「もし神が全能だったら、どうしてこの世には悪が存在するのか?」なる歴史的設問。
今回の投稿の発端は以下のポスト。
なんかラノベ作家が全知全能の神がいるなら世界になぜ悪は存在するのかという進学的には初歩的な問いをドヤ顔でしていたので「ヨブ記読めや」って顔になった
— 相田紘一 (@aida_kouichi) 2023年8月17日
ちなみに旧約聖書のヨブ記をいちいち読んでる暇がない人のためのヨブ記解説atWikipedia版!
— 相田紘一 (@aida_kouichi) 2023年8月17日
神ひでーなーとは思うものの、筋が通っているのでさらに酷いhttps://t.co/sGIO6VU4SI
悪を「善の欠如」という神学的な立場も知らねぇんでしょうねぇ
— アオミドリ (@Aomidori2021) 2023年8月17日
汎神論的な神観ならこの世に悪があるのはなおさら当たり前ですしね>善も悪もこの世の全ては神の無限態様の顕れでしかない
それは思いましたねー……サタンも神の被造物であり計画のうちなのだ、ということを組み込んだ上で「そんなもん作んなよ」というのが彼の立場ぽいですが、あいにく神学というのは極めて古い哲学のひとつなのでそれで蹴飛ばしていいものではないという。
— 相田紘一 (@aida_kouichi) 2023年8月17日
旧約聖書だとなおさらそうですしね>サタン(サマエル)は人を試すために「人を悪に誘う」神の被造物であり奉仕者である天使
— アオミドリ (@Aomidori2021) 2023年8月17日
ほとんどの無神論者の一神教批判って神学ではとっくに反駁済みという
浅学など素人で申し訳ないんですが万能なのになんで人を試すんですか?あと何のために試すんですか?
— ディーン藤岡弘 (@seuji01NFT) 2023年8月17日
そこら辺突き詰めると自由意志論とか神学の話になってくるんじゃないかと
— アオミドリ (@Aomidori2021) 2023年8月17日
へーそうなんですね
— ディーン藤岡弘 (@seuji01NFT) 2023年8月18日
宗教的にはあまり突き詰めるものじゃないって感覚ですか?
いや、突き詰めすぎて常人が把握できる量を超えちゃってるかなと
— アオミドリ (@Aomidori2021) 2023年8月18日
なんかそう言われると一生分からなさそうです笑
— ディーン藤岡弘 (@seuji01NFT) 2023年8月18日
難しいんですね🤔
あ、でもこんな事言っちゃったら不信心者になっちゃうんですかね
— ディーン藤岡弘 (@seuji01NFT) 2023年8月18日
厳密には不信心者じゃない人間なんていないんじゃないすかね?
— アオミドリ (@Aomidori2021) 2023年8月18日
確かにそうですね
— ディーン藤岡弘 (@seuji01NFT) 2023年8月18日
でも敬虔な信徒の方ってどんな人なのかちょっと興味出ました
あれ?自由主義神学の祖はマイモニデスでは?
そして…
ええええ、紀元前のそこ(神は人間には分からない)をとっくに乗り越えてのライプニッツの18世紀の疑義からの話だろうに。いくらなんでもありえない態度だろう。 https://t.co/wyimTPnMwN
— 浅井ラボ@されど罪人は竜と踊る24(2023年2月17日発売) (@AsaiLabot2) 2023年8月17日
ただまぁライプニッツの神義論自体は「リスボン大地震(1755年)」を契機に崩壊し、ヴォルテールらの理神論(この世界を創造したのが神だったにせよ、以降は放置プレイが続いてるという考え方)」の時代が始まる訳ですが。https://t.co/jnFSIfpL0N
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年8月17日
ちなみに新海誠監督映画「すずめの戸締り」で、鈴芽さんが叫ぶ「死ぬのなんて怖くない。誰が生き残るかなんて、結局は運に過ぎないんだから」が、まさに当時のヴォルテール「カンディード」の主題。それまで欧州で支配的だった公正世界仮説が一撃で吹き飛んだ瞬間でした…https://t.co/zqxmkgibys
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年8月17日
ある意味「勧善懲悪の結末に至らない残酷物語」の嚆矢とも?https://t.co/3d5enOdr2D
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年8月17日
で、かかる容赦なき残酷譚の系譜は、サド侯爵「ジュスティーヌ美徳の不幸」を通じて…https://t.co/zkPpcgniZU
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年8月17日
ワーグナーの影響を色濃く継承しつつ古典的音楽形式を細部まで徹底した現代歌劇「ヴォツェック」に結実する展開に。https://t.co/UiUAUoTmAG
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年8月17日
そして「ヴォツェック」といえばK.W.ジーター「ドクター・アダー」。
そして…
神義論=「神がもし無謬なら、どうしてこの世界に悪が存在するのか」なる神学的問いについては… https://t.co/O7ECoaZCbi
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年8月18日
実は「ガザーリーの流出論」が中世地中海世界の最終回答という側面があったりして。これはプラトンのイデア論の応用で「神の摂理そのものは無謬だが、流出の過程で矛盾が累積し、最後には正反対の悪まで登場する」という考え方。イスラム教圏で完成した思想ですが、絶対王政フランスとかに伝播したりも… https://t.co/jGXflIHFKV
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年8月18日
ここで興味深いのが19世紀におけるガウスの「誤差関数」発見。莫大な量の天体観測データからガウスは「測定は必ず誤差を伴う」という結論に到達し、その数理に関する最初の基礎付けを行ったのです。ただし当時のガウスら科学者の観測対象は天体の軌道…https://t.co/lZSSQ8TlSJ
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年8月18日
すなわち歴史のこの時点ではむしろ「ガザーリーの流出論」は、かかる厳格な実証結果を得た頂点を極めたといっても良いくらいだったのでした。しかしやがて統計学の分野に「分散」の概念が登場。「全てを確率論的には考える」量子力学同様、現代科学の支柱となっていったのです。…
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年8月18日
そして時は21世紀。最先端の話題は #ChatGPT の様な大規模言語モデルを生み出した「分布意味論」をどう発展させるか。①(それぞれ異なる確率や倍率を持たせ得る)因子の組み合わせ数が人間の脳細胞数に近づいたり、それを凌駕する様になると妥当性が飛躍的に向上。https://t.co/J75lQ6XAdn
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年8月18日
どうやら「人間の思考様式」は、少なくともその一部分がこの方式で数理的にエミュレート可能ではないかという可能性が出てきた。②ならばこのプロセスにおいて「神の無謬の叡智の流出」は、どの様に射影されるべき内容なのか? 考えれば考えるほど厄介な領域に踏み込む事に…
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2023年8月18日
そんな感じで以下続報…