とりあえずの初太刀。まだまだ解析は始まったばかり…
今回の投稿の発端は以下のTweet。
「席ガラガラで草」ジブリ新作『君たちはどう生きるか』宣伝なし“スラダン手法”も「爆死必至」 #ldnews https://t.co/KeamL3oIWu
— ゾルゲ市蔵 (@zolge1) 2023年7月18日
公開前の記事だが、こういうのも記録しておきたい。この悪意はどこから来るのだろうか。
そして…
「君たちはどう生きるか」がどんな映画かサッパリ判らなくてもまあまあ大丈夫だって
— 平野耕太 (@hiranokohta) 2023年7月12日
あの宮崎駿だよ?
多分宮崎駿と押井守が2時間殴り合うだけの映画でも
だいたい面白い映画にするって。
これあれだ。宮崎駿「この世界の真実が見えるサングラスをかけろ」押井守「いやだ」で数十分揉み合うやつ。https://t.co/8Wv9i8TJt4
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年7月12日
そして…
#君たちはどう生きるか 。とりあえず1回目鑑賞。ネタバレにならない程度に事前予測の答え合わせをしておくと「世界の真実が見えるサングラス」は登場しなかった。そこは「魔女は血で飛ぶ」つまり「魔女の宅急便」オマージュになってた。 https://t.co/kwiEX4IqOP
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年7月14日
おお、使って良い開示情報が増えたよ。やったね、たえちゃん‼︎ https://t.co/5Bci0qE5jh
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年7月14日
本当に助かります。 https://t.co/ZrtPaEYLZS
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年7月14日
「普段は何処へも辿り着かない」米津玄師の曲、「シンウルトラマン」主題歌「M87」では無限遠点に「君たちはどう生きるのか」主題歌「地球儀」では「辺獄(リンボ)=少なくともここではない何処か」へ到達する模様?https://t.co/F4o0V0T3Ti
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年7月14日
カソリック教学の定める「辺獄(リンボ)」概念は概ね「神の定めた救済手順を溢れ落ち(この時点で天国行きの可能性消失)、かつ地獄に落ちる謂れもない人が死後行く場所」とされる様です。洗礼前に死んだ幼児達、そして「独特のダンディズムから神に背を向けた」ロマン主義者達…https://t.co/iEqyww5MON
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年7月14日
予定説に立脚するプロテスタント教学はさらに困った事態に。彼らはしばしばキリスト教原理主義的立場から「(キリスト教倫理と無縁な魂の救済手段としての)辺獄的なもの」の実在を否定しますが、それは「キリスト教と無縁な魂一切の救済可能性の否定」でもあるので…https://t.co/JTWFvklJUn
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年7月14日
この話には「キリスト教学とロマン主義論理のアルマゲドン」という側面も? https://t.co/Iv62F9Powh
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年7月14日
キリスト教学的には「あの花」ばかりか「鬼滅の刃」「不滅のあなたへ」の「日式輪廻転生展開」がこれまたやばい… https://t.co/Hn6Ibu1pIi
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年7月14日
その大源流はハイネのタンホイザー論にまで遡るとも。教皇がただひたすら歌人タンホイザーへの赦免を拒絶し抜くのも、彼が本質的に漂わせる古代異教の神々の冥府や妖精郷の匂いゆえ…https://t.co/qNCzT1TX2h
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年7月14日
こうして全画像を俯瞰してみるとキリスト教学的世界観が辺獄(リンボ)概念の何を恐れてきたか次第に明らかになってきます。「そこに到達する為の鍵」であり、かつ「そこから犠牲者の心に届く呼び声」としてのエロティズム…そうゲーテ「コリントの花嫁」に登場する吸血鬼ちゃんが備えてたアレ。 https://t.co/lhOU64qtmO
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年7月14日
流石にこれ以上踏み込むとネタバレ必須…とはいえ #君たちはどう生きるのか については「完全に置き去りにされた」感想があまりに多く、まずはそうならない為の最低限の観測モデルの伝授から。https://t.co/ew9id8IO1s
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年7月14日
①この作品に既存の物語文法を直接当て嵌めて解釈しようとするとあっという間にオーバーフローします。そう「既存の物語文法」なるものカレー粉の様なもので、それさえあれば大半のカレー料理が再現出来ますが「カレーの味が定まる以前の世界」へは踏み込めません。まさしく「宮崎駿監督作品の原液」。
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年7月14日
こういう「作品そのものというより、作品を産み落とす作者心理の追跡(相手側は多様な手口を用いて執拗なまでに繰り返し振り落としを仕掛けてくる)」を味わうには、追跡側も「シンクロの為の自他境界の放棄」なる荒技が必要となります。 pic.twitter.com/QeLgJ0HshP
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年7月14日
「汎用性ある記号化に失敗し続けるクトゥルフ的状況が繰り返される」類例としてはカート・ヴォガネット「スローターハウス5」とか…https://t.co/139VbkSiLF
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年7月14日
イングリット・ベリーマン監督映画「ファーニーとアレクサンデル」とか。https://t.co/E0MOcPHUfz
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年7月14日
まぁ一応、こっち系の感想とも絡んできますが、実はそもそも母の死因も戦災そのものではないし、あくまでそれや「愛する人との死別」が直視出来ないでジタバタする系の作品ではありません。よってこのアプローチは鶏肋で深追い厳禁かも? https://t.co/dperVMSuD9
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年7月14日
②ここで「有望そうな第二のアプローチ」として急浮上してくるのが「辺獄(リンボ)とのリンクを成立させたり切断したりするエロティズム強度の推移」。#君たちはどう生きるか では特に「宮崎駿監督のマザコン要素」が鍵に。 https://t.co/MB6bQOPTX0
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年7月14日
まぁ多くの人間が気付いてますが、実は「辺獄と現世を結ぶエロティズム」というと21世紀では「あえて神の用意した救済に背を向ける」新海誠監督映画のロマン主義の方が優勢という見方も? https://t.co/u70QVZe5LU
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年7月14日
