フランス近代化にとってフランス革命とは…
今回の投稿の発端は以下のTweet。
「デフォルメして描くのは良いし個人で楽しむのは大いに結構なんだけど広告として堂々と未成年や見たくない人の目に入る公共の場に出すのはやめよう」 pic.twitter.com/zFrudVMwuj
— 諸葛 均 (@policedoog1971) 2022年8月29日
「何が広告で、何がゾーニングで許されるかは(お前の心には全く届いておらず、それ以外の全員の心には完全な形で届いてる)普遍的が決めるのだ!どうしてそんな基本的な事も分からないの?さーて、何が出るかな?何が出るかな?おや残念でした。
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年8月29日
何をやっても全部駄目です。一刻も早く全部削除しな!」
かつてこの手の人に「それでフランス革命とナポレオン戦争で国民の1/5、クメール・ルージュ政権下で国民の1/3が死んだんですが?」と指摘したら「そんなの、そいつらの覚悟が足りなかっただけでしょうが!もし百倍、いや1万倍要らない奴らを的確に始末出来てたら?」みたいな事を言われた事が。
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年8月29日
「それくらいの対価、それでナチスの脅威から完全に無縁な誰もが笑って暮らす社会が実現すると思えば惜しくないでしょうが」みたいな勝利宣言をされましたが、あまりに想像力が足りないというか、なんというか…一応海外ネットでの話ですが、日本ではどうなんでしょうね?
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年8月29日
おそらく中南米系の十代の少女で、最後に投稿してスナップ写真では暴動みたいな騒ぎの真ん中で黒焦げのリムジンによじ登って嬉しそうに黒旗を振ってましたね。まさしく「この世には救えないものがある」と思い知らされた展開…
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年8月29日
そもそもフランスやドイツみたいな震源地では「本格的産業革命導入に先駆けた前近代的遺制の撤廃」の様な重要な意義のあった1848年革命だって東欧やオスマン帝国領内に伝播する過程で単なる不毛な民族紛争に堕していった様に…https://t.co/yVxa9rz5h9
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年8月29日
政府から妥協を引き出す事に成功したスペイン「15M運動(スペイン)」「ひまわり運動(台湾)」をむしろ恥とし「Do You Hear the People Sing?」を合唱しながら玉砕していった「ウォール街占拠(ニューヨーク)」「雨傘運動(香港)」「タクスィム広場占拠(トルコ)」から派生して…https://t.co/CdEW0cUdmK
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年8月29日
BLM運動や第四世代フェミニズム運動の暴動化を裏で煽り続けた「国際的無政府主義者」の策動の末端もまたそんな有様だったという話。さてこんな展開日本人の誰が輸入を望んでいると?https://t.co/ww3rf04OvK
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年8月29日
アメリカが都市部の「反トランプ派」とそれ以外の「トランプ派」に分断してしまった様に、タイでもポピュリズムで地方を牛耳るタクシン派と都市ブルジョワ層が対立。議院内閣制の継続が不可能となり軍事政権へ移行。まさしく「板子一枚下は地獄」の世界…https://t.co/gXQiuq4RuP
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年8月29日
ナポレオン戦争下、ジェーン・オスティンが(ラドクリフ夫人らのゴシック小説におけるフランスの大義名分主義に対抗する)英国の正義とした「白でも黒でもない灰色の世界」を守る戦いが益々重要になってきた気がしてなりません。https://t.co/YkqOJ9ryFM
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年8月29日
長文失礼。実はこの種の新左翼運動リヴァイヴァル、国際的に「未来を花束にして(Suffragette,2015年)」公開頃にもピークがあったものの、当時は日本への影響も限定的で幸いそんな大きな騒ぎにならずに済んでるんですね。その頃にも同じ様な話をしてたりして…https://t.co/HRUjmZXqm4
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年8月29日
これへの追記。
個人的メモ。日本のブルジョワ左翼はフランス革命を理想視してその現実を分析しようとしない。そもそもフランス革命はラファイエットやミラボーの様な自由貴族と王統交替を狙う王族の党争として始まり、当初は立憲君主国への穏健な移行を志向。https://t.co/R5xoeh6Rcs
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年8月29日
そういえば「開明貴族」なる呼称がありました。
「立憲君主派」にとってのケチのつき始め。
「穏健派」にとってのケチのつき始め。赤旗が階級闘争のシンボルに用いられる契機となった。
とどのつまり前者がフランス革命宣言制定や球戯場の誓いで成果を挙げるのに対抗する形で、オルレアン公の私邸パレ・ロワイヤルから「バスティーユ牢獄襲撃隊」や「ベルサイユ行進」が進発したとも見て取れる展開。ただしかかる党争、たちまち両者に制御不能な方向に加速。https://t.co/E3VnLLoY1j
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年8月29日
