主演の池松壮亮氏は『庵野さんは実写の「肉体感」と「生っぽさ」でアニメに勝つ気でいる』と推定し監督が朱入れした台本を実現すべく最後の戦いでの本郷ライダー,一文字ライダー,イチローライダーの3者による可能な限り役者のアドリブ生かした段取り無用の泥仕合に臨む。この特集円盤の特典にしてくれ! pic.twitter.com/rG65fBaBAm
— むらさめ (@murasame201) 2023年3月31日
答えなんか最初からない。
— つるが舞 (@tsuruga_mai) 2023年4月1日
ぶつかり合って作っていく……。
まさにモノ作りの原点に帰ろうとしているみたいでしたね。
庵野さんは最初から「何か新しい事がしたい」って
— むらさめ (@murasame201) 2023年4月1日
仰られていて「『何か』って何です?」って聞かれても
庵野さん自身分かる訳ないんですよね。
だから周囲と軋轢が発生してでも
試行錯誤しておられる訳で。
そうそう。スタッフは仕事で来ているけど、庵野さんは仕事じゃない(笑)。
— つるが舞 (@tsuruga_mai) 2023年4月1日
芸術家としての自問自答をそのまま撮影現場に持ち込むので、早く終わらせて一杯やりたい人達と衝突する……答えを出すための材料作り、試練……そうした原始的な世界に連れられてしまう。
これを気の毒と思うか、経験と思うか
俺はもっと早く投げ出して帰ると思ってたけどまさか庵野に謝罪をさせるとはね
— リキ (@J8gclLExQkt6t3e) 2023年4月1日
呆れた野郎だよ
そして…
シンエヴァドキュメントの時も思ったけど自分の中に勝機を見い出せないまま作り始めて周りの人間の献身を費やして自分の欲しい答えを削り出していく手法、見てるだけでもうしんどいわぁ
— ROBOCOLLE (@ROBOCOLLE) 2023年3月31日
本人が一番しんどくないですかそれっていう
— ROBOCOLLE (@ROBOCOLLE) 2023年3月31日
そして…
シン仮面ライダー撮影現場、庵野秀明監督のこだわりも分かるけど俳優達もこんな感じで内心キレ気味だったと思うと辛いな…
— シン・ゴジライアンさん (@555godzilla) 2023年4月1日
pic.twitter.com/B6iLbXsWNB
そして…
庵野監督の作り方を現代のコンプラ的なあれに抵触しない形で吸収する制作体制の可能性について考えてたけど、参加スタッフに昨日のドキュメンタリー見せて「こういうことが起こりますのでご納得の上サインを」みたいなやばい契約書作るアイデアぐらいしか思いかなかった
— さめぱ (@samepacola) 2023年3月31日
あとは●回リテイクくらうごとに関係スタッフに無料ハーゲンダッツが提供される仕組みの構築とかですかね
— さめぱ (@samepacola) 2023年3月31日
『無限リテイクだけどうちで仕事すれば実績になるよ』の最上位版で実際に実績になるhttps://t.co/CdHzbJX7wW
— APLEX (@rIrP8WdnMKB39zq) 2023年4月1日
そして…
庵野監督の現場、「答えの方向性を教えてくれないのに胸の内に確固たる答えを持っている上司」を相手に正解を導き出すためのあの職業人の胃キリが冴え渡っていてTVを観ながらリアル胃キリが...... しかしこれが「通る」のが凡百の民間企業とは異なる芸術・創作の分野なのだ......... ひぇぇ......
— 結騎 了 (@slinky_dog_s11) 2023年3月31日
スティーブ・ジョブズが同じ様な存在だったらしいですね。なので当然現場は死屍累々の有様に…https://t.co/J7WU1fztPj
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年4月1日
そんな感じで以下続報…