そもそも英国における「郷紳(ジェントリー)」とは一体何者か?
今回の投稿の発端は以下。
ああ……英国貴族のことを調べてると、確かに「貴族はメイドに手を着けることもあったけど、できた子供は『母親の身分』に縛られる(父親が貴族であっても、メイドの子は労働者階級になる)ので、親子ともども追放されるのが常。ロマンスはなく、貴族の遊びだった」が出てくるので……うん……。
— ひびき遊@ライトノベル作法研究者 (@hibikiyu_) 2022年9月1日
つまり貴族からするとただの遊びなんだけど、メイドのような使用人は外界から隔離(屋敷から基本、出られない)されているので、情報がなく。
— ひびき遊@ライトノベル作法研究者 (@hibikiyu_) 2022年9月1日
「自分だけは違う」「旦那様or坊ちゃんに本当に愛されてる」と思いながら過ごした、らしい。
娯楽として、貴族とメイドが結ばれる大衆小説が売れたとか。
つまり、かつての英国では「貴族に見初められての成り上がり(玉の輿)」は存在せず――貴族は貴族どうしで結婚してたわけですね。
— ひびき遊@ライトノベル作法研究者 (@hibikiyu_) 2022年9月1日
そもそも英国は「女余り」だったそうで、だから使用人の大半はメイドさんだったんですよ……。
そしてメイドが結婚すると仕事やめるので、結婚させなかったらしい;
私は英国貴族に関することしか調べてないんだけど、英国では事情が特殊で「相続権は長男に限定、次男以降は自立させる(財産が減るのを防ぐため)」というのがあったらしく……その考え方も、もしかしたら大きかったのかも。
— ひびき遊@ライトノベル作法研究者 (@hibikiyu_) 2022年9月1日
結婚についてもかなり面倒で、結婚式を何回かやって周りに認めさせたとか?
まあ諸々考えると、貴族視点からの「いい女」というのは……「飾りとして傍に置いておくと見栄えのする女性」なのかな、という感じですね。
— ひびき遊@ライトノベル作法研究者 (@hibikiyu_) 2022年9月1日
その見栄えには「血筋」も絡んでいて……いや、もう、そうなると「めっちゃ美人のメイド」であっても、生まれが貧しいと貴族のお手つきで終わるわけですよ!!
現代日本の我々の感覚からすると「女王陛下のために」とか、ただのファッション的な受け止め方がありますが……英国貴族はおそらくガチですわ。マジで「陛下のために死ねる」「光栄」とか思ってる。
— ひびき遊@ライトノベル作法研究者 (@hibikiyu_) 2022年9月1日
それは自分の中に流れる血が、本当に「特別なもの」だと思っているからですね。
ちなみに貴族は手袋をよくしてるイメージありますが、あれは「私は手が汚れる仕事をしません。だからこんな白い手袋を装着できます」アピールだったそうで……いかに「自分は働かない」「働かずに食べていける財産を持つ」「汚れたら使用人にやらせます」というのがステータスなんですわ……特権階級!
— ひびき遊@ライトノベル作法研究者 (@hibikiyu_) 2022年9月1日
紳士がなぜステッキを持つのか。
— ひびき遊@ライトノベル作法研究者 (@hibikiyu_) 2022年9月1日
別に、足が悪いわけじゃないです。
あれは「ほら、自分の手はステッキを持ってるので、それ以外のものを持つことはできません~」アピールだったそうで……ファッションですね!!
貴族はずっと「どうやって他の貴族より裕福か」を見せることばかりやってたみたい。
なんでそんなことしか貴族はやってなかったのか。
— ひびき遊@ライトノベル作法研究者 (@hibikiyu_) 2022年9月1日
……働いてないから、他にやることなかったそうで(笑
一日に四回は着替えたそうですよ……。
なぜ?
着替える時間があったから。
そして、いくら服が汚れても、メイドに洗わせればいいんですよ!