そう「青空より陽菜がいい。天気なんて狂ったままで構わない(天気の子)」「死なんて全然怖くない。全部ただの運だもの。ただ草太さんのいない世界に生きるのが怖い(すずめの戸締り)」というアレ。しかし真人君の「母への渇望」は、ここまで強い表現に至る事はないという… https://t.co/RcUtJNOfiQ
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年7月14日
この限界は「ハウルと動く城」におけるソフィーの選択とも重なってきます。「私達はこう生きた。#君たちはどう生きるか 」でタイトル回収?https://t.co/v3cR0cz6Mb
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年7月14日
新海誠監督映画も最初から「あえて荒野に足を踏み出す」ロマン主義作家だった訳でもありません。「言の葉の庭(2013年)」における孝雄と雪野の関係は「明示的には」一線を越える事なく「君の名は。(2016年)」も全体像を成立させてたのは母二葉の自己犠牲…https://t.co/4VXiUW41BX
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年7月14日
そもそも21世紀の様にエロティズムへの渇望が「それだけで」辺獄への道が開くほど強くなかった20世紀、道先案内人となっったのは数々の道化達…https://t.co/2BYXNODhi3
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年7月14日
例えば「ビートルジュース(1988年)」におけるペテルギウス。まぁこの作品における辺獄(リンボ)は(平田篤胤の霊界論の如く)現世とピッタリ重なり、地縛霊とか(召喚者に奉仕する)浮遊霊なんてのまで登場する独特のティム・バートン世界ですが…https://t.co/12hauiQh27
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年7月14日
「すずめの戸締り(2022年)」「君たちはどう生きるのか(2023年)」に登場する辺獄(リンボ)とこの界隈を跋扈する(ダイジンや青鷺の様な)道化イメージの源泉は「パイレーツ・オブ・カリビアン ワールドエンド(2007年)」とキャプテン・ジャックスパロー(ジョニー・ディップ)では?https://t.co/8oHqoTb5ol
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年7月14日
ちなみにジョニー・ディップ、キャプテン・ジャックスパロー船長のキャラ造形に際してストーンズのギタリストであるキース・リチャーズを大いに参照し、この作品では父役として共演してたりもします。https://t.co/nIzxvnL83j
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年7月14日
ああ、はからずしもこれが正解に? https://t.co/p1JWdsfSUE
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年7月14日
なるほど、当事者の感触はそれ? https://t.co/M154UYCv9c
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年7月14日
補足。この部分の分析は正直甘かった… https://t.co/BVXNH5ijPJ
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年7月14日
なるほど、こういう分析も。ちなみに「先妻が死んで妻のいもうとが後妻になる」展開は「ダーバビル家のテス」含め英国サスペンス味があって日本の戦前小説でもちらほらと?要するに結婚が「家と家を結ぶ手段」だった時代の常套手段… https://t.co/8gSq5EWRZC
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年7月14日
ここも上掲の分析が甘かった箇所。 https://t.co/QinvRysllo
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年7月14日
「私小説的要素を第一基底には選ばない」と宣言しても「(辺獄への道が開くほどの)母へのエロティズム的固着」への言及までは避けられないという… https://t.co/0R3GqsMDRk
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年7月14日
なるほど「パンツが脱ぎ切れてなかった」? https://t.co/6zKvZ4bRvT
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年7月14日
確かに変に人格を分割し過ぎてる感がある?そして主人公真人以外の男性視点が登場しない違和感… https://t.co/qD9pdijM9N
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年7月14日
こういう考察も。 https://t.co/8T8DjAyQWf
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年7月14日
補足。そうか、ここでいう「創作の基底を為す「何かが本来あるべき姿から逸脱していく様子が根本的に抱える不気味さ(辺境(リンボ)概念のさらなる大源流)」」って… https://t.co/ydKJ6pKGRK
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年7月15日
その大源流にはデビット・リンチ監督映画「イレーザー・ヘッド(1977年)」とか現れてくる訳だ…https://t.co/gsxEJa2oo8
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年7月15日
で、この「誕生、人間が経験する最初にして最大の凄まじきもの」を、現代人には考えられない原液濃度でエンターテイメント・フォーマットに落とし込んだ伝説の怪作が同監督映画「エレファント・マン(1981年)」という…https://t.co/igKEb69Bfd
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年7月15日
そして…
『#君たちはどう生きるか』を観た人の感想で「『パプリカ』みたいだった」という意見をいくつか見たけど(確かに”悪夢的な映像表現”が似てる?)、安藤雅司さん、井上俊之さん、井上鋭さん、鈴木美千代さんなど『パプリカ』に参加したアニメーターが結構多いので、その影響もあるかもしれない。 pic.twitter.com/bqa08nynfM
— タイプ・あ~る (@hitasuraeiga) 2023年7月15日
むにょむにょした感じがまさに
— ぎろすけ🦋 (@akadaruma) 2023年7月15日
こっちの投稿でもした話ですが「作品そのものというより(抵抗を振り切って)作者心理に踏み込む(発表されたイメージの雌型を探し当てる)冒険譚」という意味で同型なので… https://t.co/zPFmKz6ICS
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年7月15日
明らかに「パプリカ」の影響を色濃く受けたクリストファー・ノーラン監督映画「インセプション」も同型作品で「君たちはどう生きるか」も、この作品における「人のインナーワールドに潜り込んでその本質を探り当てる潜り屋」になった気分で鑑賞すると分かりやすい?https://t.co/tbMtGDHVKw
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年7月15日
そんな感じで以下続報…