そう、革命戦争遂行の必然性から兵士供給階層たる「無敵のプロレタリアート」サン・キュロット(浮浪小作人)層の発言力が増し、彼らの支持を取り付ける為にジャコバン派が王侯貴族や資産家階層の殺戮に着手したのである。https://t.co/myYIqXyGB9
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年8月29日
そう、革命戦争遂行の必然性から兵士供給階層たる「無敵のプロレタリアート」サン・キュロット(浮浪小作人)層の発言力が増し、彼らの支持を取り付ける為にジャコバン派が王侯貴族や資産家階層の殺戮に着手したのである。https://t.co/myYIqXyGB9
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年8月29日
結局、ジャコバン派はロベス・ピエールら「殺戮命令側」とジョゼフ・フーシェ、ポール・バラス、ジャン=ランベール・タリアンら「殺戮遂行側」に分裂して内ゲバ状態に突入。後者が勝利して革命が終わった後も混乱が続きナポレオン戦争終了までに実に国民の1/5が死亡。https://t.co/gxZb0vs3Oj
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年8月29日
その間にサン・キュロット階層は戦死するか恩寵によって自作農化し「選挙毎にボナパルト家を勝利させる集票マシーン」に変貌。一方、その一方で国土が細分化されて大規模農業の遂行が不可能となったフランスはほぼ欧州最貧国状態に転落。https://t.co/9kMqtFhaRb
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年8月29日
(記憶が正しければ)ハンナ・アーレント曰く「人間の平等実現を最優先課題とした政権は悉く自滅した」。それでは皇帝ナポレオン三世がフランスをこの状態から立て直し、産業革命導入まで成功させた秘策とは?何より重要だったのが原資の調達…
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年8月29日
なんと皇帝ナポレオン三世はそれを「フランスが過去敵対してきた相手」から調達してきたのです。フランス革命で粛清されたジロンド派の地盤たるボルドー財閥およびこれと手を組んでナポレオン戦争時代通称破りを慣行してきたイベリア半島由来のユダヤ人商人等…
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年8月29日
さらには「カソリックの守護者」としての体面から長年戦争を続け、かつ絶対王政時代に国外追放したユグノー財閥。そう対価として支払われたのは「過去のフランスの正義」一才合切であり、以降フランスはこれら経済面を牛耳る様になった外国商人等と…
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年8月29日
ブルジョワ化に成功した王侯貴族聖職者階層ら既存地税生活者の残党を含む既存特権階層の構成した「三百家」なる新興支配階層の寡占支配下に置かれる事に。そうこれが日本のブルジョワ左翼が理想視するフランス革命の現実…https://t.co/chtfgHlGSj
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年8月29日
模倣なら今日なお容易で、実際フランス留学生が恐る恐る試みてたまたま成功してしまったのがカンボジアのクメール・ルージュ政権。これで国民の 1/3が死にました。正義が実現しないのは、まだまだ犠牲が足りてないせい?
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年8月29日
繰り返し書いてる内容ですが、とにかく忘れてはいけないのは①「フランス革命を支配下に置いた」と誤認した勢力は悉く自滅に終わっている。②彼らはそれぞれ資本主義的秩序への勝利を宣言したが、最後に勝ったのはその資本主義的秩序。の2点。
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年8月29日
しばしば「フランスが19世紀中旬に欧州最貧国に転落したって本当?」という質問を受けますが、これは計算方法にもよる様で、私の計算の根拠になってるのは確か「零細化により精糖手段を失ったビーツ栽培農家の苦悩」で、それ自体は栽培物を鉄道でベルギーの製糖工場に送れる様になって大逆転。
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年8月29日
この辺り1848年革命前後を舞台としたフロベール「感情教育」に「砂糖農家が議会に代表を送ったって政治なんて出来やしない」とあからさまにビーツ栽培農家を侮蔑する場面とかあって、急進共和派はこの辺りの実経済を侮蔑する態度で没落したのだなぁと思ったりしたものです。
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年8月29日
これはボルドーワインが(フランス革命を生き延びた領主と小作人の協調体制たる)シャトー単位で、ブルゴーニュワインが(フランス革命当時の土地細分化政策の結果たる)ドメーヌ単位で(皇帝ナポレオン三世の時代まで遡る優遇の結果)前者が格上となったのは決して偶然ではないという事でもあります。
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年8月29日
「自分が勝ったと誤認した勢力は悉く自滅した」…個人に限れば「妖怪絵師」ダヴィッドとか「政治的人間」ジョセフ・フーシェとか「怪鳥」ラプラスとか化け物が幾らでも発掘される時代でもありますな。
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年8月29日
そんな感じで以下続報…