しかし貴族の娘も大変で……メイドなんかはライバルにならないんですが、財産は男が継ぐので、女には基本回ってこないんですよ。
— ひびき遊@ライトノベル作法研究者 (@hibikiyu_) 2022年9月1日
なので「いかに良家に嫁ぐか」がすべてであり、そのためにはまず、王室での挨拶を済ませて「社交界デビュー」しなきゃいけない。
その社交界で、いい男をゲットですわ。
こういう状況で、下働きしている「若くて見た目が美しいだけの女性」が貴族の長男と結ばれるかというと……まず、無理だったと思う。
— ひびき遊@ライトノベル作法研究者 (@hibikiyu_) 2022年9月1日
他国の音楽家やダンサーとかで、愛人となって潜り込んでくる女性は、そこそこいたはずですが。
シンデレラストーリーはフィクションですわ!!(夢も希望もない
スパダリ全否定でござる!
— 駆威 命@ホラー系で本出してる人 (@kakei_mikoto) 2022年9月1日
世の女性たちがひびき先生を襲う…!!
貴族に生まれなかったのが悪いのだよ……。
— ひびき遊@ライトノベル作法研究者 (@hibikiyu_) 2022年9月1日
ここに乱入。
ダーバビル家のテス「予備扱いされたのに腹が立ち、下の階の天井が血で真っ赤に染まるほど色々やってしまいました(詳細不明)」。ジェーン・エア「まぁ、なんて野蛮な‼︎恋仇はウェルダン、思い人はミディアムレアに焼いて、甲斐甲斐しく看病するのです‼︎」
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年9月1日
海外ネットの女子アカウントが「もしジェーン・エアがハルヒみたいな自己願望充足系のエスパーだったら?」というネタで大喜利してたのを見たけど、ガチゴシックホラーに。特に思い人の膝の上にデンと座って「ずっとこうしたかったんですの、愛しい人」と耳元で囁く場面はまさにシャンブロウ…
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年9月1日
魔女化したジェーン・エア「何をおっしゃるウサギさん!確かに一時的には感情に任せて両目の視力を奪ってしまったけど、後で片方は返してあげたじゃない!」
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年9月1日
大喜利やった海外女子の結論「ハルヒが自分の能力について知ったら世界が終わるはガチ」。まさしく「一瞬にしてソウルジェムが真っ黒に」状態?
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年9月1日
そもそもトマス・ハーディ「ダーバヴィル家のテス」事態が「英国貴族の結婚事情の暗黒面のデパート」みたいな感じで当時滅茶苦茶不評だった模様。https://t.co/XToRK9MBf8
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年9月1日
しかし考えてみれば「例外こそファンタジー」。「高慢と偏見」における「青年資産家ビングリーと友人ダーシー」然り。「ジェーン・エア」におけるロチェスター伯然り。https://t.co/YkqOJ9ryFM
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年9月1日
フランス貴族制度と違って英国貴族制度が生き延びたのはジェントリー(郷紳)制度の柔軟性とも。ただし何故か「植民地」と「牧師」の話が絡むという…https://t.co/UwqEe2dZLp
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年9月1日
で、スティングみたいに「城をスタジオがわりに買ったら領民がついてきた。あまりに面白い状況なんで歌ってみた」なる珍展開まで…https://t.co/Hp8bcrGWn0
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年9月1日
この曲で、まさに撮影場所が「その城(全体の雰囲気はどちらかというと屋敷)」。
歌詞の和訳を試みた人間の多くが「難解」と匙を投げる「フィールドオブゴールド」ですが、メーキングビデオでは「基本、領主の側からの領民観察日記」と自ら語ってるし、実際そのインタビューも「書斎から見える敷地内の農作業」を背景にしてのものだったという…https://t.co/v0aBBhbsRB
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年9月2日
いや観察日記とも違って「領主と領民の関係について色々思いを馳せてみた」というのが正解?
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年9月2日
この曲を読解するには、まず似た様な「(ギリシャ古典)擬人化された自然観」と比較すべき?
そのうちこの観点からの「Fields of Gold」再翻訳といかに挑戦したいです。そんな感じで以下続報…