さて「赤匪」の正体や如何に?
今回の投稿の発端は以下のTweet。
ごく最近、「絵に描いたような文化資本のない東京の中小二代目」と「子どもを公立に通わせある程度まで普通に勤め人させて一人でも生きていけるように仕上げる地方の地主」みたいな強烈な対比に遭遇して目が潰れるかと思った。文化資本ってあるとこにしかないし、完全に階層で隔絶されとる…
— 橙⚡️ (@_0ranssi_) 2022年9月25日
二代目、生まれた時から金に困ってないので庶民感覚がなく、庶民同士が好きな菓子の話とかしてると「聞いたことない!」と言いに来て煙たがられる、親のクレカ持ってバックパッカー()した話を営業トークで平気でする、自分が始めた金のかかる趣味を部下にも強いるなど、本当にダメの見本市という…
— 橙⚡️ (@_0ranssi_) 2022年9月25日
地主の子は普通にパンピーに混じって働いてて金遣いも普通なので、10年以上友人をしてるが最近実家にお邪魔する機会があって初めて旧家の子だと知ったくらい地に足がついている。今度実家にポンと資本金出してもらっていよいよ起業するそうなのだが、こういう教育されてたら失敗しないよな…と文字数
— 橙⚡️ (@_0ranssi_) 2022年9月25日
金、本当に持ってる人は不労所得だし、継承させるための教育というアフターケアも完璧なのだ…としみじみしている
— 橙⚡️ (@_0ranssi_) 2022年9月25日
「生きていけるようにしてやる」という面も含めて「育ちがいい」なのよな
あと、そういう状況だといちどくらい起業に失敗しても即死はしないですよね……そここそがものすごいアドバンテージに感じる。
— 念波 (@nennpa) 2022年9月25日
そうなんですよね。そして何回でも遊べるドン!みたいな援助はしないぞということを言われてるらしく、徹底してるや〜と…
— 橙⚡️ (@_0ranssi_) 2022年9月25日
身代を食い潰すようなこともさせない…
でもまあ、そこはちょっとはリスク取るのもええんちゃうの、という気もします。そっちのが持ち前の資本力を活かせそう……って、でもそれもやってるのか。「本業の傍らでやる趣味の小さい事業」みたいな対外的説明のもとで……。
— 念波 (@nennpa) 2022年9月26日
人を雇うそうなので、ちゃんとやらねばならん、と意気込んでいますね。本体(実家)の方も、大きくできればそれはそれでみたいな考え方らしいので、多少のリスクは取らせてもらえそうとのこと
— 橙⚡️ (@_0ranssi_) 2022年9月26日
おおお、なるほど。強そうだ……!!
— 念波 (@nennpa) 2022年9月26日
そういう生き方が魅力的かどうかとかはおいといて、「資産ってシステムなんやな」と感心してしまった所存ですw
— 橙⚡️ (@_0ranssi_) 2022年9月26日
ここに乱入。
「革命に誘致するなら転落層」なる結論で有名な毛沢東の地域調査レポートでも「何世代も時代の変遷を経てきた本当の金持ちはあらゆる事態に備え、子供にもそういう教育を施しているから付け入る隙がない。貧困層は毎日を生き抜くのに必死で運動に割ける時間も金も精神的余裕もない…」
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年9月25日
「現体制下で一代で成り上がった新興富裕層は現体制への忠誠心が高い。一方世代継承意識がないから子供への教育はおざなりである」とまとめられてましたね。怖いのはそこからの「だから革命を一気に進めるには匪賊などをけしかけて日常インフラを破壊し、全員まとめて路頭に迷わせるべし」なる結論。
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年9月25日
さらには「その匪賊を騙し討ちにして討伐すれば共産党は彼らの忠誠心を勝ち取れる」と考えたけど、実践したら思うより現地掌握に成功して在地有力者に成り上がったタイプが多く、そういうのはそのまま地域支配を任された模様。ただし中華人民共和国成立まで生き残ったのは全体の2%未満だったとか。
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年9月25日
山川出版社の世界史リブレット、記憶が正しければ「二十世紀中国の革命と農村」の内容の要約。読んだのは随分昔なので記憶違いがあったら御免なさい。https://t.co/2KWpGp4nPP
— Yasunori Matsuki (@YazMatsuki) 2022年9月25日
とりあえず覚え書き。
- かかる「毛沢東の地域調査レポート(記憶が正しければ「毛主席語録」にそれそのものか要約を収録)」自体は若い頃の論文であり、かつその時代から中華人民共和国成立(1949年)までの毛沢東にこの考え方を中国共産党の基本方針に採用させるだけの権限は存在していなかった(相応の権力者として台頭してくるのは朝鮮戦争(1951年~1953年)以降という分析もある)事を忘れてはならない。
- それにも関わらず世界史リブレット「二十世紀中国の革命と農村(2008年)」には中国共産党が匪賊を一般市民に嗾けて破壊活動を行わせ、毛沢東がそれを「好ましいやり方」と絶賛する場面が収録されている。必ずしも毛沢東レポート由来とは限らず、内容的もどれだけ重なってるか不明だが、当時「共産党が匪賊を用いる」展開自体はそう珍しいものではなく、だから「中華人民共和国成立時点の統計で全体の2%くらいが匪賊出身」となったとは考えられる訳である。
また「マオ 誰も知らなかった毛沢東(2005年~2006年)」は長征(1934年~1936年)以前、すなわち全中国の共産主義勢力を江西省瑞金に結集させ中華ソビエト共和国(1931年~1934年)が建設される過程で「共産党幹部による支配地拡大作戦」が必要となり、毛沢東が自らの理論を試す機会を得た可能性について指摘している。
そんな感じで以下続報…